2026年1月から放送が開始されるTVアニメ『幼馴染とはラブコメにならない』は、三簾真也による同名コミックを原作にしたラブコメディ作品。主人公・界世之介(通称:えーゆー)とその幼馴染である水萌汐(通称:しお)、火威灯(通称:あかり)をはじめとした幼馴染たちが登場し、彼らの間で繰り広げられる甘酸っぱい関係性が描かれる。そんな本作のエンディングテーマは小玉ひかりが歌う「あまのじゃく」だ。今回はそんな放送直前の本作から、原作者である三簾真也、主人公・界世之介役の浦尾岳大、エンディングテーマを担当する小玉ひかりの鼎談が実現。本作の印象や、各々が思い描く幼馴染の定義、そしてエンディングテーマである「あまのじゃく」について大いに語ってもらった。
INTERVIEW BY 澄川龍一
TEXT BY 林 信行
――まずインタビューを始める前に……三簾先生、改めてアニメ化おめでとうございます!
三簾真也 ありがとうございます(笑)。
全員 (拍手)。
――では改めて、2026年1月からTVアニメ『幼馴染とはラブコメにならない』の放送が開始されます。アニメ化が決まった際のお気持ちを教えてください。
三簾 最初にアニメ化のお話をいただいた時、放送は3年後と言われて目の前が真っ暗になったんですよ(笑)。当時コミックは3巻の発売前ぐらいで。でもそこから今日まではあっという間でした。
――放送を直前に控えた今のお気持ちをお聞きしたいです。
三簾 マンガ家を目指した時からやはりアニメ化は目標で、それだけで有頂天なんですけど……。制作中の映像を見た時は愛し続けてきたキャラクターが実際に動いているのを見ることができ、そのかわいさに感動しましたね。あの時はただただ嬉しかったです。とはいえ視聴者の皆さんがどう思うのかが一番気になるところではありましたね。
――視聴者の方々の感想が楽しみですね。ここで浦尾さんに原作を最初に読まれた際の印象をお聞きしたいです。
浦尾岳大 本当に最初の感想を言うと、ちょうどよくエッチだなと(笑)。
全員 (爆笑)。
浦尾 最初にヒロインであるえーゆーの幼馴染2人が登場するのですが、「自分のことなんて好きなはずがない」「幼馴染だから好きになっちゃいけない」という理由で共に両思いなのにすれ違っていくっていうのがめちゃくちゃ面白いなと思いました。「新しい幼馴染とのラブコメ」と言う感じですごく新鮮でしたね。
三簾 ありがとうございます!
浦尾 先生とは世代がほぼ同じということもあってか、えーゆーの感性が僕とあまりに近すぎて(笑)。彼の感じていることが分かるなと思いましたね。
三簾 アフレコの第1話の前半の収録に伺わせていただいたんですが、その時に「(演技が)もう出来上がってるじゃん!」と思って。普通に視聴者として楽しんでしまいました。
浦尾 むずがゆいです(笑)。
――続いて小玉ひかりさんに、女性からの目線で原作を読まれた最初の印象をお聞きしたいです。
小玉ひかり この鼎談があるということで、改めて原作を読み返したんですけど、名場面が多いんですよね。
三簾 ありがとうございます!
小玉 こちらこそありがとうございます!こうやって直々に先生に感想をお伝えできる機会がなかなかないので嬉しいです。それぞれの視点の心の声、「これラブコメじゃないか!」とか「好きって言っちゃった!」みたいな、誰もが共感できるグッとくるポイントがたくさん描かれていて。ラブコメ作品を読んでいる女の子が私の周りにあまりいないんですけど、そういう人にもすごく読みやすい作品ですし、感動するシーンもたくさんあって。これは女の子にもたくさん読んでほしいし、アニメも見てほしいなって思いました。
――女性としてはやっぱりしおとあかりに共感することが多いですか。
小玉 そうですね、やっぱり女の子に共感しちゃうところはあるんですけど。でも、えーゆーがラブコメが好きだって言うのもいいなと思っていて(笑)。しおやあかりには隠しつつ、裏側でラブコメ好きを叫んでる感じ、あそこまでしっかり言ってくれると面白いですよね。
三簾 今お話を聞いて、セリフや言葉で立ち止まるっていうのはさすが作詞もされている方なんだなと思いました。「あまのじゃく」の冒頭すごくキャッチーな言葉で始まる感じとか、やっぱり言葉をすごく大事にされているんだなって。
小玉 嬉しいです。ありがとうございます!
