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INTERVIEW

2024.07.10

小倉 唯、11年目の新しい自分を見せるための挑戦――ライブ映像作品「小倉 唯 Memorial LIVE 2023~To the 11’Eleven~」インタビュー

小倉 唯、11年目の新しい自分を見せるための挑戦――ライブ映像作品「小倉 唯 Memorial LIVE 2023~To the 11’Eleven~」インタビュー

「自分が楽しむことが皆さんにとってもきっと楽しいこと」

――そこからダンサーのコーナーを経て、今回のライブで唯一のダンスに特化した楽曲「Precious.」のライブ初披露へ。MCでダンスも歌もとても難しい楽曲とおっしゃっていましたが……。

小倉 そうなんです!この楽曲、作ったのはいいものの「これはライブでは披露できないのでは?」とずっと思っていて(笑)。ファンの方にも「いつ披露するんですか?」というお声をたくさんいただいていたのですが、私の中では一番ハードルの高い楽曲でした。今回、ライブを組み立てるにあたって“あえて踊らずに見せる”ことにしたのですが、とはいえダンスブロックは毎回恒例であるので、その置き場所をどうしようかと考えたときに、ダンスパートは「Precious.」の1曲に全集中してすべてを注ごうと思って、初披露することにしました。ダンサーの子たちとの合わせもそうですし、ヘッドセット(マイク)を使って生で歌うということで、ダンスしながら歌うために色々な試行錯誤をしました。

――これまでの楽曲の中でも最高難度ということで、これもまた11年目だからこそ見せられる楽曲と言えそうですね。

小倉 ダンスしながら歌えるのかすごく不安だったのですが、リハで実際にやってみたら、意外と歌えたんです。スタッフさんも「全然歌えていたよ!」と言ってくださって、私もまさかこの曲を歌って踊れるようになる日が来るとは思っていなかったので、その意味では自分の可能性が発見できましたし、“To the 11’Eleven”の新しい一面にもなったかなと思います。

――これは余談ですが、小倉さんはフィジカル面で普段から何か鍛えていたりするのですか?

小倉 どちらかというと、慣れみたいな感じです(笑)。ライブパフォーマンスで大切なのは、精神面のほうなんですよね。体力よりも根気と言いますか。あとはリハーサルを重ねていくなかで自然と体力が付いていくので、そこで仕上げていくことが多いです。

――なるほど。衣装は「Precious.」のコレオMVと同じスポーティーなものでした。

小倉 皆さんにも馴染みのある衣装でバチッと決めるのもいいのではないかと思って、早着替えでお見せしました。

――その次はカバー曲を含むバラエティに富んだブロックで、小倉さんが袴田ひなた役として歌った『ロウきゅーぶ!』のキャラクターソング「ともだちピンク」のセルフカバーに始まり、今回の映像作品には未収録ですが、アニメ『推しの子』よりB小町「サインはB」のカバーも披露されました。

小倉 今回は新しいワンステップを踏むということで、今までとは違う一面を見せたくて、それぞれのブロックで色々な新しさを見せているのですが、このブロックではあえて自分の楽曲ではないものを披露するのも面白いのではないかと思い、カバー曲を入れました。「ともだちピンク」に関しては、これまでも披露したことがあるのでファンの方にも馴染みはあったと思うのですが、「サインはB」から「Honey ♥ Come!!」に繋がる構成は、絶対に盛り上がるだろうなと思って。実際、想像以上に盛り上がっていただいてすごく嬉しかったです。

――そこからMCを経て、鉄板曲の「Baby Sweet Berry Love」、そしてライブ初披露の「Empty//Princess.」と続く終盤の流れも最高でした。甘辛なロリータ風コーデも楽曲の世界観にマッチしていて。

小倉 このブロックの衣装は、私のメインカラーでもあるピンクをベースにしつつ、本編ラストの「Empty//Princess.」に向けて見せていく流れもあったので、黒やレースといったちょっと地雷感のある要素も掛け合わせた衣装にしていただきました。「Empty//Princess.」は楽曲を制作していたときから、きっとライブ映えするだろうなと想像していたのですが、どういう流れで披露したら皆さんがテンション高くなってもらえるかを考えたときに、あえて「Baby Sweet Berry Love」という王道の楽曲と掛け合わせることで、皆さんもすごく盛り上がってくれるのではないかと思って。新曲をラストに持ってくるのはチャレンジでもあったのですが、あえてそういう構成にしてみました。

――アンコールの1曲目は、昼公演が「Charming Do!」、夜公演が「Tinkling Smile」。そしてライブの最後は16thシングルの表題曲「秘密♡Melody」で締め括られました。

小倉 この2曲は10周年ライブのセトリに入れられなかったので、フィーチャーしてあげたい思いもあって。これまでのライブでもこの楽曲たちはいつも対になっていたので、今回、昼・夜に分けて披露しました。「秘密♡Melody」は前回のライブでも終盤に披露して、アンコールの一番最後としても輝ける楽曲に育った感触もあったので、今回はラストに披露しました。

――アンコールの衣装が少しメイドっぽい感じだったのは、「秘密♡Melody」がコンセプトカフェを舞台にしたアニメ『私の百合はお仕事です!』のOPテーマだったことを意識してのものだったのでしょうか。

小倉 それは偶然で、私としてはメイドっぽさを意識したわけではなく、単純に「こういった衣装がかわいいな」と思いリクエストしたものが、結果的に「秘密♡Melody」とすごくマッチする世界観になりました。昼公演と夜公演でカラーリングがテレコになっているので、そこもぜひチェックしてほしいです。

――今回のBlu-rayには、昼公演のみで披露された「慈しみカンパニュラ」と「Charming Do!」の映像も追加で収録されていますものね。ちなみに幕間映像の「Doctor XI」は、某ドラマのパロディーになっていましたが、これは小倉さんの発案?

