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INTERVIEW

2025.09.01

結成10周年、メジャーデビュー5周年、新体制3周年の“トリプル”アニバーサリーイヤーを迎えたフィロソフィーのダンス。10周年記念ライブの感想、そして新曲制作秘話を通してメンバーの想いに迫る。

結成10周年、メジャーデビュー5周年、新体制3周年の“トリプル”アニバーサリーイヤーを迎えたフィロソフィーのダンス。10周年記念ライブの感想、そして新曲制作秘話を通してメンバーの想いに迫る。

TVアニメ『わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(*ムリじゃなかった)』(以下、『わたなれ』)のED主題歌「迷っちゃうわ」を歌うアイドルグループ、フィロソフィーのダンス。結成10周年、メジャーデビュー5周年、新体制3周年の“トリプル”アニバーサリーイヤー迎えている彼女たちは記念日の8月6日にお披露目ライブを行った始まりの場所である新代田FEVERで“フィロソフィーのダンス 10th Anniversary Premium LIVE ~We are Funky Diamonds~”を開催したばかり。そこで、リスアニ!では、10周年記念ライブの感想を皮切りに、同ライブでも披露した「迷っちゃうわ」についての話を聞いた。

INTERVIEW & TEXT BY 永堀アツオ

フィロのスが歩んだ10周年を振り返る

――まず、10周年記念ライブ“フィロソフィーのダンス 10th Anniversary Premium LIVE ~We are Funky Diamonds~”を終えた感想から聞かせてください。

佐藤まりあ 本当に大切なライブではありましたが、プレッシャーは感じず、いつもどおり楽しくできたし、お客さんの熱量も本当に近くで感じられたし、長く愛されているグループだなというのを改めて実感する1日になりました。画面の向こう側で見てくれていた皆さんにも私たちが届けたい10年分の感謝の気持ちがちゃんと届けることができた、良いライブでした。

奥津マリリ 事前に「10年分のありがとうを込めて」と言っていたんですけど、いざステージに立ってみたら、私たちが伝えたい以上にフロアからの「本当に10年続けてくれてありがとう。頑張ってきたね」っていう愛と感謝をひしひしと感じて。改めて10年なんだなあということを自覚し始めたライブでした。それに、やっぱり1曲1曲に思い出があるし、みんなで一緒に10年を振り返るライブみたいな感覚もあって。1ページ1ページを振り返りながら辿っていくみたいな気持ちで、特別な夜になりました。

日向ハル 本当にすべての曲に思い出がある、走馬灯のようなライブだったなというのが一番の感想ですね。あと、10年前はFEVERがすごく大きいライブハウスに見えたんですけど、今回はお立ち台があったのもあって、冷静に最後列まで見れて。やっぱり10年経つと見える景色が変わるんだなあと自分自身の成長を感じたし、良い曲しかない、良いグループに10年かけてなったなと思いました。

――今年の12月で加入からまる3年を迎える2人は?

木葭のの 大切な特別なライブの日にみんなの盛り上がりがすごくて。それだけの熱量があったのは、フィロソフィーのダンスがこの10年で届け続けたものがあったこそだと思うんですね。私もこれからのフィロソフィーのダンスとして、またメモリアルなライブの日にあれだけ大盛り上がりしてくれるようなものをずっと届け続けていきたいです。

香山ななこ 私は1年休んで、久しぶりのワンマンだったので、自分のパフォーマンス力が落ちてないかなとか、良いライブを見せられるかなという不安があったんですね。でも、本番でファンの皆さんの歓声を聞いたら――本当はこっちから与えなきゃいけないのに、皆さんに頑張る力をもらって。みんなのおかげですごく良いライブができましたし、要1日になったなと思います。

――マリリさんから「1曲1曲に思い出がある」とありましたが、どんな思い出が蘇ってきましたか?

