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INTERVIEW

2025.06.28

UniteUp!ワンマンライブ“sMiLea LIVE -Fly into the Uni:Birth-”開催記念 ナナロクパシフィコがんばらないと![第14回]masa(JAXX/JAXX)×熊谷和海(BURNOUT SYNDROMES)撮りおろしインタビュー

UniteUp!ワンマンライブ“sMiLea LIVE -Fly into the Uni:Birth-”開催記念 ナナロクパシフィコがんばらないと![第14回]masa(JAXX/JAXX)×熊谷和海(BURNOUT SYNDROMES)撮りおろしインタビュー

TVアニメ第2期の放送を終えたばかりの多次元アイドルプロジェクト「UniteUp!」が7月6日に約1年3ヵ月ぶりのワンマンライブ“sMiLea LIVE -Fly into the Uni:Birth-”をパシフィコ横浜 国立大ホールにて開催!

そんなUniteUp!をプロジェクト始動タイミングから追いかけてきたリスアニ!による、パシフィコ横浜公演の開催に向けた連載第14回目!

メインボーカリスト×クリエイター。JAXX/JAXXのメインボーカル・春賀楽翔を演じるmasaが指名したのは、JAXX/JAXXの楽曲の多くをプロデュースし、時にはバンドのお兄さん的存在でもあるBURNOUT SYNDROMESの熊谷和海(vo、gt)さん。音楽で繋がり、共作をする関係でもあり、お互いをリスペクトする2人のJAXX/JAXXへの愛を届ける。

PHOTOGRAPHY BY 小島マサヒロ
HAIR MAKE BY 上野彩紗
INTERVIEW & TEXT BY えびさわなち

■「UniteUp!ワンマンライブ“sMiLea LIVE -Fly into the Uni:Birth-”開催記念 ナナロクパシフィコがんばらないと!」連載一覧はこちら

【連載】UniteUp!ワンマンライブ“sMiLea LIVE -Fly into the Uni:Birth-”開催記念 ナナロクパシフィコがんばらないと!

共にアーティストである2人。その始まりと出会い

――まずはお二人それぞれが音楽を始めたきっかけを教えてください。

熊谷和海 中学の時に体育のペアの相手で今のバンド(BURNOUT SYNDROMES)のベースの石川(大裕)から「バンドをやりたいんだけど、ギターやらない?」って言われたことがきっかけでした。それほど音楽を聴くほうではなかったのですが、父親がギターを持っていましたし、他の人よりはギターを始めるハードルは低かったので、練習すれば弾けるかなと思って「いいよ」と答えました。で、ボーカルがいなかったから自然とギターの僕が歌うことになって現在に至ります。

masa 小さい頃の僕はとても病弱で、入退院を繰り返していたんです。病室で寝ている状態ながらに、親に迷惑をかけて泣かせてばかりだったことがすごくつらかったんですね。そんな時に、父が好きな矢沢永吉さんの歌と「仮面ライダー1号」の歌をうたったら、家族が笑顔になったんです。それが嬉しくて。歌を歌えばみんなが「上手だね」って喜んでくれる。その経験以降歌うことに喜びを感じて、中学や高校の合唱でも「歌が上手いね」「声がいいね」と言われるようになって。それで、大学から本格的に音楽を始めました。だからきっかけは「家族の笑顔が見られるから」ですね。

熊谷 いい話だね……。

――そんなお二人は『UniteUp!』のオリジナル楽曲を多数作られています。どのようにお話が始まっていったのでしょうか。

熊谷 まず僕が初めて曲を作ったのは中学1年生の頃でした。バンド結成早々に「他のバンドのコピーはつまらんな」と思ったんです。バンド自体がスリーピースでしたし、ASIAN KUNG-FU GENERATIONをはじめ当時は4人組のバンドが多くて再現ができないから「自分たちで作るか」となって。

masa 4年くらい前に、ソニー・ミュージックの「the LESSON」というアーティスト養成講座に参加したんです。そこで「シンガーソングライターのなり方」みたいな授業があって、1週間に1回の授業で、作詞講座ではプロの方が来て「こうやって音にはめていくんだよ」といったチュートリアルをしてくださったんです。その授業でライブ実習があったのですが、そこで披露する楽曲を作ったのが最初のオリジナル曲でした。

