INTERVIEW
2025.08.08
現在放送中のTVアニメ『その着せ替え人形は恋をする』Season 2で、前作に引き続き、幕開けを彩るのはスピラ・スピカ。幹葉が紡ぐ“好き”のパワーが詰まった「アオとキラメキ」が力強いエネルギーとなって、物語の世界をまぶしいほどに照らしていく。色々な壁を乗り越えてきた、今の幹葉だからこそ表現できる応援歌だ。また、「アオとキラメキ」を表題曲に掲げた10thシングルには、ぼっちぼろまるが手掛けた「あしたは天晴れ!」と、Season 1のOPテーマ「燦々デイズ」のピアノアレンジをパッケージ。本作に込めた今の想いを、幹葉にじっくりと聴いた。
INTERVIEW & TEXT BY 逆井マリ
【連載】「幹葉の森 おしゃべりルーム」
第8回目:TVアニメ『その着せ替え人形は恋をする』Season 2 制作デスク・梅原翔太(CloverWorks)×プロデューサー・松本美穂(アニプレックス)
──『その着せ替え人形は恋をする』(以下、『着せ恋』)Season 2でスピラ・スピカ(以下、スピスピ)がオープニングを飾ることが決定した時はどのような気持ちでしたか?
幹葉 もう“びっくり嬉しい”の状態でした!八王子で行われた『着せ恋』のイベント(2022年9月@J:COMホール八王子)の時にSeason 2の制作が発表になって。その時、私もスピスピとしてステージに立たせてもらっていたので「わ、楽しみだな!また歌えたらいいな」と密かに思っていたんです。自分にとって1つの目標でもありましたし、ソロプロジェクトになってからの初めてのアニメタイアップは、やっぱり『着せ恋』が良い!という気持ちもありました。そのチャンスを掴むためにも、活動を続けていこう!と。
──それだけ思い入れのある作品ですものね。今回の『幹葉の森 おしゃべりルーム』の鼎談でも話題に上がっていましたが、『着せ恋』の登場人物たちが“好きを貫いていく”姿は、幹葉さんご自身の歩みとも重なる部分があるように思います。
幹葉 ありがとうございます。TVアニメ『ガンダムビルドダイバーズ』EDテーマの「スタートダッシュ」でスピラ・スピカとしてメジャーデビューした時から、「好きを諦めない」という気持ちで走り続けてきましたが……その間、スピスピの大きな変化として、バンドからソロプロジェクトになって。当時『幹葉の森 おしゃべりルーム』(第0回)でもインタビューしていただきましたが、時には一瞬道を見失ってしまったり、自信がなくなってしまったりした時期もあったんです。そんな時、『着せ恋』の“好き”を貫いていいんだよというメッセージが、すごく支えになってくれていました。
──幹葉さんにとって、進む道を照らしてくれた星のような存在なんですね。
幹葉 本当にそのとおりです。『着せ恋』のみんなが背中を押してくれたような気がしています。今回の「アオとキラメキ」は、そんな想いを込めて作った曲です。しかもスピスピとして10枚目のシングル。大切な節目にピッタリな曲ですし、デビュー曲「スタートダッシュ」で走り出したときの答え合わせじゃないんですけど……そんな気持ちでもありますね。
──ちなみに、『着せ恋』のオープニングを担当することは、どのような形で知らされたのですか?
幹葉 とあるライブの時にディレクターさんが「ライブ後に大事な話がある」と言ってきて、「わざわざライブ後に……?」と。ついつい「悪い話!?ねえ、悪い話!?」って何度も聞いてしまいました(苦笑)。後から聞いたら、ライブ前に聞いたら泣いちゃうだろうからっていう、マネージャーさんの気遣いだったんです。案の定、教えてもらった時には号泣してしまいました。
──無理もないかと思います。スピスピが再び『着せ恋』でオープニングを歌う、となった時ファンの皆さんが喜ばれていたこともすごく印象的でしたが……って幹葉さん、今も大粒の涙をこぼしてる……!?
幹葉 ごめんなさい、発表した時に『着せ恋』ファンの方々、スピスピファンの方々がすっごく喜んでくれたことが、本当に嬉しくて、それを思い出すと泣けてきちゃって。所属させてもらっているSACRA MUSICがアニソンを歌っている方が多いので、ファンの方たちも「アニメのタイアップはまだ?」っていう感じで気にかけてくれていたんですよね。でも、なかなかお知らせできないもどかしさがあって……。だからこそ、『着せ恋』のオープニングが決まった時は早く伝えたくて仕方がなかったんです。
──「アオとキラメキ」の作詞は幹葉さん、そして作曲・編曲を手掛けられているのは清家 寛さん。今回の楽曲制作はどのような形で進んでいったんですか?
幹葉 楽曲はアニメ制作の皆さんとも共有しながら制作を進めていったんです。本格的に制作に入る前に、アニメ制作側の方から“恋愛にフィーチャーしない”といったオーダーをいただいて、まずは一度、歌詞を書き上げたのですが……私が『着せ恋』を好きすぎるあまりに、ストーリーの一部にすごく寄り添いすぎてしまったところがあって。それで再度リモートでお時間をいただき、話し合いながら、もう少し広い視点で書き直すことにしました。
──その時に意識したことというのは、どんなことでしたか?
