――ここからはテーマを変えて、これまでの活動やメンバーとの思い出で特に印象深いことをお伺いしたいです。
米澤 本当にたくさんありますけど、私はやっぱり0th LIVEです。それまで水面下で長期間準備してきて、名前も顔も知られていないまま初めてステージに立つ瞬間。そのステージ袖の景色がずっと忘れられないです。不安もありつつワクワクしていたんですけど、バンドの世界観的にワクワクした感じを出してはいけないし……あの気持ちは何て言えばいいんだろう(笑)。景色としてずっと頭に残っているんですよね。あとは、TVアニメ『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』の#13でAve Mujicaのキャスト名が初めて発表されたとき、みんなで「…ようこそ。Ave Mujicaの世界へ」とポストしたのですが、あのときはみんなで私の家に集まって、来られない子はビデオ通話で繋げて、5人で一斉にポストしたんです。その瞬間も忘れられないです。
渡瀬 そのアニメ#13の放送日が2023年の9月14日だったんですけど、今年の9月14日にムジカのハッピーバースデー会をみんなでしたのも忘れられない思い出です。のんたんがお店を予約してくれて、なおかつハッピーバースデーのサプライズも準備してくれていたんですけど、のんたんも9月生まれなので、お店の人がバースデーの準備をし始めた瞬間、「あれ?のんたん、自分のバースデーのサプライズを準備していたのかな?」って勘違いしてしまって(笑)。そうしたら「ハッピーバースデーAve Mujica」と書かれていて、粋なことをするなあと思いました。
高尾 自分で自分のバースデーをサプライズするのはヤバい人だよ(笑)。しかも予約するのに慣れていなくて、楽屋裏で電話していたら、李子に見られていてバレました(笑)。
米澤 お店選ぶもセンスが良くて。ムジカっぽいお店だった。
高尾 あれは昔、ゆづむんが行きたいって言っていたお店で。
渡瀬 そうそう、のんたんに「ここ、みんなで行ってみたいね」って送ったことがあって。
――皆さん、バンド活動だけでなくプライベートでも仲がいいですよね。
米澤 SNSにアップしていないものも含めて、本当にめちゃくちゃ会ってます。
高尾 学校の友達と同じくらいの頻度で会ってるよね。あまり載せすぎるのもアレかなと思って、これでも抑えています(笑)。
佐々木 LINEとかでもずっと連絡しているし、人生を預けられる仲間という感じがするよね。私は最近ピアスを開けたんですけど、それも茜が開けてくれたんですよ。さすがに最初の頃は初めてのバンドということもあって気を遣う部分もありましたけど、最近はそういうことも全然なくて、なんでも任せられるし、思ったことを全部さらけ出して言い合える仲になりました。私は上海でのライブ(2024年7月に出演した“BILIBILI MACRO LINK 2024”)が終わった後、スタッフやマネージャーも含めたみんなで集まって話し合ったことが特に印象深くて。みんなの絆と結束力がより深まったと思います。
渡瀬 みんなで朝の4時くらいまで語り合ったんです。しかも翌日の朝に帰国だったのに(笑)。
佐々木 オールナイトで全部を語り合って、これがバンドだなってすごく感じたんですよね。コンテンツや声優のお仕事を越えて、絆が強まったし、すごくムジカの青春を感じました。
高尾 私もそのときのことがずっと印象に残っています。その機会があったから、ムジカとは関係ないところでも、自分が思ったことを人に言えるようになったんです。もちろんそれまでも自分の意見を言うことはありましたけど、そこまでさらけ出す経験はなかったので、人ってこんなにも受け止めてくれるんだって思いました。みんなに出会った事で人生が変わりました!
岡田 良かったねえ。私はステージの思い出だと、0th LIVEでローブを外した瞬間。お客さんの「外した……!」という反応の波が伝わってきて、肌がザワッとしたんですよね。プライベートだと、この間、みんなでディズニーランドのハロウィンに行ったこともそうだし、でも、何気に好きなのはバンド練習の帰り道かな。
米澤 私も好き!いつも小躍りしながら帰ってるよね。変にテンションが上がってしまって。
佐々木 練習後でアドレナリンが出まくってるから。その流れでご飯に行くこともよくあるし。
岡田 お茶したりとかね。名残惜しくなるよね。
高尾 私もいつもリハーサル室から出たくない。
渡瀬 じゃあ泊りで合宿しちゃう?(笑)。
――またオールナイトで語り合えますね(笑)。では、特に思い入れのある楽曲をひとつ選ぶとしたら?
