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INTERVIEW

2022.11.26

かと*ふくラストライブのチケットがいよいよ発売!ライブへの思いとこれまでの軌跡を加藤英美里と福原香織に聞く

かと*ふくラストライブのチケットがいよいよ発売!ライブへの思いとこれまでの軌跡を加藤英美里と福原香織に聞く

加藤英美里福原香織、『らき☆すた』で双子の姉妹を演じた2人が、その後のバラエティ番組での共演をきっかけに結成した声優ユニット・かと*ふく。精力的に音源をリリースし、ライブやイベント出演でも軽やかに鮮烈な印象を残しながら、惜しまれつつ活動を終えたそのユニットが再始動&2023年1月にラストライブを開催する。ラストライブに向けて、これまでの日々を振り返ると同時に、現在の意気込みを語ってもらった。

INTERVIEW & TEXT BY 前田 久 PHOTOGRAPHY BY 三橋優美子

――6年ぶりの復活&ラストライブについての取材するにあたって改めて聴き返したのですが、かと*ふくのアルバム、今聴いてもすごくいいですね。特に3rdアルバム『Wonder Tale~スマイルとハピネスと不思議な本~』は、Elements GardenとRUCCAが全面的に参加した楽曲がバラエティに富み、お2人の歌唱の幅も広く、寸劇での演技も多彩で、それでいて全体を貫くイメージがしっかりしているコンセプトアルバムの傑作だと思います。

加藤英美里 3rdアルバムを作るときには、avexのビルに集まってしっかりと会議をしたのを覚えています。曲を作っていただくみなさんと、私たちと、かと*ふくチームのスタッフさんたちで集まって、アルバム全体のコンセプトや楽曲のイメージを詰めていったんです。いただいた曲を歌うのではなく、私たちも関わってイチから作ることにこだわっていました。「ケルト音楽っぽい曲を入れましょう」とか、そういう具体的な発注を私たち自身から提案できたんですよね。それを曲を作るみなさんが、ものすごく汲んでくださって。ストーリー仕立てで曲を作ってくださったのもすごくよかったと思います。

福原香織 それまでも意見は伝えてきたけど、3rdアルバムは特にはっきりと、私たちのやりたいことが出ているよね。

加藤 1stアルバム『やぁ(^-^)/』は、ユニットが生まれるきっかけになったBSフジの番組(「アドリブアニメ研究所」)のイメージもあったし。

福原 そうだね。そもそも、結成はそんなに大ごとじゃなかったもんね。

――出会いは京都アニメーションさんの『らき☆すた』での柊かがみ・つかさ姉妹としての共演で。

福原 そうですね。そのときから仲は良かったんですけど、たまたまそんな2人が、「アドリブアニメ研究所」でまた一緒に仕事をすることになって、OP・EDも2人で歌うことになったんです。そうしたら関係者の方が「ユニット名、何にする?」って。

加藤 「アーティスト表記が『加藤英美里・福原香織』じゃ面白くないから、ユニット名を作ろうか?」みたいな、軽いノリだったよね(笑)。まさか番組が終わったあともCD発売やライブ活動が続くことになるとは、そのときは思ってなかったんです。

福原 そんな始まり方をしたこともあって、やっぱり最初のうちは、スタッフの皆さんが出してくださる「かと*ふくをこうしよう」というイメージに、私たちはただついていく感じだったんです。でもだんだんとチームが出来上がって、ディスカッションができるようなってから、2ndアルバム(『with』)、3rdアルバムと作るものが変わっていった。特にソロ曲では、それぞれの好きなテイストが溢れていますね。

加藤 1枚目はキャラソン感が強いよね。

福原 フレッシュだよね、歌い方が。

加藤 曲も、ライブで盛り上がる感じのものがギュッと集まっている感じで、2ndになると、私たちも大人になったから、ちょっと素の私たちに近いものが出ている。そして3rdになるとストーリー仕立てで、コンセプトがしっかりしたアルバムになる。ほんとにそれぞれ違う楽曲が出来ているので、ライブで歌っていても面白いよね。

福原 たしかに。

――お2人のやりとりも6年のブランクを感じさせませんが、それも含めて、かと*ふく関係者のいいチーム感って、どこから生じたものだと思いますか?

福原 「歌手としてずっと活動を続けたい」「オリコン何位を目指したい」みたいな大きな目標が、いい意味でなかったからだと思います。とにかくまず、チームとしての空気づくりを大事にしていたんですよ。「楽しくやりたい」って。

加藤 そうですね。変な言い方ですけど、ビジネスのことも考えてはいたものの、ビジネスだけのために組まれたユニットではなかったんです。「これから売り出すぞ!」みたいに気負っていなかったというか。あくまで「このチームで何か楽しいことができたらいいね」が最優先で、プロデューサーを始め、スタッフの皆さんと私たちの距離が近かった。「とっつきにくい」だとか、「言いたいことが言えない」みたいなことが活動している間に全然なくて、いい意味で友達感覚があったのが、結果的にはすごくよかったなって思っています。

福原 当時の私は今よりずっと人との関わり方が不器用だったけど、それでも私たち2人とも、私たちなりに素直にユニット活動と向き合ってきたと思うんですよ。それぞれが「私はこういうことがやりたい」って真剣に向き合って、意見を伝えてきた。そういうモノづくりの積み重ねがあったからこそ、今回の再結成でもすんなりと集まれた気がしています。普通、6年も経っているのに、あり得ないですよね。私たちにしても事務所が変わってたりするし、スタッフさんたちもそれぞれ所属している会社が変わっていたりもするなかで、当時のスタッフがほぼ全員集合しているんです。

加藤 振り付けのダンサーさんやスタイリストさんも同じ方だもんね。

福原 ラジオの構成作家さんも。

――プロデューサーの田中宏幸さんにしても、かと*ふく以降も数々の話題作を手掛けておられて。

福原 田中さん、今はすごく出世されているんですけど、かと*ふくが独特なのは、それでもやることが変わらないところですね。今日もかと*ふくの配信番組の料理コーナーで使う食材を田中さん自ら買い出しに行ってくれたんですよ(笑)。当時の関係値を引きずってるというか、あのときのままの感じ。

加藤 「今じゃ、こんな距離感で話すのはかと*ふくだけだよ」って言ってました(笑)。

福原 エラい人だからね、ホントはね(笑)。

加藤 そんな人たちが「かと*ふくだったら、ぜひ!」って、欠けることなく集まってくれるって、奇跡に近いんじゃないかと思います。しかも動き出したのは、今年の初夏、6月くらいからですからね。

――半年も経たずに。それはすごい。

福原 話が出てから今まで、とてもスムーズな流れでした。再始動のきっかけは、ファンの方からの声なんですけど、私たちも同じ思いがあったんですよね。

――どんな思いでしょう?

福原 以前のラストライブは、会場のキャパシティもあって、チケットの抽選で外れてしまった方が多かったんです。

加藤 だからずっと応援してくれていた方でも、外れた方が結構いて。

福原 最後のライブを見られなかった人も、見せてあげられなかった私たちにも心残りがあったんです。そんなファンの皆さんと、私たちと、スタッフのみんなのあいだであらためてユニットの「完了」の機会を作る。そういう目標がはっきりと最初からあったから、短い期間でもサッと形にできたのかもしれません。

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