2022年、アルバムやシングルのリリース、ライブ活動やメディアへの露出で、コロナ禍で失った時間を取り戻すかのように1年を駆け抜けたClariS。その締め括りとして、12月7日にミニアルバム『WINTER TRACKS ―冬のうた―』がリリースされた。冬の名曲の数々をカバーしたこの1枚には、クララとカレンによる意外な選曲も!?12月16日・17日に開催されるコンサートや、待望の“リスアニ!LIVE 2023”への意気込みも語ってもらった。
INTERVIEW BY 冨田明宏
TEXT BY 金子光晴
――2022年はまるでコロナ禍で失った時間を一気に取り戻そうとするかのように、アルバム『Parfaitone』、ホールコンサートの2公演、有観客でのFCイベント、TV出演、特番放送、シングル「ALIVE」「Masquerade」、そしてこの冬にもコンサートと、大変充実した1年だったと思いますが、振り返っていかがですか?
クララ コロナ禍の不安でどうにもできない時期を乗り越えて、今年は本当に充実していましたね。仮面を外して一気に幅が広がった気がします。ClariSとしても成長できましたし、今年12周年ですが、これだけやってきてもまだ初めてのことにチャレンジさせていただけるのはありがたいことだなって感じてます。
カレン 仮面を外してから活動の幅を広げていきたいと言っていて、それを少しだけ有言実行できた1年だったと思っています。今年は自分たちの力よりも周りの方々にチャンスをいただけたと思っているので、今年だけで満足しないように、より来年に繋げていけるような活動にしていきたいです。
――そんな素晴らしい1年を、カバーミニアルバムの『WINTER TRACKS ―冬のうた―』で締め括ることになります。今まで『SPRING TRACKS ―春のうた―』『SUMMER TRACKS ―夏のうた―』があって、今回は冬。
クララ 春夏とやってきて、いつ秋冬ができるかなってずっと思っていました。
カレン 順番的には秋かな?って思ってたよね(笑)。
クララ ちょっと秋は飛ばして(笑)。やっぱり12月にライブがあるので、今回は冬をモチーフにしました。『Parfaitone』では今までのClariSらしさから一歩踏み出して、色々な楽曲に挑戦することができたと思うので、今回も今までのClariSだったら選ばなかったような楽曲も入っています。
カレン オリジナル楽曲だと2人で感情をすり合わせたり、アニメタイアップだとアニメのことを考えて歌うのですが、こういった企画のミニアルバムはとても楽しい時間でした。私たちは北海道に住んでいて、冬を感じる時間がすごく長いということもあって、四季の中で一番親近感が湧くアルバムになったかなと思っています。
――カバー曲はどのように決めていったんですか?
クララ スタッフの方に出してもらったものと、私たちがやってみたいものから絞って、まず20数曲に候補を絞りました。
カレン それで実際にスタジオで歌ってみて選曲しました(笑)。
コーラスで40人分のClariSを堪能!?
――まず、新曲の「スノーライト」ですが、ClariSによるウィンターソングの王道という感じで、作詞もClariSの名前がありますね。
クララ 今回はライブも冬にできるということもあり、かわいらしくてみんなで盛り上がれる楽曲になっています。若干のネタバレになってしまうのですが、コンサートでコーラスの方も入れたいよねというのもあって、すごくコーラスが多いんです。コーラスを録るほうが時間がかかったくらいで……。
カレン 2人で4時間くらい(笑)。すごく大変だったんですよ。
――じゃあ多重コーラスで20ClariSくらいいる感じですね(笑)。
クララ 2人で×2なので40ClariS以上います(笑)。
カレン ライブで聴くのがきっと一番映えると思いますし、今からとても楽しみです。元々書いてくださった歌詞もすごくかわいくて、きゅんとしたのですが、せっかくクリスマスソングを歌うなら、今の私たち目線の気持ちも入れたいなというのがあって。なので作家の宮嶋(淳子)さんにご相談させていただいて、今回共作にさせていただきました。
――歌詞の部分で、自分たちの視点や想いが反映されてると思うフレーズはありますか?
クララ 2番のAの“いつも笑いあえる時間はかけがえのないプレゼント”というのはClariSらしいなと思います。
カレン 私は2Bが好きなんですよね。直接言いはしないけど、ちょっと気づいてほしいなっていう。
クララ 言葉とかじゃなくね。
カレン 君の優しさに気づいている私に気づいてよ、みたいな。
――2人の距離感みたいな。あえて距離感で表現するんじゃなくて、別の言葉で表現できているというね。
カレン すごく具体的な主人公のイメージを2人で話し合って……あっ、一方的に私が言っただけなんですけど(笑)、2人は幼なじみで、長く付き合っているからこそ相手を知りすぎて発展できないんだけど、どこか2人とも想い合っていて、きっかけを探り合っているっていう。
――少女マンガの世界ですね。
カレン 私たちを男女に置き換えたらそうなのかな?みたいな(笑)。
――そのおかげでClariSの冬の定番になりそうな曲になったと思います。さて、カバー曲の「WHITE BREATH」。T.M.Revolutionさんの代表曲の1つですし、これが入ると聞いてびっくりしました。
カレン 意外や意外、「WHITE BREATH」が一番最初に決まりました。
クララ 今までは男性ボーカルの楽曲をClariSっぽくするのは難しくて避けてきたのですが、原曲も声が高めというのもあって、すごくしっくりきました。ただ、「これはClariSじゃないよ」って言われちゃうかなという心配もあって……。でも、意外にも力強く歌えていていいかもとスタッフさんたちに言っていただけて、選びました。アレンジでテンポを少し下げて、ClariSらしさのある「WHITE BREATH」に仕上がってるじゃないかなと思います。
――ClariSらしさはすごく感じました。
カレン でも改めて歌詞を見ると男性視点の歌詞なので、これくらい積極的になりたいなと思いました(笑)。
クララ 私たちが“僕”って歌うことはほぼないよね。でもT.M.Revlolutionの西川(貴教)さんらしさは残したいという気持ちはあったので、たくさん歌も聴いて、発音の仕方は意識して歌わせていただきました。あと、録る前にMVを鑑賞して、この気持ちで歌うぞって気合いを入れましたね。あの細いマフラーをなびかせる風を感じながら(笑)。
SHARE