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INTERVIEW

2025.12.16

岸田教団&THE明星ロケッツインタビュー!15周年を経た彼らが見据えるバンドのこれから――

岸田教団&THE明星ロケッツインタビュー!15周年を経た彼らが見据えるバンドのこれから――

2010年に「HIGHSCHOOL OF THE DEAD」でメジャーデビューを果たした岸田教団&THE明星ロケッツ。2025年は15周年を記念した“岸田教団15周年記念総決算大セール”や豪雨での野外ライブ“岸田教団リベンジワンマンライブ 「雨が降るなって言ってんじゃないの。俺たちの野外ライブの日に降んなって言ってんの。」”、”ANIMAX MUSIX 2025 YOKOHAMA”をはじめとしたフェスへの出演など、充実した1年を過ごしている。そんななか、アニバーサリーイヤーのクライマックスを迎えるタイミングでリリースしたTVアニメ『野生のラスボスが現れた!』オープニングテーマ「レベルを上げて物理で殴る」が話題を集めた。ギョッとするようなタイトルに、これまでにないヘビーなメタルサウンドとなった本作は、近年エクストリーム化していく岸田教団&THE明星ロケッツのなかでどのようにして生み出されていったのか。15周年を経た彼らが見据えるバンドのこれからを含めて、岸田、ichigo、はやぴ〜、みっちゃんの4人に話を聞いた。

INTERVIEW & TEXT BY 澄川龍一

ヘビーなサウンドのなかにあるアニソンらしさ、岸田教団&THE明星ロケッツらしさ

――TVアニメ『野生のラスボスが現れた!』のOPテーマとなりました岸田教団&THE明星ロケッツの配信シングル「レベルを上げて物理で殴る」ですが、これまでになくヘビーな仕上がりになりましたね。

岸田 そうですね。これはまずアニメサイドが「メタルで」というオーダーを出してきたのが始まりだったんです。ウチらもやったことのない方向性ではあったんですけど、やろうと思ったらできるのはわかっていたので。

はやぴ〜 そもそも俺たちのルーツにもメタルはないわけではないんですからね。

岸田 ただそういったモロにオーセンティックなメタルを求められているわけじゃないのもわかっていたんですよ。しかもアニソンじゃないですか。それとバンドのこれまでのキャリアのことも考えると、自分たちの音楽性とアニソンというもの、あと今流行っている近代のメタルの要素をちょっとずつ持ってきて合体したものを作れないかなと思って。

――たしかに今回の楽曲はオーセンティックではない、メタルコアなど昨今のメタリックなサウンドですよね。

岸田 うん。アニソンメタルコアとでも言うべき新ジャンルを生み出そうと苦闘した結果生まれたのがこの曲でした。だからメタルコアといってもそこになりすぎないように逆に気をつけましたね。逆に思いっきりメタルコアのほうが多分楽にできたと思う。でもそれをアニソンとして出すことの意味もあまり感じられないし、別にアニソンでそんなスクリームを聴きたいかと言われたらそうでもないし。要は単なるメタルコアじゃなくて、アニソンがあくまで基本。メタルコアの要素が入ってるアニソンにしたかったのでこういうバランスに仕上がった感じです。

ichigo そもそもスクリームしろって言われてもできないしね。高い声出すとキティちゃんみたいになっちゃう(笑)。スクリームというよりかはシャウトの出し方なんだろうけど、ファルセットと地の声の間ぐらいのミックスで出しているので、あんまりメタルっぽい音質にはならないんだよね。

はやぴ〜 僕もスクリームする音楽があんまり自分のルーツにないし。技術面どうこうよりも、自分たちにあんまりイメージがない。

みっちゃん 完全のメタルでやってと言われてもできないしな。

岸田 その辺もあってモダンにするにしても限度はあるんですよ。それも加味しつつバランスを頑張って考えた結果、この辺が良いところかなって思って作ったのはあります。逆に思いっきりモダンなメタルコアっぽいアレンジをしろって言われたほうが楽よ。お手本が無限にあるし、弦のチューニングも思いっきり下げたほうが楽だし。

はやぴ〜 かっこ良く言えば既存のメタルにないオリジナリティーを開拓するというか(笑)。

岸田 そこまで前向きな気持ちではやっていない(笑)。でもそこはアニソンを作っている感覚なのかな。アニソンを作るという行為ってオファーを受けて作るものだからそこに本物のメタルコアを求められてはいないでしょうし。

