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INTERVIEW

2023.02.09

花澤香菜、『久保さんは僕を許さない』で主役と主題歌を担当! 青春の儚さが詰まった楽曲とMVへのこだわりとは―― 撮りおろしインタビュー

花澤香菜、『久保さんは僕を許さない』で主役と主題歌を担当! 青春の儚さが詰まった楽曲とMVへのこだわりとは―― 撮りおろしインタビュー

花澤香菜のニューシングル「ドラマチックじゃなくても」は、自身がヒロイン・久保渚咲(くぼなぎさ)の声優を務めるTVアニメ『久保さんは僕を許さない』OPテーマ。“日常のなかにこそ大事なことがある”というメッセージが伝わってくる、ポップでエモーショナルな楽曲だ。

INTEVIEW & TEXT BY 森 朋之
PHOTOGRAPHY BY 三橋優美子

“日常”の大切さが込められた真っ直ぐなメッセージ

――新曲「ドラマティックじゃなくても」は、TVアニメ『久保さんは僕を許さない』OPテーマ。花澤さんが主役と主題歌をどちらも担当するのは、これが初めてですね。

花澤香菜 そうなんですよ。EDテーマ曲と主役はやらせていただいたことがあるんですけど、OPテーマとヒロインの両方というのは、今回が初めてです。もちろんすごく嬉しいですけど、作品をより背負ってる感もあって。私の声が好きじゃないなと思ったら観てもらえないかもしれないし、責任重大だなと思ってます。

――いえいえ、アニメも楽曲も素晴らしいです。「ドラマティックじゃなくても」にはどんな印象がありますか?

花澤 オープニングらしい明るさはもちろん、青春の儚さ、エモさもある曲だなって。聴かせてもらって、すごく感動しました。ちょっと素朴なメロディラインも好きですし、“ドラマティックじゃなくていい。日常が大事でしょ”というメッセージが真っ直ぐに伝わってきて、作品ともしっかり繋がっていて。レコーディングでもスムーズに歌えましたね。自分でも“グッと気持ちが入った”と感じる瞬間があったのですが、北川さん(プロデューサーの北川勝利)が「良いテイクが録れて、泣いちゃったよ」って言ってました(笑)。色々脚色しないで、自分が思ったままに歌ったのが良かったのかなって。実際、そんなにテイクも重ねてないんですよ。北川さんとはずっと一緒にレコーディングしていて、「こういう感じがいいよね」というのも一致しているので、いつも楽しく制作させてもらっています。

――“永遠じゃないと 知ってる事も 今だけは分からないフリをさせて”という歌詞も印象的でした。花澤さんは学生時代、「この時間もいつか終わるんだな」みたいなに思ったことはありますか?

花澤 ありますね。高校時代、生徒会に入っていたんですよ。1年のときから参加していたのですが、どんどん先輩が卒業していくじゃないですか。いつの間にか自分たちが一番上になり、「こうやって高校生活が終わっていくんだな」って。あと、これはずっとそうなのですが、父のことが好きすぎて、会うたびに「こうやって会えるのは、あと何年だろう」と思って泣きそうになるんです。先が思いやられますよね……。

――ずっとこのままではいられない、と感じてしまうんでしょうね。

花澤 そうですね。自分に対しても、いつどうなるかわからないと思ってるところがあって。もし何かあっても、「よく頑張ったよな」と思えるように過ごしていたいんですよね。

――「ドラマティックじゃなくても」のMVは、ショーとムービー風の演奏。すごく素敵ですね!

花澤 ありがとうございます。スタッフの皆さんと「この曲のMVはスタジオで撮るよりも、映画みたいな感じが合うのでは」という話になって。「誰に撮ってほしいですか」と聞いていただいたので、山岸聖太さんの名前を挙げさせてもらったんです。乃木坂46さんの「路面電車の街」のMVでナレーションを担当したのですが、そのディレクターが山岸さんで。本当に素敵なMVで、女の子たちがとても魅力的に撮られているし、それこそ映画みたいだなと思っていたんです。受けていただいたときは、すごく嬉しかったですね。

――山岸さんからはどんな提案があったんですか?

花澤 春夏秋冬が感じられる、思い出の地を巡るようなMVにしたいといってくださって。全体的にもの思いにふけるような、物憂げな映像になっています。とにかく曲が素敵なので、MVでもっと広げたいという気持ちもありますね。

「恋のお話、大好物なんです(笑)。」

――TVアニメ『久保さんは僕を許さない」についても聞かせていただけますか?

花澤 ASMRボイスドラマでも久保さんの声を担当させてもらったので、結構長い付き合いなんですよ。『久保さんは僕を許さない』というタイトルを見ると、「久保さん、どんだけ怖い人なんだろう」と思うかもしれないけど、全然そんなことなくて。主人公の白石純太くんはクラスの中のモブみたいなポジションで、目立たないうえに、なかなか人に気づかれない能力の持ち主なんです。例えばコンビニの自動ドアに感知されなかったり、先生の点呼に返事したのにカウントされなかったり、みんなと一緒に集合写真を撮ったのに、なぜか欠席者扱いされたり。1人でいるのが心地良いと思っているのですが、久保さんだけは白石くんを見つけられるんです。

――そこから2人の関係が始まって。

花澤 そうそう!ゆくゆくは、久保さんが白石くんを好きになった理由も描かれるので楽しみにしていてほしいんですけど、とにかくコミュニケーションがかわいいんですよ。久保さんは白石くんがすごく気になっているんだけれど、そのことに気づいてない。白石くんは「僕のこと好きなのかな」と思いながら、ボワーッと顔を赤くて思考停止になっちゃう。そういう2人を見ているのが本当に楽しいんです(笑)。

――なるほど(笑)。

花澤 アフレコもすごく楽しくて。ASMRボイスドラマのときは、ダミーヘッドマイクを白石くんに見立てて、耳元でささやくように話していたので「1人だなぁ」って思ってたんですよ。今回は白石くんの声をやっている河西健吾くんとやり取りできるので、すごく楽しくやらせてもらってます。白石くんは年の離れた弟がいて、すごく優しいお兄ちゃんでもありますが、そんな様子を見てると白石くんに対する私の好感度もどんどん上がってしまって。アフレコしていて、「ちょっと仲良すぎますね。心の距離を離してください」と言われたり(笑)。

――(笑)。そういえば花澤さん、ラジオ(「花澤香菜のひとりでできるかな」/文化放送)でも、中学生男子からの恋の相談メールにもすごく親身になって話してましたよね。

花澤 恋のお話、大好物なんです(笑)。今も高校生役をやらせてもらっているし、定期的に10代の子の気持ちを考えてるせいか、すごく共感しちゃうんですよね。

次ページ:こだわりのカップリング曲、そしてライブへの想い

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