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INTERVIEW

2025.10.22

【連載】ReoNa 3rdアルバム『HEART』リリース記念「リスアニ!’s Heart」第4回:Ryo’LEFTY’Miyata×ハヤシケイ×傘村トータ、ReoNaに託した自身の“ハート”を語るクリエイター鼎談!

【連載】ReoNa 3rdアルバム『HEART』リリース記念「リスアニ!’s Heart」第4回:Ryo’LEFTY’Miyata×ハヤシケイ×傘村トータ、ReoNaに託した自身の“ハート”を語るクリエイター鼎談!

“誰も出せない音”にもこだわった「オルタナティブ」に込めた想い

――もう1曲、ロンドンレコーディングされたのが、レフティさんが手がけた「オルタナティブ」です。元々オルタナティブバンドをやられていたレフティさんが、ご自身のルーツを反映した楽曲になりましたね。

レフティ 楽曲の発端は、最初に彼女と会って話した時の内容からです。僕は今まで、プロデューサーだったりミュージシャンだったり、作詞家、作曲家と、ジャンルも立場もクロスオーバーしながら色んな仕事をしてきたので、自分の根幹にあるものが、ちょっと行方不明になることが結構あったんですね。「じゃあ、自分の根っこは何だろう?」と自問自答していたタームでした。そこで、自分の中のオルタナティブ、オルタナティブロックというものを突き詰めたいんだ、という話をしたんです。オルタナティブという言葉は、“代替的な”とか“メインストリームではないもの”という意味。ReoNaという存在も、オルタナティブな存在だと思いましたし、何かを得たとしても報われない疎外感、虚無感、絶望感がそこにある。それを曲にできないかな?という話をしたのですが……まさかReoNaちゃんの発案で、曲名がそのまま「オルタナティブ」になるとは思っていなかったです(笑)。

――歌詞には、そのレフティさんご自身の想いが、とても反映されています。曲のほうは、どう書いていかれたんですか?

レフティ 作詞は僕ですが、作曲・編曲には、さっきお話した僕のバンド仲間も一緒にクレジットされています。まさにバンドで集まって、僕のスタジオでずっとジャムりながら作っていきました。みんなオルタナティブロックバンドをやってきた人間なので、すでに醸してきたものがしっかりとある。それを持ち寄って、やりたいことを詰め込んだ結果、良くわからない曲になっちゃいましたけど、僕は大好きです。

――複雑なリズムパターン、クリーンなギターアルペジオを介して次々に展開するポストロック的なアプローチもこのアルバムの中では異色ですが、ReoNaナンバーとしてとても新鮮に響きます。

レフティ 確かに、ポストロックなのかマスロックなのか……もう自分でもよく分からないんですけど(笑)、色んな要素を混ぜ込んで、今、留めなくてはいけないものを、自由にやらせてもらった。ReoNaがいたからこそ生まれた曲なので、すごく感謝していますね。

――演奏でこだわられたのは?

レフティ 「誰も出していない音を出せるか?」には、こだわりましたね。僕は最近、Bass Whammy(ベース用のエフェクター)を使ってアルペジオを弾くのにハマっているのですが、それを主題に置いてアレンジや音像を作っていきました。この曲にギターは1本しか入ってないんですけど、ラウドのバッキングギターみたいな音も聴こえると思うんです。それも実はベースで出していまして。オクターバーを使って、ステレオのバッキングをシミュレーターで作る、ということを一発録りでやってます。ロイヤル・ブラッド(UKのドラムとベースのデュオ)なんかがそういうスタイルでやっているので、僕も研究してやらせてもらいました。そうすると、ラウドにやっていても音に空間ができるので、そこにボーカルを乗せられる。そういうちょっと実験的な音作りにも、挑戦しています。

――ボーカルレコーディングはいかがでしたか?

