REPORT
2025.09.04
後半戦のトップバッターを務めたのは、GRANRODEO。e-ZUKA(Gt.)の演奏がフィーチャーされるなか、ステージにはKISHOW(Vo.)に加え、なんと宮野真守も登場!「TRASH CANDY」で、特別なコラボを披露する。様々な作品で声優として長年共演していることもあってか、サビでのハモなどコンビネーションは実に良好。ソロでもKISHOWはサウンドにマッチしたトゲある歌声を映えさせる一方で、宮野もハードなナンバーに応じたラフな歌唱を展開してみせる。ラストは2人がステージ中央でがしっと手を繋いで曲を締めくくると、「なかなかよかったよ、中也(宮野)」「うるせぇ、太宰(KISHOW)」と、この曲がOPを飾った『文豪ストレイドッグス』で2人が演じるキャラクターになぞらえたやり取りでも沸かせてくれた。
そして宮野がステージから降りると、GRANRODEOも今年デビュー20周年を迎えることを語り、折り返しを迎えた“アニソンの祭典”へと「お祭りだぁー!」とシャウトを捧げて「Punky Funky Love」をスタート。イントロから早速コールが響くなか、熱く鋭い歌声をたまアリ 中のハートに突き刺しまくっていく。またセンターステージに移ってからはアリーナに背を向け、ステージ後方・特別解放席の観客をも巻き込もうとする場面も。それに続けたのが、彼らが初アニサマで最初に演奏した「慟哭ノ雨」。1サビ明けにはe-ZUKAがギタープレイで魅せれば、2サビ前にはKISHOWが1オクターブ上の音までシャウトするなどしてさらに熱をもたらしていくと、ラストを飾ったのはデビュー曲「Go For It!」。楽曲冒頭からコールを呼び込んでからスタートしたこの曲でも、ギュンギュンに鳴るe-ZUKAのギターとソリッドなKISHOWのボーカルは、たまらなく心を高ぶらせていく。また2サビ前にはオーディエンスに幾度もサビ前の「I・G・P・X!」のフレーズを叫ばせ、全力の声で応えた大観衆に「マジ心から愛してるよ(KISHOW)」と“ThanXX”を伝えて2サビに突入。大サビでは自らもロングトーンを力いっぱい歌い上げ、熱狂渦巻く出番を締めくくった。
続くアイドルマスター ミリオンライブ! ミリオンスターズは、導入の映像でのこの日出演のアイドル紹介後、3人ずつ2台のトロッコに分かれて登場。『ミリオンライブ!』自体のテーマソングでもあり、アニサマ2025のコンセプトにも沿う大事な楽曲「Thank You!」から出番を始めていく。声援を送る観客、そして“プロデューサー”に向けて手を振りつつ、各アイドルらしさをにじませながら歌唱。終盤ではメインステージに横一列に並び、ダンスも揃えつつ笑顔で感謝の想いを発信していく。MCでは改めて各アイドルに絡めたひと言とともに自己紹介を行うと、ゲーム『アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ』の8周年を記念した「蝶々むすび」の披露へ。ブランドロゴにも用いられた蝶をモチーフにした、長年繋いできたプロデューサーとの縁を歌いつつ未来をも感じさせるようなナンバーをステージいっぱいに広がり笑顔とともに届けていくと、そのままTVアニメのOP主題歌「Rat A Tat!!!」へ。コール部のフレーズをスクリーンに映して場内からの大きな声を呼び込んで一体感と熱を生みつつ歌われたこの曲では、1サビまでにセンターステージに移って円形のフォーメーションを構築。周回しながら外側を向いてのパフォーマンスで、全方位の観客に向けてアイドルとしてのまばゆいきらめきを、最後まで放っていった。
それに続いて出番を迎えたスフィアは、「MOON SIGNAL」から6年ぶりとなるアニサマのステージをスタート。客席では楽曲にちなんだ赤に加えて4色のメンバーカラーが輝くなか、イントロからダンスの抜群の切れ味が健在であることを示し、その後も凛とした歌声とともに精度高いパフォーマンスを展開してみせる。この日は残念ながら豊崎愛生の出演見合わせにより、3人でのステージに。だがMCでは各々の名乗りに続いて「そして、豊崎愛生ー!」と3人声を合わせて紹介。収録音源の形で歌声を重ねる彼女と“4人”でのステージであることを宣言すると、前半でコラボしたTrySailやDAY1のけやきひろばステージ出演のDayRe:といった後輩ユニットに触れ、高垣の「ミュージックレインがアニサマを“侵略”しているのでは?」の言葉を導入に『侵略!?イカ娘』第2期OPテーマ「HIGH POWERED」の披露へ。