――4年前ということは、その講座を終えてすぐにはる賀の楽曲を作り始めた?

masa そうなんです。だから春賀楽翔くんと一緒に作曲を学んできた感はあります。

――オリジナル曲を作り始めた時点で、ご自身が歌うけれど、ご自身の作品ではないはる賀への楽曲提供を始めていたということですね。

熊谷 確かに!

masa masaだ、楽翔くんだ、と言っている余裕もなかったのですが、アニメを作ってくださっているスタッフさん方もmasaっぽい要素をキャラクターに入れてくださっていましたし、楽翔くんとはなんぞやと考えたところで仕方がない!と良い意味で開き直ることができました。だってそもそも僕も誰かに楽曲を作ったことがなかったですし、基本的にはmasaのままいこうと思って作りました。歌詞は「楽翔くんだからこうだよね」と考えるよりも、もっとシンプルに「俺がこう思うなら、楽翔くんも同じように考えるだろう」と思って作りました。

――「UniteUp!」で出会ったお二人ですが、お互いの印象をお聞かせください。

熊谷 最初に会ったのは「STORM’s EYE」のプリプロだったよね。私は歌詞を書いていく段階で資料をいただいていたのでmasaくんのことはなんとなくは知ってはいたんですね。その状態で初めてお会いしたところ、見た目に反してすごく真面目で優しく実直な人だなと思いました。当時から金髪でしたし、軽い感じの人なのかなと思ったら全然そんなことはなくて。なんだったら金髪の野球少年という印象でした。

masa 軽い感じ!(笑)。僕が初めて熊谷さんにお会いした時、佇まいや、音楽に対する内なる熱や尖った感性に圧倒されました。でも喋ってみたら優しくて気さくだし、レコーディングでディレクションしてくださる際の言葉がすごく丁寧なんです。言葉の1つ1つが優しいし、ちゃんと目的もあるし、伝わりやすい。そこにびっくりしました。

熊谷 ボーカリストって歌っている時は孤独なんですよね。ボーカルブースが孤独なことを自分も知っているので、できる限り勇気づける言葉を使いたいなとディレクションする時はいつも思っていて。そこが伝わったのかな。

JAXX/JAXX結成前のはる賀の歌への思い

――その『UniteUp!』は多次元アイドルプロジェクトです。今、改めてこのプロジェクトの面白さや魅力について、どんなところにあると感じられますか?

熊谷 お話をいただいた当時はまだコンテンツの枠組みしか決まっていなくて、「春賀楽翔というキャラクターやmasaくんというシンガーソングライターが2次元でも3次元でも同じアイドルとして活躍します」と説明がありました。今ならどういうことか理解できるのですが、その時には上手く想像できなかったですね。でも、バンドアイドルが成長していく物語だということだったので、すごく面白いなと思いました。それに、プロジェクト自体が立ち上げのタイミングでもあったので、責任感もあってやり甲斐のある仕事だなと思いました。

masa JAXX/JAXXは熊谷さんと作り上げた感がすごく強いんですよね。もちろん色々なアーティストさんに楽曲を提供していただいたことでユニットは形作られてきましたが、熊谷さんの曲はまた少し違うんです。だってTVアニメ第1期『UniteUp!』第9話の(香椎)一澄の「変わるべきなのは…今?」ってセリフが「STORM’s EYE」の歌詞にも入っているんですよ!「STORM’s EYE」の楽曲が先だったので、熊谷さんの歌詞が物語にも影響している!ということもあって。JAXX/JAXXがアニメでも魅力的なグループであり、リアルでも楽曲がかっこ良くてそれぞれのキャラクター性が出ているのは、熊谷さんとレーベルの皆さんのおかげだなって思いますし、感謝しかないです。

