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INTERVIEW

2023.03.03

【連載】Diggin’『D4DJ All Mix』第6回:究極の“かわいい”自己紹介ソングが爆誕!――Photon Maiden×水島精二総監督スペシャル対談

【連載】Diggin’『D4DJ All Mix』第6回:究極の“かわいい”自己紹介ソングが爆誕!――Photon Maiden×水島精二総監督スペシャル対談

DJをテーマに、アニメ、ゲーム、ライブなど様々なメディアミックス展開を行うプロジェクト「D4DJ」。そのTVアニメ2期『D4DJ All Mix』が、2023年1月から放送をスタートした。個性豊かな音楽性と魅力を持った6ユニットの活躍が描かれる本アニメを、リスアニ!では連載企画「Diggin’『D4DJ All Mix』」として徹底特集!

連載第6回では、第7話のライブシーンでこれまでの楽曲イメージを覆すユニット初の自己紹介ソング「4 many colors」を披露してディグラー(※「D4DJ」ファンの呼称)を驚かせたPhoton Maidenのキャストより、紡木吏佐(出雲咲姫役)、七木奏音(新島衣舞紀役)、岩田陽葵(花巻乙和役)、佐藤日向(福島ノア役)と、同ユニットの音楽プロデューサーで本アニメの総監督を務める水島精二の対談を実施。あらゆる意味で新たなPhoton Maidenのお披露目となった第7話の話題を中心にたっぷり語ってもらった。

INTERVIEW BY 須永兼次
TEXT BY 北野 創(リスアニ!)

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【連載】Diggin’『D4DJ All Mix』――「D4DJ」TVアニメ第2期を徹底特集!

佐藤日向の発言から生まれた“かわいい”自己紹介ソング

――まずは第7話「ミンナカワイイ!」を演じられた感想を、キャストの皆さんからいただけますでしょうか。

佐藤日向 TVアニメでPhoton Maidenにフォーカスしていただいたのは、第1期(『D4DJ First Mix』)を含めても今回の第7話が初めてだったのですが、そんななかで(福島)ノアが悩むという、「グルミク」(アプリゲーム「D4DJ Groovy Mix」)でもあまり描かれる機会のないシーンを描いていただけたのは、音楽プロデューサーとしてもずっとPhotonを見てくださっている水島(精二)監督だからこそだと感じました。ノアとしてだけでなく、新しいPhoton Maidenとしても意味のあるお話になったと思います。

紡木吏佐 最初に台本をいただいたときの率直な感想は、「セリフがめちゃめちゃ多くて嬉しい!」でした(笑)。お話も1話の中での起承転結がすごくてエモいのなんの!でしたし、メンバーそれぞれの良いところがまとまってハッピーエンドになったのもすごく良かったです。

岩田陽葵 1話の中に4人の個性がすごく詰まっていて……とにかく「めっちゃかわいい!」と思いました(笑)。個々の意外な一面というか、「あれっ、こんな姿、見せていいの!?」みたいなシーンもあって、1話の中で色んなPhotonを楽しんでいただけたんじゃないかと思います。

七木奏音 私は他の皆さんの声が入っている状態で収録させていただいたのですが、アニメの絵もほぼ完成していたので、本当に泣きそうになるくらいみんながかわいくて(笑)。等身大のPhotonの姿を見ることができて、いち視聴者として嬉しかったのですが、その彼女たちの中に私が入っていくことに最初はすごく緊張しました。収録には「みんなの関係性を絶対に崩したくない」という思いで臨みまして、監督に色々なアドバイスをいただきながら、このPhoton Maidenの素敵な姿をたくさんの方に届けるために頑張りました。

――第7話とライブで披露された新曲「4 many colors」について、水島監督はどのように制作を進めたのでしょうか。

水島精二 今回の『All Mix』の企画が進行しているときに、色々な方に「何かやってみたいことはありますか?」というお話をしていたんです。そのなかで木谷(高明/ブシロード代表取締役社長)さんの「明石真秀が雷に打たれて英語しかしゃべれなくなる」というアイデアが第6話に活かされたりしたのですが、そんななかで、それとは別でPhoton Maidenのメンバーに「どんな新曲を作りたい?」という話をしていたら、佐藤さんから「自己紹介ソングをやってみたいです」と言われまして。そのアイデアが自分の中でアニメの「新しいPhoton Maidenをどう提示できるか?」というテーマにパシッとハマったので、お話と楽曲を作っていったんですよ。

