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INTERVIEW

2025.10.10

angela 22年の答えを込めたニューアルバム『Answer』リリースインタビュー

angela 22年の答えを込めたニューアルバム『Answer』リリースインタビュー

angela 2年ぶり12枚目のフルアルバム『Answer』がリリースされた。シティポップな新曲「不器用なI love you」を含めた新録5曲は、大切な人との絆やangela自身のルーツやソウル、コミカルさなど、自身の魅力を様々な形で表出させる。歌に込めた思いと次なる大きな助走について聞いた。

INTERVIEW & TEXT BY 日詰明嘉

20年前の未来予想を回収した『Answer』

――TV番組でも紹介されていましたが、ニューアルバム『Answer』は、新たなプライベートスタジオを開設されて以来、初めてのアルバム制作となりましたが、いかがでしたか?

KATSU 自分が伝えたいもの、作りたいものを作れた気がします。2023年秋に体調を崩したのを境に、「どうせ残すのであれば、とことんこだわりたい」という思いが強くなり、それがスタジオ作りの1つの理由としてありました。これまでであれば、スタジオの時間に制限があって諦めざるを得なかったことや、急に思いついたアイディアのようなことでも、自分たちのスタジオがあればすぐに録ることができます。

atsuko 気持ち的に楽になったことも大きくて。たとえば喉を痛めてしまった場合も、回復を待つ間の制作スケジュールを心配することなく、自分の体調の良いときを見計らっていつでも収録できる環境はありがたいですね。

――今回のアルバムタイトルであり新録曲の「Answer」は、ある種の重みを持った言葉に感じます。込められた思いやコンセプトを教えていただけますか?

atsuko 既発曲も含めて1枚のアルバム全体を表現できる言葉は何なんだろうかと考えたとき、今年の1月に開催したファンクラブ向けのライブで、「未来とゆう名の答え」を歌ったときのことを思い出しました。今から20年前、デビュー3年目の私たちはその作品の主人公と同じく悩んでもがいて、戦って前に進まないといけない状況でした。自分たちの状況と、「それでも未来になれば答えが見つかる」という内容の歌詞がまさにリンクしていたんです。そこから20年経って、あのとき歌った“未来”とは、“今”のことだったんだと気づかされました。ここまでいろんな曲を書いてきて、ライブ環境とかリリース状況、人間関係すべてにおいて、とても良い状態で“今”を迎えられている。良くない時期もどうにか乗り越えてきた自分たち。作ってきた曲も歌ってきたことも、すべてが私たちの出した答えだという意味で、『Answer』を提示したところ、周りからも好評で、この言葉に導かれるように作っていきました。

KATSU angelaをここまで応援してくれて、今回のアルバムを聴いてくれる皆さんに対し、自信を持って言ってあげられる言葉が、ラスサビの「さらけ出していけ あなたをもっと」です。フェスとかでangelaに少しでも興味を持ってくれて、ちょっとライブを覗いてみようかなと思った方に対する答えが集約されている1行です。僕も体を壊したときから、音楽に対する考え方が一変しました。我慢したり、自分を押し殺すことはやめよう。やりたいときにやっておかないと、そのときに後悔するだけだと思って。

――この言葉はどういう背景から生まれてきたのでしょうか?

atsuko 結構、人の目を気にしてしまって生きている部分があるんですよ。こんな私でも(笑)。とはいえ、我々も50歳を過ぎて、20代の頃とは違う感情で曲作りに臨むとなったとき、ただただ「頑張れ、頑張れ」と言っても何を頑張ればいいのか分からないし、「もう頑張ってるし」という方も世の中にたくさんいらっしゃると思います。そういう方に向け、そこまで強く後押しするわけでもなく、「angelaを応援しててよかったな」と思ってもらえるような曲にしたくて、命令系も含めて1箇所ぐらい強く押し出す部分があってもいいかなと思いながら書きました。

――サウンド面はいかがでしたか?

KATSU まさにやりたかったサウンドという感じです。最近流行の’80〜’90年代サウンドのムーブメントに乗っている部分はあるのですが、これは元々得意なジャンルなんです。趣味的に研究もしていましたが、このアルバムを作り始める少し前に緒方恵美さんのカバーアルバムで「微笑みの爆弾」のアレンジも担当させていただきましたし、この1~2年くらいどんどんそういった依頼が届いています。

意外にも(?)angelaがシティポップを得意とする理由

――その流れにおいてもTVアニメ『不器用な先輩。』の主題歌「不器用なI love you」のトレンディドラマ感のある楽曲には納得です。オファーをどのように受け止めましたか?

atsuko 曲調を含め、先方から「トレンディドラマの主題歌みたいな感じだと嬉しいです」というリクエストをいただきました。私にとってもデビュー前に憧れていた時代のサウンドでもありますし、この作品を作るにあたり自分たちが子供の頃に聴いていたアニメソングを聴き直してみたところ、あの頃のアニソンにもシティポップ感のあるものが結構多くて、聴くほどにこの年代の感覚を出したいと思えたんです。メロディラインもわかりやすく、ちょっとゆったり目のテンポ感にして、オフィスラブ作品に合わせてビジネス用語を歌詞に散りばめて雰囲気が出るように書いていきました。

