リスアニ!WEB – アニメ・アニメ音楽のポータルサイト

INTERVIEW

2022.10.31

【インタビュー】TVアニメ『恋愛フロップス』OPテーマ「Love? Reason why!!」をリリース!鈴木このみインタビュー

【インタビュー】TVアニメ『恋愛フロップス』OPテーマ「Love? Reason why!!」をリリース!鈴木このみインタビュー

5thアルバム『ULTRA FLASH』のリリース、同作を引っ提げてのライブツアー、デビュー10周年記念ワンマン、そして個人事務所・株式会社115の設立と社長就任――激動のアニバーサリーイヤーをパワフルに駆け抜けている鈴木このみが、ニューシングル「Love? Reason why!!」をリリースする。TVアニメ『恋愛フロップス』のOPテーマとなる本楽曲は、Q-MHzを制作に迎えた新機軸のアッパーなラブソング。そして今の彼女の絶好調ぶりを象徴するような超ポジティブナンバーでもある。さあ、今こそこのみんに恋しちゃえよ!

ラブリーで開放的なデビュー10周年ワンマンを振り返る

――新曲の話の前に、まずは10月1日に行われたデビュー10周年記念のワンマンライブ“鈴木このみ 10th Anniversary Live ~LOVELY HOUR~”についてお聞かせください。日比谷野外大音楽堂での4年ぶりのライブはいかがでしたか?

鈴木このみ やっぱりいい会場ですよね。前回(2018年5月19日の“鈴木このみ 4th Live Tour 2018 ~Magic Hour~”ファイナル公演)は少し真面目すぎたところがあったので、もし次に野音でライブを開催するなら、もっと開放的にやりたいと思っていたんです。今回はそれを意識しながら、前にステージに立って肌で感じたことをセットリストに反映しました。

――1曲目が「Love is MY RAIL」で始まったのは、意表を突かれたのと同時に痺れました。

鈴木 夕陽の時間に合わせるのと悩んだんですけど、それはみんな想像するかなと思ったので、一発目に持ってきました。そこから続けて「This game」を歌うことで、「今日は最初から思い切りやるよ!」ということお伝えできたらと思って、結構最初から飛ばしたセトリになりました。

――それもまた開放感の表れだったと。

鈴木 ライブは結構取り繕えないところがあって。自分の本心がにじみ出てしまう瞬間がたくさんあるんですけど、お客さんの心を開くためには、自分がどんどん心を開かなくてはいけないことを、前回の野音ですごく感じて。今回は、予定になかった曲を急にバンドに振って歌ったり、来年のスケジュールを言ってしまったり、好き放題やることができたので、後悔のないライブになりました。袖にいるスタッフさんからは「大丈夫?」という視線を感じましたけど(笑)。

――鈴木さんは今や社長ですから、そこの采配も自分で決められるという(笑)。アンコールでは、その急遽披露した「DAYS of DASH」も素晴らしかったですが、ご自身が作詞した楽曲「あなたが笑えば」をアコギで弾き語りしたのも良かったです。

鈴木 ちょっと失敗しちゃいましたけど(笑)。普段のライブではエレキギターを弾くことが多いんですけど、10周年ライブなのでみんなに何かお返しをしたいと思って、今年の春頃からギターレッスンに通いながらちまちまと練習していたんです。家でもいつもあんな感じで弾いていて。

――ステージに置かれたソファーにかけながらのパフォーマンスで、すごく親密感がありました。まさに“LOVELY HOUR”を感じられる空間といいますか。

鈴木 今回は自分の部屋を再現するような舞台セットや演出も見せたいなと思っていたので、ソファーを置いたり、私物のぬいぐるみ(くまお)を持ってきたりして。衣装も自分の好きなピンクにして、大人になると好きなものよりも似合うものを選びがちですけど、幼い頃に夢見ていたラブリーはこんな感じだったなと思って。当時の夢を叶えてもらった気持ちになりました。この日に初披露した新曲「Love? Reason why!!」がめちゃくちゃラブリーだからこそ成立した衣装だったと思います。

鈴木このみ×Q-MHz=最強にポジティブなラブソング!

――その新曲「Love? Reason why!!」は、現在放送中のTVアニメ『恋愛フロップス』のOPテーマ。胸キュンあり、ドタバタあり、思わせぶりな展開ありのユニークなラブコメ作品です。

鈴木 最初にお話をいただいたときは、登場人物も声優さんも含めてめっちゃかわいい作品という印象だったんですけど、あらすじを伺うと、それだけではない部分があって。切なさも入っていたり、OP映像も凝った作りになっていたり、私もドキドキしながら現在アニメを観ています。

――そして今回のOPテーマを制作したのは、Q-MHzの皆さん。個々のメンバーとはもちろん接点はありましたが、Q-MHzとしてご一緒するのは、2016年のアルバム『Q-MHz』に鈴木さんが参加して以来ですよね?

鈴木 はい、たしかまだ19歳くらいだったので久しぶりですね。そのときは「星の名は絶望」と「ごめんねのシンデレラ」を歌わせていただいて。自分の曲でタッグを組むのは今回が初になります。

――これはどういった経緯で?

