――そこまでの想いを込めた楽曲を、歌の面ではどのように表現されましたか?
TRUE 前回のアルバムを制作しながら感じたことでもありますけど、ここ2、3年ですごく歌に向き合う姿勢が変わりましたし、表現の幅もとても広がったと思っています。主題歌の場合はキーを上げて声を張りがちになるんですけど、年齢を重ねてもきて、もっと質感を感じてもらえるような表現をしていくべきだとも思いました。要は、楽しいことや悲しいことだけを共有するのではなく、もっとグレーなところも聴く人と互いに寄り添えたら、と思っているんですね。「rebind」も特に平メロでは、お話するように声を張らずに歌いました。言葉を放り投げるのではなく、置くように。大きな会場で歌うのではなく、3メートル先にいる人に歌う気持ちでした。ブレスは必要なだけ。キー設定も今までより、ぐっと下げています。でも、そうしたらすごくリラックスして歌えたんですよね。ほかにも、座って歌ったり、レコーディングブースを暗くしてみたり、そういう試みも試していました。
――完成した歌を聴いて、どういった歌が生まれた感覚がありますか?
TRUE だからもう、まんま私です(笑)。無理なく表現した自分自身、ですよね。今の私が思っていること、考えていること、お伝えしたいこと、共有したいことを背伸びせず、幼くもならず、ありのまま表現できたと思っています。それに、こういうふうに歌えるようになってから、すごく歌うことが楽になったんですよ。それまでは自分が生み出しているものが本当に良いものなのか、やっぱり模索し続けていました。でも今は、自分の歌を肯定してあげられるようになりましたね。
――先ほど、今回のMVにはTRUEさんが登場されないと聞きましたが、制作ではどのような役割を果たされていましたか?
TRUE 「rebind」の制作が始まった頃から、今回のMVは私が出演しない方向で制作したい、という相談はしていました。だから私の役割というと、どんな想いでこの曲を作ったか、そこをかなり赤裸々に話し、どうしても私が出演しないMVを作りたい理由を伝える、というところですね。
――お聞きした感じですと、出演しないことに関して少し説得しつつ?「いや、出演してください」という話になりました?
TRUE 正直、なりましたね(笑)。
――ですよね(笑)。
TRUE ちょっとした押し問答はありました(笑)。でも、MVが完成に近づくにつれて、私の意図が形になるのをみんなが感じとってくれたんですよね。プロデューサーの方からも、最もTRUEさんらしくて最も素晴らしいバラードができた、と言っていただけたので安心しました。
――楽曲面で見ると、「rebind」は過去イチどんな曲だと思いますか?
TRUE 過去イチ、「温もりを感じる」曲。それから、過去イチ、皆さんが自分に置き換えられる曲だと思います。
――カップリング曲の「DelighT」についてもお伺いしたいんですが、かなりのアンセム曲ですよね。なぜにこういった曲を作られたのか、そこから教えていただけますか?
TRUE まったく声が出せなかったり、オンラインでの開催だったり、というコロナ禍を経て、2022年は再びライブという空間を皆とシェアできるようになった年だったと思います。エンタメ業界が、もう一度盛り上がろうとエンジンをかけた1年だったんですよね。だから、2023年はコロナ禍以前のような時間を取り戻せたら、という気持ちでいるんです。それから、カップリングは好きなことをする場だと思っていて(笑)。
――タイトル曲でも自分の意思やコンセプトを主張するけれども、さらに。
TRUE そうそう(笑)。色々なことを試せる場だとも思っているんです。なのでいつも、思いっきり曲にぶつかっていく気持ちで制作しているんですけど、2023年は2月12日(日)に目標としていたNHKホールでのライブ(“TRUE Live Sound! vol.6 ~Encount~”)もあるので、ぜひ皆の心を1つにできるような曲を作りたいと思いました。そこが「DelighT」のスタート地点でしたね。そこから、スタッフさんとたくさんディスカッションするうちにどこからともなく、「きっと皆は声を出せなくてうずうずしているだろうから声を出していただいて、それを集めてミックスして曲にしてみたら面白いかも」というアイデアが出てきました。それで昨年の11月にクラップや歌声を募集し、それらを取り込んだ形でのライブアンセム曲を目指しました。先ほどお話ししたように、これからはライブでの声出しが徐々に解禁されていくと思うので、ライブで歌うのがすごく楽しみですね。
――TRUEさんとしては歌詞についてはどのような意識がありましたか?
