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INTERVIEW

2025.08.20

愛美の音楽と共に新しい世界の幕が開く――!初のハーフアルバム『A/CODE』を愛美自身が語り尽くす

愛美の音楽と共に新しい世界の幕が開く――!初のハーフアルバム『A/CODE』を愛美自身が語り尽くす

愛美、渾身の新作『A/CODE』は、キャリア初のハーフアルバムにして、これまでにない彼女のスタイルに触れることができる、コンセプチュアルな作品だ。バンドメンバーと共に扇動的なラウドロックサウンドを奏でるMVが話題のリード曲「AthisCode」をはじめ、ここに収められた愛美本人の作詞による全6曲は、いずれも聴き手を先導する力強いメッセージが込められており、彼女がアーティストとして次のステージに進んだことを感じさせる。愛美という名のサーガの新たな始まりを告げる本作はいかにして生まれたのか。その本質に迫るインタビューをお届けする。

INTERVIEW & TEXT BY 北野 創

新しい時代を作り上げる“王”になるために!愛美の新たな挑戦

――今回の新作『A/CODE』、収録されている新録の6曲すべてが重厚なロックサウンドになっていて、めちゃくちゃ攻めた作品になりましたね。

愛美 ありがとうございます!ずっとこういうハードでヘビーな音楽をやってみたかったんです。今回のハーフアルバムは、全曲オリジナルで好きに作れるタイミングだったので、トライするなら今かなと思って、思い切りやらせてもらいました。

――これまでにも、AA=の上田剛士さんが作曲・編曲・音楽プロデュースを手がけた「MAGICAL DESTROYER」といったデジタルハードコアな楽曲はありましたが、愛美さん的にはよりヘビーな音楽をやってみたい欲求があったんですね。

愛美 そうなんです。今までやってきたようなバンドロックっぽい、ちょっとポップス寄りな音楽ももちろん好きですけど、重厚感のある強めのサウンドにも憧れがあって。

――作品タイトルの『A/CODE』は造語らしいですが、どんな意味合いを込めて付けたのでしょうか。

愛美 まず先にリード曲の「AthisCode(アティスコード)」があって、その作詞をした後に付けたタイトルなんです。“A”は愛美のイニシャルでありつつ、アルファベットの最初の文字でもあるので、“はじまり”という意味を込めていて。“CODE”は“暗号”や“メッセージ”という意味合いがありますけど、そういう部分を含めて“愛美の音楽”“始まりの音楽”“愛美のメッセージ”みたいに、色んな意味を重ねています。コードは音楽でも使われる言葉なので。

――なるほど。キャリアを重ねてきたなかで、今、改めて“始まりの音楽”をタイトルに掲げたのは?

愛美 これは“愛美が始まる”というよりは“世界が始まる”という意味合いのほうが強くて。愛美の音楽と共に新しい世界の幕が開く、というニュアンスを込めています。今回はサウンド面を今までとはかなり変えて挑んだ作品でもあるので、新しい愛美に生まれ変わる、“愛美の新章の幕開け”みたいな意味合いも含んでいます。

――愛美さんがイメージしている“新しい世界”とは、どんなものなのでしょうか。

愛美 私は昔からサグラダ・ファミリアが好きで、いつかスペインに行きたいなと思っていて、そのサグラダ・ファミリアが2026年に完成する予定なんです。サグラダ・ファミリアって、完成するとそれ自体が1つの楽器になるように設計されていて、鐘が鳴ると、それが街全体に響き渡るらしいんですよ。そういうのもあって、個人的に2025年や2026年は時代が切り替わるタイミングのように感じていたので、今回のアルバムではニューワールドを表現したいなと。そして愛美はその新世界のキングだったり、クイーンやナイト、ジョーカーだったりするという。

――それでジャケットやアーティスト写真のデザインにトランプの要素が組み込まれているんですね。

愛美 ……元々は「愛美が新世界の神やカリスマの雰囲気」みたいなイメージを伝えていて、それを楽曲やビジュアルを決めていったんですけど、その中でデザイナーさんが「じゃあトランプのモチーフはどうですか?」と提案してくださったので「それだ!」と。色んな要素が上手く合致して、すごくいい作品になったなと思います。