鈴木 今回は作品の内容に合わせてラブソングを作ろうということになったのですが、私は今までシングルの表題曲でド直球な恋愛ソングを歌ったことがなかったので、鈴木このみとしても違和感のないものにできるのかが、少し心配だったんです。でも、Q-MHzさんであれば、この作品らしい甘酸っぱさと駆け抜けるような疾走感に加えて、鈴木このみらしさも引っ張り出してくれるだろうということで、ぜひにとお願いしました。アルバム(『ULTRA FLASH』)の制作と同時期に並行して作っていたので、ある意味、自分的にはアルバムのテンション感と地続きのある曲に感じています。

――Q-MHzであれば、タイアップ作品だけでなく、アーティスト・鈴木このみのことも楽曲に落とし込んでくれるであろう信頼があったと。

鈴木 そうですね。特に田代(智一)さんと畑(亜貴)さんは、デビュー曲の「CHOIR JAIL」からお世話になっていますし、いつもお父さん・お母さんのように見守っていただいているので、その意味でもご一緒できて嬉しかったです。

――楽曲を作ってもらうにあたり、Q-MHzの皆さんとはどんなやり取りがありましたか?

鈴木 最初にリモート会議で打ち合わせをしたんですけど、私、全然何にも話せなかったんです。本当は田代さんや畑さんにかっこいいところを見せたいなと思って、楽曲の方向性や意見をバシッと言おうと思っていたんですけど、「鈴木さんは恋をするとどんな感じなの?」とか「親友と同じ人を好きになったらどうする?」みたいなことを聞かれて。私はめっちゃ恥ずかしくなってしまって、くねくねすることしかできませんでした(苦笑)。

――手玉に取られた形ですね(笑)。

鈴木 その会議内で「鈴木さんをとにかく照れさせる楽曲にしたい」と言ってくださっていたんですけど、曲を聴いた瞬間にキャッてなったので大成功だと思います(笑)。作品の主題歌としても、どのキャラクターの心情にも合うようにしつつ、話が進んだときに曲の解釈が少し違って聴こえるようにしたい、ということで、アニメの後半戦では少し違った聴こえ方で楽しんでもらえると思います。

――曲を聴いたときに照れてしまったとのことですが、どんな印象を受けましたか?

鈴木 最初はメロだけをいただいて、その状態でもすごくかわいかったんですけど、セリフを言う部分があって、「ここには何が入るのかな?」と思っていたんです。それで完成した歌詞を見たら、“私に恋しちゃえよ”って私が言うことになっていて、「これ、どうしよう!?」って(笑)。

――ハハハ(笑)。でもやってもらうしかないですから。

鈴木 そうなんですよね。ボーカルディレクションは田代さんが担当してくださって、どうしたらかわいく聴こえるかに重点を置いて歌ったんですけど、この“恋しちゃえよ”の部分は、色々なパターンを試してみたんです。ささやいてみたり、すごくブリッコしてみたり。でも、最終的には「ライブでやっているのを想定してごらん」と言われて録ったテイクを使っていただきました。ここはキャラのセリフというよりも、素の鈴木このみが出ている部分だと思います。

――曲調としては、ポップかつ疾走感に溢れたサウンドに仕上がっていますね。

鈴木 一瞬で恋に落ちたときの気持ちを音にするとこういう感じなんだろうなっていう。イントロのピアノも体中に風がビュンッて吹いている感じで、映像が自分の中に思い浮かんで、「こう歌いたいな」というイメージがすぐに見えた曲でした。

――サビに“ねえ言ってよ…好きって言ってよ!”とあるように、歌詞からは積極的な女性像が浮かびますが、鈴木さんはどのように受け取りましたか?

鈴木 皆さんから見た今の私はこう映っているのかな?と思いました。以前、ベストアルバムの取材で畑さんと対談させていただいたときに、「歌詞を書くときはその相手のことを、恋しているときみたいにずっと考える」とおっしゃっていて、この曲も恋愛ソングだけど、不思議と自分のなかでも違和感なくしっくりときて。

――例えばどんなところが?

鈴木 私は“恋と愛の真ん中 楽しくてなんか泣ける”のところが、特に好きなんです。畑さんに作詞していただいた「DAYS of DASH」も“永遠など知らないけれど”と言いながら青春が続いていく曲じゃないですか。そういうところに似た部分を感じますし、自分で歌っていても楽しいのに泣けてくるパートです。

――個人的に、この楽曲で描かれている積極性は、最近の鈴木さんの活動に対する姿勢ともシンクロしている気がするんですよね。5thアルバム『ULTRA FLASH』のインタビューのときにおっしゃっていた、「誰も見逃せないくらい輝いてやる!」という気持ちは、この曲の“私に恋しちゃえよ”という気持ちにも置き換えれるというか。

鈴木 そうかもしれない……! 少し話がそれますけど、私は畑さんのことを「東京の母」だと思っていて、会社を設立することを考えたときも、一番最初に相談しました。けれどいつも答えは私に委ねてくださるんです。必ず第一声で「このみちゃんならできるよ」と言ってくださって、畑さんにそう言われると本当にできそうな気持ちになるんですね。多分、私にとっての畑さんは、「もっとやっちゃえ!」と言ってくれる人なんです。対談のときに、私に歌詞を書いてくださるときは、今の自分よりもほんの少し先のことを書くようにしている、と言ってくださったことがずっと印象に残っていて。今回も少し先の未来を見据えてくださっているのかもしれないですね。

――それに加えて、『恋愛フロップス』に登場するヒロインもみんな積極的ですから。

鈴木 「そんなにグイグイいくんだ……!」ってなりますよね(笑)。だからお話の展開も嵐のように楽しいんだと思いますし、そういう意味で作品にもぴったりの楽曲になりました。

次ページ:チルい雰囲気もお手のもの!? 新機軸のカップリング曲

SHARE

RANKING
ランキング

もっと見る

PAGE TOP