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2025.07.20

ヒヨコ群、大勝利!リベンジを果たした夏川椎菜の<LAWSON presents 夏川椎菜 Revenge Live “reMAKEOVER”>初日公演をレポート!

ヒヨコ群、大勝利!リベンジを果たした夏川椎菜の<LAWSON presents 夏川椎菜 Revenge Live “reMAKEOVER”>初日公演をレポート!

<LAWSON presents 夏川椎菜 Revenge Live “reMAKEOVER”>が7月12日のZepp Haneda(TOKYO)公演からスタートした。2022年に行われた夏川椎菜のツアー“MAKEOVER”を声出しの制限がない完全な形で再現するというコンセプトのライブ。当時の悔しさを吹き飛ばす大勝利のライブで見事リベンジを果たした。今回はそんなリベンジツアーの初日・Zepp Haneda(TOKYO)公演をレポートする。

TEXT BY 金子光晴
PHOTOGRAPHY BY 江藤はんな[SHERPA+]

羽を上げろヒヨコ群!声を上げろヒヨコ群!

7月12日(土)にZepp Haneda(TOKYO)、13日(日)にZepp Nagoya、そして21日(月・祝)にはZepp Osaka Baysideと巡る今回のライブ。今月5日(土)には大阪での“リスパレ!LIVE vol.3”への出演もあり、ライブ漬けの7月となっている。

コロナ禍で観客の声出しなどに大きな制限があったツアー“夏川椎菜 2nd Live Tour 2022 MAKEOVER”を、完全な形で行おうというのが今回のライブのコンセプト。声援がなくてもあれだけ盛り上がったライブなのだから、声出しがあったらどんなにすごいライブになるのだろう。当時、そんな想いを持っていたのは夏川もヒヨコ群(夏川のファンの呼称)も同じだったはずだ。

こうして、当時とまったく同じセットリスト、衣装、バンドメンバーで行うという今回の企画が実現した。更に当時はホールツアーだったが、今回はZeppツアーとなり、オールスタンディングでのライブとなった。もうこの時点で、我らの勝利は約束されたようなものである。ツアーロゴが映されていた幕が開くと、フラッグを手にした夏川椎菜が登場。ステージは当時の雰囲気は残しつつ、フラッグの柄が“reMAKEOVER”仕様になり、夏川の髪がショートに。前日の生放送でも髪を隠した状態で出演していたので、今回のライブでは最大のサプライズと言えるかもしれない。

オープニングの曲は「烏合讃歌」。夏川はジャンヌ・ダルクのように旗を掲げ、ヒヨコ群のアンセムを高らかに歌い上げる。弱いヒヨコたちが群れになって反旗を翻すというマニフェストを掲げたこの曲から始まるのも、3年前と同じ。ただ、1つだけ違うところがあった。夏川が会場のヒヨコ群を煽ると、大きな歓声が上がる。この光景こそ、3年目にはなかったものだ。曲が終わると、拡声器を持った夏川による“宣誓”が行われた。

「宣誓~!我々、天下一ヤワな羽毛のヒヨコ群は!『MAKEOVER』で感じた、楽しかったことも、悔しかったことも! ぜ~んぶひっくるめて、リベンジすることを誓います!」

「烏合讃歌」の歌詞にかけた宣誓は、もちろん「reMAKEOVER」ライブ仕様。そして続いての曲「ハレノバテイクオーバー」で、待ってましたとばかりにヒヨコ群も歌声を上げる。この曲はヒヨコ群の歌声が入ってこそ完成されるものだというのを改めて感じさせた。

「羽を上げろヒヨコ群!そして声を上げろヒヨコ群!」

MCでさっそく、夏川からの号令がかかる。ちなみに“羽を上げろ”とは、夏川のファンがヒヨコ群と呼ばれることから腕を上げることをこう形容するようになったのだが、この表現が生まれたのも3年前の“MAKEOVER”からだという。

