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INTERVIEW

2023.01.18

藍井エイル、久々のオリジナルアルバム『KALEIDOSCOPE』リリース!“万華鏡”のような多彩で色鮮やかな本作に迫る

藍井エイル、久々のオリジナルアルバム『KALEIDOSCOPE』リリース!“万華鏡”のような多彩で色鮮やかな本作に迫る

藍井エイルが1月11日にリリースしたニューアルバム『KALEIDOSCOPE』は、そのタイトルが示す通り、まさに「万華鏡(=カレイドスコープ)」のように多彩で色鮮やかな作品に仕上がった。「月を追う真夜中」「星が降るユメ」「I will…」「鼓動」「アトック」「PHOENIX PRAYER」「HELLO HELLO HELLO」「心臓」のTVアニメ主題歌シングル8曲に加え、須田景凪やCö shu Nieの中村未来らが提供した新曲を収録。楽曲ごとに様々な表情と表現を見せる彼女が、久々のオリジナルアルバムに込めた想いと新たな挑戦にインタビューで迫る!

INTERVIEW & TEXT BY 北野 創(リスアニ!)

新作のテーマは「万華鏡」と「不思議の国のアリス」

――今作『KALEIDOSCOPE』は、約4年ぶりのニューアルバムになりますね。

藍井エイル 前作のアルバム『FRAGMENT』から期間が空いたこともあって、収録するべきシングル曲がたくさん溜まっていたので、気づいたらベストアルバムみたいになってしまいました(笑)。

――『FRAGMENT』は自然体のエイルさんが投影されたような作品でしたが、今作はビジュアルやデザイン周りを含め世界観がしっかり作り込まれている印象を受けました。

藍井 今回はベストアルバム(『BEST -E-』『BEST -A-』)のときと同じアートディレクターさんに入っていただいたのですが、その方に「不思議の国のアリス」をモチーフにして、万華鏡の世界をアリスとして旅していく、というテーマを提案していただいて、そこからアルバム全体のコンセプトを組み立てていきました。この間に開催した横浜アリーナでのワンマンライブ(2022年11月13日に行われた“Eir Aoi 10th Anniversary LIVE 2022 ~KALEIDOSCOPE~ History of 2011-2022”/リンク→https://www.lisani.jp/0000215370/)も、アルバムのコンセプトに合わせて演出を考えたので、ライブが今回のアルバムの伏線にもなっていたんです。

――今作は「完全生産限定盤」「初回生産限定盤A」「初回生産限定盤B」「通常盤」の4種類がリリースされますが、それぞれジャケットのデザインが違っていて、エイルさんもジャケットごとに違った衣装を着ています。

藍井 今回は「不思議の国のアリス」に登場するキャラクターをモチーフにした格好をしています。「通常盤」がマッドハッター、緑のドレスを着ているのがハートの女王(「初回生産限定盤A」)、花柄の服でおでこを出しているのがアリス(「完全生産限定盤」)、ピンクの衣装がチェシャ猫をイメージしています(「初回生産限定盤B」)。ほかにもおでこを出していたり、「こんな服、この世に存在するの?」というくらいすごい衣装を着たり(笑)、新鮮な撮影になったので、皆さんにはぜひアルバムを手に取って確かめてほしいです。

――エイルさん自身、新しいことに挑戦したい気持ちがあったのですか?

藍井 最初は私も今までの自分のイメージとは違い過ぎていたので、「大丈夫かな?」と思ったんですよ。だけど実際に撮影してみるとしっくりきて。それに私の2022年の活動自体も新しいチャレンジが多かったので、それらの楽曲たちが収録されるアルバムという意味では、ピッタリのジャケットになりました。

――確かに『FRAGMENT』以降のシングルでは常に新しいことにチャレンジしてきた印象があります。

藍井 本当に挑戦が多い期間でした。もちろんアルバム用の新曲でも、今までご一緒したことのない方に楽曲制作をお願いしたり、アルバム全体で「万華鏡」を感じられるように、ほかの収録曲とは被らない楽曲を作りました。

――ビジュアルだけでなく楽曲ごとに色んな表情のエイルさんを見ることができる、まさに「カレイドスコープ(=万華鏡)」のような作品になっているわけですね

藍井 まさにそうだと思います。

負けられない想いがここに!新たな「SAO」タイアップ曲

――ここからはアルバム初出の新曲を中心にお話を聞いていきます。1曲目のインスト曲「Kaleidoscope」は、先日の横アリ公演のオープニングでも流れていた曲ですよね。