奥津 「プラトニック・パーティー」はお披露目の曲で、その当時のことを思い出せと言われたら、思い出せないんですけれども(笑)、あの1曲のために約1ヵ月弱くらい準備して、お披露目に挑んだと思うんですね。当時、私は「踊らされるんかい!」って思いながら……。

――シンガーソングライターとして活動してましたから。

奥津 そう、「踊りたくないんだけど……」と思いながらも、人前で恥をかきたくないから、精一杯頑張ろうと思って。初めてのダンスだったので、あの1曲だけですごく大変なことを成し遂げたみたいな気持ちでやっていて。あと、FEVERから配信で5周年ライブをやった時にも歌っているんですけど、正直、それもそんなに強く覚えてなくて……。

――(笑)。コロナ禍だったので無観客の生配信でしたから。

奥津 メジャーデビューを控えていて、「ドント・ストップ・ザ・ダンス」という曲を発売しますみたいな発表をしたらしいんですね。無観客で不安だらけだったけれど、ライブができるだけでも嬉しかったなみたいなことも思い出しましたし、大切な節目で歌っていたなあと思って。今回の「プラトニック・パーティー」はまたそれに思い出が1つ重なって。この曲を、この場所で、しかも、5人で、ファンの方と一緒に歌う意味みたいなものをすごく感じて。最初にこの曲を歌った時はすごく不安だったけど、結果10年でこうなってるんだなと思ったら、すごく幸せな人生だなと感じて嬉しかったです。

木葭 私も今回、一番印象に残っているのは「プラトニック・パーティー」です。私とななこちゃんはフィロソフィーのダンスと10年間という長い時間を一緒には過ごしてないですが、グループの始まりの曲をやるにあたって、私はいなかった“その日その場所”に思いをはせながらやって。今回、フィロソフィーのダンスとて、みんなでこの曲をやれて、本当の意味でフィロソフィーのダンスになれた感じがして。この曲をやる前より胸を張れるようになったかなと思いました。

日向 良いね。私が一番印象に残っているのは、「シスター」からの「ドント・ストップ・ザ・ダンス」かな。インディーズからメジャーに移り変わる――。

――あれは良い構成でしたよね。インディーズメドレーとメジャーメドレーの間に、インディーズの最後の曲である「シスター」が入っていて。

日向 今回は過去のライブ映像を観て、当時の自分を思い返してからライブに臨んだんですね。昔の曲はシャカリキでやったり、メジャーデビューの曲はメラメラした気持ちを思い出したりとか、色んなことを考えながらやっていて。「シスター」は前日にUSEN STUDIO COASTで歌った時のライブ映像を観たんですよ。自分のライブ映像はこっ恥ずかしくて、あまり観返さないので久しぶりだったんですが、あの時の「シスター」の気持ちも新鮮に新代田に持っていっていたので、ミラーボールが急に新木場と重なった瞬間があって。それでちょっとうるっときてしまって。

――USEN STUDIO COASTはメジャーデビューを発表した場所でもありますしね。

日向 あの時の思い出が、一気にフラッシュバックした瞬間でもあって。私の中でインディー期ってすごく楽しい思い出として宝箱にしまってあるんですね。色んな思いがあったけど、なんだかんだ切磋琢磨して、音楽に向き合ってきて。「うちらが一番かっこいいから、這い上がるぞ!みんなで燃やすぞ!!」って言い合ってきた。結構、強気なマインドで活動した5年間だったんですね。そういった意味で楽しかった思い出として心の中にしまってある宝物がフラッシュバックして。でも、エモいなみたいな気持ちでメジャーメドレーに行くのはいけないと思って。「ドンスト」の冒頭は後ろを向く振付から始まるんですけど、その時には配信のカメラに映らないからすごく大きく深呼吸して。メジャーデビューの時って、やっぱりエモとかじゃなくて、ここからもっともっと知ってもらうんだ!というすごくメラメラした気持ちがあった。あの時特有の強い気持ちを思い出して。表情も口角を上げたニヤリと笑うような表情を「ドンスト」の中でよくしてたので、その時の気持ちに一瞬で切り替えようと思って、そこからメジャーメドレーを始めたっていうのが、自分の中ですごく印象に残りました。

――一気に華やかさが増していく感覚がありました。アンさんはどうですか?

佐藤 2曲あって。「Gimme FIVE!」と「ダンス・ファウンダー」なんですけど、「Gimme FIVE!」はこの5人体制になって初めての曲で。あの日、ドキドキで震えていたののとななこが、3年経って、お客さんを煽ったり、楽しませようとする姿が近くで見られた。ななことは目を合わせるフリがあるんですけど、楽しそうだし、余裕すら感じる表情を見られて。あ、本当に成長したなあと思って。やっぱ思い入れがある曲ですし、10周年ライブでも、さらにパワーアップしてお届けできたので良かったなと思います。お客さんにもお待たせしてる曲であったので、大事なとこまで取っておいて良かったです。

