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INTERVIEW

2025.04.10

名曲「さよなら人類」カバーの裏側を栗コーダーカルテット×小桜エツコ×春海百乃が語る!TVアニメ『宇宙人ムームー』EDテーマ座談会

名曲「さよなら人類」カバーの裏側を栗コーダーカルテット×小桜エツコ×春海百乃が語る!TVアニメ『宇宙人ムームー』EDテーマ座談会

それぞれの思いを乗せた「さよなら人類」カバー制作秘話

――ここからはアニメのEDテーマ、たまの代表曲「さよなら人類」のカバーについて詳しくお聞かせください。原曲は1990年のヒット曲ということで、春海さんは世代的にご存じなかったのでは?

春海 今回、初めて知りました。最初に原曲を聴いた時、今までに聴いたことのない雰囲気の音楽だったのもあり、カラオケで歌ってみたのですが、音程が取りづらくって。でも曲自体は、不思議な感じがありながらも、歌詞にも色んな要素が入っていて、ちゃんと聴いてみると全体的に『ムームー』っぽさを感じました。

小桜 私はど真ん中の世代で、たまのアルバムも持っていましたし、「イカ天(三宅裕司のいかすバンド天国)」(※たまがブレイクするきっかけになった音楽番組)も観ていました。そんな歌を30年以上経った今、カバーさせていただけるなんて本当に光栄ですし、高校生の頃の自分にそっと教えてあげたいです(笑)。

関島 たま、好きそうですものね。

小桜 そういえば髪型も(たまの元メンバーの知久寿焼と)ちょっと似てますかね?(笑)。「さよなら人類」はまさに宇宙みたいなイメージが浮かびますし、壮大でありながら不思議な歌の世界観なので、確かに『ムームー』らしさを感じるなと思いました。アニメで流れるのはワンコーラスですけど、フルバージョンでは1番から5番まで歌っていて、コーラスや追っかけもすべて2人で歌ったので聴き応えのあるカバーになったと思います。私はこの歌でみんなと一緒に「NHK紅白歌合戦」に出ている画が浮かんでいるので、ぜひヒットさせたい!(笑)。

――35年ぶりに「さよなら人類」が「紅白」で歌われたら熱いですね(笑)。栗コーダーカルテットの皆さんは、それこそたまのメンバーだった知久さんとは縁が深いことで知られています。

栗原 そうなんです。そもそも栗コーダーカルテットは知久くんがきっかけで始まっているので。

川口 当時、ライブでコラボレーションしたんですよね。宴会の席で、たまたま知久くんとこの3人で一緒に飲んでいた時に、知久くんがリコーダー好きらしいという話になって、「じゃあ僕らで知久くんの歌の伴奏をリコーダーでやったら面白そうだね」という話になって。なので最初は知久くんとのライブのためだけに集まったって訳で。

栗原 そのライブを行うにあたってバンド名を決めようという話になって、知久くんが「知久寿焼と栗コーダーカルテット」という名前を決めたんです。確か青梅街道沿いのファミレスで話し合ったんだよね。僕も色んな候補を考えていたんだけど、「いや、栗ちゃん(栗原)がいるからわかりやすく栗コーダーカルテットでいいんじゃない?」っていう話になって。

川口 当時はメンバーがもう1人いたんですけど(2015年に脱退した近藤研二)、それぞれいくつものバンドを掛け持ちでやっていたんですね。近藤くんはハイポジをメインでやっていたし、関島さんは今でもすごい数のバンドをやっているし、僕も3~4個やっていた。でも栗原さんだけ、当時は自分のバンドを持っていなかったんです。

栗原 そう、だから最初は僕の趣味みたいな意味合いもあったかもしれない。

関島 ちょうどその少し前に栗原さんが「自分がアレンジできる場が欲しい」ということを言っていて、“栗・エヴァンス・オーケストラ”的なことをやりたいと話していたんですよね(笑)。で、その頃、栗原さんの中でリコーダーブームが来ていたので、まずはリコーダーから始めてみよう、ということを話していたんです。それで実際にライブをやってみたら、周りのミュージシャンや色んな人からの評判が良かったので、そのまま自然と活動が続いていったんです。

川口 最初は季節に1回集まるくらいの課外活動だったんですよね。

栗原 今でもなんで続いているのかわからない謎の状態ですからね(笑)。

関島 でも、今回の『ムームー』のようなお話をいただく機会が、活動を続ける原動力になっているんです。

栗原 僕らは人から何かお題をもらって、それに対して自分たちの力を100%出して何かを作っていくことが面白いし、みんなそういうのが性に合っているみたいなんです。「俺の音を聴いてくれ!」みたいな感じはあまりなくて。

川口 その気持ちがあったらもう少し表舞台で活躍できたのかもしれないけどね(笑)。

小桜 十分活躍されてますよ!(笑)。

関島 ともかくそういう成り立ちだったので、今回の「さよなら人類」のお話をいただいた時に、ついにこの時が来たのかと思いましたね。栗コーダーがこの楽曲をやることの意味を考えたら、ちょっと気合いを入れて頑張らなくてはいけないな、と。

