リスアニ!WEB – アニメ・アニメ音楽のポータルサイト

INTERVIEW

2023.07.01

Tani Yuukiが『EDENS ZERO』の新たな幕開けを飾る――! 初のアニメタイアップとなる本楽曲について、アニメ、クリエイティブなど様々な側面に迫る

Tani Yuukiが『EDENS ZERO』の新たな幕開けを飾る――! 初のアニメタイアップとなる本楽曲について、アニメ、クリエイティブなど様々な側面に迫る

“人の形をした化け物はどっちだ?”

──「械物」は力強くロック、ド真ん中のアニメソングを目指した印象があります。制作サイドから曲に対するリクエストはあったんですか?

Tani ほとんどありませんでした。ただ、作家さんにとっても、アニメーションの主題歌ってとても大切なものだと思うんです。僕が担当する部分のお話を原作で読ませていただいたときに、惑星の機械たちは最初は家族のような感じで……外の世界に漕ぎ出したときに、“悪い人間だけではないけど、良い人間だけでもない”という感覚と同じように、色々な機械に出会うことになる。「これはどっちが悪者なんだっけ?」と。自分たちが生きているときも、同じように感じることがあると思うんです。よくよく話を聞けば「どっちも悪くないな」って。そういうこと、ありませんか?

──ありますよね。客観的に見れば、どちらも自分なりの正義を貫いている。間に入るとより感じます。

Tani そうそう、両サイドの話を聞くと「難しいところですねえ」となってしまって(苦笑)。そういうことを思い出すような物語だったんですよね。じゃあ何を書こうかなと思ったときに、葛藤している姿や世界観、主人公・シキのことを書きたいなと。

──“人の形をした化け物はどっちだ?”というワードにその想いが顕著に出ていますよね。

Tani そのフレーズは自分から出た瞬間にハッとしたんです。また、セクションによってはレベッカっぽいところもあります。少しネタバレになってしまいますが、物語に寄せて目線を変えています。特に落ちサビにいく前のインタールードにスクラッチの巻き戻しが入っていて、でも最終的に同じメロに戻ってくる。それはレベッカの力(リバース)を反映しています。

──この曲自体にも伏線が張り巡らされている。

Tani 物語が進んでいくうちに「あっ」て思うところが出てくるかもしれません。最初って宇宙船に乗って空に行くじゃないですか。でも本人の力は空を飛ぶものではないので、あからさまに“飛ぶ”というワードは使いたくなくて、だったら“落ちる”が良いかな、とか。そういうことを考えながら。

──最後の“落ち続けて 掴むは憧憬”というのは……。

Tani ジギーのことです。

──そうですよね。それを憧憬という言葉に表しているところが素敵だなと。

Tani 僕、この言葉はそれまで知らなかったし、伝わりにくいかもなとか思いつつも……ちょっとかっこいいじゃないですか。

──(笑)。憧憬という言葉を使った曲はいくつかありますけども、私も「風の憧憬」という曲をきっかけに知ったんですよね。この曲をきっかけに覚えられる方もいらっしゃるかもしれません。

Tani ああ、たしかに……!そうなってくれたら嬉しいですね。それと、憧憬の前にある言葉の“遥か園”は、マザーのことです。結局正体がわからない。アニメの中の登場人物もまだ知らない様子でしたし、原作でもまだ描かれていない部分なので、僕も期待を込めつつ。

──「械物」というタイトルはどこから出てきたのでしょうか?

Tani この曲の中で自分は何が言いたいのかなと改めて考えたときに……化け物ってどっちなんだろうか?という、物語の中の葛藤を描きたいんだなと思って。人間と機械、どっちが怪物なのかと考えたときに、「かいぶつ」というタイトルが良いなと思ったんです。最初は「械」じゃなかったんですよ。「モンスター」も良いなと迷いましたが、最終的にこれがしっくりきました。

──様々なことが伝わるタイトルになっていますね。

Tani ありがとうございます。物語に寄り添えたのかなと思っています。

──これが映像になるときが楽しみだなと。

Tani すっごく楽しみなんですよ!感動しちゃうと思います。

僕の曲は「どこまでいってもポップ」

──「械物」はアップテンポのうえに、キーが高いですよね。Taniさんの楽曲はミドルテンポの多い印象があったので新章という感じがします。

Tani そうなんですよね。多分聴いてくださっている方には、ミドルテンポのイメージが強いと思うんです。最近でこそ、「夢喰」や「多面態」などのロックチューンがありますけど、数は多くないので。歌い出しでシャウトしたり、がなってみたりと、ポップになりすぎないようには気をつけていました。でも、どこまでいっても僕の曲ってポップなんですよね。

──こういうロック調の曲を今後もやっていきたいという想いはありますか?

Tani 多分増えてはいくと思いますが……現段階では足りていると思うんですよね。ライブを重ねていくごとにロックな曲調は増えていくのかなとは思いますが、ここまでロックな雰囲気というよりは、もっとエモーショナルで爽やかな曲が増えていくかなぁと。

──それでも、“どこまでいってもポップ”というのがTaniさんらしいなと。それはTaniさんの音楽性の核となってるんでしょうか?

