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INTERVIEW

2024.04.10

TVアニメ『この素晴らしい世界に祝福を!3』OPテーマ「Growing Up」をリリース!『このすば』の世界を知り尽くしているMachicoに、今回の楽曲に込めた想いを聞く

TVアニメ『この素晴らしい世界に祝福を!3』OPテーマ「Growing Up」をリリース!『このすば』の世界を知り尽くしているMachicoに、今回の楽曲に込めた想いを聞く

Machicoが歌う、TVアニメ『この素晴らしい世界に祝福を!3』のOPテーマ「Growing Up」が4月10日リリースされた。TVアニメシリーズ、ゲーム、映画、そしてスピンオフのTVアニメ『この素晴らしい世界に爆焔を!』など、さまざまな展開を見せている作品だが、そのどれもで主題歌を歌い、『このすば』の世界を知り尽くしている彼女が、今回どんな歌を歌うのか。自分を肯定できるような前向きな楽曲「Growing Up」について、語ってもらった。

INTERVIEW & TEXT BY 塚越淳一

――今年はコンテンツで、さまざまなキャラを背負ってのライブがたくさんありましたが、アーティストとしての新曲がいよいよリリースされますね。

Machico 前シングルの「STAY FREE」が昨年春だったので、寒い時期にMVを撮る女になっています(笑)。今回も寒くて、どうしようかと思いました。

――春リリースの宿命ですね。今回も『このすば』楽曲になります。

Machico 関わらせてもらった作品が、たくさんの人に愛されて、アニメだけじゃなくアプリゲームや映画と、本当にいろんな形で展開されているのを、いちファンとしてもシンガーとしても、嬉しく思います。私は歌で一緒に歩ませてもらっているんですけど、本当に思い入れが深い作品なんです。何と言っても第1期の時の「fantastic dreamer」は、私にとって初めてのTVアニメ主題歌でしたから。しかも長く続いているだけでなく、勢いがより増しているというのがすごいところで、作品の力とキャストさんの力だなと思っています。だから私も、そこに歌で彩りを添えていきたいです。

――『この素晴らしい世界に祝福を!3』のOPテーマ「Growing Up」にも、その思いは込めることができたのですね。

Machico 『このすば』って曲と本編のギャップが大きければ大きいほど魅力的になると思っているので、第3期のOPテーマを歌うと決まったときは、より壮大な、希望に満ち溢れた歌が歌えるように!とは思っていました。

――楽曲はどのように作っていったのでしょうか?

Machico 最初の頃の要素が入っていたほうが、ファンの方は喜んでくれるのかな、と思ったので、「これまでの歴史が含まれている楽曲がいい」という話はしていました。実は「Growing Up」の前に、もう1曲別パターンの楽曲ができていたんですけど、ディレクターの穴井さんが「何か違うやり方があるんじゃないか」「足りないところがある気がする」ということで、園田健太郎さんに全部作り直してもらっているんです。

――書き直したのですか!

Machico 園田さん自身も、まだ少しやれる気がしていたみたいではあるんですけど。園田さんは、先程お話した「fantastic dreamer」を書いてくださった作家さんでもあるので、原点回帰じゃないけど、『このすば』に初めて関わったメンバーで、また新たな曲を作ってくださったんです。しかも、ラスサビの形を悩んでいるときに「違うメロディが来るのも面白いですよね」と言った私の意見も採用してくださったりしたので、今まで以上にみんなで作った感じはありました。

――より作品に合う曲が生まれたんですね。

Machico 「Growing Up」の歌詞を見ても、みんなのドタバタ感や『このすば』らしさがすごくあるんですよ。彼らの過ごすドタバタな日常の中で、ぱっと空を見上げたら、なんか気持ちが晴れてる、みたいなことが表現されているなと思いました。しかも、ずっとドタバタしているんだけど、第1期のときよりは成長しているんですよね。以前は希望に溢れた歌詞が多かったけど、「Growing Up」は、それも踏まえて「そんな自分たちでもいいよね」って言えるような感じがしたんです。ドタバタも楽しんじゃえばすべてが繋がって未来が変わっていく、無駄なことなんてないよねっていうメッセージが込められていると思ったので、私もレコーディングではそんなに力んで歌っていないんです。でも、園田さんには「歌すごい上手くなったね」って褒めてもらえました!(笑)。

――Machicoさんも“Growing Up”していたと。

Machico ずっと近くで聴いてくださっていた方なので、そう言ってもらえてすごく嬉しかったです。だからこそ、こだわるところはこだわる。「Machicoちゃんならできると思うから」って、それこそ〈一人きりじゃもうないから寂しくなれるよ〉からのところは、すごくこだわってレコーディングをしました。

――どんな風にこだわったのですか?

Machico 私も歌をずっと歌ってきているので、目に見えた強弱で表現しようと思ったんですけど「弱く歌ったら弱く聴こえるわけじゃないんだよ」と園田さんが教えてくれて。「その声の明るさのままで、ここの感情の起伏が表現できたら、もっとレベルが上がる!」と言ってくれたんです。

――落ちサビからラスサビで開ける、みたいな感じではない表現ということですね。

Machico そうです。トーンを落として心に問いかけるようにやってほしいわけではなく、明るい気持ちだけど、その中に何か感情の動きみたいなものを乗せられる表現がいいということだったので、目に見えた「弱」から「強」ではなく、「強」から「より強」になるように歌いました。シンガーとしての私を信用してくれて、時間をかけて何度も録ってくれたので、ここでみんなを引き込むことができていたらいいなと思います。