――あくまでジャンル的なオーダーではなく、作品に合う音楽としてのオーダーですよね。

岸田 そう。だから出来た時のバランスもこのくらいが一番良いところなのではないでしょうか? とお客さんに対して思ったところでした。そこを考えながらもうちょっとハードでもいいかなとか、ここはもうちょっとガツっとしてもいいかなとか、そういうバランスを取りつつアニソンとメタルコアとこれまでの岸田教団の要素が全部ぐちゃってなってる感じが意外と良いんじゃないという仕上がりになりましたね。

――なるほど。それにしても冒頭のリフからしてだいぶヘビーな音色で、結構チューニングを下げたのかなと。

岸田 ドロップCだから2音下げですね。でも今のメタルバンドだったらもっと低いですよ。今のバンドは7弦ギターを使っていますから、その7弦のチューニングよりはまだ高い。そこまで極端に下げずに、でもエグ味のある音が出ているというところに収めましたね。だからみんなが思っているほどは重くないわけです。

はやぴ〜 ドロップチューニングしたギターがヴィンテージギターというのは他のバンドにはないところですよね。ヴィンテージギターでドロップCなんてやる人いないもんね。

岸田 いないいない(笑)。ちなみに今回僕はテレキャスターで弾きました。

はやぴ〜 俺はヴィンテージのレスポールジュニアとレスポールを混ぜた気がする。

岸田 レスポールはまだわかるけど、オーセンティックなテレキャスターはメタルで弾くには向いてないですよ。

みっちゃん ドラムの場合は考え方をまず変えないといけなかったですね。

はやぴ〜 今回みっちゃんが一番ひどい目にあったかも。

みっちゃん 自分でもこれでいいのかわからなかったんですよ。あまりにも通ったことないジャンルだったから(笑)。だから今回はかなり新鮮でしたね。仕上がりを聴いて「新しいものが出来たな」みたいな感じはしましたけどね。ただ、ライブでもまだ緊張しますよ。閉じこもっている感じ。

岸田 開放的にはまだなってない。ライブの本数重ねてきて、だんだん大きくなっていくわけです。

はやぴ〜 ツアーで演奏する直前なんて、すごい真剣な顔になってるもん。

ichigo 全員真顔だよね(笑)。

岸田 でもボーカルは言うてあんま変わらないかな?

ichigo 高い・速い・リズムが難しいぐらいですかね。

――難易度が高いのはいつも通りだと(笑)。

ichigo でもやっていて私はメタルが好きなんだなって思った。そもそもリンキン・パーク好きだったし。だからこのリフとかキーの高さは心地良いですよ。

はやぴ〜 でもやっぱりメロについてはかなりアニソンだよね。

岸田 そう、そこはichigoさんが歌うわけだからバランスを取って、メタルだけどポップなラインを意識して作った。

はやぴ〜 うんうん、疲れるリズムで歌わされているけど(笑)。

ichigo きっと1年前なら歌えていない、ここ数年で色々改善して、頑張って練習しての最近のボーカルだから歌えていると思う。

岸田 そうね。キーも高いし。

ichigo キーなんていまだに年々上がってるんですよ(笑)。

岸田 今の日本経済と一緒。スタグフレーションですよ(笑)。

――物価とキーは上昇し続けると(笑)。

はやぴ〜 結果音楽のクオリティと生活の格差が開く。

岸田 そこは痛みを伴うものなので(笑)。

――バンドのコンディションが良い今だからこそichigoさんが歌える曲でもあるわけですね。

ichigo うん。モニターの改善とかディレクションの変化とかもあって歌えるようになっていったという感じ。

岸田 日々改善はしているし、パフォーマンスもだいぶよくなっていますからね。

――アルバム『BERSERKERS』の頃からですが、メンバーの強度も増してバンドがタフになっていますよね。

岸田 だから出す音源も前よりは刺激的になっている。やっぱり『BERSERKERS』ぐらいから明確によくなってきている実感はあります。正確にはその前の同人で出した『超々キューカンバー』ぐらいから明らかに改善の傾向が見られるんですけど、『BERSERKERS』ぐらいから明確に、もう誰が聴いてもわかるぐらいに変わっていると思いますね。

次ページ:メジャーデビュー15周年を経て臨む“新しい岸田教団&THE明星ロケッツ”とは

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