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INTERVIEW

2025.11.25

小倉 唯、注目クリエイターとの化学反応が詰まったミニアルバム『Labo-Ratory』での“挑戦”と“実験”について語る!

小倉 唯、注目クリエイターとの化学反応が詰まったミニアルバム『Labo-Ratory』での“挑戦”と“実験”について語る!

今年8月から10月にかけて3ヵ月連続で配信シングルを届け、10月から始まった全国ツアー“小倉 唯 LIVE TOUR 2025 「Love♡Ratory」”では4都市を巡るなど、2025年も精力的にアーティスト活動を展開してきた小倉 唯が、それらの集大成と言うべきミニアルバム『Labo-Ratory』を完成させた。“実験室・研究室”をタイトルに冠した本作では、ヤマモトショウ、佐々木喫茶、金山秀士といった、現在進行形のアイドルシーンで注目を集めるクリエイターと初タッグを組んだほか、名曲「Baby Sweet Berry Love」のリアレンジバージョンなども収録。小倉 唯らしさを追求しつつ新たな挑戦を盛り込んだ意欲作となっている。楽曲制作やツアーを通じて彼女が取り組んだ“実験”について、本人にたっぷり話を聞いた。

INTERVIEW & TEXT BY 北野 創

新しい出会いと挑戦が詰まった“Laboratory(ラボラトリー)”

――今回のミニアルバム『Labo-Ratory』は、“実験室・研究室”を意味するタイトルの通りチャレンジングな楽曲が詰め込まれていて、かなり攻めた作品になっていますね。

小倉 唯 ありがとうございます。先にツアー“小倉 唯 LIVE TOUR 2025 「Love♡Ratory」”の開催が決まっていて、それに合わせて何か作品をリリースしたいとなった時に、去年のツアー(“小倉唯 LIVE TOUR 2024 ~Bloomy × Meet you!~”)の前にはフルアルバム『Bloomy』を発表しましたが、それとはガラッとコンセプトを変えてみようということで、今回は配信シングルを3ヵ月連続リリースしてからミニアルバムを発表する流れになりました。そのうえで思い浮かんだテーマが“Laboratory(ラボラトリー)”。“研究室”ということで、ライブを含めて今までとはまた違ったビジュアルが打ち出せると思いましたし、前作の『Bloomy』に続いて今回もタイトルは小さい“y”で終わる言葉遊びをしたいなと思っていたので、このコンセプトに決めました。

――ツアー名は“Love♡”とかけていて小倉さんらしいキュートさが出ていますしね。その一方で、ミニアルバムのアーティスト写真やジャケットでは、今までになくシンプルな制服風の衣裳を着ています。

小倉 そうなんです。ミニアルバムのビジュアルはちょっと無機質な感じと言いますか、あえて引き算したお洒落さをイメージしました。普段は結構カラフルな衣装を着ることが多いので、こういうシンプルな衣装も新鮮でいいかなと思ってチャレンジしました。

――素敵だと思います。また、今回のミニアルバムならではのトピックとして、でんぱ組.incや虹のコンキスタドールといったアイドルグループを手掛ける音楽プロデューサーのもふくちゃん(福嶋麻衣子)がクリエイティブプロデュースで参加しています。小倉さんはセルフプロデュースに長けた方ですが、今回、入ってもらった経緯は?

小倉 もふくさんに参加していただいたのは、配信シングルの第1弾「Magic ♡ Happy 」の頃からなのですが、今までとそんなに大きく流れが変わったわけではなくて、基本的に私がイメージしているビジュアルやテーマを形にしていくなかで、もふくさんに色々お手伝いいただいて、実現に近づけていただく、という感じになっています。私も もふくさんのことは元々存じ上げていたのですが、自分のチームのなかで、クリエイティブや音楽の面で、より私の企画やイメージしたものを形にしてくださるような方が必要だよね、という話になった時に、参加していただけることになりました。

――それこそ前回のインタビューで、最近気になるアイドルとして、もふくちゃんが手がけるきゅるりんってしてみてのお名前を挙げていましたし、もふくちゃんのお仕事ぶりに惹かれるものを感じていたわけですか?

