9月末にTVアニメ全12話の放送を終えた『帝乃三姉妹は案外、チョロい。』。そのEDテーマとして使用された3曲+新曲2曲の全5曲を収録したミニアルバム『帝乃三姉妹と優の、キャラソン。』が10月1日にリリースされた。今回は主人公・綾世 優を演じた日向未南と、三姉妹の長女・帝乃一輝役の天海由梨奈、次女・帝乃二琥役の古賀 葵、三女・帝乃三和役の青山吉能に集まってもらい、楽曲や演じた役に込めた思いを語ってもらった。
HAIR MAKE BY 宇津野里美/addmix B.G(日向未南)
小林奈津美/addmix B.G(天海由梨奈)
マツイショウコ(古賀 葵)
三反理沙子(青山吉能)
STYLING BY 久芳俊夫
PHOTOGRAPHY BY 小島マサヒロ
INTERVIEW & TEXT BY 仲上佳克
――ミニアルバム『帝乃三姉妹と優の、キャラソン。』がいよいよリリースされます。4人のキャラソンが1枚のCDでまとめて聴けることについて、どんな思いがありますか?
日向未南 キャラソンは1人1人にスポットが当たっているので、よりそのキャラの深い部分が歌詞とメロディによってわかるのがすごく嬉しいですね。優もそうですし、三姉妹もそれぞれの強く思っていることが一番よく出ているなと感じています。なので、ファンの方にはこのキャラソンを何回も聴いていただいて、もっともっとキャラクターのことを好きになっていただけるアルバムになっているかなと思います。
天海由梨奈 キャラクターにフィーチャーした歌というもの自体が最近はあまり多くないなと思っていて、そんななかで三姉妹の内側の部分にスポットを当ててくださって、それをキャラクターとして歌わせていただけることがとても光栄だなと思いました。よりキャラクターに対する愛着も深まりますし、「この歌詞はきっとこういう意味なのかな」という考察も捗るので、すごく貴重な経験というか、素敵なアルバムだなと思います。
古賀 葵 まず、個人のキャラソンを出していただけるのが嬉しかったですし、アニメのエンディングで1コーラスずつくらい流れていたと思うんですけど、回が進むごとにアニメでもキャラクターのことがわかっていき、さらにエンディングを聴いて、より理解度が高まっていくところが魅力的だなと思っていました。2番以降も歌詞がすごく良いので、そこをCDで聴いていただけるのは嬉しいですね。
青山吉能 私はそもそもキャラソンという文化が大好きな人間として育ってきたので、昨今失われつつあるキャラソンの文化をもう一度花開かせてくれて「帝乃三姉妹、ありがとう!」の気持ちでいっぱいです。キャラソンの何がいいかって、日向も言っていたんですけど、その子たちの本質みたいなものを歌で表現しているんですよね。正直、物語的に「この子は歌わんだろう」と思うときもありますけど(笑)。三和なんて特にカラオケとか行かなそうとか思うからこそ「行ったらどうなるんだ?」とか「歌ったらどうなんだろう?」ということを声優として考えさせてくれるのが嬉しかったです。
――一輝のソロ曲「曖昧グラフィティ」は、歌ってみていかがでしたか?
天海 一輝は歌劇団のイメージが強かったので歌い上げる系かなと最初は思っていたのですが、実際の曲を聴いてみたら一輝の弱い部分に触れてくれるキャラソンで、完璧主義という一輝のキャラクター性と対になるというか、真反対にある言葉が「曖昧グラフィティ」というタイトルに来ていて、自分の内側と周りの人たちにどう思われているかという対比にもこだわって録らせていただきました。色んなインタビューでキャラソンについて質問をいただいた時に、こだわりとしては「伝えよう」という部分に思いをいっぱい込めましたと答えているんですけど、TVサイズはファルセットでサビの部分を歌っているのが、フルで聴いていただくとファルセットと地声を切り替えていて、最後に向かってより力強く、吹っ切れた感じで歌わせていただいているので、そこの違いも気づいていただけたら嬉しいです。
――二琥のソロ曲は「One Road」です。
古賀 「二琥ちゃんって歌えるんだ!?」と思ったのが最初の感想なんですけど(笑)、歌詞を見ていくとまだ迷っている気持ちと、「こうなれたらいいな」というささやかな願いみたいなのが詰まっていて、まさに思春期時代の、みんなが悩むところにも当てはまるものがあるんじゃないかなと思いました。曲調も一輝さんとはまた違う、ゆったりとした、言葉がよりスッと入ってくるメロディで、ストレートにしっかりと気持ちが伝わるように、大事に歌わせていただけたらなと思いながらレコーディングしていました。そのなかでも1番から2番にいくにつれて感情が大きく動いていく感じを意識したり、だんだんと表情がわかっていくような、にこやかに前を向いていけるような感じをイメージして歌わせていただきました。エンディングの絵だと二琥ちゃんメインで流れていくんですけど、歌詞的にはみんなのことを思っている部分があったりとか、「これは優君のことを思い描いているよなあ」とか思える部分がたくさんあったりするので、そういうところも含めて1曲フルで聴いて、感じていただきたいです。
――三和のソロ曲「Sunrise Prism」はいかがでしたか?
