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INTERVIEW

2023.05.09

榊原ゆい待望の最新アルバムが完成!『MONSTER』に収めた14曲についてゆいにゃんがたっぷり語る

榊原ゆい待望の最新アルバムが完成!『MONSTER』に収めた14曲についてゆいにゃんがたっぷり語る

自他ともに認める“MONSTER”の榊原ゆいが、その単語を冠したアルバムをリリース。ワンマンライブのみならず、アルバムリリースからの一連の流れとして欠かせぬ要素のサイン会も目論んでいるところであるが、『MONSTER』を形作る14曲について振り返ってもらった。美少女ゲーム界を背負う柱の1人であり、パチンコ・パチスロにおけるぶち上げソングを牽引する1人であり、という彼女らしく未収録だった楽曲を救い上げ、と同時に多方面に「歌」を提供するプロフェッショナルとしての仕事ぶりも知らしめ、「榊原ゆい、ここにあり」と高らかに宣言するラインナップに注目してもらいたい。

INTERVIEW & TEXT BY 清水耕司

モンスターと言われることが多い私ですが、私が特別なわけではないです!

――以前からタイアップ曲という手札はすでに手元に揃っていました。このタイミングでアルバムリリースとなった理由は何かあったのでしょうか?

榊原ゆい 私、アルバムをリリースしたらやっぱりサイン会をしたいんですよね。みんなに会って、それからアルバムをひっ下げてのライブもしたいんです。アルバムを出すだけではなく、みんなと一緒に楽しむところまでが1つなので。ありがたいことに持ち曲がたくさんあることでコロナ禍も年に3回のソロライブを休まずに続けられ、皆さんが感染対策をしっかりしてくださったので感染者も出さずやってこれました。でも「今、アルバムを出してもサイン会はできないじゃん」という気持ちでいたんですね。今年になってようやく「今なら」と思えたのでアルバムを出すことにしました。

――ファンと直接会えることはそれほど大きな要素である、と?

榊原 いや~大きいですね!サイン会でもスタッフさんに「そんなに早くはがさなくても、ひと通り会話が終わるまでは大丈夫なので」と伝えてはいます(笑)。曲の感想を聞けるのって、一緒にライブでノることとは違うので、サイン会は私にとってすごく大事な場なんですよね。私がファンの方とお話したり、目の前で笑顔を見る事ができたり、というのが好きなんです。「今日、(CDを)受け取りに来たのでまだ聴いていないんです」「聴いてないんか~い!じゃあこれからいっぱい聴いてね」なんてやり取りもあったり(笑)。それが私の中では「絶対」になっています。

――リード曲やアルバムのタイトルにもなっている、「モンスター」というコンセプトはどこから生まれたのでしょうか?

榊原 コロナ禍の中、SNSや配信でいただくコメントを見ていたら、「ゆいにゃんは化け物」というのが多くて。「魔女」とか「ラスボス」とか(笑)。もちろん、いい意味で言っていただいてはいるんですけど、要は10年前と変わらない、なんだったらパワーアップしているんじゃないか、というのが皆さんの考える「榊原ゆい」なんですよね。業界でも「レジェンド」と言っていただくことが多く。でも、どうしてそう言われているのかを自分で考えてみたら、私自身は単純にやりたいことをやり抜いているだけ、なんですが。ただ、そのれが「化け物」ってことなんですよね(笑)。でも私だって「おぎゃあ」(と生まれた瞬間)から全部できたわけじゃないんですよ(笑)。

――もちろん。

榊原 むしろ、歌もお芝居も踊ることもすべてが独学だからこそ、プロとしてお金をいただいている以上ずっと努力し続けないとダメだと思うので。「ゆいにゃんだからできる」「榊原さんだから」と言われてしまうことがあると疑問に思うんです。そもそも持ってるものがあるかもしれなくても努力は必要で、私が特別ってわけではなくて。感覚としては、好きなゲームを徹夜でやっていたら「寝ないで大丈夫?」と聞かれて「え? 全然大丈夫」と答える、それと一緒かなと。

