――歌詞の話をもう少し聞きたいのですが、林さんに作詞してもらうにあたって、佐藤さんからはどんなことを伝えたのですか?
佐藤 『メイドラゴン』のTVシリーズは、ドラゴンと人間という本来はわかり合えない者たちが生活を共にする、異種間のコミュニケーションが大きなテーマとしてありましたが、今回の映画のエピソードはもっとパーソナルな悩み、カンナの親子の関係性にテーマがシフトしていると感じたので、ドタバタ感は残しつつ、これまでよりも身近な視点からくる葛藤を描いてほしい、という話をしました。それこそ同時期に制作していた『The Look of Life』も、今までのfhánaが掲げていた大きな世界観から、もっとパーソナルな視点で生活を描くアルバムにしたいという話をしていたので、そこはリンクしているところがありましたね。
――その意味で、作品を離れたところで今のfhánaらしさを感じる部分はありますか?
towana “信じること”“願うこと”“祈ること”はfhánaとしてずっと歌ってきていることなので、そこは意図せず合った部分だと思います。その意味では『メイドラゴン』の曲でもあるし、ちゃんとfhánaの曲でもある。いい形になっていると思います。
kevin fhánaは“祈る”曲がすごく多いですよね。その“祈り”にしても、『The Look of Life』以降は距離感が近くなっていて、それこそ佐藤さんがライブのMCでよく話す「手の届く範囲の幸せ」とか、そういう日常の喜びを表現しているんです。そこは『メイドラゴン』の作品に寄せた表現でありつつ、今のfhánaの全体的なムードとして繋がっていると思います。
――余談ですが、歌詞に“雨の中歌い出せば”や“(singing in the rain!)”といったフレーズがあるのは、ポピュラーソングの名曲「Singin’ in the Rain(邦題:雨に唄えば)」のオマージュでしょうか。「青空のラプソディ」はジョージ・ガーシュウィンの「Rhapsody in Blue」、「愛のシュプリーム!」はジョン・コルトレーンの「A Love Supreme」でしたけど。
佐藤 そのイメージはありました。林さんから歌詞が届いた時の楽曲の仮タイトルは「涙に歌えば」だったので。
kevin モロですね(笑)。MVにも傘を使っているシーンが出てくるんですよ。
――そうなんですね。MVはどんな感じになっているのですか?
towana これまでの主題歌(「青空のラプソディ」「愛のシュプリーム!」)のMVのセルフオマージュっぽいシーンがたくさん入っています。私たちもみんなで踊っていますし、REAL AKIBA BOYZさんをはじめとするダンサーさんたちも一緒に踊ってくださっています。
kevin たくさんのダンサーさんと一緒に踊ったので、全体として迫力のある映像になりました。結構長回しで撮っているカットもあって、過去のMVと観比べて楽しんでいただける内容になっています。
※MVは6月27日(金)21:00よりプレミア公開
――佐藤さんはダンスに慣れましたか?
佐藤 いや、そんなことはないです(苦笑)。
towana 佐藤さんの動きを見ていると、笑っていいのかダメなのかわからないんですよね(笑)。
――この曲をライブでどう表現されるのかも気になるところです。それこそ「青空のラプソディ」と「愛のシュプリーム!」は、kevinさんもフロントに出てきてダンスやラップで盛り上げるのが定番になっていますし。
kevin それはもう踊りますよ。多分、僕は1回も楽器に触れないんじゃないかな(笑)。実際にどうなるかはわからないですけど、この曲は踊ってなんぼ、という気はしているので。
towana 踊る系の曲は慣れるまでが大変なんですよね。「青空のラプソディ」も最初の頃は踊りながら歌えなかったんですけど、今はもう楽勝になったので、この曲もたくさんやって慣れないと。
佐藤 僕も曲の最後に職場放棄して前に行くかどうか、悩みどころです(笑)。
――それ、いいじゃないですか。フロントにメンバー3人が並んだら絶対盛り上がりますよ。では最後に、映画と楽曲を楽しみにしている作品ファンの方、そしてふぁなみりー(※fhánaのファンの総称)に向けてメッセージをお願いします。
佐藤 『小林さんちのメイドラゴン』の続きをアニメーションで観ることができたのが本当に嬉しいです。しかも僕たちfhánaの曲をまた使ってもらえて、この世界に合わせて僕たちの音楽を表現することができて、本当に光栄ですし、純粋に嬉しく思っています。『メイドラゴン』に対しての愛が強い曲になったので、ぜひ劇場で僕たちの愛を受け取ってください。
towana まずは絶対に映画を観に行ってほしいです。私もまだスクリーンでは観られていないのですが、絵がすごく綺麗で、お話もシリアスな中に笑えるシーンもあって、とても良い作品になっています。しかも小林幸子さんがドラゴン役の声優として出演されていて、エンディング主題歌(「僕たちの日々」)もすごくいい曲を歌われていて。また『小林さんちのメイドラゴン』に私たちが参加できたことも本当に嬉しいですし、それにふさわしい良い曲ができたと思うので、とにかくこの記事を読んでくれた方は劇場に足を運んでください。
kevin 僕は先行上映を観に行ったんですけど、めちゃくちゃ面白いです。僕らの楽曲もスクリーンで観ると更に味わい深いので楽しみにしていてほしいです。この記事が出る頃にはもう公開されていると思うので、今すぐ映画館にゴーしてください(笑)。ちなみに、僕、先行上映会で小林さんの生歌を聴いたんですけど、本当にヤバいです。第一声から空気を支配していました。
佐藤 小林さんのエンディングとfhánaの曲は同じCDに収録されるので、マスタリングに立ち会った時に小林さんの曲も聴いたのですが、歌声が流れてきた瞬間の破壊力がすごすぎて、圧倒されてしまいました。ぜひ併せて聴いてほしいです。
towana 私たち、7月13日に小林幸子さんとリリースイベントをやるんです!私もお客さんとして観たいくらいです(笑)。フリーライブなのでぜひ遊びに来てください!
●リリース情報
映画『小林さんちのメイドラゴン さみしがりやの竜』OP/ED主題歌
「涙のパレード/僕たちの日々」
fhána、小林幸子

2025年6月27日発売
品番:LACM-24690
価格:¥1,650(税込)
<CD>
01.涙のパレード/fhána
作詞:林 英樹 作曲・編曲:佐藤純一
02.僕たちの日々/小林幸子
作詞・作曲:Kanata Okajima, youth case 編曲:トオミヨウ
03.涙のパレード (off vocal)
04.僕たちの日々 (off vocal)
配信リンクはこちら
https://lnk.to/LZC-3122
fhána 公式サイト
https://fhana.jp/
fhána 公式X
https://x.com/fhana_info/
fhána 公式YouTube
https://www.youtube.com/channel/UC1aOxPe_LKL6GvK-nwaTO6Q
TVアニメ『小林さんちのメイドラゴン』公式サイト
http://maidragon.jp
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