Tani 最近「コード進行の中で同じ音が鳴っているとロックっぽく聴こえる」ということを教えてもらったんです。僕はシンプルなコードを使うことが多いので。そういう部分も関係しているのかな。あと、僕の曲って三連符が多いんですよ。これは完全に好みの問題なんですけど、音が跳ねる曲が好きなんですよね。

──Taniさんの中で、みんなに楽しんでもらいたいという気持ちもあるのかなと思いました。歌心というか。

Tani ああ、なるほど。たしかにそういう部分もあるのかもしれない。基本的にはそのスタンスなんですよ、みんなに楽しんでもらえたらっていう。

──「Life goes on」のような歌詞で攻めるような曲も中にはありますね。

Tani あれこそ、韻に呪われています(笑)。WurtSさんの「Talking Box」という曲があるんですけど、ああいうカッコよくてラップのある、デジタルなアップテンポの曲が欲しいなと思って作りました。今でも色々な曲の振り幅がありますが、もっと増やしていきたいなと思っていて。実は良い感じのロックチューンができそうなんです。

──おお……!撒いた種が育ちそうなんですね。

Tani そうなんです。次のツアーに向けて作っているところで、少しずつ育っています。

──今回、「械物」でTaniさんを知ったという方は、次にどの曲を聴くのがおすすめですか?

Tani 「械物」から入られた方であれば、「夢喰」「多面態」辺りがアップテンポで聴きやすいかもしれません。ほかにも「燦々たるや」というロックバラードがあります。もしかしたら、先ほど話に上がった「Life goes on」はエレクトリックなものなので、少し抵抗があるかもしれません(苦笑)。振り幅が広いので、好きな曲から聴いていただけたらという感じです。まずはアニメーションで「械物」を最初から最後まで、飛ばさずに聴いてくれたら嬉しいですね。

──その後、フルで聴いてもらいたいですよね。

Tani はい、後半をぜひ聴いてもらいたいです。アニソンを作るのは初めてだったので、89秒の壁が難しくて。でも89秒の中にもハッとするポイントは入れられていると思うので、期待してほしいです。

──これをきっかけにアニソンへのオファーは増えるのではないでしょうか。

Tani 増えたら嬉しいなと思っています。でも、ご縁やタイミングもあるんだろうなと思いつつ、やっぱり憧れますね。

──憧れをまた1つ叶えたTani さんが今後目指していきたいものを、憧憬という歌詞にかけて伺いたいです。

Tani ライブアーティストとしては、いつか日本武道館やアリーナ、ドーム、スタジアム……と挑んでいきたいですし、いつかは海外に行きたいと思っています。あと、これは以前からずっと話しているのですが……学校の教科書に載るような、世代を超えて受け継がれている曲って、作った人がわからないことも多いじゃないですか。でも、みんな曲は知ってる。それって最強だなと思っていて。作家としては、そういう曲を死ぬまでに作りたいですね。

──11月から12月にかけて開催されるTani Yuuki初のホールツアー「Tani Yuuki Hall Tour 2023 “kotodama”」について、現段階でお話できる範囲で意気込みなどを教えてください。

Tani Zeppツアーでの演出面は引き継ぎつつも、Zepp以上のことをできれば、と。ホールということで、家族連れの皆さんが安心して観やすくなるのかなと思っています。また、タイトルの“kotodama”に合う曲を作りたいなと考えていますし、そのタイトル通り、「言葉」が届くライブにしたいですね。


●配信情報
デジタルシングル
「械物」

配信リンクはこちら

●リリース情報
ニューシングル
「械物」
7月26日(水)発売

購入リンクはこちら

<CD>
1.械物
2.械物 (「EDENS ZERO」OP ver.)
3.械物 (Inst ver.)

仕様:CD+真島ヒロ描き下ろしジャケット+アナザージャケット
※期間生産限定盤

●ライブ情報
Tani Yuuki Hall Tour 2023 “kotodama”

■開催日程
11/3(祝・金)東京・東京国際フォーラムA
11/10(金)福岡・福岡サンパレス
11/23(祝・木)愛知・センチュリーホール
12/1(金)兵庫・神戸国際会館こくさいホール
12/8(金)宮城・仙台サンプラザホール
12/13(水)北海道・札幌カナモトホール
12/22(金)大阪・フェニーチェ堺

詳細はこちら

●作品情報
『EDENS ZERO(エデンズゼロ)』
毎週(土)日本テレビ系全国30局にて放送中!

【キャスト】
シキ:寺島拓篤
レベッカ:小松未可子
ハッピー:釘宮理恵
ワイズ:手塚ヒロミチ
ピーノ:井澤詩織
ホムラ:青木志貴
ウィッチ:安野希世乃
シスター:藤井ゆきよ
ハーミット:高尾奏音
モスコ:岩田光央
ジン:新祐樹
クリーネ:大久保瑠美
ラグナ:八代拓
エルシー:大原さやか
ジャスティス:浪川大輔
ネロ:土師孝也
シュラ:鈴村健一
ゼノリス:井上和彦
ジギー:大塚芳忠

【スタッフ】
総監督:石平信司
監督:渡部穏寛
シリーズ構成:広田光毅
アニメーションキャラクターデザイン:迫由里香
美術監督:魏斯曼(スタジオちゅーりっぷ)
色彩設計:伊藤由紀子
撮影監督:廣瀬唯希
編集:後藤正浩(REAL-T)
音響監督:はたしょう二
音響制作:マジックカプセル
音楽:平野義久
音楽制作:日本テレビ音楽
オープニングテーマ:Tani Yuuki 「械物」
エンディングテーマ:ロザリーナ「my star」
アニメーション制作:J.C.STAFF
製作:講談社・日本テレビ放送網

関連リンク

Tani Yuuki
オフィシャルサイト
https://taniyuuki.com/

オフィシャルTwitter
https://twitter.com/yu___09___11

オフィシャルYouTubechannel
https://www.youtube.com/@TaniYuuki

TVアニメ『EDENS ZERO』公式サイト
https://edens-zero.net/

SHARE

RANKING
ランキング

もっと見る

PAGE TOP