幹葉 『着せ恋』の登場人物はそれぞれが自分の“好き”を持っているけれど、それを誰かに強制することはないんですよね。Season 2で描かれているのも、そういう“好き”の広がりで。だからこの曲でも、好きの可能性、更に聴いてくれた人自身の可能性も広げられるようなものにしようと、改めて感じて制作し直しました。また、Season 2 には大人のコスプレイヤーの方もたくさん登場します。だからこそ、「好きに年齢は関係ないよ」というメッセージも込めたかったんです。いくつになっても一生懸命に追いかけられる青春がある。そういう想いを込めて、学生時代ならではの一瞬のキラメキと、終わらないアオを“がっちゃんこ”で表現しました。
──サビのシンガロングやクラップの一体感も青春感があっていいですよね。
幹葉 ありがとうございます!(喜多川)海夢ちゃんや五条くんの輪がどんどん広がっていくようなイメージと、青春感を伝えられるような曲にしたくて、みんなで歌えるところやクラップをたくさん取り入れたんです。
──それと、要所要所に「燦々デイズ」の要素も閉じ込められているように感じます。
幹葉 色んなこだわりをギュギュッと詰め込みました(笑)。(制作陣との)話し合いのときに「燦々デイズ」を思い出させるようなエッセンスを入れてみてもいいのでは?というご提案もいただいたんです。それで“キラリ”というワードや、サビ終わりの“キミのそばで笑ってたいからBe myself!”というフレーズを踏襲するような言葉を入れつつ、今の2人の関係性を描いています。
──今回の歌詞では“キミがいる いつだって ほら笑って Hi-Five!!!!!”になっていますよね。より力強くなった印象があります。
幹葉 「燦々デイズ」はどちらかというと、五条(新菜)くんから海夢ちゃん目線になっていて、五条くんの海夢ちゃんに対する憧れの気持ちも曲に込められていたんですよね。でも、ふたりがSeason 1を通して一緒に過ごしていくなかで……対等になったという言い方が正しいかはわからないのですが、お互いに支え合う存在として関係が深まっていったように感じています。そういった変化した関係性や自信を“キミがいる いつだって ほら笑って Hi-Five!!!!! ”というフレーズに込められたらなって。
──歌の中で五条くんたちの成長も表現されているということですね。レコーディングはいかがでしたか?
幹葉 楽しかったです!実はコーラス部分は、ミュージシャンの皆さんはもちろん、『着せ恋』の篠原啓輔監督や『幹葉の森』にも登場してくださったCloverWorksの梅原(翔太)さんをはじめ制作スタッフの皆さん、なんと音響スタッフさんまで歌ってくれているんです!アニメチームの皆さんがコーラスをレコーディングする日は、私は直接レコーディングに行くことができずでリモートでの参加だったのですが、すごく嬉しくて。「アオとキラメキは」そうやって生まれた一体感があって、今度はライブでさらにたくさんの人の声が重なっていくんだなと思うととても楽しみです。
──カップリング収録の「あしたは天晴れ!」は、幹葉さんのお友達であるぼっちぼろまるさんが作られた曲。どのような経緯で制作をお願いすることになったのでしょうか?
幹葉 私がFMヨコハマのラジオ番組をやっていた時に、ぼっちぼろまるさんがゲストにきてくださったのですが、私がすっかりファンになっちゃったんですよ(笑)。その時から「スピスピの曲を作ってほしいです!」と伝えていたのですが、今回CDが出せるとなって、改めて直接お願いしました。そしたら快く引き受けてくれて。
──世界観などは幹葉さんからリクエストされたとうかがいました。
幹葉 どんな楽曲をお願いしたいかという打ち合わせのなかで、ぼろくんが持っているスピスピのイメージと、私がやりたいことをすり合わせながら、“ライブでみんなで歌える曲にしたい!”といったリクエストをさせてもらいました。スピスピの楽曲ってテンポが速いものが多いので、今回はそこまで速くなくて、老若男女、聴いて楽しい、一緒に歌って楽しいって思えるような曲にしたいなって。歌詞は「毎日色々あるけど僕たち天晴だよね」っていう想いをこめていまして、私自身が感じた日常のちょっとした“悲しかったこと”も伝えたりしました(笑)。そういうエピソードを上手く汲み取って歌詞にしてくれて、この曲を聴いたら前向きになれる曲になりました。
──その中でラップにも挑戦されていて。それと歌詞には入っていませんが「嫌だ~!」と叫ぶ幹葉さんのセリフっぽい声もすっごくかわいいなって。
幹葉 やった、入れて良かった!実はレコーディング前日に思いついたんです(笑)。夜遅い時間だったので申し訳ないなと思いつつ、ぼろくんに連絡したら「ぜひ入れちゃってください!」と。ラップの独特のテンション感も、レコーディング前にぼろくんに相談させてもらいました。作詞作曲編曲、すべてをお任せした“ぼろまる曲”ではあるんですけども、たくさん相談したり意見させてもったので(笑)、だからこそ「一緒に作ったぞ!」という感覚がありますね。ぼろくん自身も「自信作出来ました!」って言ってくれて。一緒に作ることができて本当に嬉しかったです。
SHARE