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INTERVIEW

2025.04.16

6ヵ月連続配信中のTHE SIXTH LIEにインタビュー!6月にはワンマンも控えたバンドの“今”に迫る!

6ヵ月連続配信中のTHE SIXTH LIEにインタビュー!6月にはワンマンも控えたバンドの“今”に迫る!

2025年3月26日に最終話が放送されたTVアニメ『グリザイア:ファントムトリガー』のグランドEDテーマ「クロスバース」が現在配信中だ。この楽曲を手がけたのは3人組ロックバンド・THE SIXTH LIE。現在、2025年1月から6ヵ月連続で新曲を発表するプロジェクトを進行中で、先日第4弾となる「スクランブル・ライン (feat. 高野洸)」を配信リリースしたばかりだ。Arata(vo)、Reiji(g)、Ray(ds)の3人に、「クロスバース」制作の舞台裏や、連続リリースに込めたビジョン、3人体制になってから2度目となるワンマンライブへの展望を聞いた。

INTERVIEW & TEXT BY 逆井マリ

“希望”というテーマにフォーカスして作りました

──まずはTVアニメ『グリザイア:ファントムトリガー』の「クロスバース」の制作の経緯について教えてください。

Reiji 「Shadow is the Light」(TVアニメ『とある科学の一方通行』OPテーマ)の時もそうだったんですが、『グリザイアシリーズ』は自分が元々好きだった作品で。原作ゲームの頃からずっとプレイしていたので、お話をいただけて驚きました。

Ray Reijiが一番作品に詳しかったので、楽曲制作は「任せた!」と。楽曲まわりは普段からReijiに任せてる部分が大きいんですけども、今回は特にという感じでした。

──作詞を手掛けたのは、『グリザイアシリーズ』に欠かせない桑島由一さんです。

Reiji 本当にすごい方に歌詞を書いていただいて。(自分たち以外が)作詞をするのは、やなぎなぎさんとのコラボレーション「LEVEL」(TVアニメ『天才王子の赤字国家再生術』OPテーマ)ぶりで、すごく新鮮でした。今回は曲先で作っていったのですが、いただいた歌詞を読んで、メロディに対して言葉を乗せるのが本当に上手い方だなと思いました。実はArataが歌いやすいように、桑島さんサイドにお渡しするときにデモの時にアラ語(Arata語)をつけていたんです。アラ語というのは、デモに入れている響きを重視した言葉のことなんですが……。

──英語っぽいような、そうじゃないようなという謎の言語だとか……?

Arata 今回は日本語っぽい感じでしたね(笑)。完全には覚えていないのですが、当時の仮歌詞に“箱舟”というワードを入れていたような気がします。いくつか、その時に入っていたワードを生かしてもらったのかな?というところがありました。でも、桑島さんの歌詞で歌ってみたら、断然歌いやすくなっていて。明るい未来に向かって羽ばたいていくような、そういった情景もぱっと浮かんでくるし、聴いていて想像が広がる歌詞で、さすがプロの仕事だなと感じました。

──THE SIXTH LIEの歌詞というとRayさんの印象が強いのですが、Rayさんはどんな印象を持ちましたか?

Ray 違和感なくTHE SIXTH LIEっぽく仕上がっていたと思います。実は今回、タイトルだけは僕が考えたんです。桑島さんから「色々な運命が交錯して、最後に1つの場所で交わる」というテーマを提示されていたので、それを表現できるタイトルをということだったんです。それで、THE SIXTH LIEらしい表現の仕方や言葉選びを意識していくつか案を考えた結果、「クロスバース」に決まりました。アーティストとしては未来的なコンセプトも多いので、「バース(Verse)」という言葉は“メタバース”のように、個々人が持っている世界という意味で使っています。

──サウンド的には、アイリッシュやケルト音楽のような雰囲気を感じましたが、その辺りはどうでしょうか?

