INTERVIEW
2023.03.02
――世代の違うアーティストのコラボはそういった感性の激突によって生まれるサウンド感ということもあって、やはり面白い曲になりますよね。さらにKOHSHIさんとKEIGOさんとの作業はいかがでしたか?
熊谷 ラップの部分は2人に書いていただきたいということは早い段階からあったんです。曲のテーマ自体に、世代が違うことの面白さがあったので、「違う世代から見た音楽の道、世界と戦う、というところを書いていただきたいです」とお願いしました。そこからはハンパなくかっこいい声素材が届いて。一切「こうしてほしいです」というものもなく、ラップが本当にかっこいいなぁ~と思ったので、そのまま使った感じでした。
――お二人はどんなことを意識しての作詞になったのでしょうか。
KOHSHI まさにテーマもラップパートもあったので、そこに乗っかる感じで書きました。日本のサムライをテーマにしましたが、外国人は“葉隠れ”とか“死ぬことと見つけたり”とか、わかってくれるのかなぁ、と思ったんだけど、それこそが侍の精神だし、自分を殺して忠義に尽くす、というところに日本人としてグッときているので、それを日本語で表現できて、ラップとして放つことができて良かったです。
KEIGO 僕も一緒で。熊谷くんの作ってくれていた曲に乗って、自分なりのラップを書かせてもらった感じですし、2バンドがバシバシに海外でライブをしていることもあるし、熊谷くんがどうしてこの曲を作りたいと思ったのかも明確だったので、自分たちが海外にいくときの心持ちと言いますか、持っていなければいけない、2バンドが持っている想いを書かせてもらいました。
――レコーディングはいかがでしたか?
熊谷 楽しくやらせてもらいました。
KOHSHI 熊谷くんディレクションでの歌録りでした。一度ブースでかましてやったあとに「もうちょっと力を抜いたバージョンでやってもらえますか?」とか「その中間でやってみてもらえますか?」とか、ディレクションがあったんですけど、普段は自分ディレクションでやっているのですごく新鮮でしたし、抜いたラップもいいんだな、ということの発見は今回の収穫でした。
熊谷 そうでしたっけ?
KOHSHI うん。ラップだと力が入っちゃうので、力を抜いた感じが良かったし、よりトラックに合っていたし、これまであまりやったことがなかったことなので、新鮮で楽しかったです。
KEIGO 録ったあとに熊谷くんから1つアイデアをくれるんです。普通だったら被せちゃうんですけど、太く歌ったあとに「ウィスパーボイスっぽいのを被せてみるのはどうですか?」って熊谷くんが言ってくれて、やってみたら「いいね!」ってなったりもして。熊谷くんがレコーディングで聴いていてポッと出してくれたアイデアが新鮮だったのは良かったなと思いました。
――一緒に制作する時間はいかがでしたか?
TAKE 熊さんには近いものを感じているんです。構築する感じとか全体のバランスを見るところも細かいところを気にする感じも。コンポーザーとしてはかなり近しい場所にいるイメージでした。
――これまでのBURNOUT SYNDROMESとも違う楽曲になりましたが、BURNOUT SYNDROMESのお二人はどのような印象がありますか?
石川 僕は本当にラップが大好きで。その人の人となりやバックボーンが見えてくるのがラップを好きな理由なのですが、熊谷くんはイマドキでスタイルに囚われないラップで。
熊谷 そういうところの常識がないから(笑)。
KOHSHI 「なに、その(韻の)踏み方!」ってなるもん。
石川 同時にFLOWさんのラップもヤバい。KOHSHIさんはオールドスクールで、きっちりと韻を踏んでいく感じで、KEIGOさんは日本語の元々ある美しさがあって。“静けさや岩に染み入る蝉の声”は1つも韻を踏んでいないけど、母音を合わせることだけがラップではないし、この句はそういう意味で韻を踏んでいるんだと書かれた本を読んだことがあるんです。それをKEIGOさんの“成せば成る 成さねばならぬ”のところでも感じることができて、すごいと思いました。
廣瀬 この曲はBURNOUT SYNDROMES史上最もボーカルのトラック数があるんです。重なり方も面白いですし、3人の声というのは今までにないBURNOUT SYNDROMESを生み出すことができたこのコラボにはすごく感謝しています。
――最初の構想から完成に至るまでの間にご自身の中で想定外だった化学変化はありましたか?