青山 この曲は三和のかわいらしいところがかなり出ているんですけど、実はレコーディングを録り始めた時はそこまでかわいく作るつもりではなくて、「もっと色々やってみよう」という感じでディレクションをいただいた時にもっと優君のことを考えたりとか、お姉ちゃんたちのことを考えて歌ってみたら、今のテイクが出てきたという感じなんです。なので、初めて聴いた方は「三和ちゃん、デロ甘」だなって思うんじゃないかなと。それは優君とお姉ちゃんたちのことを考えたうえで出てきたという背景が実はあったので、「ふーん」って思ってください(笑)。最終回で明かされたのですが、三和は英語がペラペラで、この曲も最後に英語があるので困ったなあと思って。青山自身は日本語大好きなので、どれくらいネイティブで歌わないといけないんだろう?と思った先のテイクを皆さんぜひ楽しみに、最後まで聴いていただきたいです。
――三姉妹のソロ曲を使用したED映像は、それぞれ別のクリエイターがディレクターとして制作を手掛けられていましたが、オンエアされた映像をご覧になっての感想をお聞かせください。
天海 まず、映像を作ってくださった安田現象さんが、原作の一輝のかっこいいところ、かわいいところをすごく投影してくださっているのが、映像のすべてから伝わってきました。細かいなと思ったのが、舞台上にいる一輝がものにつまずくシーンがあって、それが嫌いな食べ物のニンジンというところで、それも原作を読み込んで、一輝というキャラクター像を理解してくださっているからこそ出てくる演出だなと思って。そんな一輝にとって、三和や二琥も大事な妹ではあると思うんですけど、一輝自身の世界を広げてくれたのは優君という部分が大きかったと思うので、それをあの短いながらも重厚感のある映像の中に詰めてくださって、すごく嬉しかったですね。一輝の着替えとかもあって、そういう部分でもいちファンとしても楽しく見させていただいたので、本当に安田現象さんに映像を作っていただけて嬉しかったなと改めて思いました。
古賀 二琥ちゃんのエンディングはクローゼットの扉をガチャッと開けるところから始まるんですけど、あれが二琥ちゃんの心の扉みたいな感じもして、最初の入りから大好きですね。鏡を一瞬見て「んん?」ってなりながら、「これでいいんだ!」と自分を言い聞かせるような表情をしながら外に出ていきつつ、かわいい女の子たちにも目がいっちゃうし、それでも自分はこれでいいんだという流れが続いていくんですけど、優君に出会って、ありのままの自分を受け止めてもらえる人が出てきてからの、後半は色んな二琥ちゃんが出てくるんですよ。自分がなりたかったものになっている二琥ちゃんがたくさん出てきて、それを親みたいな気持ちで見ていました(笑)。絵もすごく繊細というか、和遥キナさんは本当にかわいい女の子を描くのが上手だなと思いますし、すごくかわいらしい二琥ちゃんを描いていただけて本当に嬉しかったです。話が戻ってしまうのですが、部屋の中でベッドにうずくまりながら外は雨が降っているみたいなところも、今の二琥ちゃんの心の中と重なるというか、歌詞とリンクするように計算して組み立てていってくださっているのがとてもありがたいなと思いました。描き込みもすごくて、スルメみたいに何度でも観られますよね。机の引き出しの中に色んなメイク道具があって、それも細かくリアルに描いていただいているので、そういうこだわりを見つけるのも楽しかったですね。
青山 三和は絵本の中に入り込んだみたいな映像になっていて、こんなに同じ作品でタッチって変わるんだと思ったのが最初の感想でした。眩しい先生の描くお姉ちゃんたちだったりが頻繁に出てくるのがものすごく三和らしいなと思ったのと、11話の放送が終わった後に眩しい先生がXでポストされていた内容も「11話のストーリーがこんなにも自分の作ったものとリンクしていて嬉しい」みたいなことで。私もお姉ちゃんたちのことを考えながら歌っていたし、優君のことを考えながら歌っていたから、上がってきた映像にたくさんお姉ちゃんたちや優君がいたのが嬉しくて、ワンチームだなと思いました。幻想的な絵と、三和ちゃんの抱えている、三和ちゃんなりの目線みたいなものがギュッと合わさった1つの芸術に自分も三和として歌わせていただいた歌が合わさっていることに幸せを感じて、ありがとうの気持ちでいっぱいです。
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