小倉 私がドラマの「ドクターX~外科医・大門未知子~」が好きという話から、11年目という意味の“XI”ともかけられるということで、決まりました(笑)。色んなオペという名のチャレンジに挑戦したのですが、オペなのに、そもそも私がネイルをしている時点でツッコミどころがありすぎますよね。色んなミラクルも起きて楽しかったです。

――自分も小倉さんは持っているなあと思いました(笑)。改めて、ブロックごとに様々な新しい一面を見せられたライブになりましたが、ご自身としてはどのような手応えがありましたか?

小倉 このライブを行った2023年は、10周年イヤーと同時に11年目の新たな一歩を見せなくてはいけないということで、結構追い詰められていたところがあって……自分で追い詰めていたような気もしますけど(笑)。なので正直、切羽詰まっていた部分もあったのですが、このライブが無事に終わったことですごく解放されて、とてつもない安心感に包まれました(笑)。ホッとしたというか、肩の荷が下りた感じで。

――その意味では、やりたいことをやり切った感があるのではないでしょうか。

小倉 そうですね。すごく集中していた時期だったので、本当にやり切ったという感じでした(笑)。今は、良くも悪くも力が抜けた感じがするので、その力が抜けた部分でまた新しく見せられる表現があるといいなあ、と思っています。

――新しくやってみたいこと、ふわっとでも浮かんでいたりしますか?

小倉 さっきお話したように、アコースティックライブはいつかできたらいいなと思いますし、それこそ10月からは久々のツアーが実現することになったので、各公演でいろいろお見せしていきたいなと思っていて。公演ごとにバトンを繋いでいくような見せ方にチャレンジできるのも久々なので、その意味ではまだまだやることはたくさんあるのですが、“To the 11’Eleven”の裏テーマだった“内面的なかっこよさを見せる”ことと、自分とファンの方にとっても新しい発見のあるライブという目標は達成できたと思うので、すごく満足しています。

――この10年で、アーティスト・小倉唯にとっての“ライブ”という存在の立ち位置も変わってきていると思うのですが、何か思うところはありますか?

小倉 以前はライブというものをノルマやプレッシャーに感じていた部分もあったのですが、最近はもっと能動的にファンの方が楽しんでもらえる場を自分で作る・見せる、という考え方に変わってきていて。ライブというのは、観たい方がいるから成立できているものなので、そこにプレッシャーを感じるのではなく、今は「自分が楽しむことが皆さんにとってもきっと楽しいことなんだ」という意識のもと、自分らしいステージを安定した気持ちで続けていければと思っています。

――ライブというのは自分自身をさらけ出す側面もあると思うのですが、そういう部分に対しても積極的になれている部分はある?

小倉 舞台に上がっているときのほうが、普段はなかなか言えない本音を言えると思うので、そういった意味ではライブステージのほうが逆に自分に素直になれているのかな、と思います。

――そんな小倉さんにまた会える機会が、10月から始まる約5年ぶりのライブツアー“小倉 唯 2024 秋のライブツアー”ということで、最後にツアーに向けた意気込みをお聞かせください。

小倉 “To the 11’Eleven”がすごく素敵なライブにできたこともあって、今年のツアーも成功させられたらいいなと思っているので、少しでも興味のある方、私のライブに参加してみたいと思われる方は、一歩踏み出して参加してもらえると嬉しいです。まだ制作過程ではあるのですが、“To the 11’Eleven”を受けて閃いた新しいアイデアをツアーにも繋いで、より皆さんが楽しめるようなものをお届けできたらと思うので、楽しみに待っていただけたらと思います!ぜひ会場でお待ちしています!


●リリース情報
小倉 唯 LIVE Blu-ray
「小倉 唯 Memorial LIVE 2023 ~To the 11’Eleven~」
2024年7月10日(水)リリース

定価:¥8,800(税込)
品番:COXC-1363

《本編》
[小倉 唯 Memorial LIVE 2023~To the 11’Eleven~(NIGHT)]
・〈OPENING〉
・Love∞Vision
・FUN FUN MERRY JAM
・Merry de Cherry
・〈MC1〉
・トキメキWeekend!
・Baby, Baby, Baby
・〈SHORT MOVIE〉「Doctor XI」(NIGHT01)
・白く咲く花
・ショコラ
・アステリア
・〈MC2〉
・Tomorrow
・Future Strike
・〈Dancer〉
・Precious.
・〈SHORT MOVIE〉「Doctor XI」(NIGHT02)
・ともだちピンク
・Honey♥Come!!
・〈MC3〉
・Baby Sweet Berry Love
・Empty//Princess.
・Tinkling Smile
・〈MC4〉
・秘密♡Melody

[小倉 唯 Memorial LIVE 2023~To the 11’Eleven~(DAY)]
・慈しみカンパニュラ
・Charming Do!

《映像特典》
・「小倉 唯 Memorial LIVE 2023~To the 11’Eleven~」MAKING
・OPENING
・〈SHORT MOVIE〉「Doctor XI」(DAY01)
・〈SHORT MOVIE〉「Doctor XI」(DAY02)
・〈SHORT MOVIE〉「Doctor XI」(NIGHT01)
・〈SHORT MOVIE〉「Doctor XI」(NIGHT02)
※本編でカバー曲として披露された「サインはB」は映像収録されません。予めご了承ください。

封入特典:「小倉 唯 2024 秋のライブツアー」チケット先行申し込みシリアル

関連リンク

小倉 唯 公式サイト
https://ogurayui-official.com/

公式X
https://x.com/OY_A_Official

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