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INTERVIEW

2023.01.11

angela、TVアニメ『最強陰陽師の異世界転生記』オープニングテーマで王道回帰!20周年記念の岡山凱旋ライブについても語る

angela、TVアニメ『最強陰陽師の異世界転生記』オープニングテーマで王道回帰!20周年記念の岡山凱旋ライブについても語る

1月11日にリリースされたangelaの32枚目のシングル「RECONNECTION」はTVアニメ『最強陰陽師の異世界転生記』のオープニングテーマだ。これまで様々なアニソンを手がけてきたangelaは、デビュー20周年に向かう年の最初に発表するこの楽曲で“王道回帰”を果たした。作品に込めた思いや自身との重なり、そしてCDという媒体への思いが乗ったボーナストラックを含むこの作品はメディアとしてマストバイな1枚になりそうだ。発表になったばかりの20周年記念ライブへの想いと共にお届けする。

TEXT BY 日詰明嘉

angelaが『RECONNECTION』で“王道回帰”にこだわる理由とは!?

――まずはTVアニメ『最強陰陽師の異世界転生記』という作品の第一印象をお聞かせください。

atsuko タイトルを読んだときには、「元・陰陽師が異世界に転生して無双するお話なのかな?」と想像をしていたのですが、原作やアニメのシナリオを読むとそうではなかったんです。実際には、主人公のセイカ・ランプローグが前世の陰陽師時代に強すぎるがゆえに裏切りに遭い、転生した世界では自分が矢面に立たないよう、周りのみんなをサポートする生き方をするお話でした。それがまた現代的だなと思いましたし、私自身もボーカリストとして表に立つのですが、裏方気質が本当はあるので、その生き方に共感して曲を書いていこうと思いました。

KATSU セイカは周りの女性キャラクターたちを引き立て活躍させるプロデューサーなんですよね。それを意図的にやっていこうとする面白さに惹かれました。あとは、次の展開が気になるワクワクする作品という印象を受けましたね。そこで僕らもデビュー20周年を迎えるということもあり、改めて水木一郎さんたちが歌われてきた王道のアニソンを表現しようという思いを強く意識し、デビュー曲の「明日へのbrilliant road」のような世界観をぶつけてみようと考えました。

atsuko これまで様々なアニメの主題歌を担当させていただいてきましたが、自分の声質は疾走感のあるマイナー調の楽曲が合うという実感があります。そこにこうしたバトル系作品のお話をいただいたので、私も王道でいこうと思いました。意識したのはできるだけシンプルに削ぎ落とすこと。キャリアを重ねていくと、つい「私たちって、こんなこともできるんだよ」と、小難しくなりがちなんです。それよりも、一度聴いたら覚えられるくらいの王道に回帰した楽曲にしていきたい。これは近年ずっと思っていたことでした。

KATSU かつて昭和の頃の王道アニソンは3分半程度でしたが、そこから1990年代に入るとユーロビートの影響などからイントロが長くなり、僕らの世代では総尺5分程度が基準となりました。ですが、最近はサブスクの影響もあり、落ち着いたバラードでも4分程度の長さになっています。この長さを1つの基準として目一杯、詰め込んでみようと考えてました。実際に作ってみると、意外と短過ぎる感じもなく、それも僕らにとっては新たな発見でした。

atsuko 例えば2コーラス目が終わったあとの間奏、いわゆるDメロではそれまでとはまったく違う新しいメロディを使うことが多かったのですが、この曲ではAメロ・Bメロで使われたフレーズの展開形を使っています。新たな世界観を示すよりも、耳に覚えのあるメロディから変化していくようにして、聴いている方に安心感を与えるとともに世界観の展開を見せていく作りになっています。これが最近のangelaのブームなんです。先日、田中公平さんとお話する機会に恵まれ、このことを言ったところ、まさに田中さんも同じことをおっしゃっていて、嬉しくなりましたね。

――音作りでこだわった点を伺えればと思います。

KATSU 和のテイストを入れる考えは当初からあったのですが、メロディを作ったあと、atsukoさんから読経のような要素を入れたいというアイデアが出まして、頭を悩ませました(笑)。そこでYouTubeで読経について探してみたところ、色々なお寺の住職さんが読んでいらっしゃる動画が見つかりまして、それがまたかっこ良いんです。エコーが掛かって、木魚は4つ打ちで、これはある種のトランスミュージックですね(笑)。ただ、般若心経を採り入れると作品として遠いところにいってしまいます。そこでatsukoさんが「陰陽師といえば……」、と考えたのが“五行思想”でした。

atsuko万物は木火土金水から成り立ち、お互いに作用しあっているという思想です。この文言を知り合いのロックボーカリストに唱えてもらい、KATSUさんの声も重ねているのが冒頭の部分です。挑戦ではありましたが、ここでちょっとおどろおどろしい感じを表現できました。

次ページ:これが最後の“シングルCD”になるかもという危機感

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