高尾 選ぶのが難しいですけど……私は「黒のバースデイ」かも。0th LIVEで1曲目に演奏した楽曲なので、演奏していると気持ちが一瞬でそのときに戻る感覚があるんです。初心に戻れるというか。
米澤 わかる!ローブのイメージがある。
渡瀬 たしかに(笑)。お客さん的にはAve Mujicaの楽曲といえば「Ave Mujica」だと思うんですけど、私たちにとっては「黒のバースデイ」が本当に始まりの曲だったもんね。練習したのもこの曲が最初だったから。
佐々木 しかもムジカが生まれてきたことを祝福してくれるような楽曲でもあるし。
渡瀬 私はさっきお話した「Ether」です。3rd LIVEの当日までは「Ether」が鬼のように見えていたんです(笑)。でも、ライブを終えた途端に天使のように見えて、一気に印象が変わりました。自分の中での課題だったけど、自分の壁を壊してくれた、ある意味自分を強くしてくれた曲なので、もっと練習して上手く弾きたいです。
米澤 それで言うと私も「Ether」かも。歌詞も考察し甲斐があるし、最後は自分たちのタイミングに合わせてフリーテンポで終わる楽曲なので、よりみんなと息を合わせることが感じられる楽曲なんです。それに今までやってきたことが詰まっている感じがするので、みんなとのライブとかを走馬灯のように思い出しながら聴くことが多くて。すごく感情が溢れる曲です。
佐々木 それぞれのキャラクターに“恐れるなかれ”という決め台詞のシリーズがあるなかで、性格も抱えているものもバラバラの5人が「Ether」で調和してひとつになれる感じあって、救いがある曲だと思うんですよね。私たちの積み重ねてきたものも思い出される曲なので、今後、もっといろんな道を歩んでいくなかで、この楽曲自体も進化していくんだろうなって思います。
高尾 「Ether」を聴いたときの感覚って、Ave Mujicaのアニメの最終話を観たときの感覚と似てるよね。
一同 わかる!
岡田 私は「Symbol III : ▽」が、プライベートでもよく聴くくらい好きだし思い入れがあります。ベースが参加していない曲なんですけど(笑)。2nd LIVEのときにりこちとのんたんが2人でステージに上がっていく姿を、私たち3人は舞台袖で見ていたのですが、2人の背中が頼もしくて、この2人がいるバンドにいられて嬉しいなと思ったんですよね。その曲の後に私たち3人が加わるときも、なぜか知らないけど誇らしい気持ちになって。
渡瀬 わかる!私も「見たか!」って思った(笑)。
米澤 強くなって登場した感じがしたよね(笑)。
岡田 自分がステージに立っていないからこそ、客観的な視点でAve Mujicaというものを見ることができて。自分がそこにいられる感謝の気持ちがこみ上げてきました。
佐々木 嬉しい!「Symbol III : ▽」はライブごとで歌い方も変わってくる曲なんですけど、のんたんはそれに寄り添って演奏してくれるんですよ。
高尾 それが楽しいよね。私はこの曲のとき、演奏は私ひとりだけなので自分との闘いになるんですけど、3rd LIVEのときも弾きながらずっとメンバーのことを考えていました。みんなのことを考えることで心を静めつつ、みんなに言ってもらった言葉をずっと脳内で反芻していました(笑)。
佐々木 私の最近のお気に入りは「Symbol II : Air」です。ジャズっぽい雰囲気はムジカになかったので、とにかく楽しくて動き回ってしまうんですよね。この間、バンド練習でめいしゃん(岡田)が来られなかったとき、試しにめいしゃんの立ち位置で歌ってみたんです。
岡田 えっ、そうなの?
高尾 あのとき、後ろを向いたらりこちがいてびっくりした(笑)。
米澤 私もそわそわして間違えた(笑)。
渡瀬 なんか不思議な感覚だったよね。
佐々木 「Symbol II : Air」は飄々とした雰囲気があるので、その場で思いついたことを試せるところがあるんです。でも、実際にやってみたら、やっぱりあの場所はめいしゃんじゃないとダメだなって思った。
岡田 あら、ありがとうございます(笑)。
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