――原作のページを送った時に出てくるセリフやデレるタイミングに歌詞のパンチラインと似たものは感じますよね。
小玉 そういう大事なセリフがストーリーのなかに何箇所もあることに本当にリスペクトを感じます。コマの切り替えや構図もすごく良くて、綺麗なカットがいっぱいあるんですよね。
――今度は浦尾さんにお伺いしたいのですが、演じられている主人公・えーゆーの魅力はどんなところにあると思われていますか?
浦尾 えーゆーはメチャクチャ不器用ですけど、何よりも幼馴染を大切に思っているところがすごくかっこいいと思います。成長するにつれて照れちゃって表面には出せなくなっていますけど、子供の頃のままいっていたらスパダリ(スーパーダーリンの略。内面も外見もすべてが完璧で理想的な男性を指す言葉)ですよね。今はちょっとこじれちゃったけど、純粋に良いやつですし。
――確かに素直で真面目だから幼馴染の気持ちに気付かない、鈍感な部分が大きいですよね。三簾先生はえーゆーを描くにあたってどのような点に注意したのでしょう?
三簾 えーゆーに関しては素直に描いています。性格については最初二転三転したんですけど、一貫して幼馴染に対しては素直になれない男の子っていうのはずっと残り続けていました。ラブコメとして相手に素直になれないっていうのは定番なので。
――主人公のえーゆーの性格で新しいと感じたのが、幼馴染の言葉やしぐさにちゃんと気付いてはいるんだけど「本当はどうなのかな?」とドキドキしている、そういう人間らしさがまた良いとこだなと思いました。
浦尾 えーゆーには自分に近しい部分が結構あるんです。例えば学生時代に好きな子に対して素直になれずちょっと意地悪していたとか(笑)。
小玉 浦尾さんは(好きな子に)どんな意地悪をしていたんですか?(笑)。
浦尾 好きなのにからかったりしてましたね。そういう部分が感覚としてえーゆーと近しいなって感じていたので、演じる時に何かを意識したということはあまりなくて。幼馴染に対してどう気持ちが動くのかっていうことを考えてアフレコをしていました。
――では幼馴染たちの動きを見ながら演技されていたと。
浦尾 そうですね。ただ、しおとあかりそれぞれに対してリアクションはちょっとずつ変わるとは思っていて。しおは子供の頃の感覚のまま高校生になっているので、そういうところにえーゆーは甘えている。それで彼女に救われている部分もたくさんあると思うんです。一方のあかりはツンデレですけど根本の部分は昔から変わってない。そういうところはえーゆーは分かっているからこそ、2人に対してのリアクションが違うというか。
三簾 浦尾さんって幼馴染の方っていらっしゃいますか?
浦尾 いないんですよ!……というか幼馴染の定義ってなんなんですか!?
小玉 私的には保育園が一緒とか、小学校が一緒だったら幼馴染。あとは近くに住んでいるとかじゃないかなって思っていたんですけど。まさにえーゆー、しお、あかりの3人のような。
浦尾 近くに住んでいるとしても3人のような関係になるのは難しいですよね。それに高校まで一緒ってなかなかいない。
三簾 だいぶ定義としては曖昧ですよね。ただ、その曖昧さをなるべく使えたらって思うんです。小学校の時の同級生と再会して仲良くなったとするじゃないですか。その同級生を友達に紹介する時って「こいつ幼馴染で」って紹介ができると思う。だから小学校の時に仲が良かったことよりも、今仲が良いかどうかが大事なのかなと。
小玉 本当に「幼馴染」って広い言葉ですよね(笑)。
――(笑)。幼馴染にも色々な関係性があるのは面白いですよね。妹的な幼馴染がいたり、ツンデレな幼馴染がいたり。三簾先生はどういうシチュエーションを描くのが楽しいのですか。
三簾 やっぱり幼馴染が複数人登場するので、1人の子にフォーカスしたメイン回、その子じゃないと成立しないみたいな話が描けると達成感があります。
――確かに1人にフォーカスを当てたソロ回は大事ですよね。
小玉 本当に全員キャラクターが立っていて選べない。
浦尾 同じくです!
小玉 ですよね。恋愛するべきポイントがたくさんある。
浦尾 恋愛を選べない……。
――途中から出てくるキャラクターもいたりして、より広がってしまうという。
小玉 えーゆーは忙しい(笑)。
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