――「ダンス・ファウンダー」は2017年のアイドルシーンを代表する名曲ですよね。

佐藤 どんな時もこの曲に助けてもらったなっていう思いが強くて。楽しい時はもちろん、アウェーの時でも、この1曲さえあれば会場が1つになる曲だと思っていて。今回もフィロソフィーのダンスの代表曲を一番最後にやって、お客さんと一緒に踊って、声も聞けて。この曲なしではフィロちゃんは語れないし、本当に一生大事にしていく曲だなと思っています。これからも5人でさらにパワーアップして、「ダンス・ファウンダー」をもっと色んな人に届けたい。今はフィロちゃんの中で一番有名な曲かもしれないけれど、アイドル界で一番有名で一番踊れる曲に育っていってくれたらいいなと願っています。

――ななこさんは?

香山 私は一番印象的だった曲は「サンフラワー」です。ライブハウスだから、ペンライトの色がよく見えて、ペンライトの色が「サンフラワー」=ひまわりだから黄色だったんですけど、やっぱり黄色って卒業した(十束)おとはちゃんの色でもあって。私はおとはちゃんと活動期間はかぶってないですけど、お休みしてる期間にすごく支えてもらったり、助けてもらったりしたんですね。このグループを繋いでくれた人がいるからこそ、私がいるわけで。おとはちゃんだけじゃなくて、回りの色んな方やファンの方、色んな方の支えがあって、今ここに私たちは立ててるんだなっていうのをすごく感じて。私はうるうるきましたし、泣きそうになりました。これまでにリリースイベントで披露してきた「サンフラワー」とは全然心境が違ったし、一番印象に残っている曲ですね。

最新のフィロのスを届けたい――新曲「迷っちゃうわ」に込めた想い

――そうしてこれまでの歩みを振り返りながらも、ななこさんの「最新の私たちをお届けしたい」という言葉から「迷っちゃうわ」をパフォーマンスしました。この曲はTVアニメ『わたなれ』のED主題歌になってますね。

佐藤 お話をいただいた時に、ガールズラブコメディという、私の人生の中では触れ合ったことのないジャンルだったので、また新しい扉を開いてしまうかもっていうワクワク感でいっぱいでした。あと、れな子は陽キャになりたくて、頑張って高校デビューをしたキャラクターで。私も周りのテンションに合わせて、家に帰ったらぐったりしたことがあるし、れな子はリアリティがあって、共感できる部分がたくさんあるなと思っています。

奥津 女の子同士のときめきは初めて開けた扉だったんですけど、イチャイチャしてるのかと思ったら、意外と人間の本質的な部分を見て好きになってたりしていて。例えば、真唯がれな子に対して、「心に寄り添ってくれるところが好きだよ」と言ったりする。かわいいとか、ちゅき♡みたいな恋心とは一言で語れない、結構、深いところまで突っ込んでたりしてて。ドタバタラブコメかと思いきや、本質的な内面までいってたりするので、普通に興味深いなと思ってます。

香山 私もれな子と一緒で、高校デビューじゃないんですけど、中学デビューした身なので。

――そうなんですね!?どうやって中学デビューしたんですか?

香山 小学校の時代を誰も知らない中学に行きたくて、受験して入ったんです。やっぱりキラキラしてる人と一緒にいると、自分もキラキラになったような気がするけど、やっぱり周りに合わせてる部分もあるからぐったりする時もあって。でも、楽しくてワクワクしてみたいな気持ちはすごくわかるんですね。ただ、れな子は、実はもともと陽キャの素質があるんじゃないかって思ってます。断る時もはっきりとものを言えるし。

日向 私も着眼点は同じですね。カーストってあったなあっていうのをすごく懐かしく観ていました。自分も学生時代、イケてること一緒にいたくて、クラス替えの時に誰と同じグループになるか、みたいなことに一喜一憂してた時代もあったんですけど、大人になって、安心できるホームみたいな仕事場に所属できることになった。だから、れな子も焦らなくて大丈夫だよ、大人になっていい仲間に出会えるかもよって思いながら観ています。

木葭 私もれな子に共感していて。私も元々、変に人に気を遣っちゃったり、気疲れしちゃうタイプなんですね。休日はできれば人と遊びたくない。できれば1人でいたいっていうくらい、上手く自分を出せなくて。れな子も最初の方は思ったことを上手く言えなかったり、疲れて屋上でお布団になってたりして、すごく自分と重なる部分があって。でも、話を重ねるごとに、れな子が成長していく姿を見て、自分も感化される部分があって。アニメを観ながら、こういうふうになりたいなって。すごく感動していました。

――れな子の人間的な成長物語として共感しながら観ているんですね。楽曲を最初に受け取った時はどう感じましたか?

