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INTERVIEW

2022.10.27

【インタビュー】3rdシングル「LOVE&MOON」をリリースした高野麻里佳に、楽曲に込めた思いを聞く。

【インタビュー】3rdシングル「LOVE&MOON」をリリースした高野麻里佳に、楽曲に込めた思いを聞く。

2022年10月12日、高野麻里佳が3rdシングル「LOVE&MOON」をリリースした。収録曲は、自身がニーナ役を務めるTVアニメ『勇者パーティーを追放されたビーストテイマー、最強種の猫耳少女と出会う』のED主題歌でもある表題曲、タイトルが偶然にもトリプルミーニングという運命的なc/w曲「スミレ」の2曲。楽曲に込められた想いにとどまらず、高野麻里佳がさまざまな自分自身を見せてくれた。

――「LOVE&MOON」の第一印象は覚えていらっしゃいますか?

高野麻里佳 しっとりと始まって、心がきらきらわくわくしていくような導入だったので、「どんな物語が始まるんだろう」ってすごく引き込まれたのを覚えています。歌詞も、“月がきれい”という言葉が入っているのが面白いなぁと思って。日本人ならやっぱりどこかで聞いたことのあるフレーズだと思うんですけど、ロックなサウンドに合わせたらこんなに爽やかに歌えるんだっていう驚きもありました。

――そのとき「レコーディングではこう歌おう」みたいなイメージは生まれました?

高野 これまでの楽曲では、一つ一つコンセプトを持っていたり、どういった自分で歌おうかと決めながら歌ったりすることが多かったんですけど、今回は小細工しないほうがメッセージの伝わる曲だと感じました。だから、一度そういうところから離れて、思いのままに真っ直ぐ歌おうと思いましたね。

――実際のレコーディングでは、歌いながらどんなことが頭に浮かんでいましたか?

高野 「自分が月を見上げるときってどういうときだろう」って考えたんですね。それで、全力で一日をやりきってくたくたになったときに見上げる月の優しい光は、まるで頑張った自分を褒めてくれるようだと思ったので、月が優しく見守ってくれているイメージで歌いました。曲を聴いてくれた方にも、「頑張ってる姿、ちゃんと見てるよ」みたいなメッセージを心強く感じていただけたら嬉しいです。

――ほかに、レコーディングで印象に残った思い出はありますか?

高野 この曲に関しては、ディレクションが一切なかった、っていうのが思い出ですね(笑)。基本的にいつも、「高野さんが作ってきたものを一度見せてください」っていうところからレコーディングが始まるんですけど、感性のままに歌ったらそこから特に何もなく……。強いて言うなら、立ち会ってくださった(作詞・作曲・編曲の)ARAKIさんから「いい声ですね!」って褒められたくらいでした(笑)。

――ご自身から「もう一度」とお願いすることもなかったですか?

高野 ありました。自分としてはストレートに気持ちをぶつけたい曲だったのに、情熱的になればなるほど変にしゃくりあげてしまって……。お願いして録り直しさせてもらいました。でも、それでもスタッフの皆さんは、「いや、高野さんの節がついたものを僕たちは聴きたいです」って言ってくださって。

――そんな菩薩のような。

高野 そうなんです(笑)。結局、思いのままに歌ったテイクが採用されました。アニメタイアップソングではありますけど、アニメファン以外の方の心にも響くワードもたくさん詰まっていますし、色んな方にお薦めしたい楽曲になりました。

――ご自身に一番響いたワードはどれですか?

高野 2番サビの“叶ってもまた夢なんて見てしまうよ”です。私は、すでに夢を一つ叶えているんですよね、声優になりたいという夢を。だけど今は次の夢を見ていて、自分の両親が年を取っておじいちゃんやおばあちゃんになっても演じているような、国民的キャラクターに声をあてたいんです。そうやって夢が叶ったあとも夢を見続けるのが人間だし、その旅の途中は楽しいことだけではなくて、この先に辛いことがまたどこかで待っているかもしれない。夢を見ることは幸せだとしても。そういう相反する二つの感情がこの歌詞には詰まっていて、「すごく尊い歌詞だな」って思いました。

――タイトルの「MOON」の部分は先ほどから伺えていますが、「LOVE」の部分で意識されたポイントはありますか?

高野 やっぱり「愛」って形として見えないものだと思うんです。でも、月がきれいだと思うこと自体、愛に溢れているじゃないですか? 心が荒んでたら多分きれいになんて見えないですよ(笑)。なので、歌詞に「LOVE」って言葉は出てこないんですけど、私は「LOVEを歌っている曲」だとずっと思っています。

――レコーディング中、ライブで歌うときのことは想像されていましたか?

高野 私は「歌」は「歌うものではなく聴くもの」という人生を歩んできたので……。

――あぁ、これまでも仰っていましたよね。カラオケにもあまり行かず、音楽を聴いて楽しむタイプだと。

高野 そうなんです。なので楽曲作りをするときも、ライブで歌っている自分を一切想像できないんですよ(笑)。1stアルバムに収録された「Ready to Go!」だけは、観客の皆さんの前で歌うことを前提に作った曲なので違うんですけど。でも、それ以外の曲はCDで聴いてもらうときのことだけをイメージしていて、音の厚みなんかを意識しているんです。だから、そういう部分をライブでは表現するのが難しくて、ライブではいつもすごく後悔します。「そのまま歌えない!」「こういうふうに歌っていればこういうライブができたかもしれないのに」って。一度CDのことを忘れないとCDを超えられないので、ライブでは気合いを入れ直していますね。

――初回限定盤のDVDには「LOVE&MOON」のミュージックビデオとそのメイキングも収録されます。撮影での思い出は?

高野 今までのMVはどれも私一人が被写体となっていたんですけど、今回はバンドさんが一緒に映ってくださっていたので孤独感がありませんでした(笑)。皆さんの音楽につられて笑顔になっていたので、撮影中にスタッフさんから「今回の高野さん、すごく自然に笑顔が出ますね」って言われました。

――バンドのボーカルになった気持ちですね。

高野 そうですね、一夜限りの。方向性の違いで別れてしまったんでしょうか(笑)。でも、目が合うと皆さんが微笑んでくれて、それがすごく温かかったです。

――メンバーは全員女性だったんですか?

高野 そうなんです。だから、すごくポップでかわいいガールズバンドになったかと思います。

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