小倉 はい。やっぱり“かわいい”というものにすごく精通されている方だと思いますし、何となくですが、きっと好みが近いんじゃないかなと勝手に思っていたところがあって。実際にご一緒してみたら、目指している方向性や気付く点が似ていて、感覚が近いと思う部分があったので、私の勘が当たりました(笑)。何をご相談するにしても、とても助かっています。

――ここからはミニアルバム収録曲について詳しく聞いていきます。まずは先行シングルの第1弾「Magic♡Happy」。小倉さんの誕生日当日の8月15日に配信された、ヤマモトショウさん提供の華やかなバースデーソングです。

小倉 バースデーイベント(“小倉 唯 Birthday Event 2025 『Magical♡Party~永遠の魔法~』”)もありましたし、今年は記念すべき30歳の誕生日ということもあって制作しました。耳馴染みが良くて繰り返し聴きたくなるような楽曲にしたいイメージがあったのですが、今回はヤマモトショウさんが書いてくださるということで、信頼感や期待感がすごくあったので、イベント名の“Magical♡Party”や“マジック”“魔法”といったコンセプトだけはお伝えして、あとはお任せで作っていただきました。

――ヤマモトショウさんと言えば、FRUITS ZIPPERの「わたしの一番かわいいところ」や「NEW KAWAII」など数多くの“かわいいソング”を作ってきたヒットメイカーですが、実際楽曲を受け取っていかがでしたか?

小倉 私も普段からKAWAII LAB.さんの楽曲を聴いたりしているので、聴いた瞬間に、まさにヤマモトショウさん節が効いているなと思いましたし、かわいいだけではない魅力と言いますか、曲自体にどこか温かさもあって、歌詞も含めてすごく素敵な楽曲だなと思いました。特にAメロやBメロの温かさがポイントなのかなと思っていて。アレンジもすごく気に入っています。

――レコーディングの際も温かさを意識して歌ったのでしょうか。

小倉 そうですね。バースデーイベントで実際に歌って感じたのですが、きっとこの曲は歌えば歌うほどに深みが出てくると思うんです。もちろんどの曲もそうなのですが、この曲は歌詞の内容も含めて、歴史を重ねるごとにすごく感動が増していく曲になるんだろうなって感じて。ライブでも、お客さんの中でもこの曲は成長していくんだろうなと思いました。

――小倉さんの誕生日だけでなく、色んな記念日を祝える曲になっていますしね。ちなみに、この曲の振付は自分で考えたそうですね。

小倉 はい。 “Magic♡Happy”というフレーズが連呼される部分で、手で“M”の字を作って、両手で“ハッピー”を表現する振りが、簡単でマネしやすいしキャッチーなので、自分でも気に入っています。

ナース&キョンシーとの化学反応で生まれた、新たなかわいいソング!

――そして配信シングル第2弾として発表されたのが「治癒治癒ちゅっ♡」。近年、ファントムシータなどのアイドルに楽曲提供して注目を集めている佐々木喫茶さん制作の、やや電波っぽいかわいいソングです。

小倉 この曲は新しいツアーに向けて制作したもので、ツアータイトルの“Love♡Ratory”にある“Love”と“Laboratory”の両方の要素を入れたツアー全体をイメージした曲、というざっくりとしたコンセプトでお願いしたら、完成度の高すぎる楽曲を作ってくださって本当に感動しました。作詞・作曲・編曲をすべてご自身で仕上げているというのもあると思うのですが、タイトルから文字の選び方に至るまで、すべてが120パーセントと思えるほどで。この曲、当初はMVを撮る予定はなかったのですが、あまりにも良すぎたので、スタッフの間でも「この曲はMVを撮りましょう!」となったくらいでした。

――すごい曲が上がってきたぞ、と。“治癒”と「ちゅっ」をかけているところを含めて、ナイスなアイデアが詰まっていますよね。

小倉 本当に佐々木さんの理解度の高さと言いますか、きっと私が歌ううえでキャッチーになる表現をすごく考えてくださったのかなと思いました。等身大の感じで歌うというよりも、この楽曲の世界観に沿って歌うのがいいだろうなと思って、レコーディングではキャラソンに近いアプローチで歌いました。声優としての経験を活かすことができたんじゃないかなと思います。サビの“治癒治癒中♡治癒治癒中♡”は、発音がなかなか難しいのですが(笑)。

――声優さんでも苦労するフレーズなんですね(笑)。ラスサビ前の“必要なのはアタシ 、、?”というセリフっぽいパートの表現も、この曲の見せ場になっていますよね。

小倉 言い方やニュアンスを変えながら10パターンくらい録って、その中からどれが一番いいかを選びました。採用されたバージョンは、私的にはちょっとやり過ぎかな?と思っていたんですが、でもこれくらい思い切った方がフックになるんじゃないかという意見が多くて。細かくディレクションしていただきながら完成させました。

――MVでは“治癒”にかけてナース風の衣裳を着ていましたが、どんなコンセプトで制作を進めたのでしょうか。

小倉 あの衣装、実はツアーに向けて制作していたもので、その後に「治癒治癒ちゅっ♡」が上がってきたなかで、楽曲の世界観にもぴったりということでMVでも着用する流れになりました。なので衣装的には、ナースというよりも、ラボラトリーの研究室とか実験室をイメージして作ったものなんです。

――なおかつ、急患で運ばれてきたモンスターたちを女医に扮した小倉さんが治療する、コミカルな仕上がりになっています。小倉さん的な見どころを挙げるとすれば?