熊谷 作業をしていくなかでFLOWの皆さんからもたくさんのアイデアをいただいて、それは自分の引き出しにないものばかりでしたし、最初に思いついて描いたものとは結局違ってはいますが、何段階もいいものになったと思っています。1人で作っていたら味わえない感じというか。みんなで作ればいいものを出しあえるし、いいものができるんだなって思いました。あとは私、自分のラップにめちゃくちゃ自信がないんですけど、KOHSHIさんが「ラップ上手い」とほめてくれたことが嬉しかったです。よく聴いている日本人ラッパーさんの影響が出ているとは思うのですが、お二人のラップを聴いていると「やっぱりラップってこうだよな」って思わされました。
KOHSHI 僕らラッパーではないからね(笑)。
熊谷 でもそれぞれの得意技ってあって。持っていない人から見るとやはり「すげぇ」って思うんです。
KEIGO ラップってこうなんだって僕も思わされました。最初のデモを聴かせてもらったときにも思いましたね。
――そんなFLOW、BURNOUT SYNDROMESにラックライフを加えた3バンドで“共鳴レンサツアー ~アニメスペシャル~”というスペシャルなツアーが開催されました。こちらの感想を伺いたいです。
KEIGO 一発だけのライブではなく、ラックライフも含めてのツアーという形で3本やらせてもらいました。出番も全部違ったので、すごく面白かったです。それぞれの一番手のときと二番手のとき、トリでのライブのやり方が違うんだなと思ったし、BURNOUT SYNDROMESも曲中はめちゃくちゃ見せつけられるし、引き寄せられるんだけど、しゃべり始めるとガラっと空気を変えるんですよね。見せつける世界観と、MCのときにグッと距離を近づけてきて、気づいたらうねりの中にいるようなライブはすごいなって思いました。エンターテインメントしている超かっこいいバンドという印象が強くなりました。
KOHSHI シンプルにMCが面白いんですよね。実際に一緒に回ってみて感じました。こんなふうに次の曲へと導入するMCをするんだ、と思いましたし、僕らも昔から意識している部分でもあるので、そういうところは楽しかったですし、自分たちのMCについても考えさせられましたね。
TAKE ライブで聴くと、より楽曲のポテンシャルみたいなものが発揮されるので、改めてBURNOUT SYNDROMESの幅の広さも感じましたし、1曲ずつのメロディの強さや、構成の面白さを肌で感じられました。
――“アニメ縛り”をずっとやってきたFLOWなので、アニメの曲だけでライブができるバンドが増えてくることは灌漑深いのではないでしょうか。
TAKE 本当に止めてほしいです。出る杭は今のうちに打たなきゃ!
熊谷 怖いなぁ(笑)。
TAKE そう思っていたら、その杭はもう出きっていました(笑)。
一同 あはははは(笑)。
――ではBURNOUT SYNDROMESの皆さんはいかがでしたか?
廣瀬 東名阪と一緒に回らせていただいて、FLOW先輩は容赦がなかったです。
KOHSHI え?何したっけ?