冒頭フレーズ後にトロッコに乗り輝く大海原へと向かえば、高垣と戸松遥で大きなハートマークを作るなどのパフォーマンスも交えつつ歌詞どおり観客に“接近”。メインステージに戻ってからのDメロラストでも寿美菜子が跳ねるなど自身もステージをめいっぱい楽しむ姿もみせると、そのまま「vivid brilliant door!」へと突入。ロックテイストの楽曲をエネルギッシュに歌い、この4つの歌声が重なるからこその変わらぬフレッシュさを生んでいく。また、落ちサビの歌詞はラストナンバーである寂しさとクロスオーバーするのと同時に、「きっとまた会える」といった胸を熱くするメッセージも込められたもの。それが、今度は4人揃って形で実現する日が来てほしい――と、心から願わずにはいられなかった。
そしてメインステージの中央には森口博子が登場し、まずは「水の星へ愛をこめて」から歌唱。その歌声はたおやかでみずみずしくて、いたずらに力押しをするわけでもないのにスケール感をも伴ったもの。青のペンライトで“水の星”を作り上げた観客も、これにはじっくり聴き入っていく。MCでも『ガンダム』シリーズへの感謝を口にしたところで、続いては「哀 戦士」をカバー。少々ロック調のアレンジに合わせるように、ギアを上げて歌声に力を込めることで、ソウルフルささえ感じるものに。間奏中には楽しそうにバンドメンバーを見やり、ともに音楽を作ることの楽しさが伝わってくる。また、この日は剥離骨折のため座ってのステージングだったのにもかかわらず、上半身の身振りだけでも視線惹き込む魅せ方もさすがのものだった。それに続けて最後に歌ったのが、名バラード「ETERNAL WIND〜ほほえみは光る風の中〜」。イントロ中にグリーンに変わったペンライトの輝きを見やりながら美しくスーッと歌い始めると、Bメロでは少し喉を詰まらせ気味のボーカルワークで哀しみを表現。腕を伸ばしてサーッとさらうようにしながら、一人ひとりにそっと優しい想いを向けていく。それに観客もその想いを大事に受け取り、歌唱後には大きな拍手を送って彼女を称えていた。
続いては、ピアノの音色が主旋律を取るInterlude流れるなか宮野真守が2階ステージに姿を現し、「オルフェ」からパフォーマンスをスタート。力強い歌声をもってさらに場内を盛り上げていくと、そのまま「innocence」へ。歌声にはさらに徐々にパワーが増していき、やがてトゲさえも感じさせるものへと変貌していく。曲明けには会場一体となった“マモコール”を浴びると、ここでアニサマ20周年を記念して「『うた☆プリ』主題歌、全部歌います!」と宣言!歓喜の声の中、シリーズとしての原点・ゲーム版第一作の主題歌「蒼ノ翼」を歌い始める。力強さからハイトーン部分の甘さまで、1曲の中において多彩な表現をみせて全観客をとりこにすれば、「テンペスト」では膝をついての歌唱を通じて全身から湧き上がるエモーショナルさも表す。
そして「ジャーニー」からは、“TEAM MAMO”のロゴを背負ってダンサーとともにパフォーマンス。自らもダンサーと同じ振付をイントロからスタイリッシュに披露し、歌いながらセンターステージへと移動。SSAの中心で、思いっきり魅せるステージを展開していく。それは続く「シャイン」でも同様。爽やかかつスタイリッシュに魅せていき、サビ直前ではジャケットプレイでも歓声を巻き起こす。さらに「アンコール」では「一緒に歌って!」と呼びかけメインスクリーンに歌詞を映した楽曲冒頭部分を観客に合唱させれば、宮野はその声を両手を広げイヤモニも軽く外して受け止め、「すげぇ!すげぇ!」と無邪気に喜びをあらわにする。そして宮野が続きを歌い始めると、自然発生的にクラップが起こり、超満員のSSAでステージの上も下もなくひとつの曲をともに作り上げるというたまらない光景が生み出された。そんな大団円感のなか、ラストにもう1曲「カノン」を歌唱。改めて、力強くも甘い歌声と隙のないパフォーマンスといった宮野自身の持ち味を存分に発揮し、まるで素晴らしいショーのようなノンストップメドレーを完成させたのだった。
その圧巻のステージに対するざわめきが残るなか、流れ始めたのは「全力☆Summer!」のイントロ。そしてangelaの2人は、なんとこの曲のMVにも登場するバナナの仮面をかぶって登場!これにより笑いを巻き起こすのと同時に、SSAの空気を自然と“angelaのもの”へと塗り替えてみせると、atsuko(Vo.)によるノビある歌声を響かせながらのパフォーマンスがさらなる盛り上がりをもたらす。