奥津 聴き心地が良すぎて、ずっとリピートしていられるなと思ったのが第一印象でしたね。私たちは甘い乙女な曲は少ないですけど、こういったアプローチができたのは作品のおかげなので、すごく嬉しいです。メロメロみたいな意味でもそうだし、メロディが気持ち良い的な意味でも“メロい”と思うんですね。しかも、こんなに悩ましく、こんなにニュアンスをつけて歌える強さもあるグループだと思うので、ぜひ広まってほしいです。

佐藤 アニメが怒涛の展開なんですよね。来週どうなっちゃうの!?みたいななかでちょっと気持ちが落ち着けるような曲になってるんじゃないかなと思います。「だんだん物語にリンクしてきた」みたいなファンの方からのコメントも多くて。“何が正しい?”とか、“騙し騙し”とか、物語が進むにつれ、より意味が深まってくるんじゃないかと思っています。

香山 私もまりあちゃんと一緒で、話数を重ねるごとに歌詞がリンクしてきたなっていうのを感じていて。れな子は本当にずるいことしてたりするし、Xでも「れな子が悪いんだよ」っていうポストがたくさんあって。あとは、“甘い罪悪感たっぷり”と“苦い現実感ちょうだい”っていうところが対比になっている部分で、れな子の揺れ動いている裏腹な心を表してるなと思って。回を重ねるごとに歌詞のうま味が深まっていってるので、これからまたさらにアニメを観ていくのが楽しみです。

木葭 私は良い曲って、つまり、ドライブにぴったりな曲だと思うんですよ。

――そうなの!?

奥津 はい、そうなんです。良い曲ってドライブにぴったりなんですよ。

木葭 ふふふ。車を運転してる……私は運転したことないけど。運転してくれているお母さんと「どんな曲が売れるんだろうね」とか、「どんな曲がいいんだろうね」と話している時に、「それってつまり、車を運転してる時に聴きたくなる曲じゃない?」ってなって。

佐藤 木葭家の結論です。

木葭 それにぴったりの曲で。最初に聴いた時点で、「あ、好き」ってなったし、歌っていても聴いていても気持ちが良い。すごく良い曲なので、アニメを通して、たくさんの人に広がったらいいなって思います。

――この流れでアニメの絵が付いたエンディングを観た感想を教えてください。

奥津 そう、先ほどののから「ドライブに合う曲が、つまりは良い曲だ」という話がありましたが、私もこの曲、夜のドライブで聴きたい曲だなと思ったいたら、エンディングのアニメーションが夜のドライブシーンだったので、解釈一致!となって、すごく嬉しかったです。あと、好きなポイントとしては、色んなキュンキュンが繰り広げられてたり、人間模様がある中で、結局、あのドライブはみんなで楽しそうに旅をしてる。友情もある感じがいいなと思っていて。好きとか嫌いとかで悩みながらも、一緒にいることが楽しいみたいな青春を味わえるアニメーションですごく好きです。

――今回は衣装もアニメをイメージしていると聞きましたが、解説してもらっていいですか?

日向 そうなんです。『わたなれ』のカラーがペールトーンなので、私たちに衣装の色合いもペールトーンをメインにしていて。さらに、アニメのキャラの髪色が衣装の差し色として入れつつ、メンバーカラーもさりげなく入っています。あと、自分たちのMVに出演しているメイドさんが元々男性キャストの予定だったんですが、マリリが「ガールズラブコメディだから、全員女性で統一していいんじゃないか」というナイスコメントをくれたことで、出演者が全員女の人間だけになったっていうのも、『わたなれ』を意識したからこそです。

――アニメファンにしっかり伝えたいですね。そして、フィロのスのファンになってほしい。

佐藤 すでにフォローしてくださる方が増えた気がします。アニメを一緒に同じ時間にリアルタイムで見ていて。ファンの方に混じって自分たちもいたりするんですけど、みんなで感想を言い合うのが楽しくなっています。

日向 友情が芽生えている気がしますね。

次のページ:10年の想いを込めた「Philosophy is dance!」

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