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2022.12.24

挑戦も盛り込んだコンセプチュアルな、1年ぶりのワンマンライブ!“NANAKA SUWA 3rd LIVE~Give Me Fine Emotion!!~”夜の部レポート

挑戦も盛り込んだコンセプチュアルな、1年ぶりのワンマンライブ!“NANAKA SUWA 3rd LIVE~Give Me Fine Emotion!!~”夜の部レポート

ミニアルバムの制作も発表! 次へと繋がる期待あふれる後半戦に

そんな裏話も飛び出したMCを挟み、ライブは後半戦へ。引き続き松坂のピアノ伴奏とともに、その松坂の思い入れが深い曲と直前のMCで紹介された「Lilac」から。ハイテンポで盛り上がる原曲をピアノバージョンにすることで、勢い任せにせずに曲を届けるという挑戦を込めたこの位置での披露だったのだろうか。左右に肩を揺らしてリラックスしながらも、サビ前はピアノとうまく息を合わせて歌唱していくと、続く「ショコラ フレーズ」からはややせつなめなゾーンへ。ピアノ伴奏のみで歌われることで、サビのメロディのキュンとする感じがより色濃く現出してくる。また、アカペラで始まった大サビにピアノがぐわっと入ってくることで、明確に盛り上がりポイントを提示するようなみせかたも。そして曲明けにはスピード感のあるピアノ演奏を挟み、「ノスタルジック・キネマ」へ。直前の盛り上がりをまた違った色合いで引き継いだこの曲では、諏訪の歌声もややシリアスめに。サビ終盤の息の抜き具合など、前半とはまた違ったドキッとする感じを覚える、巧みなボーカルワークをもって聴かせてくれた。

ここで松坂は降壇。諏訪がステージ中央にスタンドマイクを据えて、せつなく入って一気に開けるナンバー「Merlot Tears」からライブは終盤戦へ。観客もややハードなサウンドに呼応して、Aメロからクラップを起こしたりピンと張った歌声の発信源へとパープルのペンライトを伸ばして、終盤に向けて盛り上げていく。また、引き続きスタンドマイクを用いてのハイスピードなナンバー「My prologue」では、サビの締めなどでは振付も用いながら、この曲でも艶っぽさを醸し出すアプローチで歌い踊っていく諏訪。サビのラストのダンスもとてもよく整理された、綺麗なものだった。そして曲締めでスタンドマイクに手をやると、そのまま力強いロックナンバー「Strawberry Egoist」へ。冒頭のフレーズに呼応して、客席は真っ赤に染まる。力強く歌いながらも、サビのラストのフレーズでは振り付けや息の抜き方に、またも色っぽさが。Dメロのコール・アンド・レスポンスになる部分でも、ドキッとする息の抜き方を込めつつ、上手く魅せていった。

さて、あっという間にライブも終盤。この日唯一の単独MCパートで諏訪は、今日の挑戦の詰まったセットリストを、自分自身で決めたことを明かす。さらに続けて、2023年春発売予定のミニアルバムの制作決定を発表。レコーディングは既に始まっているとのことで、「トリッキーな曲がある」との予告も含めて期待が高まる。そして「また皆さんに、(2023年に)新曲を届けられると思います」とさらなる活動への期待も持たせると、本編ラストナンバーとして最新シングル「Fine Days」を披露。パステルカラーに照らされた諏訪が、その明るい世界の中からポップなナンバーを歌っていく光景は、クライマックスにふさわしい輝かしいもの。曲中では再びお立ち台に登ってファンと視線を交わしながらの歌唱で、本編を締めくくった。

曲が終わって諏訪が降壇したあと、すぐさまアンコールを求めるクラップが場内に響き渡り、「Wonderland!!」のイントロとともに諏訪が再登場。キュートにステップを踏んでダンスを魅せながらのステージを展開することで、アンコールでは“挑戦”や“新しさ”続きだった本編とは違って、これまで大事にしてきたものや、そこから生ずる魅力を提示するような場に切り替えたような印象を受ける。Dメロではこの光景に合うように、この日一番の晴れやかな表情で歌唱。歌詞とリンクした希望を感じさせるステージは、改めて彼女について行きたくなるようなものだ。

「1stライブでは1曲目だったこの曲を、今回はアンコールに……」といたずらっぽく種明かしをすると、この日の本当のラストナンバーとして、ライブのタイトルチューン「Give Me Emotion!!」の披露へ。イントロのセリフにマッチする振付のキュートさがハートを撃ち抜き、ノリノリのサウンドが一気にオーディエンスのボルテージを引き上げる。そのサウンドに乗って諏訪も間奏でぴょんぴょん跳ね、Dメロから大サビまでの歌声にぐっと感情を込めていき、この曲もライブ中の楽しさはもちろん、声出しOKのライブを楽しみにさせてくれた1曲に! そんな曲を通じて次への可能性も感じさせながら、3rdライブは幕を下ろしたのだった。

久方ぶりのワンマンライブでありながら、クリスマス間近という公演時期を反映したり自身で組んだセットリストを通じた新たな挑戦等を盛り込んだ点から、コンセプトライブのようでもあった今回の公演。この経験を糧に、ソロアーティストとしての彼女の表現がどのように膨らんでいくのか。そして声出しOKの公演と噛み合ったときに、それがどう発揮されるのか。その日が来るのが、楽しみでならない。

“NANAKA SUWA 3rd LIVE~Give Me Fine Emotion!!~”夜公演
2022.12.03@山野ホール
【SET LIST】
M01. 記憶ファンタジック
M02. Holy holiday
M03. 溶けるみたい
M04. 揺れてみたい
M05. ふれてみたい
M06. Winter Bells(倉木麻衣)★Cover
M07. DATE ALAMODE
M08. So Sweet
M09. Lilac
M10. ショコラ フレーズ
M11. ノスタルジック・キネマ
M12. Merlot Tears
M13. My prologue
M14. Strawberry Egoist
M15. Fine Days
EN1. Wonderland!!
EN2. Give Me Emotion!!

関連リンク

諏訪ななか日本コロムビア公式サイト
https://columbia.jp/suwananaka/

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