小倉 ドラマ仕立てになっているので楽しく見れると思いますし、ちょっと非日常的なところや、サビのダンスも印象的です。あとは2パターン登場する衣装のそれぞれに魅力があるのと、次の曲「きょんきょん♡らぶぽーしょん」のMVと繋がる内容になっているので、そこは今までとはまた違った新しさですし、併せて観てもらえたらと思います。

――その「きょんきょん♡らぶぽーしょん」は10月に配信リリースされた、キョンシーをテーマにした楽曲。作曲・編曲は、きゅるりんってしてみての楽曲などを手がける金山秀士さん、作詞は小倉さんが自ら担当しています。

小倉 10月リリースなのでハロウィンに絡めた楽曲にすることは決まっていたなかで、キョンシーをテーマにしようと思ったのと、ツアーに合わせて“Love”の要素を入れようと思って“らぶぽーしょん”というフレーズを入れて作りました。キョンシーなら衣装もかわいいものを作れそうですし、言葉の響き的にも色々遊べそうだなと思って。金山秀士さんはいつかご一緒してみたいと思っていたので、今回お願いして書いていただきました。

――金山さんのことは以前からご存知だったんですね。

小倉 はい。気になった曲を調べると、金山さんが書かれていることが何度かあって。アニメソングっぽさもありますし、楽曲の展開が面白くて。素敵なテイストだなと思って気になっていました。

――この曲もまさに全編賑やかな感じで、展開も多いので歌詞を書くのは大変だったのではないでしょうか。

小倉 かなり大変でした。まずキョンシーについて調べたうえで、そこから物語を作って書き進めていって。キョンシーに転生してしまった子が、好きな人にもう一度好きと言ってもらえたら成仏できる、というような大枠のストーリーを考えて、そこに合うような言葉選びやセリフを考案していきました。それと、私が好きでよく聴いていた金山さんの曲はユニットの楽曲が多かったので、そのテイストを一人で歌って表現するとなると少し難しかったです。

――キョンシーの苦手なものを盛り込んだ“(桃の木♡鏡も)やめて!!”といったフレーズもあって、キョンシーへの解像度もかなり高いですが、どうやって調べたんですか?

小倉 それは企業秘密で。

――企業秘密(笑)。意外な返答でした。1番のAメロから“あの日の「ごめん」が 最期の言葉(コール)気付けば棺の中☆”というのも何気にインパクトがありますよね。

小倉 私も結構やりすぎかなと思ったので、チェックが入って直すことになるかなと思ったんですけど、周りのスタッフさんたちも「いいんじゃないですか」って意外とすんなり受け入れてくれて。「本当にいいのかな……?」と思いながら、そのまま進んじゃいました(笑)。ちょっとブラックジョーク的なニュアンスですね。

――個人的には、途中で何度か合いの手のように入る“(きょん♡きょきょ~ん♡)”というフレーズがかわいすぎて天才的だなと思いました。

小倉 ありがとうございます(笑)。自然に思いついたフレーズだったので、そこまでこだわった感じではなかったんですけど。でも、レコーディングでは全体的にあえてポップな感じにした方が面白いかなと思ったので、あまりおどろおどろしくならないよう、明るく楽しくかわいく歌うことを意識しました。

――そしてMVは、先ほどお話にあった通り、「治癒治癒ちゅっ♡」と同じシチュエーションで撮影された、続きのような映像になっています。

小倉 世界観としては、私が「治癒治癒ちゅっ♡」で治療に失敗して爆発を起こしてしまったことで、キョンシーに転生してしまったというストーリーになっています。撮影している場所は同じなんですが、セットがハロウィンに寄せたものにイメージチェンジされていたりと、細かいこだわりが詰まっていて面白い映像になったと思います。

――MVの演技についてはいかがでしたか?

小倉 監督さんがかなり緻密にストーリーを考えてくださって。POV視点と言いますか、モンスター視点みたいなカメラワークもあって、そういうのも今までにない感じで楽しかったです。キョンシー風の衣裳のクオリティも素晴らしくて。胸の飾りのところに“唯”と書かれていたり、細かいところまでこだわって作っていただいてるので、ぜひたくさん観ていただきたいなと思います。

次ページ:意外な新曲から名曲のリアレンジまで!“実験精神”旺盛な一枚に

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