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INTERVIEW

2025.06.23

UniteUp!ワンマンライブ“sMiLea LIVE -Fly into the Uni:Birth-”開催記念 ナナロクパシフィコがんばらないと![第12回]助川真蔵(LEGIT)×NOSUKE(振付師)撮りおろしインタビュー

UniteUp!ワンマンライブ“sMiLea LIVE -Fly into the Uni:Birth-”開催記念 ナナロクパシフィコがんばらないと![第12回]助川真蔵(LEGIT)×NOSUKE(振付師)撮りおろしインタビュー

TVアニメ第2期の放送を終えたばかりの多次元アイドルプロジェクト「UniteUp!」が7月6日に約1年3ヵ月ぶりのワンマンライブ“sMiLea LIVE -Fly into the Uni:Birth-”をパシフィコ横浜 国立大ホールにて開催!

そんなUniteUp!をプロジェクト始動タイミングから追いかけてきたリスアニ!による、パシフィコ横浜公演の開催に向けた連載第12回目!

UniteUp!を象徴するのはやはり名刺となった1曲「Unite up!」での11人の姿だろう。そんな始まりの曲の振付をし、「UniteUp!」というコンテンツの基盤を作った振付師のNOSUKE(Team”S”pecial)。最近では「timelesz project」(以下、「タイプロ」)のダンストレーナーとしてその名を広く知られた人物だ。そんなNOSUKEとの対談を希望したのはLEGIT・高尾大毅役の助川真蔵。ダンスで繋がる2人が語る「UniteUp!」の魅力とは。

PHOTOGRAPHY BY 小島マサヒロ
HAIR MAKE BY 谷本雄志
INTERVIEW & TEXT BY えびさわなち

■「UniteUp!ワンマンライブ“sMiLea LIVE -Fly into the Uni:Birth-”開催記念 ナナロクパシフィコがんばらないと!」連載一覧はこちら

【連載】UniteUp!ワンマンライブ“sMiLea LIVE -Fly into the Uni:Birth-”開催記念 ナナロクパシフィコがんばらないと!

ダンスを音楽で表現することの魅力は“音が見える”“主人公になりきれる”こと

――まずはお互いの最初の印象から教えていただけますか。

助川真蔵 第1期アニメOPテーマの「Unite up!」の時が初対面でしたよね。対面して今までがっつりお話をする機会は実はそれほどなくて。

NOSUKE そうなんですよ。だから今日の対談相手、僕で良かったのかな?って。

助川 リクエストさせていただきました!「タイプロ」も拝見していました!

NOSUKE ありがとうございます!助川くんの印象としては、物事を俯瞰で見られている人だと感じていました。振り入れの時もそうですが、構成についても11人と人数の多い「UniteUp!」の中でも把握の速度が早いです。自分のいるポジションをわかっていて、どういうふうに動いて自分が表現をすればいいのかをわかっていらっしゃる方だなと思います。11人もいると振りの構成も複雑になるんですよね。でもポジションを覚えるのも早いですし、周りを見る余裕もある。だからこそ横のラインを揃えられて、もう一個上のフェーズでのお話ができる。振り入れにいっぱいいっぱいにならない様子が見えて「できる方がいらっしゃるな」という印象でした。

助川 ありがとうございます!NOSUKEさんについては、構成が印象的でした。11人で構成を作るってそんなにたくさんある機会ではないと思いますし、特に僕たちの衣装はすごく動きづらいので移動も考えるとなかなか大きく動かせなかったりするんです。最近の曲は全部のフレーズに歌詞が詰まっていて、リズムも速い。そうなると間がないし、休譜もそれほどにはないので、更に大変だろうと思います。でも最初に「Unite up!」の振付を見た時に、斜めラインを作ってカノン(1人ずつ順番に同じ動きをするアクションのこと)で入っていく構成がすごいなと思って。自分だったら思いつかないです。しかもあの場面で空間を開けて通らせてからカノンで入って、そこから横2列、3列となってサビに入るのも、1人のダンサー目線やコレオの経験者としての目線で見てしまいました。それで「なるほどな、これは11人だからできるんだな」と思ったのが最初の印象でした。

――ダンスで音楽を表現する。楽曲を動きで魅せることの面白さを教えてください。

助川 聴こえていないであろう裏にある音をダンスで表現できると、その音が見えて面白いです。ベースの音や後ろで鳴っているドラムのタムの音やバスドラの音は意外と聴こえていない時もありますが、そこに動きをつけることで音が鳴っていることへの気づきになるし、逆に本来ない音もダンスによって感じさせることもできる。それが振付やコレオの醍醐味かなと思います。