Reiji 確かにアイリッシュと言われるとそうですね。あまり意識していなかったんですけど、言われてみると、いつもよりファンタジー感のあるサウンドになっていたかもしれません。作曲的には、“希望”というテーマにフォーカスして作りました。最初のデモの段階では、ストリングスもまだ薄くて、もっとロック寄りの仕上がりだったんです。でも、アニメサイドから「もっと盛っちゃってください」というリクエストをいただいて。むしろ「喜んで!」という感じで(笑)、最後のほうはストリングスを思い切り足していきました。自分は「融雪」(TVアニメ『ゴールデンカムイ』第三期EDテーマ)のような、楽器が盛り盛りの楽曲が大好きなので、正直かなり嬉しかったです。

──これまでのTHE SIXTH LIEの楽曲とは違った雰囲気もありますよね。

Reiji 今までにこんなに明るい曲を作ったことがなかったので、それ自体が挑戦でした。あと、跳ねるピアノから始まる曲って、THE SIXTH LIEでは今までなかったと思います。作っている途中では「ちょっと明るすぎたかな」と思ったんですが、作詞でちゃんと『グリザイアシリーズ』ならではの“影”の部分を表現していただけたので、バランスが取れて安心しました。

──“さよならさえ言えぬままにまた奪われた夢の欠片”という歌い出しが、まさに『グリザイアシリーズ』らしい雰囲気ですよね。新たな引き出しを得た感覚はありますか?

Reiji ありますね。ライブ的にも、こういう曲が1つあるとすごく良いなと思います。うちのバンドは激しい曲や悲しい曲が多かったりするので、バリエーションが増えるのは大きいです。

Ray 今回はドラム的にも“跳ねるビート感”というか。普段はストレートな4ビートが多いので、軽快な雰囲気が新鮮でした。

Arata 仮歌の段階では半音高いキーだったんです。でも「1発ならなんとか頑張れる」っていう判断で、最後に転調します(笑)。結果的にかなり高い楽曲にはなったんですが、自分のハイトーンをしっかり聴かせる曲に仕上がったなと。これは自分にとっても、THE SIXTH LIEにとっても“武器”でもあるということを再確認しました。

──Arataさんは元々音域が広い印象です。

Arata 最近は高音だけでなく、低音のいい男の声みたいなのも追求し始めたんです。それがすごく面白くて、表現の幅も広がっていると感じます。

連続リリースの第4弾は俳優・高野洸とのコラボレーション

──現在、THE SIXTH LIEは2025年1月から6月にかけて毎月6日に6ヵ月連続配信リリース中です。そもそもこのプロジェクトは、どのような経緯で始まったんでしょうか?

Ray ここ何年かはライブを主軸に活動してきたんですけど、2025年はちょっと違うこともやってみたいね、という話が出たんです。その中で「海外向けの曲も作っていきたいね」という流れにもなっていて、連続で新曲をリリースしてみようかと。最初は5ヵ月の予定だったんですが、バンド名にちなんで、6ヵ月にすることに。

Reiji 最初に20曲くらいデモを作って、その中から6曲を選んだんです。これまでは1曲作ってから3ヵ月先に納品みたいな感じでしたが、今回は納品直前までずっとこねくり回してます(笑)。まさに“直送便”と言いますか。めちゃくちゃしんどいんですけど、“出来たてホヤホヤ”を世に出せるという意味では嬉しいですね。

──この連続リリースの中で改めて表現の面白さを感じるところはありますか。

Arata ありますね。先ほど音域の話をしましたが、1曲目の「Virtual Sky」が低音から中域くらいまで出したものになっていて、これまでのTHE SIXTH LIEとは違うアプローチの曲になっていました。で、その次にきたのが「Wonderland (วอร์ชันภาษาไทย)」という、全編タイ語で制作したもので、タイ語監修の方を招いてレコーディングを行いました。最初は「これ無理かも」って思ったんですけど(苦笑)、実際にやってみたら「意外といけるな」っていう手応えがあって。リリース後には『JAPAN EXPO THAILAND』で披露させてもらったんですが、リハーサルの段階で現地の人たちが振り返って集まってくる様子を目撃して、「あ、これはやれてるな」と思いました。

──「Wonderland」では、歌広場淳さん(ゴールデンボンバー)がダンスの振付をされていましたよね。

Arata はい。歌広場さんとは元々交流があって、お願いしたところ2つ返事で引き受けてくださって、本当にありがたかったです。

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