KATSU デビューする前のもがいていた10年間がやっと実った感じです(笑)。実際、その時に磨いた感覚はいろんなアニソンを書く時に役に立っているんですけど。angelaとしては久々にシリアス一辺倒ではない曲を書けた感じがします。

――メロディも新曲として聴いた感じがしない、スッと入ってくるキャッチーさがあります。

atsuko 実はこういう曲を書く時って、結構勇気が要るんですよ。というのも、前にどこかで作られたメロや歌詞を知らず知らずのうちに内面化しているのではないかとドキドキして、確かめながら作っていきました。

KATSU ’90年代感を出す言葉として最初に出てきたのは「抱きしめて」で、次が「ロマンス」(笑)。広瀬香美さんのワードだよね。ここで敢えて使うことによって、’90年代感が出せるという。言葉遊びじゃないですけど、チョイス1つで時代感を出せる言葉も選んでいきました。

――サウンド面でも一聴してあの時代を感じさせるものがありました。どのような工夫があるのでしょう?

KATSU これは’80年代にJ-POPで使われていた定番のシンセが決まっていたから、その音像を聴くと時代が思い浮かぶんだと思います。Moog Synthesizerや、YAMAHA DX-7、Roland D-50とかですね。そこから’90年代に入ると、さまざまな機材が登場しレコーディング方法も雑多なものになっていき、細分化していきます。今ではパソコンで当時のシンセサウンドを再現できるようになり、この曲でもそうした作り方をしています。

――歌唱に関してはどんなところがポイントでしょうか?

atsuko 最近の曲と比べて、俄然テンポが遅いので、やっぱり歌いやすいですね。つまりその分、歌詞も聴き取りやすくなるので、そのあたりを意識しました。作り手としてはつい難しくしようとしたり、こねくり回したりとしがちなのですが、それって良し悪しなんですよね。この間、“長野アニエラフェスタ”というフェスでこの曲を初披露したときに、サビの部分の振り付けでワイパー(手を挙げて大きく左右に振る)をしたんですけど、こういう動きって、「cheers!」とか「綺麗な夜空」の頃(2003〜4)以来だなと思って(笑)。その意味でも原点に戻った感じがします。

angelaの地元・岡山のサッカーJ1チームへの応援歌を(勝手に)制作

――次のアルバム新録曲「正⾯突破 We are!」は、J1チーム・ファジアーノ岡山の 「勝手に応援ソング」とのことですが、これはどういった経緯で作られた楽曲でしょうか?

atsuko 昨年12月にキャンペーンで岡山を回っていたとき、ちょうど「今日の試合にファジアーノ岡山が勝てばJ1昇格」というタイミングだったんです。その時、出演した岡山のラジオ番組のパーソナリティさんがサッカーの実況もする方で、軽いノリで「angelaさんも応援ソング書いちゃいなよ!」と、おっしゃって、アルバム用の曲作りにちょうど良いお題をもらったぞと(笑)。我々は岡山市の観光大使もしているし、スポーツアニメの曲はこれまで書いたことがないから、分かりやすく後押しする応援歌を書いてみたくなり、すぐに作り始めました。

KATSU ファジアーノって、いわゆる親会社を持たない地元密着型のチームで、スポンサー集めにも苦労して、20年近くかかってようやくJ1に立ったチームなんです。この過程がangelaにとって他人事に思えなくて。僕らも路上ライブや小さなライブハウスから2人だけで始まり、ファンを含めて支えてくれるいろんな人たちや組織のおかげで今がある。これはぜひ曲にしたいなと思いました。

――アニソンとのアプローチの違いは感じられましたか?

KATSU アニソンというのはその作品のキャラクターへの応援歌でもあると思っていて、その意味で「正面突破 We are!」は、頑張ってきた選手のために曲を作りたいと思ったんです。選手たちが大切な試合前に聴いてくれて、「それが力になって勝った」と言ってもらえることが、この曲のゴールだと思っています。

――岡山弁の歌詞にも迫力がありますね!

atsuko この曲は普通にメロに歌詞をあと載せすると不自然になってしまうので、まずワンコーラス分、岡山弁で歌いながら作っていきました。それでKATSUさんに面白いと言ってもらえたので続きを2人で作っていきました。岡山弁をご存じない方は何を言っているかわからないかもしれないけど、流れで聴いてもかっこよく聞こえるようなラインを目指しました。

――サウンド面はいかがでしょうか?

KATSU 最初のメロディの段階で高揚感があり、応援歌だなと思いました。そこでやっぱり必要になってくるのはみんなで肩組んで一丸となるような感覚でしたので、「Wow Wow」の部分を作っていきました。強くて尖ってるサウンドで、ストリングスやピアノは表立ってはなく、シンプルにロックで攻めて仕上げました。

次ページ:大切な仲間に捧げた曲でツアーを一緒に回る思い

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