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INTERVIEW

2024.10.05

澤野弘之の“童心”に迫る!SawanoHiroyuki[nZk]プロジェクト10年の軌跡を辿るベストアルバム『bLACKbLUE』リリースインタビュー

澤野弘之の“童心”に迫る!SawanoHiroyuki[nZk]プロジェクト10年の軌跡を辿るベストアルバム『bLACKbLUE』リリースインタビュー

[nZk]とヒップホップの融合

――今回、ボーナストラックとして2023年に発表されたAwichさんとのコラボ曲「Twin Fates」が初音源化されます。そもそもどういった経緯でAwichさんとコラボすることになったのでしょうか?

澤野 この曲は『マジック:ザ・ギャザリング『エルドレインの森』アニメーショントレーラー起用楽曲』なのですが、最初にAwichさんに話が来ていて、制作サイドが僕のことを提案してくださってお話をいただきました。女性のラッパーで今すごく若い人たちに支持されていること、そして自分の考えをしっかり持って表現されている方というのは知っていました。作った曲に対してAwichさんなりにどういう表現をしたらいいのかを考えて歌声を乗せてくださったと感じましたし、ラップパートに関しても自分の思っている以上のものに仕上げてくれた感触がありました。

――冒頭部分は少しアンビエンスな雰囲気で始まり、サビでは重たいビートが来るので、全体としてメリハリが効いているような印象を受けます。

澤野 海外ドラマや映画のエンディングで流れるような曲になったらいいかなと思って、構成的にもドラマチックにだんだん盛り上がっていくようにしてみました。あとリズムトラック的には、Awichさんのラップが途中で乗った時にもかっこ良くなるようなリズム感であればいいかなと。でも一番意識していたことは作品がかっこ良く見えること、そしてその時に自分がどういうサウンドで表現したいかだったと思います。

――ヒップホップ界の方とも今後コラボしたら面白そうですね。

澤野 僕自身、普段からヒップホップの曲をすごく聴いているわけではないのですが、海外の映画でサウンドが熱くてトラックが作り込まれている中にラップが乗っかる曲が昔から好きなんですよ。これまでも劇伴でそういった曲を作ったりしたんですけど、[nZk]でやれる機会があるのだったらやってみたいですね。

イマジネーションこそ面白さの源泉

――もう1つ新規の楽曲として収録されているのが、DISC2の最後に入っている「B-Cuz」。プロデュースをされているSennaRinさんがボーカルです。

澤野 [nZk]名義でのタッグは初めてになりますが、そもそも去年や一昨年にSennaRin from SawanoHiroyuki[nZk]という名義で海外ライブをやってもらっていたんですよ。でも実際に[nZk]でフィーチャーする機会がなかったので、せっかくベストを出せるタイミングだし、新規の曲で彼女をちゃんとフィーチャーしたいなと思って参加してもらいました。[nZk]の第0弾のような形でAimerさんと作ったアルバム「UnChild」に「Because we are tiny in this world」という曲があるんですが、その曲を新しくアレンジし、全編英詞だった歌詞をSennaRinに新しく書いてもらったのが今回の楽曲です。原曲の歌詞に囚われないで自由に書いてほしいとお願いして出来上がったので、過去の曲だけど、知らない人には新曲として感じてもらえたらいいですね。

――ゆったりとしたテンポで爽やかなアレンジがなされていますね。

澤野 原曲は当時聴いていた海外アーティストの影響で爽やかなサウンドにしていて、且つお客さんと一緒にシンガロングできるようなイメージで作りました。なので、今回もその部分は活かしたうえで、音色を今の自分の解釈で変えられればいいかなと思って作っていきました。

――ちなみに最後のフレーズの“…For earth”は、DISC1の1曲目のASKAさんの「地球という名の都」との繋がりがあったりしますか?

澤野 いや、“…For earth”の部分は原曲にもあった歌詞なので偶然ですね。でもこういう偶然を意図して繋げたと受け取ってもらえたならラッキーです(笑)。

――なるほど。澤野さんが音楽を志したきっかけのASKAさんがDISC1の1曲目で、現在澤野さんが手がけているSennaRinさんがDISC2の最後なので、てっきり澤野さんの音楽キャリアの歴史を辿るような流れになっているのかなと

澤野 確かに、無意識に流れを汲んでいたところもあったのかもしれません。そうやって感じ取って広げてくれる方がいるおかげで僕は助かっているので、毎回ありがたいです。何も考えないで適当につけたタイトルを皆さんが考察して、自分でも「そんなふうになっているんだ!」と広げてもらえているので。

