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2025.02.10

【振り返りコラム】TVアニメ第2期『UniteUp! -Uni:Birth-』放送中!2年の時を経た11人のアイドルは、真っ直ぐにそれぞれの道を突き進む!

【振り返りコラム】TVアニメ第2期『UniteUp! -Uni:Birth-』放送中!2年の時を経た11人のアイドルは、真っ直ぐにそれぞれの道を突き進む!

“笑顔で咲き誇れ”と歌っていた「UniteUp!」の11人は、2年の時を経て“星の彼方へ飛び立とう”と歌う――。アイドルとして着実に進化する彼らの姿を見せる、TVアニメ第2期『UniteUp! -Uni:Birth-』が放送中だ。音楽を軸に多方面で物語を紡ぎ続ける多次元アイドルプロジェクトが見せる新たな展開は、やはり“音楽”と共に繰り広げられる。今回は、TVアニメ第1期『UniteUp!』を振り返りつつ、第2期の展開へと想いを馳せる。

TEXT BY えびさわなち

第1期、第2期、シンクロする幕開け

2023年の放送から2年。待ちに待ったTVアニメ第2期『UniteUp! -Uni:Birth-』の放送がスタートした。その第1話は街の雑踏の遠景から始まる。イベント会場へと向かう道。ポスターとなって貼られたPROTOSTARの姿。前シーズンを経てアイドルとなりデビューを果たして活動する彼らは、今や堂々たる姿で収まっている。「新人メンズアイドルフェス」で3人がステージを披露する場面から物語は幕を開けた。そんな場面には既視感が。そう。第1期の始まりもまた、ライブシーンだった。伝説のアイドルユニット・Anelaのステージ。巨大アリーナを埋め尽くすオーディエンスと揺れるペンライト、そして眩いLED照明演出のなか、「TARGET」を歌う2人のインパクトは今も心に残っている。
あれから2年。第1期のサブタイトルは「アイドルしないと」、第2期は「もっとアイドルしないと」。そのシンクロは元より、寄り添う劇伴曲も第1期、第2期でまったく同じ「sMiLea Production」(作曲:林 ゆうき)である。前回とは違いAnelaに見いだされたPROTOSTARのステージからの幕開けは、楽曲、シチュエーションのシンクロと共に視聴者をアニメの世界へと一気に引き込んだ。“多次元アイドルプロジェクト”を謳い、TVアニメ第1期の終了後もキャストが精力的にユニット活動を続け、その活動にインターバルを置くことなく『UniteUp!』の音楽を届け続けた先に待っていた第2期も、やはりその芯にあるのは“音楽”だったのだ。

アニメとリアルが交わり続けた「UniteUp!」の時間軸

第1期ではOPテーマ「Unite up!」に、EDテーマ、作中でのライブ曲を合わせて20曲を超える楽曲が物語を彩った。アニメ放送の開始前からアニメ公式YouTubeチャンネルではPROTOSTARの3人をはじめLEGITの3人やJAXX/JAXXのボーカル・春賀楽翔もアニメ公式YouTubeチャンネルで歌い手として活動するなど、放送前から「UniteUp!」は“音楽”をフィーチャーしてきた。放送前の楽曲はキャラクターのそれまでの歩みや個性を紐解く鍵となっていたこともあり、アニメが始まると再生数も伸び、それぞれの楽曲がファンに愛されることに。そして放送が始まれば、煌めきの王道アイドルソングを歌うPROTOSTAR、ダンスミュージックを主軸に熱いクラブサウンドとダンスパフォーマンスで沸かせるLEGIT、バンドの演奏で軽快にカラフルに力強いメッセージを宿すJAXX/JAXXという個性の違う3組11人のアイドルそれぞれが違うファンを獲得。物語の中で描かれる11人11色のアイドルたちの魅力もあり、事務所ハコ推しファンをも増やしていくこととなった。アニメが進むにつれ、カラーの違う楽曲の魅力やアイドルの個性という魅力が花開いていったのだ。

そしてもう1つ。「UniteUp!」が人々を惹きつけた理由に、物語が現実と交わるほどの“リアリティ”があった。SNSの活用も積極的に行う「UniteUp!」。例えばバンド活動をするJAXX/JAXXは、アニメ前半「全国ツアーに出ている」と説明されていたが、Xではライブ会場のある土地での打ち上げの様子などをそれぞれがアップしたり、メンバー同士での会話があったりと、今、そこにいることを見せ、ファンを楽しませていた。もちろん先に述べたようにYouTubeチャンネル(※作中では動画配信サイト)で歌い手として活動していたPROTOSTARもそれぞれがその歌い手としてXアカウントを動かしていたが、特にお披露目ライブのタイミングとなった第6話「伝えないと」ではそのアカウントがついに始動。事務所への所属やユニットの結成が決まり歌い手としての活動を突然中止したことで応援してくれていた人たちに何も伝えられていないと気に病む3人だったが、自身のアカウントからお披露目のアナウンスをするというエピソードが作中に出てくる。すると、アニメ放送中にXのアカウントからもアナウンスが流れたのだ。しかもリンクを押すと、劇中でLEGITをはじめsMiLeaプロダクションのメンバーが自ら作り上げた映像が、まさにそのカメラの画角のままYouTubeチャンネルで視聴可能に。それは現実と作品とが交差した瞬間だった。そんなリアリティによって多次元アイドルプロジェクトの真骨頂を見せたのが「UniteUp!」なのだ。

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