声優として、また現在はミュージカルなどの舞台で活躍中の平野 綾が、約11年ぶりとなる新曲「evolutions」をリリースする。2006年のソロデビューシングル「Breakthrough」から間もなく20年となるこのタイミングでリリースされる本楽曲は、現在開催中のツアータイトル“evolutions TOUR 2025”を冠したタイトルとなっている。TVアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』(以下、『ハルヒ』)で一躍注目を集め、同時に音楽活動では刺激的なロックを鳴らし続けてきた時代の寵児が、その後様々なフィールドで活躍を経て、再び音楽活動を活性化。そんなタイミングで鳴らされた「evolutions」で彼女は何を思い、叫ぼうとしているのか。平野 綾のこれまでとこれからを繋ぐべく、彼女の今の想いをじっくり語ってもらった。
INTERVIEW & TEXT BY 澄川龍一
――3月に配信されたYouTubeの生放送番組「【平野綾】生配信特別番組「デビュー20周年カウントダウン、始動!」で、アーティストデビュー20周年のカウントダウンと新曲「evolutions」を発表されましたが、反響はいかがでしたか?
平野 綾 私の活動を追ってくださっているファンの方々は「綾社長、ちゃんと1個1個俺たち私たちの願いを叶えてくれている!」と言ってくださっていて(笑)。私の音楽活動をものすごく大事に思い、待ち望んでくださっていたんだなということが改めてよくわかりましたね。
――改めておよそ11年ぶりとなる新曲「evolutions」をリリースするに至った経緯をお伺いしたいと思います。
平野 実は去年のツアー“AYA HIRANO LIVE TOUR 2024 〜RE:BOOT〜”をきっかけに音楽活動を再開する前、コロナ禍の時から楽曲を内々でコツコツ作っていたんですよ。「いつか発表できたら良いね」って言って。そんななかで今年のツアーをやるにあたり、来年がソロデビュー20周年なことに気付いたんです(笑)。
――ご自身が20周年だというのを把握されていなかったと。
平野 そうなんですよ!私、色んなジャンルで活動させていただているので、周年がたくさんあって(笑)。それである日「来年が(ソロデビュー)20周年だよ」って教えていただいて、「そうなんだ!」って。そこでこの1年間音楽活動でも何か動きがあれば良いなと思い、4月からのツアーも決まっていたので、ツアーを盛り上げるための曲が欲しいということで作ったのが「evolutions」なんです。
――様々な偶然が重ね合わさっての新曲リリースになったんですね。
平野 私ってどのお仕事でも偶然が重なって「このタイミングだな」という奇跡が起こることが多くて。なので、今回もその一端だと思います。
――今回の楽曲がランティスさんからのリリースというのも奇跡的ですね。
平野 そうなんです。「ランティスさんとできたら良いな」という話は以前からしていたんです。やっぱり私の音楽活動を追ってくださっている方々はランティス時代の楽曲が好きな方が多いし、皆さんが求めているのってやっぱりランティス時代の雰囲気だと思っているので。先ほど話しに出ていた3月の生放送番組でランティスさんの赤のロゴを背負った時にも、「やっぱランティスロゴ似合うわ」って皆さんに言っていただいたのがありがたくて。本当に待っていてくださったんだなという感じはしましたね。
――生放送番組配信後にXでランティスのロゴと一緒に撮った写真をアップされていましたが、あれはやはりグッときましたね。
平野 私もです(笑)。それこそ20年近く前に初めてソロアーティストとしてTVCMを流していただけて、最後にランティスのロゴが流れていたんですよ。だから初期の感情を思い出して。私にとってソロで音楽活動をさせていただいた最初がランティスさんだったというのも大きいですし、やっぱり戻ってきた感がすごくありました。
――昨年は“Animelo Summer Live 2024 -Stargazer-”や“ANIMAX MUSIX 2024 FALL”などアニソンフェスへの出演もありました。
平野 昨年は『ハルヒ』が原作20周年だったので、平野 綾というよりも『ハルヒ』を盛り上げるために出たのが大きくて。“Animelo Summer Live 2024 -Stargazer-”に関してはライブのプロデューサーである齋藤P(齋藤光二)に「何かできませんか?」と直談判したんです。今の世代の人たちにも『ハルヒ』を知ってほしいなというのがあったので。
――なるほど。
平野 私がアニソンフェスに頻繁に出ていた時よりも、もっと(お客さんの)間口が広くなっているじゃないですか。中川翔子ちゃんとも「今ってもうオタクだってことを隠さず、『アニオタです』って言える時代がようやく来たんだ」って話をよくしているんですけど(笑)。それぐらいアニソンフェスって色んな人たちが集まる場所になった。そんななかで新しくアニソンフェスに来るようになった人たちにとって私はツチノコみたいな存在になっていると思うんですけど……。
――ツチノコの話は生放送でも言っていましたね(笑)。
平野 そうでしたね(笑)。今は私のことを実在しているかどうかわからない、作品に出ているのは知っているけど本人を見たことがないという人が多いと思うんです。そういう世代の人たちにも『ハルヒ』のファンになってほしいと思って齋藤Pに相談して。そうしたら「やるんだったら徹底的にやりましょう」「ギターやりませんか?」って言ってくださって。アニメでハルヒが弾いていた生産終了になっているギターを齋藤Pが探してくれて、最終的にえなこさんのギターを借りられてあの場所に立てたんです。
――あの日の「God knows…」は感動的でした。一方の“ANIMAX MUSIX 2024 FALL”はいかがでしたか?
平野 こちらは逆に“らき☆すた in 武道館 あなたのためだから”(2009年に開催されたTVアニメ『らき☆すた』に関するライブイベント)をもう一度やってほしいというオファーだったんですよ。でも当時のメンツは揃えられない。なので「私が責任持って全員分やります!」って言って1人で出演させていただきました。その時のバンドメンバーに西川 進さん(「God knows…」のギター演奏を担当しているギタリスト)がいてくださったので、だったら「God knows…」もやりたいと話をしたんです。そこもうまくタイミングがハマったというか。
――近年『ハルヒ』に触れた人の中には、昨年念願かなって平野さんを目撃したという方も多かったと思います。
平野 あと、当時応援してくださってた方々でも当時チケットがとれなくて、「十何年を経て初めて本人を観られました」と言ってくださる人もいて。そう言われると「ずっと覚えててくださってありがとうございます」という気持ちになりますよね。