――レコーディングはいかがでしたか?作詞同様にソロとしては久々かと思いますが。
平野 まず私、本当に歌詞が大丈夫かなと思ってレコーディングの前日ぐらいまで歌詞が出せなかったんです。その前に提出して全NGを出されたらどうしようと思いながら、前日の夜中に「これです……当日も変更あるかもです……」って送って(笑)。それで実際にレコーディングしながら、言葉のハメ方だったり歌詞自体も結構変えていったりして、その場でようやく歌詞完成という感じだったんです。今は私がミュージカルをやっていることもあって、言葉のハメ方が丁寧になっちゃうんですよ。それで「もうちょっとロックっぽいハメ方にしたいです」って神田さんからも言われて。
――そうした作業をしながらのレコーディングだったと。
平野 はい。あと歌う前に神田さんから「どうしてこういう歌詞を書いたんですか?」みたいなインタビュー的なものも(レコーディング前に)あって。「ライブで一番大事に思っていることってなんですか?」とか「この曲をライブでどうやって表現したいですか?」とか多分30分ぐらい話したと思います。おかげでちゃんと気持ちを言語化したうえで「大丈夫」という安心感を持ってレコーディングに臨めました。
――気持ちを作ってレコーディングに挑めたわけですね。
平野 そうですね。神田さんご自身もプレイヤーだから歌う側の気持ちを理解してくださったんだと思います。おかげでこっちのテンション感や意向を汲み取っていただけたのは心強かった。神田さんにディレクションしてもらえて良かったと思いました。
――完成した楽曲は歌い出しから非常に強さがある印象でした。
平野 元々出だしには英単語を入れようかなと思っていたんですけど、それをあえて日本語にしているんですよね。でも英単語くらいのインパクトがほしいとも思って「この1音に対してはこの歌唱法を使って……」みたいに色んな技法を織り混ぜて強さを作りました。ここで使った技法ってミュージカルのために海外留学した時に身に着けたものなんですよ。なので新曲にも活かせて良かったなと思って。
――これまで活動を積み重ねた平野さんだから出せた歌声だということですね。
平野 はい。ただ、今回みたいに1曲に150%出す歌い方を長らくやっていなかったというのもあって。ミュージカルだと何ヶ月も毎日同じクオリティで歌えるようにする為に、衝動的に100%以上を出そうとして喉を壊したり、歌うことを意識しすぎて言葉を伝えることが疎かになってはいけないんです。それは私がこの十数年舞台をやってきて学んできたことなので大正解なんですけど、今回の楽曲はそれじゃいけない。なので1つ壁を超えなきゃいけない部分はありました。
――中盤にはジャジーなパートもあり、平野さんのこれまでや現在という様々な要素が詰め込まれているようにも感じました。
平野 なのでこの曲、ライブが大変なんですよ。パートによって喉が別人なので多分3人くらいの平野 綾が必要なんですよね。ジャジーなところとサビに差し掛かってからのところは歌い方がまったく別人なので、それをどうやったら1つの楽曲として成立させられるのかなっていうのはあります。レコーディングとライブは全然違うから、これは難しいなって思いました。
――後半にいくにつれて高揚していくような歌唱は、まさに超えようという意識も感じられますね。
平野 うん、そうですね。よくファンの人たちから「昔の曲を歌っていても昔とは違う」って言われることはあるんですけどその通りで。表現の幅が増えたのもあるんですけど、曲の組み立て方が以前の私と全然違うんですよ。よりドラマチックになるように1曲の中でストーリー性を持たせているのが圧倒的に昔と違う発想で、そこはすごく自覚していて。当時の歌声はあの時にしか出せないものだからそれはそれで素晴らしいんですけど、表現の仕方が変化していくのも良いことだと思っています。
――最後のフレーズに向かう熱量の表現は今でしか出せないものがあったのではないかと。
平野 そう。あそこは録り直しをしているんです。最後にみんなが「完成おめでとう」って言っているのに、私が「もう1つ要素を入れたいです、最後の最後まで上がり切っていく感じにしたいんです」とお願いして。
――そこで歌われている“願った進化の先”というのが、現在開催中のツアーでも見られるのかなと。
平野 去年のツアーは“AYA HIRANO LIVE TOUR 2024 〜RE:BOOT〜”というタイトルで、再出発みたいなイメージもあってほぼほぼランティス楽曲しかやってないんですよ。そこには「ライブハウスでしかできないライブをやろう」みたいなテーマもあったんですけど。今回ももちろんライブハウスでしかできないライブを作ろうというのはありつつ、ちょっとドラマチックにしたいと思っていて。ホールでやるような大きな演出や仕掛けはないけれども、歌だけでストーリー性を表現してドラマチックに展開できないかなと考えています。そんななかでも初期のランティス楽曲をメインにやることは変わらないですね。
――こうした様々な奇跡が集約されているかで、ドラマチックというテーマは楽しみですね。
平野 そうですね。やっぱり新曲を披露できるタイミングが一番緊張するとは思うんですけど、もうセットリスト的に最高に盛り上がるところに持ってきているので、その勢いでみんなも楽しんでもらえたら良いなと思っています。
――そうしたツアーを経て、その先にあるデビュー20周年にも多くの楽しみが待っているかと思います。
平野 ちょうど今、これまでの出したMVがランティスさんのYouTubeチャンネルにアップされるんですよ。そういえば私、今までMVが公式YouTubeにあがっていなくて……。そう考えると20年って怖いですね(笑)。これから皆さんには過去の作品を改めて届けたい。今だから聴いてほしい、振り返ってもらいたい楽曲もたくさんあるので。一方で新曲やアルバムも出せたら嬉しいなって思っているんです。昔の曲も聴いていただきつつ、それが今に繋がれば良いですね。
――今の平野さんを知ってもらう良い機会でもありますからね。
平野 できれば音楽活動だけじゃなく、今の私がどんな活動してるのか知らない方もいると思うので、そこにも興味を持っていただきたいですね。ちょうどツアー中が 次の舞台の稽古中なんですよ。それで今すごく大変で……(笑)。
――ツアーに舞台に大忙しですね。
平野 棲み分けが大変です。でもこれって昔からやってきたことの延長だよなと思うし、久しぶりに味わう音楽活動での刺激はすごく楽しいですね。
●リリース情報
evolutions

2025年5月10日(土)より配信リリース
作詞:平野綾 作編曲:神田ジョン
●ライブ情報
AYA HIRANO LIVE TOUR 2025 -evolutions-
東京公演
4月27日(日)
会場:KANDA SQUARE HALL
福岡公演
5月4日(日)
会場:DRUM Be-1
広島公演
5月5日(月・祝)
会場:広島Live space Reed
宮城公演
2025年5月10日(土)
会場:darwin
栃木公演
5月11日(日)
会場:HEAVEN’S ROCK 宇都宮 VJ-2
愛知公演
5月17日(土)
会場:NAGOYA JAMMIN’
大阪公演
2025年5月18日(日)
会場:UMEDA CLUB QUATTRO
北海道公演
2025年5月24日(土)
会場:cube garden
オフィシャルホームページ
https://ayahirano.jp/
オフィシャルX
https://x.com/Hysteric_Barbie
ランティスオフィシャルYouTube
https://www.youtube.com/channel/UCpRh2xmGtaVhFVuyCB271pw