――物語と新曲の制作が、密接に絡み合っていたように想像したのですが。

水島 ストーリーに関しては、僕もシナリオで関わっているコミックス(「D4DJ-The Starting of Photon Maiden-」)の要素と、「グルミク」で描かれているPhotonの弾けた方向性を同じ台に乗せつつ、いかにキャラクターの魅力を伝えるかを考えながら作っていきました。そのエピソードに合わせて、ファンの方に最大限驚いてもらえる自己紹介ソングということで生まれたのが、今回の王道アイドルっぽい路線の楽曲なんです。実はもっとK-POP寄りにする話もあったのですが、色々試行錯誤したうえで今の形に辿り着きました。

――せっかく新しいPhoton Maidenを提示するのであれば、思いきり振り切ろうと思われたということですか?

水島 それもありますし、K-POP寄りで制作を進めていくと、従来のPhoton Maidenの楽曲に近くなってしまうのが悩みどころでもあったんですよ。なので今回の楽曲は、作家もなるべく今までPhotonの楽曲に関わっていない人にお願いしたんです。作詞は僕なのですが(※ミズシマ教授名義)、それはスケジュールがピンチになってきたので、「いつものように僕が作詞メモを書いて作家に頼むより、自分で書いたほうが早いかも?」と思ったからなんです(笑)。

――『All Mix』放送開始前のインタビューでも、佐藤さんのアイデアを出発点にした新曲があるというお話はしていただきましたが、そういったエピソードを経て生まれた第7話のお話自体が佐藤さん演じるノアの提案で進むところも素敵ですよね。

水島 ノアの「かわいいものが好き」というキャラクター性は、特に「グルミク」ではブーストがかかって「それは誘拐では……?」みたいな話になったりもしていますが(笑)、彼女の「かわいいもの」に対するこだわりやその根本に何があるのかを、今回のアニメでは表現したかったんです。そんなノアとPhotonのメンバーがなぜ仲良くしていられるのかは、実はコミックスのほうで描かれているのですが、せっかくアニメでPhoton Maidenを1エピソード使って見せるのであれば、そこも含めて描こうと。

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――佐藤さんは脚本を読んだとき、現実の出来事と少しリンクしているところに驚かれたのでは?

佐藤 私は今後ライブでお客さんの声出しが解禁になっていくことも踏まえて、新規のPhoton Maidenファンの方でもノリやすい楽曲となったら、やっぱりキャラ名を大きい声で叫べると楽しいかなと思って、自己紹介ソングというご提案をさせていただいたんです。そんな私のお話を軸に深掘りしていただけたうえに、私とリンクしている部分やPhoton Maidenらしさも盛り込まれていたので、驚きました(笑)

水島 しかも楽曲自体が意外性のあるものになっているからね。実は第7話に関しては、結末を2パターン考えていて。最後はライブでお客さんにポカーンとされて終わる、という案もあったんです。ただ、楽曲が出来上がったら「これは大丈夫だろう」と自信が持てたので、最後は幸せに終わることができました。――メンバーの皆さんはこの楽曲にどんな印象をお持ちですか?

岩田 今までのPhoton Maidenにはない楽曲だなあと思いました。

紡木 最初に(デモを)聴いたとき、間違えたのかと思いました(笑)。「めっちゃキュルル~ンってしてる~!」と思って。でもこの曲を聴けば、Photon Maidenのメンバーのキャラクター性が一発でわかると思うので、そこは強みだなと思いました。

水島 佐藤さんも最初にデモを聴いたとき、「はて?」みたいな反応だったので、多分、佐藤さんが想像していた「Photon Maidenの自己紹介ソング」とは違っていたんだろうなとは思いました(笑)。要は、ストーリーに密接に繋がる楽曲にしたんですね。それに加えて、『All Mix』に登場する6ユニットの中で唯一プロがバックに付いているPhoton Maidenの関係性、要は本人たちが「作られたもの」を演じているというレイヤーと、それと同じような立場でリアルライブをやっている現実のPhoton Maidenを重ねて、「ライブで自分たちの素の部分が開放できるようなバランスをどう作っていけばいいか?」ということも考えながら作っていたら、これが結構大変で(苦笑)。

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