過酷すぎるオープニングゾーン

短いMCの後も序盤から飛ばしまくっていく。「RUNNY NOSE」「トオボエ」の2曲もコールが入ると全然パワーが違って、この時を待っていたかのような曲の流れになっていた。そして「アンチテーゼ」は羽を上げるような振りをコピーしつつ、最後はシンガロングで会場が一体になるという、早くもライブのエンディングのような雰囲気になった。ここで終わりかと思いきや、「ステテクレバー」がライブハウスならではの激しいノリでさらに熱度を上げていく。早くもものすごいカロリーの高さで、後先を考えないセットリストになっていた。

やっとMCのゾーンに入るとみんなほっと一息といったところ。初めて夏川のライブに来た人はいるかと挙手を求めると、ちらほらと手を上げる姿が見られた。開設したばかりのTikTokアカウントを見て来たという方もいて、新規のヒヨコも増えているようである。ヒヨコ群をもっと大きい会場に連れていくためにもTikTokのフォロワーを増やしたいという熱い想いを語っていた。

“MAKEOVER”ではいつも“ヒヨコ労働組合”(夏川のバンド)のメンバーに夏川から質問をするのが恒例になっていた。今回はこのアタマのゾーンの感想を問われると、メンバーは「きちー」「きちぃっす」「きついっす」「その件で後で時間もらってもいい?」と労働争議になりかねない反応が返ってきていた(笑)。

ちなみに、オールスタンディングで行われた今回のライブだが、チケットは2階席から埋まっていくという傾向が見られた。なぜかというと、2階席には椅子があるので休めるからである。歴戦のヒヨコ群でも2階を選択するほど過酷なライブなのだ。

ようやく近づいてきた夢の世界

ここからは“癖強”と称される曲のゾーン。「サメルマデ」は独特のリズムで難易度が高いが、テクニカルな演奏も含めて気持ちがいい楽曲だ。「シマエバイイ」は“MAKEOVER”での振りも再現。そして「奔放ストラテジー」ではチルいダンスも披露した。ゆらゆらと揺れる姿から“ワカメダンス”とも言っていたが、いずれTikTokでもこのダンスが披露されるのだろうか。

MCを挟んで、「仲間になる準備はいいですか?」と「ボクはゾンビ」を歌唱。最初は会場のヒヨコ型のペンライトがヒヨコの黄色とゾンビの緑で半々だったのが、曲の終わりには9割方緑になっており、ヒヨコたちがだんだんとゾンビ化していくという芸の細かさが見られた。やはり独特な世界観の「ワルモノウィル」が続き、ライブも中盤へ。ライブのちょうど真ん中にあたる12曲目が「パレイド」。夏川椎菜のアーティストとしての方向性を決めたともいえる大切な曲である。続く「ミザントロープ」の後のMCで夏川は「パレイド」について語った。

“背伸びで届いた夢の世界”という歌詞にあるように、「パレイド」を歌うたびに自分の未熟さを感じていたという彼女。だが、声優を夢見て14歳でミュージックレインに入ってからずっと感じていた“背伸び感”を、ここ数年で払拭できてきたという。「もうちょっとステージに立つことをメインにと言いますか、みんなに何かを伝える人でありたいなというのをずっと思って、あと10年は頑張ろうと思った次第です」と宣言して大きな拍手を浴びていた。

やはり、ヒヨコ群に強い共感を呼ぶ「パレイド」は夏川椎菜のライブに欠かせない。なお、この曲に対する客席のリアクションがどうだったかは、こちらのショート動画を参照していただきたい。

いよいよライブもラストスパート。まずはみんなが大好きな「すーぱーだーりー」でキュートな魅力を振りまく。顔ハートも決めて大きな歓声が巻き起こり、ファンサしまくりの1曲となった。抜群の一体感を得られる「That’s All Right!」。そしてヒヨコ群も定番の振り付けやクラップで盛り上がれる「チアミーチアユー」では、バンドメンバーとの絡みもあり、あっち向いてホイをしたり、ギターの山本陽介に追いかけられて舞台袖まで逃げるなど、遊び心たっぷりのパフォーマンスを見せた。そして「キタイダイ」へ。『Ep01』に収録されたこの曲は、今ではライブで熱い盛り上がりを見せる楽曲へと深化している。
最後の曲は「クラクトリトルプライド」。事前に「みんな泣きながら歌おうな」とコメントしていた夏川だったが、まさに“号泣全力シンガロング”でライブ本編は大団円となったのだった。

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