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INTERVIEW

2022.11.07

10年間の足跡と10年分の「ありがとう」が込められた、宝箱のような作品に。i☆Ris初のベストアルバムリリース記念インタビュー

声優とアイドルの活動を両立するハイブリッドユニット・i☆Risが、自身のデビュー10周年当日にあたる11月7日に、初のベストアルバム『10th Anniversary Best Album ~ Best i☆Rist ~』をリリース。シングル表題曲やMVの制作されたアルバム曲すべてに加え、ファンへと感謝の想いを届ける新曲「Anniversary」を収録した、まさに“Best”の名に相応しい作品となっている。今回はリリースを記念して、メンバーの山北早紀と茜屋日海夏へインタビュー。リリースを前にした率直な心境を語ってもらった。

10年間を最大限詰め込んだ、ファン必携でもあり入門編にもなるアルバム

――今回のベストアルバムの収録曲を眺めて、まずどんなことを感じられましたか?

山北早紀 素直に「こんなにリリースできたなんてすごいな」と思いますし、ベストアルバムって「売れてる人しか出せない」イメージがあるので、自分でも「おぉ……」みたいな感慨があります(笑)。自分たちが応援していたようなメジャーなアイドルさんだったらわかるんですけど、まさか自分たちがアイドルになって10年も続けられて、こんなに曲をリリースできるなんて……ちょっと他人事みたいな気分です(笑)。

茜屋日海夏 それはちょっとあるかも。私、とあるアイドルさんから昔ベストアルバムをもらったときに、それが分厚かったので「こんなに歌って踊って、すごいなぁ」と思ったんですよ。そうしたら、まさか自分たちもこんな形で出せるなんて……。

山北 しかもファン投票に至っては、この倍の倍の倍ぐらいの中から選ばれているわけだから、素直に「すごっ」って思いました。活動の全履歴だなって。

茜屋 たしかに。曲名を見ていると、本当にいろんな色の歌をうたってきたんだなぁと感じます。初期の頃はすごくかわいらしいアイドルソングも多くて、「がむしゃらだったなぁ」とか「無邪気だったなぁ」と思います。逆に近年だったらちょっと落ち着いたオトナっぽい曲も増えましたし、かっこいい曲もあって。シングル曲を眺めるだけでも、この10年間で色んな姿をみせてきたんだな……という気持ちになります。

――Disc1・2は時系列に並んでいるので、より歴史を感じやすいですよね。

茜屋 そうですね。自分たちが歳を重ねた歴史とかも考えると、すごく感慨深いです。

――いま少し話題にも出ましたが、初回限定盤のDisc3にはファン投票の上位10曲が収録されているんですよね。

茜屋 はい。1位の「ありえんほどフィーバー」はメンバーみんなも好きなので「納得の1位だなぁ」という感じですし、そのほかライブの定番曲もあれば、あまりライブでは歌っていないけど「実はこれ、人気だったんだ」という曲もあったので、色んな想いを持った方が投票してくれたんだろうなぁと思いました。

山北 しかもリリースの時期的にもまんべんなくてすごくいいバランスになったように感じますし、私が好きな曲も結構紛れ込んでいるので、「ファンの皆さんと意見一致だな」って思いました(笑)。

――例えば、どの曲が?

山北 全体的になんですけど……私も「ありえんほどフィーバー」は問答無用で好きだし、「Happy New World☆」はライブでファンの皆さんの反応を見るのが好きなんです(笑)。あとは前回のアルバム『Shall we☆Carnival』の好きソングだった「Spending」と「One kiss」が両方入っているのも嬉しいし……作詞させていただいた「5STAR☆(仮)」もランクインしていたので、ありがとうございますっていう感じですよね(笑)。

――自己紹介ソングも、ベストだからこそ入っていてほしい曲ですよね。

山北 この曲があることによって、よりオススメしやすいですよね。「メンバーのことわかんなかったら、とりあえずこの曲聴いて!」みたいに。

――逆にお二人が今回のアルバムを聴くとしたら、どんなシーンになるんでしょう?

