自身の音楽に大きな影響を与えた存在・ASKAとの共演も！ SawanoHiroyuki[nZk]、ニューアルバム『V』リリースインタビュー

憧れの存在と交わした、凛と立つということ

――前作の優里さんもそうですが、こうした若い才能とのコラボは刺激的ですよね。そこからJO1との「OUTSIDERS」に流れていくのも素晴らしいというか。ここからTVアニメ『群青のファンファーレ』、TVアニメ『８６-エイティシックス-』のタイアップ曲と既発曲が並びますが、この流れも意図的なものがありましたか？

澤野　曲順を考えるときに、過去に出ている楽曲は振り分けるかどうしようかと考えていたんですよ。そのときにまとめて聞かせるほうが色合いとか伝わり方も変わってくるかなと思ってあえてそうしたというのはありましたね。『８６』の曲を3つ並べたというのも意図的にやりました。

――そしてアルバム終盤には秦基博さんとの「COLORs」があります。秦さんのボーカルにはどんな印象がありますか？

澤野　ギターサウンドにかっこいいアプローチをする人というか。そのなかでやっぱりポップなアプローチというか、歌声も含めていい意味でポップだし、そこにちょっとロックっぽいところが彼の魅力だなと思っていて。そのなかで「COLORs」もサウンドとして明るめの感じで作ったので、秦さんの歌声でポップさを広げてもらったのかなと思います。彼は、サウンドの中で勢いというか色んなアプローチができる人だなと感じましたね。

――そして、本編のクライマックスとなる「地球という名の都」。澤野さんが昔から憧れていたアーティスト・ASKAさんとのコラボがついに実現しました。

澤野　幸せな部分と、これが現実に起こっているんだよなっていう不思議に感じる部分と……。一番尊敬する音楽家なので、そこに対するリスペクトと緊張感……色んなものが混ざって一緒にやれた音楽。すごく充実していました。

――流れとしては澤野さんが曲を渡して、そこに歌詞を書いてもらうという流れで？

澤野　はじめは2曲お送りして、僕もこっちがいいなと思っていたのをASKAさんも選んでくださって。そこから作詞をお願いしてという感じでしたね。

――ASKAさんに曲を送るという行為は……。

澤野　どう反応されるんだろう？という思いはありました。でも、すぐに「両曲ともかっこいいね」と連絡をいただいて……素直に嬉しかったです。そもそもこの曲は、ASKAさんに決まってから書いたわけではなくて、自分の中でアルバム用にストックしていた曲なんですよね。いつもアルバム用に曲を書いてどのボーカリストがいいか考えるスタンスなのですが、ASKAさんにもあえてそうしたというか。もしASKAさんがオファーを受けてくださってから作り出したら、完全にASKAさんに寄せた曲を書いてしまうだろうなという気がして、そうなるよりは普段の自分がこうだと思ったものを、変な緊張をしないで出したほうがコラボした意味があるかなと思って。

――ちなみにアレンジはあとで変えたものはありましたか？

澤野　アレンジは全然そのままです。

――なるほど。ドラムの鳴りなんかは往年のASKAさんの楽曲を感じました。

澤野　多分、こういう曲を作る部分ではASKAさんの影響が大きいんだと思うんですよ。スネアの音なんかもあの時代の鳴りというか。そこは無意識にASKAさんの壮大なロックやバラードに影響を受けていたんだなって。だから、今回は寄せたつもりはないのですが自然に出た、という気がしますね。

――オマージュなどではなく、自然に影響が出たというのはすごく音楽的だなと。20年近いキャリアの中で本当に大きな体験だったのではと思います。

澤野　本当に発見や勉強になることばかりというか、キャリアを積んできたからこそのすごさというか、そこから学ぶものもありましたし、これだけキャリアを積んでも挑戦しようとするASKAさんの柔軟さ――その精神というんですかね、そこは見習わなきゃいけないなと思いました。あと、今回ASKAさんが僕にコメントを寄せてくれたんですけど、P.S.でギャグっぽく「髭を剃りなさい」って書いてあったんですよ。

――髭ですか（笑）。

澤野　あそこはASKAさんなりのジョークだと思うのですが、僕は正直あの言葉からも背中を押されたというか。自分はこれまで劇伴作曲家をやってきて、[nZk]もスタートしてアーティストとして活動してきましたが、アーティストって言われると「いやいやそこまでは」って謙遜している自分がいて。ASKAさんはそれを見ていたわけではないのですが、「堂々としなさい」っていうメッセージに見えたというか。

――なるほど。

澤野　ちゃんと凛と立たなきゃいけないんだ、と思って。なんだかんだ毎回ASKAさんの言葉から勝手ながら色々と学ばせていただいていて、感謝しています。宝物っていうとチープに聞こえるかもですが、本当に、自分にとって大切な楽曲になりました。