――好きなことだから一所懸命になれるだけということですね。

榊原 ですね。だから「モンスター」というのは正解でもあるけど不正解で。歌詞で「Everyone thinks. That I’m a “MONSTER”. Oh, shame. But, it’s still …wrong! Ha! Ha!」(誰もが思う。私が「モンスター」だと。あぁ残念だな。でもやっぱり…間違ってるね!(笑)!)と言っているんですけど、このタイトルには「私だけが特別なんじゃなくて、みんなもなりたいモンスターになれる要素はあるんじゃない?」という意味も込めています。たしかに私は倒れないし、喉も壊さないし、体力バカだし、精神面も本当に安定しているから同じ事務所の子たちに「ゆいさんが疲れたと言ったのを聞いたことがないです」と言われるし。そこで「疲れてないからね」と返したら爆笑されたんですけど(笑)。まぁたしかに、モンスター極めちゃってる自覚はありますが(笑)。

――体力だけではなくメンタルでも。

榊原 「ちょっと(自分は)アホなんじゃないか?」っていうくらい元気なんですよね。でも、歌詞の中に「モタついたBody 自分でブッ倒せ」とあって、実は私、コロナ禍で13kgくらい太っちゃったんですよ。ライブが減ったから動かなくて。なので、自分がどうなりたいのかに向き合う、というところは自分に対してもありますし。

――自分にも皆にも向けた応援歌であるんですね。

榊原 そうなんです。ここ(私)までじゃなくても(笑)、頑張れる事はあると思うよって。応援歌というか……私特有の男っぽいキツめな言葉でみんなの背中を押して奮い立たせる曲になればいいなと。もちろん自分に対しても鼓舞する曲になっています!

――2曲目からはタイアップ曲が並びます。世に出てから時間が経った楽曲もあるので、自身のWORKSをぜひ振り返っていただければ。まず2曲目は櫻川めぐさんとデュエットした「奇跡へのブラーヴィ」。

榊原 「奇跡へのブラーヴィ」は『悠久のカンパネラ』のオープニング主題歌なんですけど、メーカーである、ういんどみるOasisさんから楽曲をプロデュースしていただきたいとメールが来まして、ビックリしました。同じういんどみるさんの『はぴねす!』シリーズは出ていましたけど、『カンパネラ』シリーズに携わったことはなかったので。第1作のPCゲーム『祝福のカンパネラ』と同じくデュエットソングと決まったとき、一緒に歌う方はどなたが良いかを聞かれたんです。そして、候補の1人として櫻川めぐちゃんを提案させてもらいました。ういんどみるさんと言えば、楽曲はElements Gardenさんですけど、その仮歌を歌っていたのがめぐちゃんで、私も仮歌でめぐちゃんの声を聴いていたので。なので、お互い長年関わらせていただいているういんどみるさん作品で、めぐちゃんとデュエットできたらいいなという気持ちがありました。決まったときにめぐちゃんにすぐLINEしましたね!本当はアルバムにデュエットVer.を入れたいんですけどね。掛け合いとか声が重なっているところとか、デュエットとして成立している歌なので。今回1人で歌ってみて、2人で力を合わせた曲だとあらためて感じました。でも、まずはライブでも歌えるように1人でも多くの人にお届けしようとSolo Ver.を収録しましたが、もちろんこの曲はデュエットが1番です(笑)。

――「MONSTER」から「奇跡のブラーヴィ」、という流れから来るギャップがすごいです。

榊原 繋がりで聴いて「なんでやねん!?」って、わかってる本人でもコケるほど(笑)。榊原ゆいのアルバムは大体どこかでそうなっていますけど。それにしても今回の曲順は悩みましたね。最後の曲だけは決めていましたけど(笑)。