熊谷 経験上、曲と作品がリンクすることって結構あると思っています。例えば、先に作った主題歌の歌詞が、まだ書かれていなかったストーリーと一致していたこともあったんです。UniteUp!では、私の書いた歌詞がストーリーの指針やキャラクターの肉付けの材料になるなど、アニメ制作側の参考にもなっていたのかなと思いました。

――masaさんは、はる賀時代の曲をどのようにイメージして作っていたのでしょうか。

masa 楽翔くんは登場した時には年齢こそ14歳でしたけど、キャラクターとしては大人っぽい、達観しているようなところがあるんですよね。逆に僕は、楽翔くんより年上だけど心は少年だと自分で思っていて、その真ん中に在るのが楽翔くんの曲だなと思っているんです。「楽翔くんのためにどんなことを書こう」と悩んだこともありましたが、僕が真っ直ぐに書いたら、楽翔くんが大人っぽくなるだろうし、ちょうどいいバランス感なんだろうと思って書きました。

――それぞれにテーマを持って書いていたんですか?

masa はる賀時代の曲はそうでした。例えば「Mayday」は学校をテーマにしています。中学生でシンガーソングライターを始めてその頃から「音楽で食べていく」と決めるって、普通の感性ではないというか、何なら少し変わった子だなと思うのですが、そういう彼自身が詰まっている曲です。

――なるほど。

masa 「SuperStar」についてはタイトルだけ聞くと自分がスーパースターだと歌っていると思われるのですが、よくよく歌詞を聴けば、スーパースターに憧れる僕を書いた曲なんです。歓声を浴びるスーパースターに勇気をもらっているんだ、僕もスーパースターになりたいんだっていう曲。アニメで楽翔くんを観ると、もうスーパースターになっているんですよね。でもはる賀くん時代にはまだなっていない。

熊谷 よくよく聴けば、あれは「観客の歌」だもんね。

masa そうなんです。スーパースターがパフォーマンスしているステージを見ている楽翔くんであり僕の歌なので、JAXX/JAXXになる前の、スーパースターになる前の楽翔くんを表現できているかなと思います。

――ソロで鳴らしてきた「SuperStar」を現在ではJAXX/JAXXとして奏でていますが、当初からバンドで演奏することは想定していた曲だったのでしょうか。

masa 全然考えていなかったのでたまたまですね。でもバンドでやったほうがいいなということは最初から思っていました。バンドバージョンで出すと「俺がスーパースターだ」っていう曲になりましたね。アニメの中ですごく人気のあるJAXX/JAXXが歌うから、アニメ第1期と第2期を経たからこそ、まだスーパースターに届かない、視線は海外に向いているという楽翔くんの目線の高さを感じさせますよね。未来にもっと大きなステージに立ちたいんだという、違った意味にも聴こえてくるのが面白いなと思います。

――熊谷さんには、はる賀の楽曲の印象を伺いたいです。

熊谷 作曲歴が短いし、テクニック的には未熟なところもあるのですが、それ故にもっと根源的な音楽の良さがあるというか。細かいテクニックが使えないからこそ根本的な良さで勝負するしかないからこそ、サビでのパンッと届く感じやワードの瑞々しさがあるような気がしていて。音楽を始めたての頃ってこういう衝動あったよね、というような感覚があって、それがすごく羨ましいとも思います。やっていればいるだけ削られていく初期衝動みたいなものがmasaくんにはあり、それはすごく良いところなのでなくしてほしくないですね。

masaと熊谷とJAXX/JAXX

――そんな熊谷さんがご覧になってきたJAXX/JAXXの音楽の印象をお聞かせください。

熊谷 さっきも言っていましたが、8割くらいは私とmasaくんで書いていますから、他の2グループに比べて統一感があるなと感じます。あとは佐藤千亜妃さんと清 竜人さんと北澤ゆうほさん。あの3人もフロントマンだし、見ている景色が同じというか。masaくんとはプライベートでも付き合いがあるから、本当に身内で書いている感じがあるんですよね。楽曲提供でありながら本当に一緒にバンドをやっている感じがします。

――JAXX/JAXXに楽曲提供をする時にはどういうことを一番意識されていますか?