歌唱後には振付講座やウェーブの練習を挟み、いざ次の曲へ……と、KATSU(Gt.)が「ですが?」と切り出しコラボパートナーが存在することを明かすと、「ようこそ、angelaの世界へ(atsuko)」の言葉とともに暗転。Ave Mujicaからドロリス役・佐々木李子が再登場し、Ave Mujicaがカバーした「KINGS」でのコラボを披露する。その佐々木はatsukoとはまた違ったダークさと強さを持った歌声を響かせれば、サビでは振付にあわせて身体を振りながらギターを演奏。さらに2サビ明け間奏ではKATSUと背合わせのギターセッションまでやってのけ、ただangelaの世界に溶け込むだけでなく、2人とともにその濃度をさらに濃密にするかのようなステージをみせてくれた。
そんなコラボに続いては、atsukoが指揮棒を掲げて「騎士行進曲」を歌唱。スクリーンに歌詞が表示されると会場全体での合唱となり、さらに一体感を増したかと思えば、サビ明けには突然「シドニア」のBメロへとスイッチ。atsukoはさらに力強く猛々しいボーカルを響かせれば、ドレッシーな衣装にもかかわらずキックを繰り出すなどの熱いパフォーマンスも交え、この「シドニアの騎士メドレー」を通じてさらに大観衆の心をとらえてみせた。そして最後を飾ったのは、こちらも観客の大歓喜を呼ぶナンバー「Shangri-La」。atsukoがタオルを手にしてパワフルかつ雄大な歌声を響かせ始めれば、客席でも多くのタオルが回る。Dメロにはセンターステージに移動すると、直後の落ちサビでは観客との大合唱に発展し、その歌声を全方位から浴びていた。こうしてangelaの魅力が凝縮されたかのような出番を締めくくると、「このあとは、あの方々です!(atsuko)」と、この日のトリへとバトンを繋ぐ。
それを受け取るのは、JAM Projectだ。「VICTORY」のイントロとともにゆっくりとユニットのロゴが映し出されると、5人もリフトアップでセンターステージに、久々のアニサマに堂々と登場。遠藤正明の「いくぞー!」のシャウトを皮切りに、とにかく理屈抜きでハートを燃やす圧巻の歌声を誰もが発し、まさに1サビ後に5人手を重ねて歌った「We’ll never die」のフレーズを体現するかのようなステージをみせると、そのまま「GONG」へ。引き続きステージングはパワフルに、かつ重ねたハーモニーもあまりに重厚で、1フレーズごとに圧倒されてしまうような錯覚さえあった。
そんな2曲に続けて、影山による「俺たちの、いくつになっても消えることのないアニソンへのアツい情熱を、叩き込んでやるー!」の宣言から、最新アルバム収録の「反撃 Fight Back!」を披露。定番曲だけでなく新曲も引っ提げることで、たゆまぬ前進を続ける姿勢を示してみせる。そんなこの曲は、掛け声などに古き良きアニソンのテイストも残したうえで、JAM Projectらしいアツさもふんだんに込められたもの。歌声のエネルギーはこの曲においてもすさまじく、“スーパーユニット”の呼び名にふさわしい唯一無二の存在であることを改めて感じさせられると、「THE HERO!! 〜怒れる拳に火をつけろ〜」では5人は序盤からステージ上に散ってまたも力強いボーカルを響かせていく。サビではオーディエンスを巻き込んでの「HERO!」のシャウトまで起こし、ラストを福山芳樹の超絶ハイトーンなフェイクが締めくくると、「最後は一緒に、歌って跳ぼうぜー!(影山)」の言葉とともに「SKILL」へ。
楽曲冒頭のコーラスから5人と超満員の大観衆が一致団結すると、楽曲が疾走感を帯びたところで一段階上の熱気がSSAに渦巻き、それを浴びる観客もとにかくジャンプとコールでそれに呼応していく。2サビ明けの間奏では5人はセンターステージへと駆け出し、幾度も「I can fly!」から始まるジャンプ部分をリフレイン。かつてのアニサマでの“夏の風物詩”がこの節目に再度繰り広げられると、いつしかメインステージにはDAY2の出演者たちも勢揃い。彼らも巻き込んで改めてジャンプとコールで飛びまくる。そして最後はステージ上の全員が胸に手を当て、再び重厚感をもって響く5人のコーラスをその胸に刻み込むと、福山の階段上からのジャンプエンドでフィニッシュ。影山からは「アニサマで一番魅力的かつ重要なのは、お前らだー!」と、観客への称賛の言葉も飛び出した。
そして最後は平和と幸せへの思いの込められたテーマソング「ONENESS -20th Anniversary-」を合唱。様々な繋がりのある出演者たちがともに歌を繋ぎ、声を重ねてDAY2を美しく締めくくり、DAY3へとバトンを渡したのだった。
