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INTERVIEW

2025.05.13

TVアニメ『mono』が目指すのは「実際にそこに行ってみたくなるアニメ」!監督・愛敬亮太に本作制作の裏側について聞く

TVアニメ『mono』が目指すのは「実際にそこに行ってみたくなるアニメ」!監督・愛敬亮太に本作制作の裏側について聞く

自分のイメージだけでは出てこないものを大事に

――次に劇伴音楽についてですが、百石 元さんにお願いするにあたってはどのような発注の仕方をしたのでしょうか?

愛敬 まず『mono』の方向性として、あfろ先生からは『水曜どうでしょう』が元ネタの1つになっているという話は聞いていたので、旅バラエティ番組感というのは大事にしていました。キャラクターたちが一緒に旅をしている感じを出せたら良いのかな?というのがあったので、『ゆるキャン△』とは少し違う方向性なのかなと考えて。

――『ゆるキャン△』は、キャンプ場の景色に合った音楽がつけられていましたからね。

愛敬 それに比べると『mono』の音楽はバラエティという方向性なのかなと思います。あとは「これを聴いたら『mono』だな」と思うような、印象的な音楽があると嬉しいですというのはお伝えさせていただきました。ただ僕も劇伴発注は初めてだったので音楽メニュー(劇判曲の発注リスト)は音響監督の田中 亮さんに作っていただいたんです。日常系の曲でいくつかのバージョンをお願いし、感情面だと「楽しい」「悲しい」「怒ってる」とか、そういう曲を作っていただきました。あと僕からは「こういう音楽が好きです」というリファレンス曲のリストも出しましたね。

――#1冒頭の牧之原先輩の登場シーンで流れていた劇伴が印象的だったのですが、これはシーンにピッタリ合っていて、フィルムスコアリングなのかな?と思うほどでした。

愛敬 ここで流れたのが『mono』のメインテーマなんですよ。制作過程としては映像が先にあって、音楽も別で頼んでいたものをハメていった感じで、映像と音楽がピッタリハマったのは運が良かったのと、田中さんが上手く調整してフィルムに合うようにしてくださったからだと思います。ここは特に上手くいったシーンでした。

――#1だとタイムラプス撮影の後、夜景を撮っている時に流れたピアノ曲が、その後感動するシーンでよく流れていますし、猫のたいしょうにアクションカメラを付けるところで流れていた軽快なピアノ曲も旅番組っぽくて『mono』な感じがします。

愛敬 それは良かったです。どちらも、よく使っていますね。

――『mono』では、劇伴にどのような役割を担わせているのでしょうか?

愛敬 やはり旅番組の後ろで流れている音楽というイメージはしています。#1のアバンが無音から始まるのですが、そこはさつきがまだ好きなものを見つけられていないみたいな感じを出したかったからなんです。そこから#2以降になると仲間もできて、楽しいものを見つけていくターンになる。そこからはシーンの感情に合わせて、どんどんBGMを付けていくような感じにしました。

――視聴者もキャラクターと同じように、旅して感動している気分になるんですよね。

愛敬 そうですね。でも、基本的に音楽を付けているのは田中さんで、僕はそこから「もうちょっとこうしたいです」とか、「ここの音楽は早く入りたいです」と意見を伝えるような感じで作っていっています。監督をやってみてわかったのは、絵を抜いて10秒とかシーンが減ってしまうと音楽が合わなくなってしまうことがあるということなんです。そういうことが起こった時は上手く田中さんに調整していただきました。

――このインタビューが掲載される直前に放送された#5は心霊ネタで、怖い音楽も流れましたね(笑)。

愛敬 『mono』って後半にいくにつれてホラーネタが増えるんですよ。玄熊虎代先生が出てくるとホラー要素で増えるので。だからホラーの音楽は結構多めに4~5曲発注していて、田中さんからは「こんなに発注して大丈夫ですか?」と確認されたくらいです(笑)。ただホラーなんですけど楽しい感じというか。玄熊先生のテーマもティム・バートン作品の感じにして……。それは百石さんがアイデアをくださったんですけど、楽しいホラーBGMな感じもあってすごく良かったです。

――SEに関してもこだわりを持ってつけているそうですね。

愛敬 実際にこだわっていただいたのは音響効果の北方将実さんになりますが、例えば華子のバイクならばエンジン機構が同じ物の音を使うとか、そういうこだわりはありました。カメラのシャッター音も一眼レフとミラーレスでは違うので、そこの違いがわかるようにしたいとオーダーをしたりして……。

――次に主題歌ですが、OPテーマ「メニメリ・メモリーズ!」を聴いた時は、どんな印象を持ちましたか?

