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INTERVIEW

2023.03.03

【連載】Diggin’『D4DJ All Mix』第6回:究極の“かわいい”自己紹介ソングが爆誕!――Photon Maiden×水島精二総監督スペシャル対談

【連載】Diggin’『D4DJ All Mix』第6回:究極の“かわいい”自己紹介ソングが爆誕!――Photon Maiden×水島精二総監督スペシャル対談

ユニット史上、最も“キャラソン”を意識したアプローチ

――楽曲自体、今までのPhoton Maidenとは違う意味でのキャッチーさや王道のアイドルポップらしさがあるので、メンバーの皆さんも印象深かったのでは?

佐藤 Photon Maidenは当初から、見るからに「かわいい」のにあえて「かっこいい」に振っているのが1つのテーマだったと思うのですが、それを見た目通りの「かわいい」に全振りしたときにどうなるんだろう?と最初は思いました。「D4DJ」には、すでに「かわいい」を独占しているユニットがいますからね(笑)。そんななかでこの曲には、普段「かっこいい」人たちが「かわいい」をやることのギャップ萌えを狙って制作してくださっていることを感じて。キャラクターの魅力がいつもとは別のベクトルから感じられるのも面白いなと思いました。でも、奏音ちゃんはこれが初レコーディングだったんだよね?

七木 そう、これが初めて歌ったPhoton Maidenの曲でした。

佐藤 なのにいつもとまったく違う曲調だったっていう(笑)。

七木 でも、『First Mix』で(花巻)乙和ちゃんがかわいい楽曲に憧れている場面が印象に残っていたから、この楽曲を初めて聴いたときは、「わぁ、かわいい曲ができてよかったなぁ」と思って(笑)。普段はかっこよくダンスをしているみんなが、ライブでこの曲をやったときにはどうなるんだろう?とワクワク想像しながら歌えたので、嬉しかったです。

――アニメの世界のPhoton Maidenのファンは、メンバーのああいったかわいらしい一面は知らないわけですしね。

岩田 それこそ第7話では(新島)衣舞紀が「バラライカ」を歌ったりしていましたからね(笑)。普段はクールでスタイリッシュな楽曲を歌うことが多いですけど、彼女たちも等身大の女の子なんですよ。この楽曲も1番はみんな自分で自己紹介していますけど、2番は他の人から見たメンバーの紹介になっている部分もあって。衣舞紀は“筋肉に頼りすぎ”とか言われたりしていますし(笑)、フルで聴くとより1人1人の魅力が伝わると思います。

――「かわいい」に全振りした楽曲という意味では、歌うにあたって今までとは違った要素もあったと思うのですが、レコーディングはいかがでしたか?

紡木 私の場合、自分の地声と(出雲)咲姫ちゃんの声質が全然違うので、レコーディングのときは毎回その楽曲に合わせて水島監督と相談させていただきながら、「かっこいいめの咲姫ちゃん」とか「かわいいに全振りしよう」みたいな感じで方向性を探るんです。今回の楽曲は「THE かわいい」全開で歌ったので……やっぱり咲姫ちゃんはかわいいなぁと改めて思いましたし(笑)、歌うときには等身大の咲姫ちゃんを意識して収録しました。

水島 メンバーと一緒にいるときの咲姫の話し方を取り入れて新鮮味も加えたかったので、歌入れのときも「今までのなかで一番、セリフの咲姫ちゃんに寄せよう」と話をしました。そういう意味では、今回の新曲が一番みんなにキャラソンを意識してもらったんじゃないかな。特にそうディレクションしたわけではないけど、佐藤さんも岩田さんも歌詞の内容を踏まえてそういう部分をスッと出してくれて。アレンジやメロディの雰囲気も各キャラクターの歌うパートに合わせて少しずつ変えているんだけど、それを読み取る力も感じたし。七木さんも「歌詞のイメージで歌ってください」とお願いしたらバッチリでした。(七木に向けて)別に苦労した感じはなかったよね?

七木 そうですね。普段のキャラクターとしての素の状態、ありのままの感じが出せたらいいということだったので。

佐藤 Photonにはこれまでに「Wonder Wonder Trip」みたいな「かわいい」ジャンルに当てはまるような曲もあったとは思うんですけど、普段はキャラクターがその歌詞を演じるみたいな録り方をしていたり、英語の歌詞が多いのでそれをどう表現するかを考えて歌っているんですよ。プラス、ノアの場合は色っぽく歌うようにディレクションをいただくことが多いんです。

紡木 そうなんだ~!

佐藤 でも今回の新曲に関しては、ほぼ日本語の歌詞でしたし、10代らしい瑞々しさが詰まっているので「色っぽさ」を出さずに、ノアとしては初めて「歌詞を演じる」のではない録り方をしたと思います。自己紹介ソングとなると本人像をくっきりさせるのが大事だと思ったので。

水島 そこもレイヤーが複数あるなかで、どう違った形に表現するかという話で。そういった今回のエピソードの狙いにもしっかり応えてくれたと思います。

――岩田さんは乙和としてこの曲を歌ってみていかがでしたか?

岩田 乙和としては念願のアイドルソングなので、きっと乙和もこういう曲を歌いたかったんだろうなと思って、キャラクターとしてもすごく歌いやすかったです。

水島 乙和は能天気な歌詞になりすぎたような気がしていて。今までのエピソードで食べていたものを並べたら、すごくハマリが良かったんですよね(笑)。

――最初から“お団子 クレープ オムライス”と好物3連発ですものね。

岩田 あそこもかわいかったです(笑)。多分、乙和ちゃんは自分を表現したいタイプの子だから、あの短いフレーズの中でも乙和らしさを詰め込めたらなと思いながら録りました。

水島 その部分も、乙和のことを知っている人はクスッと笑えるだろうし、初めて観た人には「この子は食べるのが好きで、それをエネルギー源にファンのみんなに笑顔を届けているんだな」というのが伝わるようにしています。あとはアニメを作る際に、それぞれの演じているキャストの雰囲気も含めてキャラクターを構築しているところがあるので、例えば佐藤さんのきびきびしていて弁が立つ印象と、ノアに元々あった「博覧強記」という設定を繋げて歌詞を書いてみたり。咲姫は共感覚を歌詞に入れようと思いましたし、衣舞紀は脳筋キャラが定着してきているので、そのネタを入れないわけにはいかないなと思って(笑)。ただ、彼女のリーダー的なところも物語の中で感じられるように、短い尺の中でより効果的にキャラクターを描くことについてはコンテの段階からかなり気を使って作っていましたね。ノアが衣舞紀にプレゼンするときは、背景を夕陽にして少しドラマチックで重たい雰囲気を作ってみたり。笑いも細かく入れつつ、テイストとしてはシリアスなお話なので「俺は本来こっちの演出家なんだ!こういうこともできるんだぞ!」と思いながら作っていました(笑)。

可能性が一気に広がったPhoton Maidenの次の一手は……?

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