NOSUKE さすが歌って踊っていらっしゃるからこその意見ですね。ダンサー目線でお話をすると、僕は歌えないので、振りを作る時にはある種、なりきっているんですね。陶酔できて、没入できる身体表現を音楽と共に紡いでいくと、その曲の主人公になれるような気持ちになるんです。それが心地良いですね。そういったところで音楽を表現したり、歌詞の意味をくみ取って振付を作ったりすることができるのは、自分にとって制作の時間の楽しみになっています。そんな自分の振付を歌い手の方に託し、表現していただいて、それを見たファンの方が「あの振付良かった」と言ってくれることに対して、やり甲斐や喜びを感じます。そうした意味でダンスでの表現をすることは、自分としても振付制作という心地良い時間を楽しめますし、その振付を踊ってもらえていることが嬉しいです。

11人のフォーメーション。その苦労と魅力

――最初の1曲となった「Unite up!」の振付の際の思い出をお聞かせください。

NOSUKE 最初はすごく緊張しました。プロジェクトに前例がないですし、きっと『UniteUp!』チームもそうですが、0から1を作るものなんですよね。元々あったアニメのスタイルを踏襲して作っていくのではなく、それ以前にはどういった振付をしていたのかも何もない状態。ダンスの方向性が僕で決まってしまうことにプレッシャーを感じていました。でもすごく丁寧に「こういう感じがいいです」とか「こういう想いで作った楽曲です」「キャラクターはこんな性格です」というリファレンスをくださったので、作りにくさなどはなかったですね。

助川 すごく素敵ですよね。ブリッジの部分のダンスブレイクでそれぞれのユニットが出てくるところなんて特に。最初はUniteUp!についてわからない人もたくさんいるだろうから、この3つのユニットに分かれているんだなということも曲の振付からすごく見えやすかったと思いました。

――11人に振りを教える作業はいかがでしたか?

NOSUKE なかなかない経験でした。ダンス未経験の方もいれば、経験者もいるので、一筋縄にはいかないんです。先に覚えちゃって、時間を持て余して練習している子もいれば、すごく後れを取ってしまう子もいる。番号や立ち位置、上手や下手といった舞台用語ついても未経験のメンバーは覚えるまでが大変だったと思うのですが、それでも食らいついてきてくれる感じがありました。みんなすごくやる気があって、誰1人として「できない」と諦めることはなかったので、こちらもやりがいがありました。

助川 大変だったと思います。僕は振付を教えるよりも構成を教えるほうが大変だろうなと思いました。11人もいると「移動します」となったところでぶつかるんですよね。今までダンスをやってきた人なら「こう動くといいな」「当たらないように移動しよう」というルートの選択ができるんですけど、経験がないと何も見ずに後ろに下がってしまったりルートの取捨選択が難しかったりもしますから。特に「Unite up!」の構成は難しかったのでみんな大変だったと思います。それに振付以前に自分の位置に入るためのカウントもそれぞれが違うので、他の人たちも教えてあげられないんです。そこは大変だっただろうなって思います。

NOSUKE 11人もいるとしっかり見せたくなっちゃう人数感ではありますし、フォーメーションも複雑になっていってしまうんです。でも逆に人数がいると面白いものができるので、トライしたくなってしまいますよね。それにこの「Unite up!」はずっと歌っていくことになっていくだろうから大切にしてもらうこともそうですが、長い目で見てできるようになっていく成長過程も大切なのかなとも思いました。例えばダンス未経験の子が、最初はちょっと苦手そうにやっていたものがどんどんできるようになっていく。それをファンとして見られたら楽しいかなと思いました。

――その「Unite up!」でこのコンテンツが更に一歩シーンに出てきた印象があります。あの個性溢れる11人と向き合うお時間はいかがでしたか?