藍井 そうです!前作の『FRAGMENT』は日常を感じさせる作品にしたかったので、SEはなしにしたのですが、今回はSEから始まって世界観に入り込むものにしたかったので、ライブのオープニングと同じ楽曲を収録しました。ライブに来てくださった方は、このアルバムでまた“KALEIDOSCOPE”の世界に迷い込むような繋がりを感じてもらえたら嬉しいです。

――そして2曲目に「心臓」、3曲目に「星が降るユメ」とエモーショナルなシングル曲が続き、4曲目が横アリ公演でも披露された新曲「ANSWER」。アプリゲーム「ソードアート・オンライン ヴァリアント・ショウダウン」の主題歌です。

藍井 この曲は、エイルバンドのギタリストの篤志さんに作っていただきました。篤志さんは「藍井エイルに休憩を与えない」という呪いにかかっているみたいで(笑)、これまでの楽曲で言うと「グローアップ」みたいにゴリゴリな楽曲を作るのが得意なんです。この曲もバキバキだし、最初に聴いたときはサビの転調部分が慣れない聴き心地で「あれ?」と思ったのですが、慣れるとその違和感がクセになっていきました。ただ、最初は歌うのも大変で、実はレコーディングしたのが1年以上前のことなのですが、ちょっと叫ぶような歌い方をしてしまって、次の日に喉が枯れてしまうことがありました。

――すごく熱い曲ですものね。特にラスサビ前の歌声の気持ちの入り方がすごくて。

藍井 “切り裂いてみせる”の辺りですよね。この部分はあえて少しがなるように歌ったのですが、それを本Recでやりすぎて、喉が枯れてしまったんです。でも、私は元々レコーディングのとき、わざと喉を犠牲にしながら歌うことが多いんですよ。ライブの場合は喉の負担を考えてもう少しきれいに歌っているのですが、レコーディングではあえて負担をかけて歌うことが多くて。

――それは音源として残すにあたって、より熱量のあるテイクにしたいということですか?

藍井 そうです。(音源の場合は)どうしてもフィルターを通して届くものになるので、少しでもエモーショナルさが伝わればと思って、代わりに自分の喉を犠牲にしています(笑)。

――ライブと音源では歌い方のアプローチを変えているんですね。

藍井 はい。ライブは1日で何十曲も歌わなくてはいけないので。レコーディング音源でしか感じられないものと、ライブでしか感じられないもの、それぞれ分けて聴いてもらえると楽しみ方が増えると思います。

――それぞれに別々の良さがあると。

藍井 なので、私のレコーディング音源での歌い方をカラオケでマネしないでほしいなと思います。本当に喉を傷めてしまうので(苦笑)。歌ってもらえるとしたら、喉を痛めないように、ご自身を労わっていただければと思います!

――歌詞も篤志さんが書かれていますが、どんな印象を受けましたか?

藍井 『SAO(ソードアート・オンライン)』の世界観にすごく合っていると思いました。最初の“これ以上は 差し出すものは無い”から、どのキャラクターにも合う内容ですし、きっと負けられない人には刺さる曲だと思います。私もこの曲を聴きながらFPSをやりたいですもん(笑)。この曲を聴いたあとならエイム(※敵に照準を合わせること)が良くなる気がする!

――アハハ(笑)。でも、実際に「負けられない気持ち」や「譲れない想い」があるという意味では、もしかするとエイルさんご自身の心情とも重なる部分があるのかなと思って。

藍井 そうですね。私の場合、ライブやテレビの生放送みたいに、自分の都合で延期ができないもの、言い方を変えると「逃げられないもの」に立ち向かわなくてはいけない状況に似ています。私、そういう日が近づくと、いつも緊張で逃げ出したくなるんですよ。でも、それをやり終えたあとの爽快感がたまらなくて、やっぱりこれが生き甲斐だなと思うし、そこからまた期間が空くと「ライブ、恐いよ~」って毎日震えていることを何度も繰り返していて(苦笑)。「ANSWER」の歌詞は、そのライブや生放送の当日になったときの心境と似ていますね。「もう逃げられないし、行かなくてはいけない!」っていう気持ち。

――ある種、自分を追い込んで奮い立たせるような。

藍井 そうですね。「ANSWER」は自分を追い込まなくてはならなくなったときにピッタリだと思うので、試験勉強や何かしらの締め切りに追われている方にもお薦めの曲です。

次ページ:須田景凪提供の新曲「ロゼ」に映る、素直になれない一面

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