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INTERVIEW

2023.03.26

三次元と二次元がリンクする魅力と熱さ――TVアニメ『UniteUp!』JAXX/JAXXを演じるmasa、下前祐貴、馬越琢己、坪倉康晴、高本 学 キャストロングインタビュー

三次元と二次元がリンクする魅力と熱さ――TVアニメ『UniteUp!』JAXX/JAXXを演じるmasa、下前祐貴、馬越琢己、坪倉康晴、高本 学 キャストロングインタビュー

届けたい音楽を自分たちで奏でたい!強い絆で結ばれたバンドアイドルのJAXX/JAXX。元アイドルグループ・Popping Zooのメンバーが、はる賀としてSNSを中心に活動していた15歳のアーティスト・春賀楽翔をボーカリストに迎えて結成したバンドだ。その楽曲は感情を揺さぶる熱が宿り、TVアニメ『UniteUp!』の中でもライブツアーで常に全国を駆け回っている。楽翔を演じるmasaは楽翔と同じくシンガーソングライターであり、はる賀の楽曲、さらにJAXX/JAXXの楽曲も作詞作曲を担い、ほかにも楽曲制作にはBURNOUT SYNDROMESの熊谷和海が関わっているJAXX/JAXX。メンバーを演じる5人に話を聞いた。

INTERVIEW & TEXT BY えびさわなち

■PROTOSTAR キャストロングインタビューはこちら

アイドルという新たな夢へ――TVアニメ『UniteUp!』PROTOSTARを演じる戸谷菊之介、山口諒太郎、平井亜門 キャストロングインタビュー

JAXX/JAXXの5人が挑む、初めての「声優」というフィールド

――皆さんは役者、シンガーソングライターというお仕事をメインにされていたかと思いますが、今回『UniteUp!』で声のお仕事と向き合うこととなりました。声のお芝居、そしてキャラクターとして歌うということに対して、どのような意識で取り組んでいるかを教えてください。

坪倉康晴 僕の演じる(若桜)潤は省エネ男子で、「〇〇だよね?」と問われて「うん、そう」と一言だけ答えるような場面が多くて。AIのように一定の温度感になってしまうと思ったので、人間味を強めるためにセリフを何かしらの物に当てる意識を持つようにしています。あまり感情に振り幅がないキャラクターなので、好きなことは好き、嫌いなことには興味を示さない、と感情を分けるようにして表現をしました。ただ音楽のことや飼っているはりねずみのハリーのことは大好きなので、(好きなことについて語るときには)結構パーン!と弾けてもいいのかな、と思っていて。歌についても普段のアニメで見せている潤と歌うときの潤の差が出ていると面白いかなと思って、その音域を潤の強みにしながら僕の個性でもある高音部分として出したいなと思っています。

若桜 潤(CV:坪倉康晴)

若桜 潤(CV:坪倉康晴)

高本 学 声だけでお芝居をするのは初めてのことなので最初はたくさん苦慮した部分があったのですが、一番大切なのは楽しむことかなと思いまして。舞台やアニメという、フィールドが違うことによってそこで生じる困難はたくさんあると思うのですが、やっぱり根本は“お芝居”なので、お芝居をすることを大切にしようとアフレコに臨んでいました。あとはアニメの場合、キャラクターの動きが決まっているんですね。例えば、起き上がりながらしゃべっている、という動作が決まっているときには、家でまったく同じ動作で芝居をしてみて、そこから自分の体の状態を理解したうえでアフレコに臨むようにしています。そのときの感覚を掴みながら声優をさせてもらっているので、そうすることによって感情表現もわかりやすくなってきましたし、「こういうことか」と理解できたので、今回のアフレコで勉強させていただいたことは多かったです。ほかにも、疑問符を使う場合、語尾を上げたほうが疑問を持っているように聴こえるんだな、とか。今まで自然にやってきたことを分解して考えるようになりましたね。

森ノ宮奏太(CV:高本 学)