――今回は原曲の構成や雰囲気を踏襲しつつ、リコーダーを軸にした栗コーダーカルテットらしいアレンジに仕上がっていますよね。

栗原 ありがとうございます。原曲を改変する場合は、強い意志なり大きな拠り所が必要なんですね。今回の場合は、サポートメンバーを含め僕たちが出来る最大限の効果が出るように、なるべく原曲のイメージを崩すことなくアレンジする、という選択肢しかなかったです。原曲を何度も聴きながら分析するなかで、改めて原曲のすごさを知ることになりました。

関島 たまは演奏するたびにアレンジが結構違っていて、この曲もスタジオで録った音源がいくつかあるのですが、全部アレンジが違っているんです。なので今回は、原曲のどのバージョンを基準にするかを選ぶところから始めました。おそらく世間的にはシングルバージョンが一番耳にされていると思うのですが、僕らとしてはアルバムに入っているバージョン(アルバム『さんだる』収録の「さよなら人類(オリジナル・ヴァージョン)」)が、当時のたまのメンバーの一番やりたかった感じなんじゃないかと思って。

川口 ライブでもそのバージョンに近い演奏をしていたからね。

――間奏に“さるー、さるー、さるー、さるー”という歌が入るバージョンですね。今回のカバーでもお二人が桜子とムームーの歌として表現されていて感動しました。歌のレコーディングはいかがでしたか?

小桜 実はレコーディングの前に、キーチェックでタバティさんのギター演奏に合わせて歌わせていただいたのですが、その時に「なんか知久さんっぽい!」と言っていただいて(笑)。それが自信になりました。

栗原 あのキーチェックの歌、コントロールルーム側で聴いていたんだけど、すごく良かったんですよね。

関島 そう、「できたー!」って思ったね。「ついたー!」(※「さよなら人類」の曲中に登場するフレーズ)じゃないけど(笑)。

川口 でも、小桜さんがキーチェックで歌った瞬間、本当に感動したんですよ。改めていい曲だと思いましたし、これはいいものができると思いましたね。春海さんとのコントラストもまた良くて。歌のタイプが全然違いますからね。いい離れ具合なんです。

小桜 春海さんは少女っぽくふわっとした桜子ちゃんらしい歌い方で、私のムームーは時々コブシが入る歌い方なので、普通はあまりないコンビですけど、アニメの世界観に合う曲になったと思います。それとたまと言えば、春海さんのお母さんも少しご縁があるらしいんです。

春海 そうなんです。キーチェックの時に皆さんが「イカ天」の話をされていたので、そういえばちょうど母の世代かな?と思って、家に帰ってその話をしたら、「私もバンドで〈イカ天〉に出たことあるよ」って言われて(笑)。

――えっ!まさかの繋がりですね(笑)。

春海 たまのことも、「ロックやメタルのバンドが多くてみんながギラギラしていたなかで、いい意味で普通のテンション感だったのが新しくてすごかったのよ」という話をしていました。

小桜 見た目はそれほど普通でもなかったけどね(笑)。バンドというよりも劇団みたいな雰囲気で。

川口 たまはメンバーそれぞれがシンガーソングライターでもあって、いまでも個別に活動を続けていますからね。知久くんは今も全国を一人で回ったりしているけど、若い熱狂的なファンが増えたりしていますし。「さよなら人類」を書いた柳原(幼一郎)さんもそうで、やっぱりすごい人たちだったんだよね。

――春海さんはキャラクターとして歌う経験も初めてだったのでは?

春海 はい。でも、私が歌いやすいキーに合わせてくださったので、しっかり桜子のまま歌うことができました。

栗原 僕らはアフレコの様子を見学したわけではなかったので、実際の桜子がどんな振る舞いをしているのかはあまり知らなかったけど、歌を聴いた瞬間に「これは桜子だ!」と思いました。でも、アフレコで言葉をしゃべるのとは環境があまりにも違うだろうから、やりづらかったりするんじゃないですか?

小桜 歌の時はレコーディングする気持ちで気合いを入れて、しっかり形を作ってスタジオに行くので大丈夫です。ただ、「さよなら人類」はしっかり向き合って歌うと難しい曲なんですよね。上のパートやハーモニーも全部2人で録ったのですが、楽譜では表せないような部分もあったので現場で慌ててしまって。でも「たまの皆さんも楽譜通りに歌っていたわけではないので、伸び伸びと歌ってもらっていいですよ」と言っていただけたことで、気を楽にして歌うことができました。

栗原 今回は僕が譜面に起こしたんですけど、原曲の歌は音と音が滑らかに繋がっていたりして、正確には書けない部分もあったりしたんですよね。柳原さん独特の節回しというのがあって。

小桜 春海さんは楽譜を読めるんだっけ?