――次の「レッツ・ワーキング!」はまさに榊原ゆいという楽曲ですが、タイアップ作品の制作元は海外メーカーであるMatchasoftでした。

榊原 オファーのご連絡をいただいて誕生した曲ですね。セルフプロデュースでレコーディングしてボーカルデータをお送りして、この曲はわかりやすくギュンギュンで歌いました!そして気づいたら曲が世に出ていた、という感じで(笑)。ファンの方も「あれ?」とざわついて、私も「あれ?」となりました。なので、陽の目を浴びさせてあげなきゃと思って収録しました(笑)。面白かったのは、制作途中で曲をもらったときはタイトルが「おつかれ」だったんですよ。

――ゲームタイトルが「Hard Work」だけに。

榊原 海外の方なので感覚が私たちと違うんでしょうね。響きがいいと思われたのかもしれないんですけど、ライブで曲紹介するとき、「では次の曲いきましょう!おつかれ!」ってのはどうかとずっと思っていて(笑)。(タイトルが変わって)ホッとしました。でも明るくて可愛い曲ですし、みんな日々一生懸命働いてるよね、というところは照らし合わせられるので、出勤前に聴いたらテンションが上がるんじゃないかと思っています。

――次の曲の「Y@-CHA-CHA」はパチンコ『さくらももこ劇場 コジコジ2』の挿入歌です。

榊原 ニューギンさんからお話をいただいたときは、『コジコジ』の作品に関わったことがないので心配になったんですけど、多分、可愛くにぎやかに歌えるというところを買っていただけたんだと思います。ニューギンさんが作った歌を(原作者の)さくらももこ先生にチェックしてもらっているのでちゃんとオフィシャルなんですよ。なので『コジコジ』メンバーに入れていただけて、すごく嬉しい気持ちになりました。キャストさんの声も入って、「うわー♪」ってなりましたね。自分が演じる役で歌の中に台詞を入れることはあっても、歌の中でキャストさんとの共演ってなかなかないので「めっちゃ上がるじゃん」と思ってアルバムに収録しました。

――「CRIMAX BREAKER!!」も同じくパチンコの挿入歌で、ここからかっこいい榊原ゆいさんゾーンに入ります。

榊原 『一騎当千』シリーズはOVAでも歌わせていただきましたけど、これはパチンコの挿入歌ということでテンションMAXの曲になっています。というのも、パチンコの曲って当たったら聴けるので。アドレナリンが一番出ているときに流れるんですよね(笑)。その意味でも「CLIMAX BREAKER!!」というか、レコーディングはめちゃめちゃ盛り上げたいという気持ちでレコーディングに臨みました。去年の夏にパチンコ・パチスロ中心のイベント(『ULTRA MaxDive』)があって、そこに呼ばれてパチンコ・パチスロ曲だけのセトリで歌ったときも、いつものファンとは熱量が違っていましたね。やっぱり曲にいい思い出しかないんですよね!当たり曲なので!こういう曲の愛され方もあるのかと思いました。私はパチンコもパチスロもしないんですけど、ゲームやアニメの曲も作品やシーンへの思い入れで気持ちが上がりますし、自分の思い出と結びついているという意味で、その原理はパチンコ・パチスロも一緒だと思いました。そこが面白いと思って、今回のアルバムには積極的にパチンコの挿入歌を入れているんですよね。

――流れるのが基本的にサビ以降な上に、パチンコ店内は騒がしいのでじっくり聴けないんですよね。

榊原 そうなんですよね。面白い音源が多いのにもったいないので形にしていきたい気持ちでした。その場が私のアルバムなのかな、と思いながら集めてみました。

――「Blessing bloom」も元は橋本みゆきさんボーカルですが、橋本さんと榊原さんのデュエットバージョンもありました。

榊原 この曲は作詞提供していて……ノーマルエンドはボーカルが橋本みゆきちゃんで、デュエット曲はとある条件でクリアすると聴けるエンディング曲なんですけど、実はどうせ歌うならと私のソロもその時に録っていたんです。せっかくなので収録しました。それに『はぴねす!2』ではメインヒロインの姫川花恋を演じさせていただいたので、あらためて自分のアルバムに入れるのもいいかと思いました。

次ページ:ライブで披露する曲は全曲予告します!

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