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INTERVIEW

2024.02.28

ニノミヤユイ、『ようこそ実力至上主義の教室へ 3rd Season』 EDテーマ「今世大革命」リリース!本楽曲と『よう実』EDテーマの系譜を継承する「Fixer」を語る

ニノミヤユイ、『ようこそ実力至上主義の教室へ 3rd Season』 EDテーマ「今世大革命」リリース!本楽曲と『よう実』EDテーマの系譜を継承する「Fixer」を語る

『よう実』EDテーマの系譜を継承する、もう1つの楽曲「Fixer」

――カップリング曲のうち【よう実盤】に収録の「Fixer」は、100回嘔吐さんが作詞・作曲・編曲を含めて制作した楽曲。『よう実』3rd Season第5話の特殊EDテーマとしてオンエアされました。

ニノミヤ 3期がシリアスな内容になるということで、それに合わせて「今世大革命」よりもさらにシリアスな楽曲を特殊ED用に作ってほしい、というお話しだったので、100回嘔吐さんにお任せして作っていただきました。個人的に100回嘔吐さんは「暗さ」を「明るさ」に変換することで、変わっているけどキャッチーな曲を作られる方だと思うんですけど、この曲では、そういう「あえて明るくする」を封印した印象があって。ストレートに闇を出した、引っ張る力が強い楽曲だと感じました。私も自分の痛いところを突かれた感覚があって、結構引きずってしまって……(苦笑)。

――差し支えなければ、どんな部分がグサッときたのかを教えてもらえますか?

ニノミヤ こんなことを言ってしまうとアレですけど、歌詞にある“誰も信じない”とか“心許さずに”という部分は、私も自分の殻に閉じこもりがちな人間なので、そういうところがあるなあと感じたんです。それは自分の良くないクセだとも思っているので、そこは痛いところを突かれたなと感じました。

――「誰も信じない気持ち」というのは、裏を返せば「自分以外は信じない」ということでもあると思うのですが。

ニノミヤ 自分しか信じないというよりも、自分さえも拒絶してしまうというか。私は「誰も」の中に「自分」も含んでいる感じなので。この曲のサビにも“答えは出ない”とありますけど、私も考えを巡らせども答えが出ずに終わることばかりなので、そういうところには「私らしさ」も感じられる楽曲だと思いました。

――そういった心の内側の部分を描きつつ、この楽曲はその気持ちを誰にも明かすことなく、覆面をして生きているような感覚がありますよね。

ニノミヤ そうですよね。私自身も、他人から見たときによく「意外と明るいね」とか「ネアカな感じだよね」と言われるんですけど、仲良くなっていくうちに「……なるほどね」みたいに言われることが多くて(苦笑)。人というのは絶対に「外側」と「内側」の自分があると思いますし、もしかしたら私はその差が人よりも強いのかもしれないという意味でも、この「Fixer」は刺さりました。それに主人公の綾小路も内側に秘めた部分があるけど、外側ではクールに取り繕っていると思うので、きっと綾小路の内側の部分が見えたときに、この曲がより一層映えるんじゃないかなって。これはZAQさんも言ってくださったことなのですが、「今世大革命」は今までにない『よう実』ワールドを表現した楽曲だとすれば、「Fixer」は今までの『よう実』のEDテーマを継承したような楽曲になったと思います。

――歌い方も、ささやきやブレス多めのアプローチ中心で、「今世大革命」とは全然違いますね。

ニノミヤ かなり繊細な感じで歌いました。昔の私はとにかく声を張ってマイクに乗せるイメージで歌っていたのですが、あるときから、レコーディングではマイクに音さえ乗れば、どれだけ表現の幅を取ってもいいことに気付き始めたんです。レコーディング用のマイクはすごく高性能で、どれだけ声が細くても録ってくれるので、この楽曲では1つ1つの気持ちを吐き出すように、丁寧に繊細に歌うことを意識しました。だからこそ、ライブではすごく大変な楽曲になってしまったんですけど(苦笑)。

――生でそういった繊細な表現は難しそうです。

ニノミヤ この間、リリイベで初めて歌ったんですけど、歌始まりの曲なので、まずそもそも緊張がヤバくて。音の圧を上げ過ぎても下げ過ぎてもダメで、絶妙なところを狙いに行かなくてはいけないのでドキドキしながら歌いました。

――プラスしてこの曲の歌声は、繊細なだけでなく、切れ味というか刺さるものがあるなと思いました。

ニノミヤ あ、嬉しい。「切ない」じゃないですけど、聴いていてツンと冷たい感じが伝わるといいなと思いながら歌っていたので、そう伝わっていたのであればバンザイです(笑)。今回は『よう実』の2曲で自分自身の表現の幅も広がって、成長させてもらっているなと思いました。

ジャズのリズムと「メロディー」に乗せて彼女が作りたい景色

――そしてもう1曲、【アーティスト盤】のカップリング曲「メロディー」は、ジャズの濃厚な香りが漂うシックなアップナンバー。作曲・編曲を手がけたのは、ニノミヤさんが声優として参加しているジャズを題材にしたメディアミックス作品「swing,sing」のサウンドプロデュースを務める早川博隆さんです。

