――あと、ぬゆりさんが今回のアルバムでセルフカバーした「ロウワー」は、「プロセカ」のニーゴこと25時、ナイトコードで。に提供した楽曲ですが、須田さんもニーゴに「ノマド」という楽曲を書き下ろしていて。せっかくなのでそれぞれどんなイメージで制作したのかを聞いてみたいです。
ぬゆり 「ロウワー」はシナリオの内容を意識したうえで、仲間の中の1人が絶望してしまったけど、それを周りのみんなが理解して元の形に繋がっていく、というイメージで書かせていただきました。そのテーマは「心眼」にも少し通じるところがあって、「絶望だけではないけど、絶望もたしかにある」という感じが、自分が当時書きたかったものとすごくマッチしていたんです。それもあってお引き受けさせていただいた経緯があります。
須田 自分が担当させていただいたのは、東雲絵名(CV:鈴木みのり)ちゃんというキャラクターがメインで描かれるシナリオだったのですが、彼女は絵を描く人で、そこにある種の挫折も感じている子だったんですね。その気持ちはモノを作る人ならば必ずぶち当たる壁なので、自分にとっても本当に痛いほど理解できるテーマで。だからシナリオを読んで曲を書きたいと思いましたし、自分が書くならば、ただ「悲しいけれど頑張っていこう!」というものではなくて、あくまで自分が書く意味があるものにしたくて。もちろん頑張っていきたい想いはあるんだけど、誰もわかってくれなくてめちゃくちゃ辛いときもあるし、そういう記録を残しておきたい。それを音楽で表現したのが「ノマド」です。
――「プロセカ」への楽曲提供は、ある種、キャラクターソングを書き下ろすという側面もあると思うのですが、それは作品のタイアップ曲を制作するのとはまた別の感覚や気づき、新鮮さがあったりするのでしょうか?
須田 自分は東雲絵名ちゃんというキャラクターにフォーカスして楽曲を書きましたけど、いまだに「プロセカ」のことを耳にすると「絵名ちゃんはあれからどうしてるんだろう?」って思いますし(笑)、普通に感情移入はしちゃっていますよね。
ぬゆり 自分もテーマをいただいたときから、ものすごく共感できたんです。だからキャラソンではあるんですけど、「このキャラはどんな悩みを抱えていて、それに対してどんな歌詞を書くべきなんだろう?」みたいな悩みはあまりなくて。本当にスルッと書けたんですよね。
須田 わかる。自分を投影しながら曲を書けたよね。
ぬゆり そうそう。なので普段の楽曲とのギャップも多少はありますけど、そこまでそれを感じることなく書けましたし、自分の楽曲をちゃんと聴いていただいたうえでオファーしてくださったことをすごく感じました。
――それは「プロセカ」の楽曲全般に言えることかもしれないですね。ちなみにお二人は、アーティストとしての活動とボカロ楽曲の発表を並行して行っていますが、自分の中でそれぞれのクリエイティブの違いをどのように考えていますか?
須田 自分がボカロで楽曲を作る場合は、ボーカロイドカルチャーの入り口が「歌ってみた」だったこともあって、誰かに歌ってもらったり、踊りや演奏といった二次創作のところまでを見据えて楽曲を制作することが多いんです。なので平たく表現すると、誰が歌ってもかっこよくなるということを一番大事にしています。須田景凪という自分の名義に関しては、より自分の感情やパーソナルな部分をわかりやすく気持ちとして載せたいと思っていて。そこは名義を分けないと、自分の中で混乱してしまうので、別のものとしてやっています。
ぬゆり なるほど、めちゃくちゃ納得してしまった(笑)。僕はもっと感覚的に捉えていて、今回のアルバムにしても、とりあえず楽曲を作るときは、仮歌も兼ねてボカロで全部打ち込んでしまうので、ボカロの楽曲としても完成できる形になっているんです。で、それを聴いたときに、「これはもう一段階進化できる気がする」と直感的に思ったものに対して、そこで初めて「じゃあこの曲は誰かに歌ってもらったほうがいいかも」と考えるんです。
――須田さんとは違って、楽曲を作っている段階では、それがボカロの楽曲なのかLanndoの楽曲なのかは意識していないと。
ぬゆり でも、それは今、須田さんが話したことと一緒で、ボカロ曲として完成したときにかっこいいなと感じるものは、最終的に誰が歌ってもかっこいい形になった楽曲で、そうじゃないものは、さらに伝えたいこと、表現したい幅がある曲なんだなって、今お話を聞きながら思いました。
――面白いですね。その意味では両方の活動を行っていく意味も意義もあるし、それぞれが相互に良い影響を与えあっているような気がします。
須田 自分は結果として良い影響があることを強く感じていて。わかりやすく説明すると、昔にバルーン名義で「レディーレ」という曲を書いたんですけど、そこからしばらくはずっと須田景凪という名義だけで曲を作っていたんですね。というのも、自分は同時に色んなことをできない性質なので、一度須田景凪の名義を集中してやるようにしていたんです。で、自分のアルバム制作が落ち着いたときに、久しぶりに「パメラ」という曲を(バルーン名義で)書いたんですけど、そこでいざボカロと向き合ったときに、過去の自分とは全然違うものが出てきたんです。そのとき、両方で活動する意味があることを改めて感じましたね。
ぬゆり 僕は出来上がった楽曲に対して、ボカロか人間が歌うかを都度考えていくタイプなので、相互の影響という意味では、両方が溶け合いすぎていて、あまり実感はないかもしれないです。でも、今回のアルバムが完成して改めて、人に歌ってもらうことで完成度や伝えたいものが変わることに気付いたので、次にボーカロイドの楽曲を作るときは、どうアプローチするべきかを考えながら作ってみたい気持ちがあります。
須田 アルバムを作ったことで、クリエイティブの幅もすごく広がっただろうしね。
ぬゆり そう。自分で言うのもあれですけど、次が楽しみです(笑)。
INTERVIEW & TEXT BY 北野 創(リスアニ!)
