【インタビュー】「リスアニ！Key音楽大全」刊行記念！『プリマドール』月下役・富田美憂の撮りおろしインタビューをWEB特別公開！

1冊まるごと人気ブランド“Key”を大特集した、「リスアニ！」の別冊“音楽大全シリーズ”の最新号「リスアニ！Vol.49.2 Key音楽大全」が9月29日（木）に発売！その刊行を記念し、本誌の表紙を飾るTVアニメ『プリマドール』の特集より、黒猫亭メンバーを演じるキャスト5名の撮りおろしインタビューを一部抜粋のうえ、リスアニ！WEBで特別公開する。

本日お届けするのは、月下役を務める富田美憂のインタビューの前半パート。自身が演じる役柄との出会い、作品全体の印象を中心に、『プリマドール』への想いを語ってもらった。

月下が人間らしい感情を見せるようになるターニングポイント

――最初に月下との出会いについてお聞かせください。

富田美憂　オーディションでは、キャラクターを指名していただく場合と、自分で選ばせていただく場合があるのですが、『プリマドール』は月下を指名でお話をいただきました。見た目が小柄でかわいらしい子だったので、最初は「私にこんなかわいい子、できるかな？」と思ったのですが、私はほかの作品でも比較的ぽつぽつしゃべるキャラを任せていただくことが多いので、そういう部分で指名していただいたのかなと思いました。それに金髪のキャラを演じる機会もすごく多いんです（笑）。

――では演技のイメージは掴みやすかった？

富田　月下はテープオーディションだったのですが、いつもテープを録るときにディレクションをしてくださる方がいるのですが、この時は用事で来れなくて、初めて1人で録ったんです。なので不安だったのですが、無事に合格することができたので、とても嬉しかったです。そのとき自分で考えた月下像と今の演技はほぼ変わっていないです。

――『プリマドール』という作品自体にはどんな印象を抱きましたか？

富田　最初にいただいた企画書に〝歌〞と〝人形〞がテーマと書かれていて、歌が好きな私としては純粋に嬉しかったです。ただ、〝歌〞がモチーフとはいえ、アイドル的な内容ではなく、みんな元々戦闘用の人形だったということもあって、かなり重いテーマが描かれていて。なので「儚くも美しい」という印象がありました。

――それまでKey作品に触れたことは？

富田　学生の頃に『リトバス！（リトルバスターズ！）』のアニメを観ていたのですが、まさか自分がKey作品に携われるとは思っていなかったので、すごく嬉しかったです。Keyさんの作品は、物語を全部観終わったあとの、切ないけど心がホワッと温かくなるところが魅力だと思っていて。『プリマドール』もそれが踏襲されているので、すごくKeyらしい作品だと思いました。

――ご自身の演じる月下はどんな子だと捉えていますか。

富田　口調が軍人っぽいので、自分が元々は偵察用の人形だったことに誇りを持ちつつ、その過去の役目に対する葛藤に縛られている印象があって。でも、そこから灰桜や黒猫亭のみんな、色んな人と触れることで、月下の中にどんどん人間っぽい感情が芽生えていくんです。特に第7話の老夫婦とのやり取りはターニングポイントだと思っていて。月下は基本的に他人を信用しないところがあると思うのですが、そこで初めて信じてみようと思った老夫婦に裏切られて、寂しさや人間らしい感情を知る。最初の頃の無機質な表情と、第12話でふにゃっと笑う表情を見比べたときに、「この子はこんなにも人間らしく笑うようになったんだ」と思って、親のような気持ちになってしまいました（笑）。

――言葉少なで口調が独特なので、そういった内面の変化をお芝居で表現するのは大変だったのではないでしょうか？

富田　月下の場合、自分の気持ちをストレートに言葉にしないぶん、考えなくてはいけないことが多いキャラクターで。例えば嬉しいことを言われたときに、口下手なので「了解であります」と返すけど、その言葉には喜びや照れの気持ちが隠れていたりするので、台本には月下のほぼ全セリフに、そのときの彼女の気持ちを吹き出しで書き込んでいました。