TRUE “Wo-Oh Wo-Oh Wo-Oh Wo-Oh”というアンセム部分は必ず組み込みたいと思っていました。それから、コロナ禍で私たちが得たものってワイパーの強さとクラップの楽しさだと思うんです。なので、それを存分にできる曲に、という想いでしたね。あとは、これもアルバムを経ることで得たものですけど、言葉遊びをたくさんしたかった。耳で聴いたときに馴染みが良くて踊るように展開していくけれども、耳を澄まして聴きたくなったり歌詞カードを見たくなったりする、という歌詞ですね。私がアーティストさんのCDを聴くとき、それをやるのが好きなんですよ。「語呂が良くて楽しいけどなんて言ってたんだろう?」と思いながら、歌詞カードを見て答え合わせをするのが。だから、みんなにもそういう遊びを楽しんでもらいたかったんです。
――ライブ空間の楽しさをもう一度思い出してもらう楽曲にもなっていますね。
TRUE この楽曲でイメージしたことは、私がライブに行ったときに感じていることで。もしもお客さんがステージにいるアーティストとだけではなく、目の前の知らない背中ともつながれたら、もっとライブは楽しくなる、ということなんですね。自分で言うのもなんですけど、私のファンの皆さんはすごくマナーが良くて、とてもライブに一体感があるんです。でもそれって多分、目の前にいる知らない背中に優しい思いを皆が抱いてくれているからだと思うんです。だから、私から見たお客さんではなく、お客さんから見たステージや客席をイメージしました。そういう曲があったら面白いかな、と思ったんです。
――アンセム曲はお客さん目線でなければいけないですよね。
TRUE なるといいな、アンセムに。実はコーラス部分には私やスタッフたちの声も重ねていて。それに、ファンクラブ会員の方はブックレットにお名前も入れさせていただいているんですけど、みんなで一緒に作った曲という感じですね。でも、エンジニアさんはすごく大変そうでした。「(コーラスが)一体何本あるんだ?」って。
――そのなかで「DelighT」はどういうイメージで歌われました?
TRUE いや、もうとにかく楽しかったです(笑)。そのなかで、芯の強さが伝わるように声をしっかりと出して。ただ、こちらも無理のないキー設定で、等身大の私を伝えようとは思っていました。
――ちなみに「DelighT」は最後の「T」が大文字になっていますが……。
TRUE これはですね、ポップな感じを表現したかったのと……、(小声で)TRUEの「T」です。なんか恥ずかしいな(笑)。
――すみません、言わせてしまって。そうかと思ったんですが。
TRUE これも言葉遊びですね。でも、Twitterに曲名を上げたとき、ファンの方たちがすぐにTRUEの「T」だと気づいてくださって。「通じ合ってるー」と思いました(笑)。
――改めて、「rebind」を生み出した今はどんな想いが胸にありますか?
TRUE 私もこんな最期を迎えたいと思いましたし、そのためには私と出会ってくださった方にもっと愛を与えなきゃいけないと感じました。私も祖父母とのお別れなどを経験してきて、最後に人が思うことって、人を愛したことや人に愛されたことだと思うんです。だから、ずっと、すごく誠実でいなきゃいけないし、愛されることに素直でいたい。そういった、「戒め」ではないですけど、そういう想いを胸にずっと生きていこうという決意もこの曲には含まれていますね。なんか……、幸せに死にたいですよね。
――早くないですか?
TRUE でも、いつかは自分も人生を全うするじゃないですか?絶対にみんな、1人で旅立たないといけないから。そのとき、「幸せだったな」って思いたいですよね。その意味でも、「rebind」は私自身が一生寄り添っていきたい楽曲ですし、ずっと寄り添っていく曲が出来たと思っています。
●リリース情報
TVアニメ『もののがたり』エンディングテーマ
「rebind」
2023年1月25日(水)リリース
■mora
通常/配信リンクはこちら
ハイレゾ/配信リンクはこちら
作詞:唐沢美帆
作曲:XELIK
編曲:h-wonder
ストリングスアレンジ:山下 洋介
品番:LACM-24339
価格:¥1,320(税込)
<INDEX>
1.rebind
作詞:唐沢 美帆 作曲:XELIK 編曲:h-wonder ストリングスアレンジ:山下 洋介
2.DelighT
作詞:唐沢 美帆 作曲・編曲:山下 洋介
3.rebind(Instrumental)
4.DelighT(Instrumental)
※描き下ろしイラストバックジャケット仕様
TRUE 公式サイト
https://true-singer.com/
TRUE 公式Twitter
https://twitter.com/miho_karasawa
TVアニメ『もののがたり』公式サイト
https://www.mononogatari-pr.com/
TVアニメ『もののがたり』公式Twitter
https://twitter.com/mononogatari_pr
SHARE