森ノ宮奏太(CV:高本 学)

masa 僕は声のお芝居どころか演技自体が初めてなので、お芝居についてどうこうというよりも、役者の先輩であるJAXX/JAXXのメンバーたちに色々と教えてもらっています。アフレコ前にJAXX/JAXXはZoomで読み合わせをするのですが、(高本)学さんに「もう少しこうしたほうがいいんじゃない?」とかアドバイスをいただいたり、引き出しを見つけてもらいながら(春賀)楽翔を完成させていきました。ただ、“お芝居”を考えすぎると固くなりすぎてしまうなという部分もあって……でも作品自体が僕らにキャラクターを寄せてもらっているところもあると思うので、考えすぎずに、masaが思ったら楽翔くんも同じことを思っているだろうと信じて、固くならずにスッと出したものでOKをもらったことが多かったです。歌の部分については、元々僕はシンガーソングライターなので、楽翔くんの“はる賀”としての楽曲も作詞作曲をさせてもらいましたし、JAXX/JAXXの「ライアー」と「SuperStar」も作詞作曲をさせてもらっていました。歌詞は「楽翔くんはどんな恋愛をしてきたんだろう」と考えたりもしつつ、歌は22歳のmasaと15歳のキャラクターなので、「その歌い方は15歳じゃないかな」とディレクションを受けながらのレコーディングになりました。ただ、気持ち的なものは僕自身と変わらずで、声は15歳だからこその少し高めな声で若さを意識して歌っています。

春賀楽翔(CV:masa)

春賀楽翔(CV:masa)

下前祐貴 僕はアニメが大好きで、発声や滑舌ももちろん難しいのですが、何より一番大事だなと個人的に思ったのは台本の読解度でした。すべての言葉にちゃんと意味があるんだと思って。

――学びがあったんですね。キャラクターとして歌うことについてはいかがでしたか?

下前 「キャラクターを意識しないでください」と言われました。「そのままでいいよ」と。そうなのか、と思って……それが逆にこの『UniteUp!』というプロジェクトの狙いでもあるのかなとも思ったんです。僕らの曲も、ほかのグループの曲も、アニメを離れて楽曲だけが一人歩きしたとしてもちゃんと聴いてもらえるようなクオリティを目指すのであれば、ナチュラルに歌ったほうが色んな人を引き付けるだろうなと思ったので、桂 ほまれというよりも下前祐貴として歌いました。

桂 ほまれ(CV:下前祐貴)

桂 ほまれ(CV:下前祐貴)

masa ほまれさんはお母さんのような温かいポジションなんですが、彼(下前)はかなり熱い人なんです。レコーディングで下前さんの熱いところが出すぎちゃって、「ほまれさんじゃないよね」ってなったことがありました(笑)。良い意味でほまれさんと下前さんの真ん中なんですよね。ほまれさんの柔らかな部分も出つつ、下前さんの温かいところも出ている感じで。

下前 すごく良いこと言ってくれる……!では、次は馬越さんです。

馬越琢己 僕は舞台や映像のお芝居をずっとやってきたんですけど、声優としてアフレコをしたときに、これまでは表情や動きに頼っていたんだな、ということを1つの壁として実感しました。声だけでお芝居をすることは本当に繊細なお仕事なんだな、と。呼吸が大事だなと思って、声で想像をさせるお芝居を意識しましたが、コツを掴むことにとても苦労しました。楽曲に関しては、元々音楽活動もしていたので歌に自信はあったんですが、キャラクターとして歌うことは初めてだったので、自分のクセや技術も一旦リセットしてキャラに合わせていくことに苦心しました。キャラの性格を考慮してビブラートを抑えるなど、細かな部分を表現するのは大変でしたね。でも、今までやってきたことの延長線でもあったので、乗り越えることができたと思います。

香椎一澄(CV:馬越琢己)

香椎一澄(CV:馬越琢己)