――個人的には、今回のハーフアルバムの初回限定盤に映像が収録される2024年のワンマンライブ「AIMI LIVE TOUR 2024 “LIVE IT NOW”」が、全曲生バンドかつオールスタンディングでとても熱気のあるライブだったので、あのロックなステージが今回のサウンドのハードさに繋がったのかなと思っていました。

愛美 もっと規模感を広げたいなとは思いました。今までの愛美は、寄り添って背中を押せるような楽曲が多かったと思うんですけど、今後はもっとカリスマとして崇めてもらえるような、もっと圧倒的な存在になりたいと思ったんです。時代ごと、世界ごとに作り上げて引っ張っていくみたいな。そういうものを表現したくて出来たのが今回のアルバムになります。

“愛美新章”を象徴するカリスマチックなリード曲「AthisCode」

――ここからは各収録曲について詳しくお話を聞いていきます。先ほどのお話から察するに、リード曲の「AthisCode」が今作の始まりになったと思うのですが、まさに新世界を切り拓かんとする革命の息吹を感じさせるアグレッシブな楽曲ですね。

愛美 まさに!これは先ほどお話した時代や世界の切り替わりを感じたうえで、「私が率いてやる」というような、みんなを目覚めさせるような楽曲にできたらと思って作りました。

――これまで以上にたくましく力強い歌声にはカリスマ的な存在感あって、自分自身に対する自信の表れを感じました。

愛美 今までは自分を解放したくてもできないもどかしさが結構あって、ライブでもなかなか入り込むことができなくてジレンマを感じていたんです。でも、それって外側に出そうとしているから解放できないのであって、もっと自分の内側を掘り下げていけば、ナチュラルに自分が出てくることに気付きまして。

――それは例えば“王”になった自分を想像して演じる、とかではなく?

愛美 前回のライブの後に三嶋さん(キングレコードの音楽プロデューサー・三嶋章夫)と話す機会があって、「もっと入り込んで歌えば、さらに良くなると思う」という感想をいただいて、私も「愛美として別の何かになりきってやったほうがいいのかな」と思ったんですけど、やりたくてもできないんですよね。どこまでも愛美が邪魔をするというか。でも「待てよ、別に何かにならなくてもいいんじゃないか」と。今までの私は出そう出そうとしてたけど、本質のところ、本当にやりたかったことや気持ちを掘り下げて楽曲に反映できたら、おのずとできるんじゃないかと思ったわけです。

――全曲ご自身で作詞されているのも、そういう流れからですか?

愛美 それは愛美のプロデューサーさんや、いつも一緒に楽曲を作っている島崎(貴光)さんから「今回は全曲作詞でどうですか?」と提案いただいてて。全曲新録のオリジナル曲ですし、このアルバムのために作られた楽曲と歌詞なので、“愛美新章”として相応しい、メッセージ性の強い色濃いアルバムになったかなと思います。

――その中で「AthisCode」をリード曲にしたのは?

愛美 アニソン好きな人が好きそうな楽曲だからという理由も大きいです。もともとリード曲に決まっていたわけではなくて、楽曲を集めて作詞を進めていくなかで、ファンの人たちからの受けも良さそうだし、歌詞やタイトルの意味合い的にも、さっきお話した『A/CODE』と同じものを込めているので。あと、それこそサグラダ・ファミリアには、ガウディの残したガウディコードと呼ばれる暗号のようなメッセージがあるとされているんですけど、私も“愛美コード”みたいなものを楽曲やアルバム全体に散りばめられたら面白いなと思って。それを示す意味も込めて「AthisCode」をリード曲にしました。

――アニメソングを歌うことを志して、この世界に入った愛美さんに相応しいですし、歌詞の意味深な言葉選びも今までにない雰囲気ですよね。

愛美 今回強い楽曲を選んで制作を進めたら、言葉も強くなったり、中二感が自然と出てきたりして。それは面白いなと思って作詞してました。この曲の歌に関しても、強いサウンドに負けないように、ひるまないようにレコーディングしました。やっぱり王であり、リーダーであるので、聴いた人がついていきたいと思えるような、かっこいい歌声を目指しました。

ゴリゴリのメタルコアから声優アーティストならではの楽曲まで!

