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INTERVIEW

2026.02.12

小倉 唯が“昭和歌謡に挑戦”!? 徹底したオマージュと遊び心が詰まったニューシングル「チョコレート・メモリアル」制作秘話に迫る!

小倉 唯が“昭和歌謡に挑戦”!? 徹底したオマージュと遊び心が詰まったニューシングル「チョコレート・メモリアル」制作秘話に迫る!

「もしも小倉 唯が昭和歌謡アーティストだったら?」――そんなifの世界が現実のものとなったのが、バレンタインシーズンに合わせて届けられた今回のニューシングル「チョコレート・メモリアル」。楽曲からジャケット、MVの衣装に至るまで徹底して“昭和歌謡”をオマージュしながらも、小倉 唯らしさをしっかりと表現した本作は、あらゆるスタイルの“かわいい”を追求してきた彼女の本領発揮と言うべきこだわりの一枚だ。モータウンビートの効いたレトロなサウンドと、小倉自身の共作による甘酸っぱい歌詞が融合したバレンタインソング、そしてキャンディーズの名曲「年下の男の子」のカバーに至るまで、懐かしくも新しい魅力が目いっぱい詰まった本作の制作秘話を本人に語ってもらった。

INTERVIEW & TEXT BY 北野 創

奥ゆかしい恋心を描いた“昭和アイドル風バレンタインソング”

――ニューシングル「チョコレート・メモリアル」は“昭和歌謡”をコンセプトにした作品。どういった経緯でこのテーマを選ばれたのでしょうか。

小倉 唯 以前に「YuicaII~もしも小倉唯がタイムリープしたら~」という私を題材にしたトレーディングカードで、昭和アイドルっぽいコンセプトの撮影をしたことがあったのですが、それがファンの皆さんにも好評で、スタッフさんたちとも「いつか“昭和歌謡”をテーマにした楽曲に挑戦するのも楽しそう」という話をしていたんです。そんななかで今回、バレンタインデーのシーズンにFCイベント(2月11日に開催される“Yui’s*company. 社員総会2026 ~甘い香りに誘われて♡~ with music by baladin pops”)を行うので、それに合わせてシングルにしたら面白いんじゃないかということで企画が進みました。

――満を持してのコンセプトだったわけですね。ちなみに、小倉さんは昭和歌謡や昭和レトロなものが元々お好きだったりするんですか?

小倉 いえ、私自体はそんなに詳しくはなくて。ただ、母は世代的に馴染みがあるので、私も人並み程度には触れてきたと思います。母は松田聖子さんが大好きなので、よく車とかで曲が流れていた印象があります。

――昭和世代ではない小倉さんから見て、昭和歌謡や昭和アイドルのどんなとこに魅力を感じますか?

小倉 音の作りにせよ楽曲の雰囲気にせよ、今とは全然違っていて、リアルタイムで聴いてきたわけではない私からしても、どこか懐かしい感じがしますよね。楽器の音や曲の構成にも、現代の楽曲とは違う魅力があるなと思います。あとは衣装だったりとか。

――やっぱり衣装やビジュアルは大きいですよね。話は変わりますが、以前に小倉さんが選曲した日本のアイドルソングのプレイリスト企画で、松田聖子さんやおニャン子クラブといった昭和アイドルの楽曲を挙げていましたよね。

小倉 あー、ありましたね。おニャン子クラブさんの楽曲は、私が声優の仕事を始める前の頃に、事務所のトレーニングの一環としてライブを頻繁にやっていて、その時に課題曲として結構カバーさせてもらっていたんです。曲のセレクトは完全にスタッフさんの趣味だと思うんですけど(笑)。それ以前から知っていたものもありましたけど、そうやってステージで披露する機会が多かったので、自然と詳しくなっていったところがあります。

――プレイリスト企画では、ゆうゆ(岩井由紀子)さんのソロデビュー曲「天使のボディーガード」なども選ばれていたので、結構渋いチョイスだなあと思って。

小倉 それも課題曲として自分が歌っていた曲です。昭和アイドルさんの楽曲は、その頃から、歌いながら今のアイドルソングとは違う魅力があるなと思っていました。

――そんなコンセプトのもと制作されたのが、今回の表題曲「チョコレート・メモリアル」ですが、小倉さんとしてはどんなイメージで制作を進めたのでしょうか。

小倉 楽曲を作るうえでは、ただそのまま昭和歌謡をやるのではなく、「昭和歌謡がモチーフでありながらも、現代の人も楽しめるもの」というバランス感を大事にしたいなと考えていました。今回はコンペで楽曲を決めたのですが、この曲は昭和っぽさと現代らしさのどちらの魅力も兼ね備えていて、なおかつどこか懐かしさも感じさせてくれる曲調だったので、ピンときて選ばせてもらいました。特に楽曲の始まり方やイントロの部分に、昭和のニュアンスを感じました。

――確かにイントロ部分はラジオ風に加工した音質になっていますし、いわゆるモータウンサウンド系のシャッフルビートがレトロな味わいを増しています。歌詞は、本楽曲の作曲・編曲も手掛けた本田正樹さんと小倉さんの共作ですね。

小倉 流れとしては、まず私が「チョコレート・メモリアル」というタイトルを提案させていただいて、そこから本田さんがイメージを色々と膨らませて書いていただいたものをベースにしつつ、自分の入れたいエッセンスを加えさせていただいて、最終的にまとめた形になります。大枠のストーリーに関しては本田さんが作ってくださって、そこに私が言葉の肉付けをしていきました。

――なるほど。ちなみに「チョコレート・メモリアル」というタイトルは、どういう発想で思いついたのでしょうか?