――第7話は老夫婦との交流を含め、月下にフォーカスを当てた回でしたが、どんな気持ちでアフレコに臨みましたか？

富田　老夫婦役のお二人と一緒にアフレコできたのでやりやすかったのですが、収録中はずっと胸が痛かったです（苦笑）。月下に本当の娘のように接してくれる老夫婦の2人に、彼女もどう接したらいいかわからないところがあったと思うんです。月下が「どうやったら人前で歌えるようになりますか？」と老夫婦に聞いたときに、手のひらにハートを書くと勇気が出ると教えてもらうところが印象深くて。最終的に裏切りはあったものの、あの老夫婦のおかげで彼女は一歩前へ進むことができた。あの出会いは月下的にもなくてはならないものだったと思います。

――第7話では、箒星が老夫婦との触れ合いに逡巡する月下の背中を押すやり取りも素敵でした。

富田　月下は、箒星の前では唯一妹になれると思うんです。箒星は……

※インタビューの続きは「リスアニ！Vol.49.2 Key音楽大全」に掲載！

HAIR MAKE BY 大久保沙菜
PHOTOGRAPHY BY 山本マオ
INTERVIEW & TEXT BY 北野創（リスアニ！）

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●発売情報
リスアニ！Vol.49.2 Key音楽大全
2022年9月29日（木）発売

定価：￥1,650（本体：￥1,500＋税10％）

Tシャツ付きセット（数量限定）
定価：￥5,500（本体：￥1,500＋税10％、Tシャツ：￥3,500＋税10％）

Tシャツのみ（数量限定）
定価：￥3,850（￥3,500＋税10％）

発行・発売：株式会社ソニー・ミュージックソリューションズ

【内容】
［表紙・巻頭特集］
『プリマドール』
撮りおろしインタビュー：和氣あず未（灰桜役）／楠木ともり（鴉羽役）／富田美憂（月下役）／中島由貴（箒星役）／鬼頭明里（レーツェル役）
インタビュー：丘野塔也×魁／どんまる×藤平直孝（NBCユニバーサル）
コラム：ディスクガイド

［特集］
「ヘブンバーンズレッド」
インタビュー：麻枝准／やなぎなぎ／楠木ともり（茅森月歌役）／XAI（She is Legend：茅森月歌歌唱パート担当）／鈴木このみ（She is Legend：朝倉可憐歌唱パート担当）
コラム：楽曲ガイド

［特集］
麻枝准
コラム：麻枝准が選ぶ音楽作品50枚

［インタビュー］
折戸伸治

［企画記事］
・Key History 1998-2022
・Key作品ガイド
「Kanon」／「AIR」／「CLANNAD」／「智代アフター」／「planetarian」／「リトルバスターズ！」／「クドわふたー」／「Rewrite」／『Angel Beats!』／『Charlotte』／「Harmonia」／「Summer Pockets」／『神様になった日』／「LOOPERS」／『かぎなど』／「LUNARiA -Virtualized Moonchild-」／「終のステラ」
・Key Sounds Labelディスクガイド
・Key関連シンガー＆クリエイターコメント
シンガー編
北沢綾香／熊木杏里／黒崎真音／サイキックラバー／霜月はるか／鈴木このみ／鈴湯／多田葵／marina／水谷瑠奈（NanosizeMir）／やなぎなぎ／YURiKA／Lia／rionos／LiSA／Rita／riya（eufonius）
クリエイター編
ANANT-GARDE EYES／井内舞子／菊地創（eufonius）／高瀬一矢（I’ve）／竹下智博／塚越雄一朗（NanosizeMir）／戸越まごめ／どんまる／中沢伴行／奈須野新平／光収容／MANYO／水月陵