春海 一応ドレミは読めるのですが、「さよなら人類」は耳で覚えました。いただいた音源資料を何度も繰り返し聴いているうちに、人類を感じた瞬間があったんです(笑)。レコーディングの最後、録った音を合わせたものを聴いた時に「世界が繋がっている!」と思って、すごく壮大な気持ちになりました。

栗原 結果としてとても素敵なテイクが録れました。実は今日も別の曲のレコーディングをしたのですが、お二人とも録れ高がすごかったんですよ。

小桜 「さよなら人類」はまず私がフルを歌った後に、春海さんが録ったのですが、今日は一緒に歌ったので、アフレコも重ねてきた分、コンビネーションもバッチリだったと思います!

川口 やっぱり2人で声を出すと楽しいでしょう?

春海 楽しかったです!

小桜 本当に桜子とムームーが土手を散歩でもしながら歌っているような感じになったもんね。すごく良いテイクになったのでご期待ください!

――次の楽曲が発表される日を楽しみにしております!それでは最後に読者に向けて、本アニメの見どころ・音楽の楽しみどころのアピールをお願いします。

川口 僕たちとしては、皆さんがアニメの放送を見た時から時間が経って「あれ?あの曲いい曲だったな」と気付いていくれるくらいがちょうどいいのかなと思っていて。音楽がストーリーを邪魔するのではなく、効果的に使われているということを、後からふと気付いてくれたらいいなと思っています。

関島 確か黒澤 明監督が「(劇伴音楽は)映画館から出た時に音楽が頭に残っていないくらいがちょうどいい」みたいなことを言っていたんですよね。なので物語を邪魔をしないけど、上手く世界観を広げている音楽になっていればいいなと思っています。それと今回作った音楽から何曲か、僕らのライブで演奏できそうな楽曲もあるので、栗コーダーのライブも興味があればぜひ来てもらえると嬉しいです。

栗原 普段、劇中の音楽だけでなくED主題歌もまとめて作らせてもらう機会はほぼないですし、こうしてキャストの方とお話をする機会もないまま終わってしまうことがほとんどなんです。その中で今回は、主演のお二人とも一緒にひとつの作品を作ることができて、しかもそれが僕たちに縁のある楽曲ということで、すごく充実していました。そういう部分が作品にも出ていると思うので、ぜひお楽しみください。

小桜 第1話はほぼ桜子とムームーの2人で進行するお話しだったのですが、今後も個性的なキャラクターたちがどんどん登場するので、きっと観ていたらお気に入りのキャラクターが見つかると思うんです。けらけら笑ったり、ちょっとほっこりしたり、グッときたりする間に、いつの間にか家電のことにも詳しくなれるので、とてもお得な作品です(笑)。ぜひアニメと原作をセットで楽しんでいただければと思います。

春海 家電も猫も宇宙人も、昔から色んな作品で取り上げられてきたテーマだと思うのですが、それらが合わさることでまったく新しい作品になっていると思うので、きっと新鮮な気持ちで観られると思います。これから個性豊かなキャラクターがたくさん登場して「こんな作品、観たことない!」と感じると思いますので、ぜひ楽しみにしていてください!


●作品情報
TVアニメ『宇宙人ムームー』

<キャスト>
ムームー:小桜エツコ
梅屋敷桜子:春海百乃
デシマル:加瀬康之
鶴見アキヒロ:梶原岳人
鮫洲美輪:日比優理香
天空橋わたる:木内秀信
六郷 保:熊谷健太郎
花月園子:藤井ゆきよ
シベリア:高橋花林
穴守順一郎:小西克幸

<スタッフ>
原作:宮下裕樹 『宇宙人ムームー』(少年画報社「ヤングキングアワーズ」連載)
監督:髙橋知也
シリーズ構成:大知慶一郎
キャラクターデザイン:大田謙治
音楽:栗コーダーカルテット
アニメーション制作:OLM

©宮下裕樹・少年画報社/京急大学人類再生研究会

●栗コーダーカルテット ライブインフォメーション
5月5日(月)長野 軽井沢大賀ホール
https://www.ohgahall.or.jp/event/5676/
5月10日(土)東京 こくフェス 国分寺カフェスロー
http://www.bloc.jp/kuricorder/data/1742874669
5月31日(土)、6月1日(日)日比谷音楽祭 *出演日は後日発表
https://hibiyamusicfes.jp/2025/
6月14日(土)大阪 枚方市総合文化芸術センター
https://hirakata-arts.jp/
6月21日(土)東京 渋谷 YATSUI FESTIVAL! 2025
https://yatsui-fes.com/
6月22日(日)東京文化会館 谷山浩子『放課後の音楽室ファイナル ~栗コーダーカルテットとともに~』
https://www.taniyamahiroko.com/
11月7日(金)大阪 住友生命いずみホール
https://www.izumihall.jp/schedule/20251107
11月16日(日)東京 文京シビックホール
https://www.b-academy.jp/

関連リンク

TVアニメ『宇宙人ムームー』
公式サイト
https://ucyujin-mumu.com/

公式X
https://x.com/ucyujinmu2

公式YouTube
https://www.youtube.com/@mumu-anime

栗コーダーカルテット
公式サイト
http://www.kuricorder.com/

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