小倉 バレンタインのイベントに合わせた新曲でもあるので、“バレンタインデー”をテーマにしたかったのと、言葉としてもキャッチーな響きのものにしたかったので、その名の通りですけど“チョコレートの思い出”という意味合いのタイトルにしました。表記は英語とカタカナで迷ったのですが、やっぱりカタカナの方がわかりやすいですし、その方がジャケットにした時に昭和感が出るかなと思って、カタカナ表記にしました。

――歌詞の内容に目を向けると、まさにバレンタインデーのチョコにまつわる思い出が、相手にチョコを渡す勇気がなかなか出ない女の子視点で描かれています。そんな女の子を歌詞で表現するにあたって、小倉さんからはどんなエッセンスを加えたのでしょうか。

小倉 昭和のアイドルさんは喋り方や口調が特徴的な印象があるので、語尾や言葉遣いにちょっとお淑やかなイメージを加えて、奥ゆかしさみたいなものを表現しました。そこは今回の楽曲ならではのポイントだと思います。

――小倉さんの最近の楽曲は、元気な感じや “病みかわ”な女の子を描いたものが多かったですものね。ちなみにこの主人公の女の子像について、小倉さんはどのように受け止めていますか?

小倉 本当に一途でピュアな女の子ですよね。ちょっとおとぎ話に近いくらい(笑)。自分の“好き”を強要していないところがいいなと思います。自分の気持ちを大事にしていて、「例え両想いになれなくてもあなたのことが好きよ」というマインドがあるのは、相手に対して思いやりがある子なんだろうなと思いました。

――すごくいじらしい子ですよね。

小倉 サビの“「好き」のかわりに贈る ハートのひとかけらです”というフレーズも、相手に対して「好き」という気持ちをなかなか伝えられていないんだろうなって思うんです。その想いはチョコレートに込めました、という曲になっているので。そういう部分にも奥ゆかしさが感じられて、この子の人物像が浮かぶなあと思います。

――結局、この曲の中では相手からの返事はもらっていないわけですが、小倉さんとしては、どんな結末が待っていると思いますか?

小倉 どうなんでしょうね……? でもやっぱり、歌詞にもある通り“おなじ想い”だったらいいんじゃないかなと思います。

――ちなみに2020年のバレンタインシーズンにも、小倉さん自身が作詞したシングル曲「I・LOVE・YOU!!」を発表していましたが、今回の楽曲を製作するにあたって「I・LOVE・YOU!!」を意識することはありましたか?

小倉 世界観が全然違うのでストーリー的な繋がりは全くないんですけど、サビに“今日は(I love you) あなたと過ごす”という歌詞があって、そこは少しタイトルがリンクしているかなと思います。

――少し横道に逸れますが、楽曲のテーマにちなみ“チョコレート”もしくは“バレンタインデー”に関する思い出があればお伺いしたいです。

小倉 それこそ「I・LOVE・YOU!!」のリリース時期が、ちょうどコロナ禍になる直前の頃だったのですが、その時にギリギリでリリースイベントを開催できたのが印象に残っています。ファンの方たちにチロルチョコをお渡しして。

――小倉さん自身はチョコレート好きですか?

小倉 好きです。チョコレートの思い出といえば、写真集(「小倉唯写真集 ゆいとぴあ」)の撮影でフィンランドに行った時に、現地で食べたチョコレートがすごく美味しくて。ブルンベリというお店のチョコで、日本では入手が困難みたいなんですけど、もし行く機会があればぜひ食べてみてほしいです。

――楽曲の話に戻りまして、レコーディングではどんなことを意識して歌いましたか?

小倉 基本的にはこの女の子の気持ちになって歌いました。ストーリーや感情描写がしっかりと描かれていて、歌詞から自然とイメージが浮かんでくるので、想像しやすかったですし、歌いやすかったです。それと歌の伸びやかさや艶っぽさは、昭和っぽさという意味合いで、いつもよりも違いが出ればいいなと思って、気持ち意識していました。

――MVはどんなコンセプトで制作しましたか?

小倉 MVはストーリー仕立てになっていて、ブラウン管のテレビに映る昭和アイドルっぽい姿の私と、その子に憧れながらバレンタイン当日に向けて準備を頑張る私の2つの軸があるところが見どころになっています。

――“昭和っぽさ”と“現代”の対比という意味でも、目指していた楽曲の方向性とリンクする映像に仕上がっていますよね。特に今回の目玉となる昭和アイドル風の恰好になった感想をお伺いしたいです。

小倉 映像になるのは今回のMVが初なので、普段とのギャップもそうですし、映像的なインパクトというか破壊力が出せていたら嬉しいなあと思っていて。自分で観ても見慣れない感覚があって、自分だけど自分じゃないような、新しい自分を見ているような感じがして、すごく新鮮でした。

――自己評価は?

小倉 自分的には大満足です。これ以上なく素敵に仕上げていただきました。

――ちなみにあの聖子ちゃんカット風の髪はウィッグですよね……?

小倉 はい、ウィッグです。

――もう一方の、カフェで働きながら頑張る女の子の衣裳のお気に入りポイントはいかがですか?

小倉 あの私服の衣裳に関しても、昭和の女の子がしていそうなファッションを意識して衣装を選んでいただいたので、いつもと違った雰囲気があるのがいいなと思います。

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