レフティ 渡英前にReoNaちゃんには、僕が歌詞で言いたかったことを細かく伝えていたんです。ここに出てくる“君”とは誰なのか?とか。その上でかなり歌い込んできてくれたので、お互いに答えを出し合って最高解を導くようなレコーディングができました。僕からは本当に技術的な……例えばブレスの位置とかをアドバイスしたくらい。さすがでした。いい歌にしてくれて、ありがとうと言いたいです。

ずっと大切にしてきた「芥」の“言葉が求めているメロディ”へのこだわり

――傘村トータさんが作詞・作曲した「芥(あくた)」は、今年夏のFCツアー「ふあんくらぶ presents ReoNa Acoustic Concert Tour“ふあんぷらぐど2025”」でいち早く披露され、音源化が待たれていた楽曲です。

傘村 「芥」の曲の種自体は、ずっと前からありまして。宛先すら決まっていなかった曲が、アルバムに大抜擢してもらえたんです。大事に温めていたものを島田昌典さんのアレンジで素晴らしい形にしていただき、ReoNaに歌ってもらえて本当に良かったです。

――傘村トータさんらしい、胸の内側に静かに踏み込んでいく歌詞は、まさに孤独な“心”を歌っています。アルバムテーマの“HEART”にもしっかり寄り添っていますね。

傘村 なんと言うんでしょうか……僕はずっと本当に1人だったんです。学生時代も友達がいなくて、どこにいても独りだったので、今日話をしたのはコンビニの店員さんだけ、という日もありました。そんな時に聴いた “君は独りじゃないよ”みたいなメッセージの歌は、決して僕を救ってくれなくて。独りでもいい、独りであることを肯定する、独りでいる時に少しだけ心を強くして、少し芯が固くなる。そんな曲を書いてみたかった。……そうして生まれたのが「芥」です。なので、結果的に今回の“HEART”がテーマのアルバムに入れていただけて、嬉しかったです。僕の根っこにあるテーマは、ずっと“生きること”でした。子どもの頃から、人生、死、希望、絶望、人間関係、救い……ということをずっと考えていて、そのうちの1つが孤独だったんです。

――これまで傘村トータさんが書かれてきたReoNa楽曲はどれもワードチョイスにハッとさせられます。この曲も“頭に紙切れが詰まってて ぐしゃぐしゃに脳内で丸まってる”、“かなしみもいかりも感動も 涙じゃなくて目やになるの”といった言葉たちや、“宇宙から見れば”すべてが“芥”であるという視点にもドキッとさせられました。

傘村 僕としては、こういう感覚ってあるよねと思うことを、そのまま書いているだけなんです。この歌詞を考えていた時は、ちょうど大きな橋を夜歩いていて、ちっぽけな自分とふわっと広がった空が、全てを許してくれる感覚があって。それを表現したくて“宇宙”という単語を使いました。“芥”というのはゴミや塵のことですけど、言葉の響きがとても綺麗。それを綺麗なままでいさせてあげたい、ゴミだけど綺麗なんだよと言いたい気持ちが、僕のどこかにありました。

――シンプルで心に響くメロディは、どう書いていったのですか?

傘村 僕は歌詞から先に作ることが多いので、曲の方はその歌詞をどう紡いだら、僕の伝えたい情景が伝わるかな?と思いながら、メロディにしていきます。

レフティ いや、そういうプリミティブな曲作りだからこそ、シンプルに人の心を打つんだと思いますよ。傘村トータさんの言葉が、メロディを呼び求めているから。

傘村 そう言っていただけると、嬉しいです。例えば「芥」のサビの“僕は独りだ”は、暗いだけでもなく、明るいわけでもなく、放り投げているわけでもない。どんな気持ちでこの曲の主人公がそう言っているのかが、このメロディだと伝わるかな?こっちかな?と探りながら書いていきました。

――ReoNaさんの歌にはどんなご感想を?

傘村 僕もボーカルレコーディングには立ち合わせていただきまして。ディレクションは島田さんがやってくださったのですが、彼女の想いが一番乗った歌声、表現の部分を重視してディレクションしてくださって。とても温かいものになったなと思います。

レフティ 僕、アレンジャーがどなたか知らずに「芥」を聴いたんですが、島田さんっぽいなと思ったら、本当に島田さんで、やっぱり!と思いました。

次ページ:自分のクリエイティブにはないものを刺激された『HEART』への提供曲

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