愛敬 聴いた時に「これこれ!」って思いました(笑)。王道の「まんがタイムきらら」関連作品のオープニングだと思って。キャラクターデザインの宮原拓也さんも「本当に『まんがタイムきらら」作品に関わっているんだなと、OPテーマを聴いたときに思った」とおっしゃられていたんですけど、それは僕も感じました。

――OPアニメーションではさつきたちがしっかり“きららジャンプ”をしていましたね(笑)。

愛敬 地味めですけどね(笑)。『mono』はカメラが主題となる作品なので、等身大の女子高生のジャンプにしようかな、みたいな話だったと思います。この曲の実写MVも公開されていましたが、キャストの3人もジャンプしていて、似たような感じになっているなぁと思いました(笑)。

――OPアニメーションはどのようなオーダーだったのですか?

愛敬 正統派であってほしいという話だけはしました。あとは「カメラものでもあります」と結構ふんわりとしたオーダーを出して絵コンテ・演出をお願いした貞元北斗さんのクリエイティビティに任せたいなと思っていたんです。なので僕からはパオ(作中に登場する車)のガラスをいつもより透けさせてくださいと言ったくらいです(笑)。あとプロデューサーからは360度カメラを使ったカットがほしいというオーダーがありました。

――本編でもありましたが、360度カメラをぐりぐり動かす映像はどう再現しているのですか?

愛敬 それに関しては僕もすごく悩んだんです。あの動きをどうやったらアニメで再現できるのだろうかと。ロケハンでは動画を360度カメラで撮影していたんですけど、それを(パソコン上で)平面展開させると端が歪んだ画像になるんです。その歪んだ状態を画で描いて動画にしていて。これはアニメではあまり見たことがないものなのかなと思っています。

――EDテーマ「ウィークエンドロール」はいかがでしたか?

愛敬 発注する時から、旅の帰り道で1人1人が歩いている風景が広がるような曲が面白いんじゃないかと思っていたんです。旅の帰り道ってすごく寂しいじゃないですか。友達の家から帰る時でも寂しいくらいなので。アニメが終わった時に「今週も終わってしまうのか」とちょっと寂しさがあるような感じになれば良いと思い、それに応えていただいた感じになります。

――発注時のイメージから考えると少しポップな仕上がりになっていますね。

愛敬 僕は寂しいイメージを思い描いていたんですけど、そこにポップな感じを足していただいて。それがすごくEDアニメーションとハマったので、この音楽で本当に良かったと思いました。やはり自分のイメージだけでは出てこないものがすごく大事というか、そういうところの運にすごく助けられた感じはあって。『mono』は運で作られています(笑)。

――それは良いスタッフに恵まれたという意味でもありますね(笑)。EDアニメーションも切なくなる感じで良かったです。

愛敬 これは入江泰浩さんの1人原画・演出・絵コンテで、作監がキャラデザの宮原さんなんです。入江さんの絵柄を活かせたら良いなと思ったので、宮原さんに修正は入れてもらったんですけど、基本的には入江さんの絵柄にのっとって作った形になります。こちらも僕からは大したオーダーはしていなくて、「帰り道をテーマにしたら良いのではないでしょうか?」とだけ言いました。#2以降はその日の思い出を振り返るハイライトが入っているんですけど、そういう案も入江さんにいただいたのですごくありがたかったです。写真といえば思い出を撮るものなので『mono』という作品にリンクしているなと思いました。

――この先も見所いっぱいの『mono』ですが、最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします。