【Lanndo 1stアルバム『ULTRAPANIC』レビュー】
一癖も二癖もある作り手たちが集い、独創的な音楽の坩堝となっているボカロシーンにおいて、ひと際中毒性の高い、仄暗くもアッパーな作風で名を上げてきたぬゆり。2019年より始動させたLanndo名義においては、当初は自らボーカルを取ることで繊細な色味を深めていたが、2021年2月に発表した「vivid a」(今回のアルバムには未収録)でbis(びす)を迎えたのを皮切りに、楽曲ごとにゲストボーカルを迎えるスタイルにシフトチェンジ。それら「様々な歌声とのコラボレーション」の成果であり、「できるだけ人の力を借りて作る」というLanndoというプロジェクト自体の集大成とも言える作品が、今回の1stアルバム『ULTRAPANIC』だろう。
Eveとsuis(ヨルシカ)というトップランナー2人が歌う「宇宙の季節」の、寄る辺ない感情を群青色の宇宙へと放つような美しくもエモーショナルな質感は、それまでのぬゆり楽曲にはないスケール感が感じられるし、その奥行きの深さは須田景凪を迎えた激情的なバラード「冬海」にも確実に息づいている。その一方で、七滝今を迎えたアグレッシブなピアノロック「クレイ」は従来のぬゆりらしさを感じさせつつ、外部ミュージシャンによる生演奏が圧倒的な熱気を上乗せ(ぬゆりが影響を受けたという東京事変の如きテクニカルな爽快感も得られる)。ACAね(ずっと真夜中でいいのに。)とのデュエット曲「青く青く光る」の前のめりなグルーヴ感も特筆に値するし、Reolが艶味と凄みを使い分ける「仇なす光」も含め、ぬゆり名義の代表曲の1つ「命ばっかり」(2017年)からの延長線上にある表現にも感じられる。
インタビューで触れている通り、かつてないポジティブさに満ちた晴れやかなロックチューン「さいはて」の存在が象徴しているのは、新しいことへの挑戦心。この曲ではキタニタツヤに歌を託しているが、歌詞にある“潜む後悔を隠して遠くまで行ってみたい”というフレーズは、きっと今のぬゆりが心から感じていることなのだと思う。
TEXT BY 北野 創(リスアニ!)
●応募期間
2022年12月7日(水)~2022年12月14日(水)23:59
●応募方法
1:リスアニ!編集部の公式アカウント(@Lis_Ani)をフォローする
2:該当ツイートをRTする
【応募に関する注意事項】
・厳正なる抽選の結果当選された方には、リスアニ!編集部公式アカウントのダイレクトメールにて後日連絡させていただきます。リスアニ!編集部公式アカウント(@Lis_Ani)のフォローをお願いします。
・プレゼントキャンペーンは予告なく変更・中止することがあります。あらかじめご了承ください。
・応募期間中にフォローを取り消された場合は、応募が無効となります。
・複数のアカウントで応募された場合は、1アカウントのみ有効となります。
・Twitterアカウントを非公開にしている場合は、応募対象外となります。
・落選者へのご連絡はございませんのでご了承ください。
・当選結果に関してのお問い合わせにはお答えすることはできません。
・応募は日本国内にお住まいの方に限らせていただきます。
・賞品および当選の権利は当選者本人のものとし、第三者への譲渡・転売することは一切禁止させていただきます。譲渡・転売が発覚した場合、当選を取り消し賞品をお返しいただく場合があります。
・賞品の不具合、破損に関する責任は一切負いかねます。
【個人情報の取り扱いについて】
・お客様からいただいた個人情報は、当キャンペーン当選者へのお問い合わせのために利用いたします。なお、個人情報を当該業務の委託に必要な委託先に提供する場合や関係法令により求められた場合を除き、お客様の事前の承諾なく第三者に提供することはありません。上記をご承諾くださる方のみご応募ください。
●リリース情報
Lanndo 1st アルバム
『ULTRAPANIC』
2022年12月7日(水)発売

価格:¥3,300(税込)
品番:AZCS-1110
発売元:FAVES
01. インクルージョン feat. びす
02. クレイ feat. 七滝今
03. 心眼 feat. 須田景凪
04. 実行中毒 feat. びす
05. 全部 feat. びす
06. トーキョーハウンドfeat. 七滝今
07. 青く青く光る feat. ACAね(ずっと真夜中でいいのに。),ぬゆり
08. 仇なす光 feat. Reol
09. 冬海feat. 須田景凪
10. 宇宙の季節 feat. Eve,suis(fromヨルシカ)
11. さいはて feat. キタニタツヤ
12. ロウワー feat. ぬゆり
「ULTRAPANIC」スペシャルサイトはこちら
■Lanndo
公式サイト
https://www.toysfactory.co.jp/artist/lanndo
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