――でもそれって澤野さんの音楽に奥行きがある証左だと思います 。

澤野 音楽にしても作品にしても、受け手の人が色々と想像することで面白さや価値観をより広げてくれていると思っていて。だから言葉のチョイスが1つ違うだけで受け取り方が異なるし、逆に切り取られた1文字だけで誤解が生まれたりもする。僕自身はイマジネーションを良い意味に使って面白いことをしていきたいと思っています。よく「歌詞にあまり意味はないです」という言い方をしていますが、自分なりの考えや意味はあれど、人それぞれの受け取り方で楽しんでもらいたいという思いがあるからなんです。

憧れのASKAと共演した最高のライブ

――初回生産限定盤に付属のBlu-rayには、今年6月に開催された“澤野弘之 LIVE [nZk]008”が収録されています。ASKAさんとの共演もあってすごく大切なライブになったと思いますが、振り返ってみていかがですか?

澤野 もちろんASKAさんと一緒にステージに立てたこともすごく重要なことだったんですけど、ボーカリストメンバーたちとライブをやり終えた時に感じたのは、とにかくやりがいがあって楽しかったということ。僕はそんなにライブをやっているわけではないので、ライブに出る時って進行とか演奏で基本的に終わるまであたふたしているんですが、このライブは最初からお客さんとすごく一体感を感じられて。それはお客さんのおかげでもあるし、ボーカリストたちが楽しめる空気を作ってくれたのも大きかったです。だからライブが中盤・後半に行けば行くほど楽しくてしょうがなかったし、ASKAさんを迎える時もミュージシャンたちと万全な体制で迎え入れることができたんですよね。こういうライブを積み重ねていけたら最高だろうなと思えるライブでした。

――ASKAさんとはご一緒に作った「地球という名の都」を歌い、「EVERCHiLD」のカバーとCHAGE and ASKAの「WALK」も披露しました。

澤野 やるからには ASKAさんの曲も自分の方でカバーさせてもらいたいとお願いしたら了承してもらえて。「WALK」はCHAGE and ASKAを聴く時は必ずこの曲から毎回聴くというくらい好きな曲だったので、それを一緒にやれたのはすごく幸せな時間でした。

――それこそ2ndアルバムのタイトルも「2V-ALK(ウォーク)」ですものね。

澤野 そうですね。本来こういうライブでASKAさんに出演していただく際は「SAY YES」や「YAH YAH YAH」といった誰しも知っている曲をやるのが親切だと思うんですけど、こればっかりは「ごめんなさい、自分のわがままに付き合ってほしい」という想いでやらせてもらいました。笑

――最後になりますが、[nZk]プロジェクト10周年を迎えて、この先[nZk]でやっていきたいことはありますか?

澤野 やりたいことというよりも、これからも変わらず[nZk]というプロジェクトを作品が必要としてくれるのであれば、そこでやりがいのある音楽制作をしたいし、コラボするアーティストに一緒にやれてよかったと思ってもらえるような楽曲制作をしていきたいです。10年という数字をそんなに重く受け止める感覚ではないですね。来年、作家活動20周年を迎えるというなかでも、音楽をスタートした時の青臭い考えや子供心を持ってこれからも音楽を作っていけたらいいですし、それをリスナーにも一緒に楽しんでもらえれば嬉しいです。

――やはり澤野さんの中では変わらない気持ちが1本あるわけですね。

澤野 気持ちの面ではそうですね。音楽的な部分では色々進化して、レベルアップしていけたらいいなと思います。


●リリース情報
SawanoHiroyuki[nZk] BEST ALBUM
『bLACKbLUE』
10月2日発売

【初回生産限定盤(2CD+Blu-ray)】

品番:VVCL-2581~2583
価格:¥7,700(税込)

【通常盤(2CD)】

品番:VVCL-2584~2585
価格:¥5,500(税込)