――この曲を聴いていて、ずっとテンション高いから、1曲通して歌い続けるのもすごいなと思いました。

Machico しかも今回ダンスもありますからね(笑)。あと「Growing Up」は『このすば』だけでなく、Machicoの歩みを歌詞に入れたとおっしゃってくれたんです。それこそ2番の〈回り道こそ王道じゃないか〉も、私自身が結構遅咲きだと思っていて、自分を出し切れなくて、うまくいかなかった時期もあるんです。「何で、自分は作品とのご縁が他の子に比べて少ないんだろう」とか「今これをやって、本当に未来に繋がるのかな?」とか、そういう経験を少なからずしてきて、そのたびに不安になっていたことはあったので、ここの歌詞は、そんな自分の今までを、第三者として見てくれていたからこその温かいメッセージに見えたんです。だから2番の歌詞は、結構くるものがありました。

――Machicoさんを表現している、すごくいい歌詞だと思っていました。それこそ今年の頭は、『アイドルマスター ミリオンライブ!』や『ウマ娘 プリティーダービー』、『プリキュア』シリーズと、大きなステージに立ちまくっていたわけですからね。

Machico 本当に無駄なことなんてなかったと思いますし、今おっしゃってくださったような作品に関わらせてもらって、「忙しいね」と言ってもらえるようになれたというのは、お仕事が人に比べて少なかった時期に得られたものがたくさんあったからだし、それを活かせるような未来(今)になったのかなと思います。

――ヒットコンテンツが、改めて多いですよね。

Machico ありがたいことに『このすば』もそうですけど、Machicoが作品の歌を歌ってくれて良かったと言ってもらえることが多いんです。今回の第3期でもOPテーマを歌える喜びはもちろんあったし、ずっと関わらせていただいてるからこそ表現できる世界が、他の人よりも多くあるはずだ!という気持ちは持っていたんですけど、「またMachicoか」と言われたらどうしようとか、正直、そういう不安はあったんです。でも、発表されたときに「やっぱり『このすば』はMachicoだよ」と言ってくれるファンの方が、自分が思っていたよりも多かったので、すごく励みになりました。

――ずっとやってきたからこそ、最後の〈素晴らしい僕らに祝福を!〉で終わる歌詞に説得力があるんですよね。

Machico 最後は怒涛の『このすば』ワールドですよね(笑)。TVサイズでもここが1番にくっつくのがいいんです! 『この素晴らしい世界に爆焔を!』の最終話でカズマとアクアを見たときに「ここでまた始まった!」って思ってからの第3期なので、だからこその原点回帰だし、監督の歌へのリクエストも「今まで経験したものを発揮するのではなく、初心に戻ってほしい」ということだったので、あまり考え込まず、作り込みすぎずにレコーディングに臨めたのかなと思います。こだわりはしたけど、考えすぎると自分のこれまで培ってきたものを出したくなっちゃうので。

――最初のときの気持ちを思い出して歌えば、自分の経験とか成長って自然と歌に入ってくるものですからね。それが一番理想的かもしれない。

Machico そうですね! だからいい塩梅のものをみんなで話し合って、力みすぎずに歌うことができたのかなって思います。

――でも、普通は歌えない曲ですけどね(笑)。

Machico あははは(笑)。結構忙しいですよね、この曲。

――サウンドも賑やかですし、このサウンドの中で突き抜けてくるボーカルが素晴らしい。

Machico 今回も生のストリングスなんですよ! いつか、以前『このすば』でやったオーケストラコンサートみたいな企画があれば参加したいなぁって思っています(笑)。

――今回のMV撮影はいかがでしたか?

Machico 今回はフルダンスのMVだったんですけど、女の子たちの日常というか。女子は集まれば集まるほど、わちゃわちゃしていくので(笑)、そういうものを表現できたらいいなぁっていうのはありました。「STAY FREE」のときにお願いした鳥畑監督に撮ってもらったんですが、前回はドラマ仕立てで大人っぽい雰囲気だったんですけど、ポップな感性もある素敵なチームなので、どの瞬間を切り取っても映える感じで撮ってくれるんですよ! ロッカーをめちゃめちゃかわいくデコってくれていたり、アイテムひとつとっても女の子の心をくすぐるんです! だから私の好きな世界観で、すごく楽しく歌を届けることができました。

――ダンスはいかがでしたか?

Machico ダンスは全身で見せるかわいい振り付けのダンスを、ダンサーズのみんなと踊りました。ライブでみんなでできるようなキャッチーな振りもあるので、一緒に踊れたらいいなと思います。でも正直、送られてきたダンス動画を見たときは、歌いながらできるのかな?って思いましたけど(笑)、頑張って覚えました。だから、MV撮影の日はそんなに間違えることもなく。とにかくめちゃめちゃ寒かったので、1回で終わらせないと!っていう気持ちでした(笑)。ダンサーズなんて、半袖、腹出し、ミニスカだったから、私がミスったらみんなを巻き込んじゃう!という気持ちでやりました。

――Machicoさんもお腹は出ていましたしね。あんな爽やかな日差しを浴びてるMVなのに、寒かったんですね。

Machico バチバチに寒かったです。太陽神なので晴れてはいたんですけど。あと、衣装さんの中で、Machicoにギャル服着せるという信念があって、今回はアクセサリーとかもポップでギャルっぽく。ルーズソックスだったり、厚底だったりを身に付けています。あと『このすば』パーティーのメンバーカラーを全部入れてもらったりしていて、ダンサーズも、それぞれのキャラカラーのシャツを身にまとっているので、衣装もお気に入りです!

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