愛敬 『mono』を観て聖地巡礼をしたりカメラを始めてたりしてもらいたいなという気持ちはあるんですけど、「いろんなもの」というのがあfろ先生が今作で掲げているテーマでもあるので、この作品を観た皆さんには作中に登場する以外の「もの」にも注目してほしいと思っています。僕がすごく気に入っている本作のキャッチコピーで「せかいは360°だ!」というのがあるのですが、そこに『mono』のテーマがとても表れていると感じたんですね。『mono』でも「いろんなもの」に手を出しているけど、皆さんには『mono』で手を出した以外の色々な趣味にも挑戦してくれたら良いなと。『mono』が新しいことにチャレンジするきっかけになってくれたら嬉しいです。


●作品情報
TVアニメ『mono』

TOKYO MX 毎週土曜24:00~
とちぎテレビ 毎週土曜24:00~
群馬テレビ 毎週土曜24:00~
BS11 毎週土曜24:00~
MBS 毎週土曜26:08~
山梨放送 毎週木曜25:29~
AT-X 毎週火曜23:00~

配信情報
ABEMA・dアニメストアにて毎週土曜24:00~地上波同時配信
ほか各配信プラットフォームにて順次配信中

<イントロダクション>
芳文社『まんがタイムきららキャラット』にて連載中の、あfろによる人気4コマ漫画『mono』
アニメ・実写化も果たした代表作『ゆるキャン△』でキャンプブームを盛り上げたあfろが、写真部と映像研究部が合体した「シネフォト部」に所属する女子高生たちを中心に描く《今週末の楽しみ方漫画》。
360°パノラマカメラでの撮影や、凧にカメラを括り付けた疑似ドローンなど様々な技法を用いて、山梨県甲府市を中心とした景色や彼女たちの日常を切り取っていく。
『ひだまりスケッチ』や『ぼっち・ざ・ろっく!』など、様々な作品をアニメーションとして送り出したアニプレックス×芳文社のタッグに、新進気鋭のスタジオソワネが加わり映像化が実現。
スタッフ陣は、監督に愛敬亮太(「呪術廻戦 懐玉・玉折/渋谷事変」)を迎え、キャラクターデザインを宮原拓也(「恋する小惑星」)、シリーズ構成を米内山陽子(「ゆびさきと恋々」)が担当。
今注目のクリエイター陣が集結。
新たな週末の遊び方を、一緒に見つけませんか?

<プロローグ>
今週末、何して過ごす?
高校の写真部員・雨宮さつきは大好きな部長の卒業により意気消沈していたが、
親友でもう1人の部員の霧山アンからの激励により、再び部活動を頑張る決心をする。
しかし、さつきが意気込んでオークションで購入した360°カメラが届かない。
アンが出品者を調べると学校のすぐ傍に住んでいるらしい……。
さつきとアンが出品者の住所を訪れるとそこには駄菓子屋が。
2人はそこで漫画家の秋山春乃と出会い、「マンガのモデルになって欲しい」という依頼を受ける。
元映画研究部の敷島桜子を加え写真部と合併した「シネフォト研究部」は、春乃の取材に協力することになるが……?

【スタッフ】
原作:あfろ(芳文社 『まんがタイムきららキャラット』)
監督:愛敬亮太
助監督:諸冨直也
キャラクターデザイン:宮原拓也
シリーズ構成:米内山陽子
美術監督:藤井里咲 野村正信
色彩監督:小松さくら
CG監督:小川耕平
撮影監督:荻原猛夫
編集:柳圭介
音響監督:田中亮
音響効果:北方将実
音楽:百石元
アニメーションプロデューサー:藤田規聖
アニメーション制作:ソワネ

【キャスト】
雨宮さつき:三川華月
霧山アン:古賀 葵
敷島桜子:遠野ひかる
秋山春乃:上田麗奈
駒田華子:河瀬茉希

主題歌
オープニングテーマ:シネフォト部「メニメリ・メモリーズ!」
エンディングテーマ:halca「ウィークエンドロール」

Ⓒあfろ/芳文社・アニプレックス・ソワネ

関連リンク

TVアニメ『mono』公式サイト
https://mono-weekend.photo/

TVアニメ『mono』公式X
https://x.com/mono_weekend

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