NOSUKE 通常のアイドルものとも全然違って、学校の先生みたいな感覚でした。本当に個性がすごく多彩で。各々がそれぞれに色んなフィールドで活動している方が集まったから、個性大爆発みたいな現場だったんです。センターもいるけれど、普段は自分たちが「個」としてセンターをやってきた、色んなフィールドで輝いてきた方たちだった。それぞれに物差しがありましたし、本当に学校の先生みたいな気持ちになりました。

助川 闇鍋みたいでしたよね。

NOSUKE 本当に(笑)!ごちゃっとしていて。

助川 もちろん今ではまとまりがありますけど、僕ら自身プロジェクトの開始から一緒になる機会がたくさんあったわけでもなく、メンバーによってはあまり会う機会もなかったので、そこも含めて最初のうちは多少バラつきもあったのかなとは思います。でもそれはどんどん整ってきていると思います。当時の僕らとでは見え方が全然違うと思います。ダンスの上手い、上手くないということではなく、1つの、意識の統一感としても違っているような気がしますね。

NOSUKE 確かに。それにプラスしてキャラクターとしても、みんながそれぞれに表現する解像度も、見てくださるお客さんからの解像度も上がっていますから。今はキャラクターが浸透していますけど、最初の頃はそこがまだ上手くできていなかったところはあるんじゃないかな。

助川 「(キャラクターなのか自分たちなのか)どっちにすればいいんですか⁉」という話をしていた記憶があります。

モーションキャプチャーで表現するダンスとリアルの違い

――昨今のアニメーションの進化も著しく、モーションキャプチャーの技術の進化によってリアルに動けばアニメに反映されるようになりました。そうしたカルチャーはご覧になっていていかがですか?

NOSUKE 日本はアニメにすごく強いので、それが進化していくものを目の当たりにすると純粋にワクワクします。こういう技術は日本人特有の、繊細な部分が大きく出ていると思うんです。それにダンスも日本人は繊細に作るんですね。細かい部分までディテールにこだわるので、日本のダンサーは世界で通用するスキルを持っている方が多いんです。鍛錬と細かいこだわりがあるからこそ、ダンスシーンも進化していっている。よりリアルになるのは、アニメもダンスも表現も強くなっていったからですよね。このアニメーションの技術は海外でもウケますし、技術力の進化は本当にすごいなと感じます。昔からモーションキャプチャーに携わらせてもらっていますが、昔と比べたら全然違います。指の動きまで表現してくれますし、髪のふんわり感や衣装のたなびく感じも「なんだこれは!」と驚くほどです。モーションをやっていても動きがリアルに投影されるので、アクターの方たちも楽しそうです。以前は途中でガガガッと動きがぎこちなくなることも多かったのですが、それがすごくスムーズになりましたし、すぐに映像を確認できるのがすごいんですよね。アクターも撮影の時には「俺、こんなに脚が長い!」とか「すごいイケメンになった!」と言ったりしていて楽しそうです(笑)。

助川 僕はそうした現場を見てきたわけではないのですが、『UniteUp!』を観ていて「すごいな」と思います。以前、声優さんのライブに伺った時に、裏でモーションキャプチャーをやって、表でその動きを見せるというものも見せていただいたことがあるのですが、それも本当にすごいなと思いました。声優さんではなく、モーションのアクターさんが踊っていて、その後に本人たちが出てくる演出があったり、逆に本人は映像でしか出演ができないからモーションキャプチャーで出したり、色々な出し方ができていましたし、それも全部すごく自然に動いていたので技術の進歩を感じました。『UniteUp!』でも第1期より第2期のほうがライブシーンも好きです。もちろんアクターさんたちの動きが反映されていることもそうですが、ライブ映像としてしっかり作られていますし、ムービングのカメラも動いていたり。細かいディテールについても日本人の真面目さがアニメ映像にも技術や進化として出ているのかなと思います。

――劇中でキャラクターが踊るダンスと、実際のキャストが踊るダンス。双方でできること、できないことはありますか?

NOSUKE 劇中では割としゃがませることが難しいんです。髪の分の計算や衣装に対して出来る動きにも制約があるので、そうしたところに対してのモーションならではの配慮が必要となります。実際のキャストが踊るダンスについては、アニメだとアニメ尺(89秒)でやりますが、リアルのライブではフルサイズでやるので、2番ではしゃがませたりお互いに絡みを入れたり、アニメでは表現できないものをリアルならではの振付を入れて、アニメでは観られない振付をしています。だからライブなどでは1番でアニメのままの振付をして、2番からはリアルのみんながやる動きで構成されている振付にしているので、そこも楽しめるのではないかと思います。

助川 そう言われると2番にすごくフロアムーブが入ってきているなと思いました。「Unite up!」も「ELEVEN」も「Uni:Birth」も。フロアムーブとまでは言わずともしゃがんだり、それこそ絡んだり、しゃがみで待っている振りが多いなと今、初めて気づきました。自分たちの曲でもそうかもしれないです。2番になったら急にダウンが多くなるみたいな(笑)。

NOSUKE これはライブでないと確認できないですからね。

助川 本当にそうです。

次のページ:NOSUKEの思う各ユニットの振付の特徴とは

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