ニノミヤ 『よう実』の2曲はかなり作品に寄り添っているので、もう1曲は、お客さんと私の空間を作れるようなライブで映える曲がいいなと思って。それで、私のデビューアルバム(『愛とか感情』)に収録している「ヤミノニヲイ」が、ジャジーな曲調でライブでもみんなで楽しめる楽曲になっているので、またジャズっぽい曲をやりたい、という話になったんです。それで私から提案させていただいて、早川さんに楽曲制作をお願いしました。早川さんは感覚的で天才肌の方なので、打ち合わせをさせていただいたときも、「なるほどね、OK、やってみる」みたいな感じで(笑)。曲調に関しては早川さんの感覚にお任せする部分が強かったです。

――歌詞はニノミヤさんが書いていますが、どのようにやり取りして進めたのでしょうか。

ニノミヤ 気持ち的に広がりがあって、ちょっと大人っぽさのある曲、というふんわりしたイメージがあったので、それを元に作った歌詞の原案を早川さんにお渡ししてメロディを書いていただきました。そのメロディに改めて私が歌詞を書いたのですが、私の中では「崖っぷちで音楽と共に踊っている」みたいなイメージ。夜の中、音楽と一緒に生きている感じが出ればいいなと思って、広い空間を想像しながら書きました。

――タイトルも「メロディー」ですし、ニノミヤさん自身が「メロディー」というものをどう捉えて、この曲の歌詞を書かれたのかが気になります。

ニノミヤ この曲に関しては「私とお客さんで音楽を共有できるものにしたい」という気持ちがあったので、メロディを通して私もお客さんも盛り上がれるし、楽しい気持ちになれる、みんなの気持ちを明るくさせるもの、というイメージがありました。

――ニノミヤさんとファンを繋げるものとしての「メロディー」でもあると。あと個人的には、サビの“清く生きる為 酷くなりましょう”や“強く生きる為 弱くなりましょう”といったフレーズが印象的でした。すごく含蓄を感じさせる言葉で。

ニノミヤ いやあ、私も深いのか浅いのかよくわからないんですけど(笑)。1番の“清く生きる為 酷くなりましょう”に関しては、私はきれいごとばかりじゃない世界の中で、体裁を取り繕うには自分自身を犠牲にしなくてはいけないかもしれないし、そういう矛盾が起きることがこの世界では常だと思っているので、矛盾した言葉をあえて歌詞に繋げることで表現できたらいいなと思って書きました。2番の“強く生きる為 弱くなりましょう”というのも、素直さだけでは上手く生きられないことや、自分の中で最近思っていたことを書いてみました。もちろん音楽としてみんなと一緒に楽しみたい気持ちで作った曲なんですけど。

――そういう矛盾に目を逸らすことなく向き合うところも含めてニノミヤさんらしさだと思います。それとこの曲は大人っぽい歌声も特徴ですが、歌う際にこだわったポイントは?

ニノミヤ 早川さんは歌い手の限界ギリギリを攻めてくるような曲を作る方で、この曲も音が高いしリズム感も独特なので、そもそも歌うのがすごく難しい曲なんですよ。その中で「今世大革命」や「Fixer」とは逆に、情感たっぷりで艶が出るように意識して歌いました。早川さんにディレクションしてもらったのですが、「そこはもっと誘惑できるよ」と言われながら歌っていた記憶があります(笑)。

――改めて、今回のシングルはご自身にとってどんな作品になりましたか?

ニノミヤ 昨年8月に『本壊』(ミニアルバム)をリリースしましたけど、その前がかなり時間が空いてしまったので、今回そこまで期間を空けずに新作を出せたこと自体がすごく嬉しいです。最近はファンの皆さんとのコミュニケーションがよりできるようになって、片仮名のニノミヤユイの活動に興味を持ってくださる方も増えているなかで、ボーカルの表現の幅も含めて、これまでやってきたことが着実に重ねられていることを感じられる、ニノミヤユイが凝縮された3曲になりました。

――今までの経験が実りになったシングルであると。

ニノミヤ そうだと思いたい(笑)。

――もっと自信を持っていいと思います(笑)。今後はどんなふうに活動を広げていきたいですか?

ニノミヤ 具体的なことで言うと、音楽フェスやアニソンフェスに出演したいですし、そういった機会を増やすことでもっと色んな人に知ってもらいたい、というのが今の一番の目標ですね。そのためにはライブでの歌のクオリティをもっと高くして、1曲1曲に丁寧に向き合って、「ニノミヤユイらしさ」をさらに確立できたらと思います。


●リリース情報
TVアニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ 3rd Season』エンディングテーマ
ニノミヤユイ
「今世大革命」
2024年2月28日(水)発売

【アーティスト盤】

品番:LACM-24501
価格:¥1,650(税込)

<Index>
1.今世大革命
作詞:ニノミヤユイ, 100回嘔吐  作曲・ 編曲:100回嘔吐
2.メロディー
作詞:ニノミヤユイ  作曲:早川博隆 編曲:半田彬倫, 早川博隆
3.今世大革命(Instrumental)
4.メロディー(Instrumental)

【よう実盤】

品番:LACM-24502
価格:¥1,650(税込)

<Index>
1.今世大革命
作詞:ニノミヤユイ, 100回嘔吐  作曲・編曲:100回嘔吐
2.Fixer
作詞・作曲・編曲:100回嘔吐
3.今世大革命(Instrumental)
4.Fixer(Instrumental)

関連リンク

ニノミヤユイSTAFF Twitter
https://twitter.com/YuiNinomiyas

二ノ宮ゆいオフィシャルTwitter
https://twitter.com/YuiNinomiya0906

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