――キャリアの中で振り返っても重要なターニングポイントとなった『V』ですが、本作リリース後の2月には早くもライブ“SawanoHiroyuki[nZk] LIVE 2023”が控えていますね。

澤野　このアルバムのライブというわけではないですが、2023年だからこそできるSawanoHiroyuki[nZk]のライブというものを見せられるかなと。ホール規模でやるライブは今年はここしか予定していないので、来てくださるお客さんと一緒にとことん楽しみたいなと思っています。

――気になるのは2023年の澤野さんの動きですが……。

澤野　色んな作品作りはしていますし、ライブもイベントに参加するタイミングがあれば出たいですね。あとはSennaRinとNAQT VANEも自分にとってすごく重要なプロジェクトなので、そこをどう広げていけるかな？と思っていますね。もちろん[nZk]として予定されている楽曲制作もありますし、それを楽しんでやっていきたいです。あとは、なんだかんだ次の年は[nZk]が10年になるので。

――そういう意味では今年も澤野さんの名前が様々な場所で見られる1年になりそうですね。

澤野　たまに消えるときがあるかもしれませんが、「あれっ、いないぞ？」ってなったときは制作に集中していると思っていただいて、くれぐれも「あいつ消えた」とかは思わないように（笑）。今年も1つ1つ楽しんでいきたいなと思います。

抽選で1名様に澤野弘之のサイン色紙をプレゼント！

●応募期間
2023年1月20日（金）～2023年1月27日（金）23:59

●応募方法
1：リスアニ！編集部の公式アカウント（@Lis_Ani）をフォローする
2：該当ツイートをRTする

【応募に関する注意事項】
・厳正なる抽選の結果当選された方には、リスアニ！編集部公式アカウントのダイレクトメールにて後日連絡させていただきます。リスアニ！編集部公式アカウント（@Lis_Ani）のフォローをお願いします。
・プレゼントキャンペーンは予告なく変更・中止することがあります。あらかじめご了承ください。
・応募期間中にフォローを取り消された場合は、応募が無効となります。
・複数のアカウントで応募された場合は、1アカウントのみ有効となります。
・Twitterアカウントを非公開にしている場合は、応募対象外となります。
・落選者へのご連絡はございませんのでご了承ください。
・当選結果に関してのお問い合わせにはお答えすることはできません。
・応募は日本国内にお住まいの方に限らせていただきます。
・賞品および当選の権利は当選者本人のものとし、第三者への譲渡・転売することは一切禁止させていただきます。譲渡・転売が発覚した場合、当選を取り消し賞品をお返しいただく場合があります。
・賞品の不具合、破損に関する責任は一切負いかねます。

【個人情報の取り扱いについて】
・お客様からいただいた個人情報は、当キャンペーン当選者へのお問い合わせのために利用いたします。なお、個人情報を当該業務の委託に必要な委託先に提供する場合や関係法令により求められた場合を除き、お客様の事前の承諾なく第三者に提供することはありません。上記をご承諾くださる方のみご応募ください。

●リリース情報
『V』
発売中

【初回生産限定盤（CD+Blu-ray）】

品番：VVCL 2166-7
価格：￥5,170（税込）

【通常盤（CD）】

品番：VVCL 2168
価格：￥3,520（税込）

＜CD＞
01. IiIiI
02. FAKEit by SawanoHiroyuki[nZk]:Laco
03. LEMONADE by SawanoHiroyuki[nZk]:XAI
04. B∀LK by SawanoHiroyuki[nZk]:suis (from ヨルシカ)
05. 7th String by SawanoHiroyuki[nZk]:ReN
06. OUTSIDERS by SawanoHiroyuki[nZk]:河野純喜&與那城奨 (JO1)
07. Hands Up to the Sky by SawanoHiroyuki[nZk]:Laco
08. LilaS by SawanoHiroyuki[nZk]:Honoka Takahashi
09. Avid by SawanoHiroyuki[nZk]:mizuki
10. COLORs by SawanoHiroyuki[nZk]:Hata Motohiro
11. 地球という名の都 by SawanoHiroyuki[nZk]:ASKA
12. V

＜Blu-ray＞
2022.3.13 澤野弘之 LIVE [nZk]007@東京国際フォーラムホールA
NEXUS (Vo. Laco)
THE ANSWER (Vo. Laco)
Hands Up to the Sky (Vo. Laco)
Möbius (Vo. mpi & Laco & Benjamin)
Gallant Ones (Vo. Benjamin & mpi)
TRACER (Vo. Benjamin)
Next of Kin (Vo. Benjamin)
God of ink (Vo. mpi)
Call your name (Vo. mpi)
Avid (Vo. mizuki)
火の鳥 (Vo. mizuki)
＆Z (Vo. mizuki)
time (Vo. ReoNa)
Into the Sky (Vo. ReoNa)
BEEP (Vo. SennaRin)
証〜 dust (Vo. SennaRin)
melt (Vo. SennaRin)
PIANO solo