熊谷 最初は本当にわからないまま「こういう感じはどうですか?」と出した「STORM’s EYE」から始まって、そこからメンバーを知って……すごく魅力的な5人で、しかも5人がすごく仲が良いから、それを描こうと思ったのが「A.P.P.L.E.」でした。そして、アニメのストーリーも進んで、シリアスな場面も増えますということで書いたのが「RAYS」で。とにかくキャラクターに合うように書いているのですが、何より演じる5人にとっても嘘のないような楽曲を作ろうとしていますね。彼らが歌うわけなので、その時に彼ら自身も気持ちが乗るようなワードで、「これは僕の歌だ」と思えるような歌。キャラクターとしての存在と役者としての彼らの共通する部分を描いて、ライブでも胸を張って歌えるような楽曲にしてあげたいなというのはいつも気を付けている部分です。

――masaさんはいかがですか?ご自身の楽曲とJAXX/JAXXの曲とは音楽性もまったく違うと思いますが、どんなことを意識されていますか?

masa 気を付けていることは、「5人分の気持ちを背負った歌である」ということです。1人ではないというのが一番違うところなので。なおかつJAXX/JAXXがかっこ良く届けられる曲。そしてボーカリストとして楽翔が、masaが、JAXX/JAXXを引っ張っていく曲。しかも「僕が輝くんだ」とか「メンバーに負けないぞ」という気持ちを込めることがソロでの楽曲とは違うなと思います。

――ではここからはTVアニメ第2期『UniteUp! -Uni:Birth-』の感想を伺えますか。

熊谷 本当にバンドっぽいなと思いました。活動をしていくと各々の方向性に変化も出てきますし。でも、そのうえで一緒にやるという結論を出すところは尊いなと思いました。「A.P.P.L.E.」でも書いた「楽しいぜー!」という気持ちから、だんだん「あれ?」となっていって、それでも俺たちは一緒にやりたいんだというもう一段上の尊さが描かれていた気がして。

masa (深く頷く)

熊谷 「バンドのシリアスな部分を書いてほしい」というオーダーで書いたのが「RAYS」でした。アニメを観て「こういう脚本だったんだ」と思いましたし、物語が成立できる曲になって良かったなと思いましたね。

masa 僕はやっぱり楽翔くんを演じているので、第2期では海外に行く楽翔くんのことをJAXX/JAXXのメンバーが「そのままどこかに行ってしまうんじゃないか」と不安になるストーリーが印象的でした。あれは楽翔くんがアメリカでもやれると思っているからこその悩みだったと思うんです。でも楽翔くんはずっと仲間を想っていて、更なる高みを目指すために海外に行っていた。お互いをリスペクトする様子は観ていて本当に家族みたいでしたよね。JAXX/JAXXはいつも「家族みたいなユニット」と言われていましたが、それが証明されたエピソードだったなと思いました。それと単独ライブでの演奏シーン、良かったですね。

熊谷 横浜の船の上でのライブは良かったですよね。

masa 僕、ライブシーンの後に「ライブしたな~!」って気持ちになりました。あと合同ライブの最終回は、UniteUp!11人のグループチャットで「おつかれさま」「これからも頑張っていこう」みたいな、本当にライブ後の感じの言葉が飛び交ったんです。それくらいリアルでした。歌声に血や息遣いや生きている感じがもっと出るようになればいいな、と意識して歌うようになったことが第2期で活きていたなと思いました。

次のページ:共作「弱虫勇者」ができるまで

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