廣瀬 ウェーブをやるわ、跳ばせまくるわで、僕らがFLOWさんのあとにやるときには、お客さんが疲れ切った表情でした(笑)。そこに負けないように自分たちもライブに臨んだことで楽しい時間になったと思います。
石川 FLOWさんは3会場セットリストがガラリと変わるんです。でも今回のツアーは“アニソン縛り”という設定があった。その中でガラリとセットリストを変えられる豊富さ。でもまだまだ楽曲はあるという事実。化けものかと思いました。僕らは今回、最大火力でした。レジェンドに礎を見せつけられました。あと僕はKEIGOさんを尊敬していて。
KEIGO ほぉ。
石川 煽るんですけど、言葉が丁寧なんです。
KEIGO あはははは(爆笑)。
廣瀬 煽りに優しさがありますよね。
石川 その感じっていいなぁって思うのは、アニソンを聴かれる方でライブに来慣れていない人もいると思うので、その優しさに惹かれるだろうと思っています。
熊谷 僕の感想も2人と同じなのですが、FLOWさんの存在は大きいなと思いました。我々もMCを褒めていただきましたが、FLOWさんのMCに懐の大きさを感じていたんですね。イベントのことをものすごく考えたMCで、ほかの2バンドのことをしっかり絡めつつイベントを最大限に盛り上げようとしているところにデカさの違いを感じました。FLOWさんって、スーパー癖強5人組なんですけど(笑)、それ故に常に新しいものを作れるし、それでいてライブでは全員が同じ方向を見られるんですね。1日をいいものにしようという心意気で。それが長年アニメ業界で愛され、海外でも愛される所以なのかなと思いながら見ていましたし、こんなふうになりたいなと思いました。
――その2バンドで「I Don’t Wanna Die in the Paradise」を歌われていかがでしたか?
KEIGO コラボ曲って作った音源は流せるけど、2バンドいないとできないからなかなかライブでは出来ないんですよね。楽曲ができたときには「いつ一緒にやれるかな」と思っていたので、まさかこんな早いタイミングでやれるなんて、幸運でした。思っていた以上に早くできて嬉しかったです。
KOHSHI 今回は東京公演だけで披露したんですけど、リハも足りないですし、本領発揮できるのは2回目、3回目だと思うので、ぜひまたやりたいです。
石川 ステージに人がぎゅうぎゅうで、狭いなって思いました(笑)。あとは「ここがベースの支えどころだろう!」とも思いましたね。これだけ音が多いですから。そんなベーシストとしての大事な心を取り戻せたと思います。
TAKE もちろん廣瀬くんのドラムも聴きやすくて、ギターを弾きやすかったです。
廣瀬 僕のほうを見てKEIGOさんが歌ってくれて、TAKEさんがギターを弾いてくれるのが新鮮でした。メンバーはいつも僕のほうを見てはくれないので(笑)。すごくテンションがアガりました。
熊谷 一生懸命にやっていたな、という記憶しかないですね。ただ3人で歌うので、2番は私、ほとんど聴いていられるんです。やっぱりかっこいいなぁと思いました。私はあまりライブことを考えて曲を作らないので、軽率にコラボをしてしまうんですけど、ライブでやりづらいという弱点もありつつもやれたときのお客さんのテンションがハンパなくアガるのもコラボ曲の魅力なのかなと思います。またいつかぜひ一緒にやりたいです。
――では最後にお互いに対して期待していることをお聞かせください。
KEIGO 一緒に海外でライブがしたいです。アジアだけじゃなく、お互いに南米にも行っていますからね。南米で2マンライブができたら嬉しいです。
KOHSHI またきっと一緒にやれると思うので、期待しています。
TAKE 次回は打ち上げしましょう!
廣瀬 ずっと背中を追わせていただいていますが、これからも背中を追える存在でいてくれたら嬉しいです。
石川 これまでにもヨーロッパ、アメリカ、南米と開拓してくださっているFLOWさんなので、ここからもアフリカやまだまだアニメイベントの行っていない土地を開拓していただいて、僕らもそこに乗っていきたいと思います。
熊谷 この間の「贈る言葉」の武田鉄矢さんとのMVが本当に素敵でした。あれはFLOWさんにしかできない。いまだに「FLOWさんにしかできないこと」がたくさんある気がしていて、そういったものをこれからもまだまだ見せつけてください!
●リリース情報
BURNOUT SYNDROMES × FLOW
Digital Single
「I Don’t Wanna Die in the Paradise」

配信中
BURNOUT SYNDROMES 公式サイト
https://burnoutsyndromes.com/
BURNOUT SYNDROMES 公式Twitter
https://twitter.com/burnout_live
BURNOUT SYNDROMES 公式YouTube
https://www.youtube.com/c/burnoutsyndromesSMEJ
FLOW オフィシャルサイト
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