茜屋 いつだろう……私、移動中とかにプレイリストみたいな感じでただ流すだけにするようなことがよくあるので、そういう感じかな?皆さんも通勤とか通学みたいな日常の中でそうやって聴いていただいて、「今の曲、よかったなぁ」と思ったものをきっかけに、どんどん好きな曲をみつけてもらえたら嬉しいです。

――色んなタイプの曲がありますからね。

茜屋 そうですね。きっと何かしら刺さるものがあるんじゃないかと思うので、そこから数珠繋ぎで色んな曲を聴いていってほしいです。

山北 私は曲順どおりなら、11月7日の10周年ライブが終わった後に聴きたくなるのかな?普段は自分たちで「イチから振り返ろう!」というふうにも思わないんですが、こういうターニングポイントって、いつも過ぎたあとに実感が湧いてくるから……いいライブをやって「ここから、11年目かぁ……」という気持ちになっているタイミングで、余韻に浸りながら聴くかもしれないです。

歌と言葉で感謝の想いを詰め込んだ、新曲「Anniversary」

――さて、改めてアルバム自体のお話しをお聞かせください。まずは『Best i☆Rist』というタイトルの意味について、改めてご説明いただいてもよろしいでしょうか。

山北 「i☆Rist」という言葉は、「〇〇ニスト」のような“最上級”という意味合いを込めた造語なんですよ。なのでこのタイトルには、「この1枚を聴けば、あなたもi☆Risのことをよく知っている“Best i☆Rist”になれますよ」という意味が込められているんです。

――ただ、時系列で楽曲が並べられているなかで、新曲「Anniversary」が最後ではなく1曲目に来ていたのは非常に意外でした。

山北 いいですよね。先頭にあるからこそ、その次に来るデビュー曲「Color」と今との違いがすごく感じられると思いました。

茜屋 この「Anniversary」という曲はかなりストレートに「ありがとう」を伝えている感謝の曲です。今年のツアーのなかでも、10周年ライブの開催を発表したときから「感謝の気持ちを伝えたい」とよく言っていたので、「まず最初に感謝を伝えるため」1曲目に来ているのかなと思いました。

――その新曲「Anniversary」、楽曲を初めて聴かれたときにはどんな印象を持たれましたか?

山北 歌詞もですけど、曲もスタンダードで、スーッと入ってくるような感じがしました。。

茜屋 最近ではオトナな楽曲に路線も変わっていたので、イントロを聴いたときから「昔歌っていたような曲たちを思い出させるようなサウンドだなぁ」みたいに、ちょっと懐かしさも感じました。

――A・Bメロの歌詞は、皆さんがそれぞれ書かれたファンへの手紙をもとに編纂されたものなんですよね。

山北 そうなんです。「歌詞に反映させたいので、ファンの皆さんに向けたみんな(i☆Ris)の気持ちを書いてほしい」というお話がありまして……でもそうなると、ちょっと邪心が入ってきそうになるんですよ。

――邪心ですか?

山北 はい。「こういうことを書いたら歌詞になりそうだな」っていう邪心が(笑)。なので、意識的にそういうものは抜いて書いていきました。結果的に、たぶんみんな、歌詞に使われてるの1行ずつぐらいだよね?

茜屋 うん。それを、それぞれのソロパートに当てはめていただいています。

山北 ただ私、ファンの皆さんへの想いが重いから(笑)、その手紙がめちゃめちゃ長文になっちゃっていたんですよね。歌詞もその中から一部を抜き出していますが、核になるところをしっかり拾ってまとめていただけたんじゃないかなと思っています。

茜屋 それに、その手紙をもとにした部分以外も、全体的に「ありがとう」の気持ちをありのまままっすぐ伝えてくれる歌詞なんですよ。だから「どう歌おう?」ということは、特に考えなかった気がします。

山北 たぶん、何も考えずに歌うことがいちばん正解な曲だよね。もう湧き出るから。自然と(笑)。

茜屋 あと、特に考えずに歌えたのは、先に手紙を書いていたからというのもあるかもなと思っていて。出すものは全部出したので、あとはそのままの勢いで、じゃないですけど……。

――手紙を通じて、この曲に込めたい気持ちがすでにできていたというか。

茜屋 そうですね。その感覚で歌ったから、結構サラッとレコーディングが終わったのかもしれないです。

山北 それにこの曲って、ライブでみんなの前で歌ったりして時間が経つにつれて、どんどん熟していく曲のような気もしているんですよ。今現在は録ってから時間も経っていないし、みんなの前で直接届けてもいないから、まだちょっとふわふわしているというか……。

――たしかに、ファンの前でまだ歌っていないというのは大きいかもしれませんね。

茜屋 みんなのもとに楽曲が届いて、ライブでの反応を見て、一つひとつ実感していくのかもしれません。

山北 あと、この曲はカッコ書きになっている部分もあるので、いつかライブでの声出しがOKになったらそこをみんなに歌ってほしくて。「みんなで完成させたい」という感じがします。

次ページ:もう一段階、素敵に花開かせたい!11年目を歩み始めたi☆Risとしての想い

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