――収録順で言うと、本作はゴリゴリのメタルコア「NEO ELDOLADO」でスタートします。この曲を1曲目に置くところからも、愛美さんの本作にかける意気込みを感じました。

愛美 これはコンペで楽曲を選別していた時に、その場にいたプロデューサーさんを含め、みんなが「これは挑戦したいよね」となって選んだ楽曲です。“愛美新章”の幕開けに相応しいというか、誰が聴いてもハッとさせられるような楽曲になりました。「AthisCode」はこれまでのロック曲の派生形としても受け取れると思いますけど、「NEO ELDOLADO」は明らかに今までと違うので、満場一致でこれを1曲目にしようと。

――その激しいメタルサウンドに対して、「NEO ELDOLADO(=新たな理想郷)」を冠した歌詞は、非常に世界観の強い内容になっています。

愛美 これはレオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」をモチーフに書きました。あの絵画に描かれている人たちの中には、裏切り者のユダがいるとされていますよね。で、私は「裏切り者は実は違う人物なんじゃないか説」を推してるんですけど。

――実際にそういう説があるんですか?

愛美 いや、あまりそう言っている人はいないので、私の持論です(笑)。でも、裏切り者って案外近くにいるものだと思うんですよ。「友達だと思って話しているその人は、本当に信頼できる人ですか?」と問いかける部分もありつつ、「さあ、一緒にネオエルドラドへ堕ちましょう」という愛美を崇めてほしいという気持ちのもと作った歌詞であり、楽曲になります(笑)。

――歌詞には“禁断の口付けをしよう”というフレーズもありますが、魅了して堕とすような艶やかさが歌声にも表れていますね。

愛美 この曲は歌うのがかなり難しかったです。ここまで深い音を使うのは初めてだったので、どういう声色で歌ったらいいか、結構試行錯誤しながら歌いました。どれくらいの低さがいいのかを、いろいろコントロールしながら試しました。

――3曲目の「What’s up FIRE!」は重厚なバンドサウンドを軸としながらも、ラップ調を含め多彩な歌の表現や煌びやかなシンセのフレーズが盛り込まれていて、おもしろい曲ですね。

愛美 今回はヘビーなサウンドにしたいというところもあったんですけど、そればかりだと聴いてくれる人も疲れるだろうから、アルバム全体でバランス良く選びました。この曲はサビの疾走感がすごく良かったですし、ライブでも盛り上がるだろうなと思って。

――英語と日本語をバランス良く織り交ぜた歌詞も、ノリの良いフレーズがたくさん散りばめられていて、聴いていて楽しいです。

愛美 ライブ映えしそうな曲だったので、歌詞もシンプルにライブ映えしそうな言葉を選んでいきました。でも、今までと違うところは、1人称が“俺”とか“俺たち”になっているところです。これは結構な違いで、今までの曲の1人称は“僕”に統一していたと思うんですけど、愛美のマインドが強気に変改したことも踏まえて“俺”にしました。

――そして4曲目の勇ましいギターロック「STARS」。今作の収録曲はいずれもメッセージ性が強いですが、この曲は特に聴き手に呼びかけている印象があります。

愛美 この曲は、ポピパ(Poppin’Party)の日本武道館ワンマン(“Poppin’Party 10th Anniversary LIVE「ホシノコドウ」”)の後に作詞したんですよね。

――えっ!それで「STARS」というタイトルなんですね。不意を突かれて胸のキラキラドキドキが止まらないです(笑)。

愛美 歌詞が“思い出そうか あの鼓動”で始まるのも、Poppin’Partyは初期衝動を大事にしているバンドで、そこから「そうだ、俺たちはスターになりたかったよね」「みんなであの時の気持ちを思い出してスターになろうぜ!」「俺たちが星だ!」ということを歌っています。これは今までの楽曲と近い寄り添い方の歌詞になったと思います。

――色んなキャラクターの人生を見ていますからね。

愛美 はい。色んな世界を感じられるから、作詞アイデアは豊富にある気がします。

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