<CD>
DISC 1
01.地球という名の都 by SawanoHiroyuki[nZk]:ASKA
02.EVERCHiLD by SawanoHiroyuki[nZk]:Akihito Okano (ポルノグラフィティ)
03.Chaos Drifters by SawanoHiroyuki[nZk]:Jean-Ken Johnny
04.B∀LK by SawanoHiroyuki[nZk]:suis (from ヨルシカ)
05.FAVE by SawanoHiroyuki[nZk]:AiNA THE END
06.s-AVE by SawanoHiroyuki[nZk]:Aimer
07.NOISEofRAIN by SawanoHiroyuki[nZk]:Takanori Nishikawa
08.COLORs by SawanoHiroyuki[nZk]:Hata Motohiro
09.膏 by SawanoHiroyuki[nZk]:okazakitaiiku
10.7th String by SawanoHiroyuki[nZk]:ReN
11.Till I by SawanoHiroyuki[nZk]:優里
12.never gonna change by SawanoHiroyuki[nZk]:スキマスイッチ
13.LilaS by SawanoHiroyuki[nZk]:Honoka Takahashi
14.time by SawanoHiroyuki[nZk]:ReoNa
15.OUTSIDERS by SawanoHiroyuki[nZk]:河野純喜&與那城奨 (JO1)
16.Trollz by SawanoHiroyuki[nZk]:Laco
17.Avid by SawanoHiroyuki[nZk]:mizuki
18.LEveL by SawanoHiroyuki[nZk]:TOMORROW X TOGETHER
[bonus track]
19.Twin Fates by 澤野弘之×Awich

DISC 2
01.aLIEz by SawanoHiroyuki[nZk]:mizuki
02.Into the Sky by SawanoHiroyuki[nZk]:Tielle
03.DARK ARIA  by SawanoHiroyuki[nZk]:XAI
04.Pretenders -eO1- by SawanoHiroyuki[nZk]:mica
05.Club Ki3ε by SawanoHiroyuki[nZk]:Gemie
06.FLAW(LESS) by SawanoHiroyuki[nZk]:Yosh
07.i-mage by SawanoHiroyuki[nZk]:Aimer
08.ёmot1on by SawanoHiroyuki[nZk]:Eliana
09.NEXUS  by SawanoHiroyuki[nZk]:Laco
10.Keep on keeping on by SawanoHiroyuki[nZk]:mizuki
11.Next 2 U -eUC- by SawanoHiroyuki[nZk]:naNami
12.LEMONADE by SawanoHiroyuki[nZk]:XAI
13.Summer Tears by SawanoHiroyuki[nZk]:mica
14.VV-ALK by SawanoHiroyuki[nZk]:Tielle
15.CRY by SawanoHiroyuki[nZk]:mizuki
16.N0VA by SawanoHiroyuki[nZk]:naNami
17.odd:I by SawanoHiroyuki[nZk]:Akihito Okano (ポルノグラフィティ)
18.Christmas Scene by SawanoHiroyuki[nZk]:mizuki & Tielle
19.B-Cuz by SawanoHiroyuki[nZk]:SennaRin

<Blu-ray>
2024.6.2 澤野弘之 LIVE [nZk] 008 at NHKホール

[Introduction] Battle Scars (Vo. Laco)
Trollz (Vo. Laco)
Never Stop (Vo. Laco)
FAKEit (Vo. Laco)
TRACER ~ BITE DOWN (Vo. Benjamin&mpi)
RUSH (Vo. Benjamin&mpi)
Inferno (Vo. Benjamin&mpi)
DOA (Vo. Aimee Blackschleger)
Light your heart up (Vo. Aimee Blackschleger)
Release My Soul (Vo. Aimee Blackschleger)
DARK ARIA (Vo. XAI)
LEMONADE (Vo. XAI)
Cage (Vo. XAI)
Avid (Vo. mizuki)
EGO (Vo. mizuki)
Keep on keeping on (Vo. mizuki)
IVORY TOWER ~ NOD (Vo. SennaRin)
mЁЯR0r (Vo. SennaRin)
Reaper ~ Call of Silence (Vo. SennaRin)
地球という名の都 (Vo. ASKA)
EVERCHiLD (Vo. ASKA)
WALK (Vo. ASKA)

●ライブ情報
SawanoHiroyuki[nZk] 10th Anniversary LIVE “A=Z”
開催日時:2025年5月31日(土) 開場 16:30 / 開演 17:30
会場:パシフィコ横浜 国立大ホール (神奈川県横浜市西区みなとみらい1丁目1−1)
GUEST VOCAL:XAI, SennaRin, mizuki, Laco and more… (50音順)

公演に関するお問合せ:DISK GARAGE
https://info.diskgarage.com/

関連リンク

BEST ALBUM 「bLACKbLUE」特設サイト
https://www.sonymusic.co.jp/Music/Info/hiroyukisawano/bLACKbLUE/

澤野弘之オフィシャルサイト
http://www.sawanohiroyuki.com/

SawanoHiroyuki[nZk] オフィシャルサイト
http://www.sh-nzk.net/

澤野弘之オフィシャルX
https://x.com/sawano_nZk

澤野弘之オフィシャルYouTube
https://www.youtube.com/user/SawanoHiroyukiSMEJ

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