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INTERVIEW

2022.11.16

『ゴールデンカムイ』の魅力の本質、そこに共鳴する主題歌とは? ALI、アニメ第4期OP「NEVER SAY GOODBYE」誕生秘話

『ゴールデンカムイ』の魅力の本質、そこに共鳴する主題歌とは? ALI、アニメ第4期OP「NEVER SAY GOODBYE」誕生秘話

様々な“血の通った音楽”を昇華し、比肩なきグルーヴを体現するバンド、ALI。TVアニメ『呪術廻戦』のED テーマであり、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手の入場曲としても使われた「LOST IN PARADISE feat. AKLO」を筆頭に、ワールドワイドにその音楽を響かせている。そんな彼らが、TVアニメ『ゴールデンカムイ』第4期のOPテーマとして「NEVER SAY GOODBYE feat. Mummy-D」を書き下ろした。RHYMESTERのMummy-Dを客演に迎え、「いかにして人が死ぬか」というテーマと向き合ったこの楽曲がどのように生まれ、『ゴールデンカムイ』と力強く共振するに至ったのか。バンドのボーカリストでフロントマンのLEOに語ってもらった。

INTERVIEW & TEXT BY 三宅正一

提示されたテーマに、音楽家としての人生観を重ねて

――今回、『ゴールデンカムイ』第4期OPテーマのオファーが来たときの率直な気持ちはどうでしたか?

LEO 「週刊ヤングジャンプ」の連載も毎週読んでいて、ずっと好きな作品だったので、めちゃくちゃ嬉しかったですね。『ゴールデンカムイ』は今まで日本の社会や文化がタブー視したり、積極的に触れてこなかったアイヌ文化やそのルーツにも踏み込んでいて。ALIというバンドも日本で埋もれている、あるいは報われていない音楽ジャンルを昇華してそれを世に提示するというマインドを持っているので、僕の中で勝手に『ゴールデンカムイ』と通じるものを感じてるんです。でも、『ゴールデンカムイ』のストーリーには色んな側面があるので、今回、OPテーマのオファーをいただいたときにどこを切り取って曲として描こうかは悩んだし、その戦いがありましたね。

©野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会

――そこからどのようにこの楽曲が立ち上がっていったんですか?

LEO 最初は「NEVER SAY GOODBYE」とは違う曲を(アニメ制作サイドに)提出したんです。そのもう1つの楽曲は、多幸感が強い感じで……僕の中で『ゴールデンカムイ』の第4期は起承転結の“転”に入り、物語がカオスに向かっていく段階だと思っていて。多幸感に包まれながら色んなキャラクターがカオスに向かう瞬間を曲で描こうと思ったんですね。でも、その曲は先方が求めていたものと違ったようで。そのジャッジの連絡が来たのが楽曲提出の締め切りの前日だったんです。

――相当スリリングですね。

LEO 「これはヤバいぞ」となって。今、一緒に曲を作ってる(今作の共同コンポーザーである)宮田“レフティ”リョウとスタジオに入って新たな曲を作ることになったんですけど、全然曲ができなくて。困ったな、と思っていたところに「いかにして人が死ぬか」というテーマを先方からいただいたんです。今年、僕自身にも双子が生まれたこともあって、いかにして音楽家として生きて、そして終わっていくかということをすごく考えるようになったんですね。それで、そこにグッと焦点を絞って、締め切りまで残り時間が24時間という中、生まれてきたのが「NEVER SAY GOODBYE」だったんです。

――すごい話です。この曲の生まれ方がすでにものすごくドラマティックだったんですね。

LEO 奇跡でしたね。結果、制作サイドも喜んでくれるものになってよかったです。それと今ってKing Gnuとか米津玄師さんの新曲(「KICK BACK」)もそうですけど、オルタナティブなサウンドがトレンドになってるじゃないですか。オルタナティブは僕らもド世代なので。この曲では僕らなりのオルタナティブに挑んだ実感があります。

――改めて、「NEVER SAY GOODBYE」で歌っていることは、道なき道を歩んでいるALIというバンドの生き様であり、LEOさんの音楽人生のリアルであるとも思います。

LEO ああ、そうですね。僕は10代の思春期のときに「葉隠」という武士道の本を読んでいたり、ロックスターとか三島由紀夫に憧れていて。そのときも「どうやって死ぬか」みたいなことはよく考えていたんです。

――それこそロックスターは27歳までしか生きられない、みたいな発想もあったり?

LEO そう、それもあったし、デビューできなかったら速攻死んでやろう、くらいに思っていて。

――でも、今は死ねない理由がいっぱいある。

LEO 本当にそうです。今思ってるのは「どうやったら100年後にも自分たちの音楽が残り、伝えていけるんだろう?」ということで。そのためにどうやって命を、音楽を次の世代に渡して紡いでいけるか。だからこそ、毎日1回は「もっとやれることがあったな」って反省してます。でも、振り返ると毎日必死に生きていて。そのうえで「THE FIRST TAKE」もそうですけど、今はたくさんのチャンスをいただいているので、恩返ししていかなきゃなと思ってます。妻と双子の子どもと生活する中で音楽をどうやって作っていくかという環境にも今まさに挑んでいる段階で。楽曲制作においても、今までみたいに「何かが降りてくるのを待つ」というよりは、締め切りまでに「曲を仕留める」みたいな感覚になってます。生活が落ち着いてきたらもっと違うやり方もあると思うけど、今もこれはこれでジョン・レノンみたいで面白いなと思うんですよね。

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