次々と衝撃がもたらされ、アニソンファンの熱狂が止まらなかったDAY2のステージ。だが残り1日・DAY3に控える面々も強力なアーティストばかり。20回目の真夏のアニソンの祭典は、いったいどんな結末を迎えるのか――期待膨らむなか、さいたまスーパーアリーナはいよいよDAY3・8月31日を迎える。
「Animelo Summer Live 2025 “ThanXX!”」DAY2
2025.08.30@さいたまスーパーアリーナ
【SET LIST】
M01. CHA-LA HEAD-CHA-LA / FLOW feat. 影山ヒロノブ
M02. DAYS / FLOW
M03. GO!!! / FLOW
M04. 7 -seven- / FLOW×GRANRODEO
M05. SELF CONTROL!! ~ Believe again ~ Dazzling White Town / Saint Snow
M06. Strawberry Trapper / Guilty Kiss
M07. Guilty Night, Guilty Kiss! / Guilty Kiss
M08. 未来の僕らは知ってるよ / Guilty Kiss×Saint Snow from LoveLive! Sunshine!!
M09. KiLLKiSS / Ave Mujica
M10. Crucifix X ~ 八芒星ダンス / Ave Mujica
M11. 顔 / Ave Mujica
M12. 鳥の詩 / Lia
M13. My Soul, Your Beats! / Lia
M14. Sparkling Daydream / ZAQ
M15. CHAOS RemiXX‼ / DJざくお
Freestyle ~ Dance In The Game ~ マイナーピース ~ Serendipity ~ Seven Doors ~ Last Proof
M16. Playing The World / ZAQ feat. ミルキィホームズ
M17. 雨上がりのミライ / ミルキィホームズ ~ ミルキィ A GO GO / ミルキィホームズ ~ セイシュンビギナー! / フェザーズ
M18. 正解はひとつ!じゃない!! / ミルキィホームズ シスターズ
M19. High Free Spirits / TrySail
M20. アストライド / TrySail
M21. adrenaline!!!!!!! / TrySail feat. スフィア
M22. TRASH CANDY / GRANRODEO×宮野真守
M23. Punky Funky Love / GRANRODEO
M24. 慟哭ノ雨 / GRANRODEO
M25. Go For It! / GRANRODEO
M26. Thank You! / アイドルマスター ミリオンライブ! ミリオンスターズ
M27. 蝶々むすび / アイドルマスター ミリオンライブ! ミリオンスターズ
M28. Rat A Tat!!! / アイドルマスター ミリオンライブ! ミリオンスターズ
M29. MOON SIGNAL / スフィア
M30. HIGH POWERED / スフィア
M31. vivid brilliant door! / スフィア
M32. 水の星へ愛をこめて / 森口博子
M33. 哀 戦士 / 森口博子
M34. ETERNAL WIND〜ほほえみは光る風の中〜 / 森口博子
M35. うたの☆プリンスさまっ♪ special mix / 宮野真守
オルフェ ~ innocence ~ 蒼ノ翼 ~ テンペスト ~ ジャーニー ~ シャイン ~ アンコール ~ カノン
M36. 全力☆Summer! / angela
M37. KINGS / angela feat. Doloris from Ave Mujica
M38. シドニアの騎士メドレー / angela
騎士行進曲 ~ シドニア
M39. Shangri-La / angela
M40. VICTORY ~ GONG / JAM Project
M41. 反撃 Fight Back! / JAM Project
M42. THE HERO!! 〜怒れる拳に火をつけろ〜 / JAM Project
M43. SKILL / JAM Project with アニサマフレンズ
M44. ONENESS -20th Anniversary- / アニサマフレンズ
©Animelo Summer Live 2025
「Animelo Summer Live 2025 “ThanXX!”」公式サイト
https://anisama.tv/
SHARE