ボーカリスト・春賀楽翔が魅せるはる賀、そしてJAXX/JAXXの歌

――『UniteUp!』ではアニメに先駆けて公開されていた楽曲がたくさんありましたが、やはりJAXX/JAXXに影響を与えていたのははる賀こと春賀楽翔くんの楽曲ではないかと思います。彼の楽曲を制作する際にmasaさんが意識していたのはどんなことだったのでしょうか。

masa 楽翔もはる賀としてシンガーソングライターをしていて、そして愛媛県出身で、地方から都会に出てきた、というところでも僕と境遇が一緒なんです。自分が抱いている夢を掴みにきた。夢である音楽をやっている。そこはすごくわかりやすくて。僕も同じ気持ちだなと思いながら「SuperStar」は夢を持っている人の野望を考えながら、masaはこう思っているから、きっと楽翔もこう思っているはずだ、と歌詞を書き進めてきました。

――15歳の男の子が書く楽曲であることは意識されていましたか?

masa そこは意識していなかったです。歌詞については、幼さが出るようにストレートに書こうという意識はあったのですが、軸の部分は大人と同じで、でも子供のときのほうがわかりやすく考えているんじゃないかなって。「この夢を叶えるんだ」という軸。大人になると色々な分岐があって変化していくけれど、若ければ若いほど大きな夢の核があると思ったので、あまり年齢のことは考えずに書いた記憶があります。

――では、そんなmasaさんが作るJAXX/JAXXの楽曲の印象を皆さんから伺いたいです。

馬越 masaの楽曲を聴いて、素直に、この歌を支えていけることがJAXX/JAXXの1人として嬉しいなと思って。masaの声を日本中、世界中に届けることができたら、僕らも幸せだなって思いました。アニメは世界でも人気ですし、世界へと届くのに最も近い道にいるんじゃないかなと。

下前 はる賀のときとJAXX/JAXXのときでは、楽翔がボーカルを変えているんじゃないかなと感じていて。それは、はる賀は1人だけれど、JAXX/JAXXではグループになったことで、より楽しくなったんじゃないかなって思うんです。1人での歌には寂しい雰囲気があって、バンドでは元気に突き抜けるような声だなって。

masa でもそれはあえて意識したというより、いつのまにか変わった気がする。意識してはいないけれど、自然とJAXX/JAXXの歌のときには変わっていたと思う。

下前 グループになったらめちゃめちゃ楽しそうに歌っているもんね。そういう印象があります。

masa たしかに、バンドサウンドになることで楽器の音も大きくなりますし、それに負けないように楽翔くんの歌声も軸の強さが出ていると思うので、その印象に繋がったと思います。ありがとうね。

高本 はる賀の曲を初めて聴かせてもらったときには、すごく良い曲だな、好きだなって思いました。JAXX/JAXXみんなで楽翔の楽曲を支えられたらいいなって思いますし、人数が多い分、僕らは仲良く、家族感を大切にしているので、masaの歌声とか、歌い方、楽曲にも愛があって、僕らに対してもメッセージを投げかけてくれているなと感じました。すごく多彩だなと感じています。

坪倉 僕もmasaの歌声がめちゃくちゃ好きなんです。はる賀の曲はかなりエモーショナルなのですが、それもはる賀としての良いところが全面に出ていますし、JAXX/JAXXとして、バンドのボーカリストとして歌う楽翔もまたハマっている。どんな場面にもハマるような歌声、歌い方をバリエーションとして持っているので、このギャップもまた僕はすごく好きです。

――そんな皆さんのお話を聞いて、どんなことを感じましたか?

masa たしかにはる賀のときとJAXX/JAXXの楽翔としての歌い方って違っているんですよね。僕のスキル的に、違うように歌い分けるなんてかっこいいことはできないのですが、はる賀の歌がYouTubeにあがった時はみんなと会うタイミングがまだあまりなかった時期だったので、僕としての声、はる賀としての声だったなと思うんです。でも、「A.P.P.L.E.」や「SuperStar」のレコーディングのときには、メンバーと関わる時間も増えていましたし、みんなと一緒に歌っている。しかも、どちらの曲も夢のことが綴られていて、JAXX/JAXXについて歌っているんですよね。歌うときにもみんなのことを思いながら歌ったので、きっと心に響く歌になったんじゃないかなと思います。

JAXX/JAXXが見た「sMiLeaプロダクション」の仲間たち

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