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INTERVIEW

2022.06.22

【インタビュー】自身最大規模のツアー、そして最新ミニアルバム『君と僕の唄』の制作過程で得た新たな発見の数々――。学芸大青春の5人が語り尽くす!

【インタビュー】自身最大規模のツアー、そして最新ミニアルバム『君と僕の唄』の制作過程で得た新たな発見の数々――。学芸大青春の5人が語り尽くす!

二次元と三次元を行き来する、ダンス&ボーカルグループ・学芸大青春(ガクゲイダイジュネス)。持ち前のアッパーなダンサブルなサウンドに加えて、ソロやデュオ曲など音楽的表現が格段に広がった前作2ndアルバム『PUMP YOU UP!!』からわずか半年後、早くも新作ミニアルバム『君と僕の唄』がリリースされた。前作同様にソロ曲やメンバーが積極的にソングライティングに関わった楽曲も含む全8曲は、ジュネスらしさを保ちつつ、ボーカル表現などで新たな進化を見せた仕上がりになっている。今回は大盛況のうちに終わった全国ツアー直後のメンバーを迎え、本作をフックにそれぞれジュネスとしての進化についてたっぷりと話を聞いた。

“楽しさ”とともに新たな可能性を見せたツアー

――新作のお話の前に、先日行われた“学芸大青春 4th LIVE TOUR「PUMP ME UP!!」”についてお伺いします。まさに学芸大青春らしい、二次元と三次元を行き来する圧巻のステージでしたが、ツアーを駆け抜けた今のお気持ちはいかがですか?

星野陽介 はい!楽しかったです!(笑)。

南 優輝 いや、小学生みたいな感想止めて!(笑)。最初の発言がそれなんてみんな困っちゃうでしょ!

相沢勇仁 でも一番最初に出てくるのはそれだよね。

 それはそうだね。

相沢 楽しかったなって一番最初に思えて良かった。

――たしかにMCでも皆さんの楽しそうな表情がわかるような雰囲気があって。

 そうですね。あと、7都市で8公演やらせていただいた、こんなにたくさんやれたのは今回が初めてだったので、ライブへの向き合い方というか、ライブに向けてのチームでの準備のクオリティも上がったなと思いましたし、8公演あることでライブが終わるごとに映像を観返して、スタッフさんからも色んなアドバイスをいただいて、それを修正して次に挑んで。それを8回も繰り返すことができたので、最終公演は今までの集大成を見せることができたと思いますし、今後ライブをするときに「こういう感じで準備していったら上手くいくんだな」というのが今回のツアーでより掴めたのかなと思います。

――二次元と三次元を行き来するというコンセプト通り、途中では三次元のメンバーと二次元のメンバーが共存する演出もありましたね。

 僕たち的にはすごく新しい試みでしたね。今までも次元を超えて、二次元でパフォーマンスしていたのを途中から三次元の自分たちがステージに出てきたり、その逆だったりというのはあったんですけど、二次元のメンバーと三次元のメンバーが共存する、次元が共存するというのは初めてでした。僕たち自身もやりながらワクワクしていたし、実際にパフォーマンスできて自分たちの良さが出せたかなと思いますね。

相沢 まさにその「IF…」では自分と(内田)将綺と(仲川)蓮が三次元で、陽介と優輝が二次元で、という組み合わせだったんですよ。最終公演ならではの演出だったので、当日のリハで初めて後ろのスクリーンに二次元の陽介と優輝が投影されているのを見て、そこで動くタイミングやバミリとかを詰められたんですよね。いつもの全員が三次元の立ち位置のままだと、二次元の陽介と優輝とは被っちゃうから、今日だけは変えよう……とか、微調整をちゃんとして本番を迎えられました。

――そのほかステージで印象に残ったことはありましたか?

内田将綺 「JUST MadDancy Remix」をこのツアーでは初めて披露させていただいたんですけど、リミックスでの「JUST」の披露がワンマンでは初めてだったので、みんな乗りきってくれるのかな? っていう個人的な想いがあったんですけど、客席の真ん中にいた男性のお客さんがめちゃくちゃ盛り上がってくれていて。ほかにも「Don’t leave me alone」をアコースティックにアレンジしたナンバーもやりましたけど、色んなジャンルの楽曲が混ざったなかで男性のファンの方も楽しんでくださっているのを見て、こういう機会がもっと増えてほしいなと思えた新しい体験でした。

仲川 蓮 僕は地元の広島でライブができたのが大きかったですね。しかも今回やらせていただいたHIROSHIMA CLUB QUATTROは、僕が学生時代にライブを観に行っていた場所なので、思い出の場所でライブができるのは嬉しかったですし、楽屋に入っただけでテンションが上がりましたね。

――真っ先に「楽しかった」とおっしゃった陽介さんはいかがですか?

星野 難しいなと思ったのが、7都市8公演もライブをさせていただいたのが今回初めてだったんですけど、こんなに長い期間ライブすることってなかったので、モチベーションやテンションの維持というのがそれぞれ課題としてあったんです。そんななか、折り返しの大阪公演で、5人の中で「今回はどうだったんだろう……」っていうタイミングがあったんですね。MCとかなんか噛み合わなかったかな、と感じることもあって。気を抜いていたわけではないんですけど、多分ツアーも中盤になってどこか変な慣れが生じちゃったのかなと感じて。。それって実際に迎えてみないと気づけなかった発見でもあったので、今後にも活かせる学びになりました。

より身近なジュネスを見せるなかでの表現の幅

――そうしたなかでこのたびリリースされたミニアルバム『君と僕の唄』ですが、前作『PUMP YOU UP!!』から実に半年という短いスパンでのリリースとなりました。

 今までも、常に次の作品に向けて曲作りをしているという状況はあったので、タイム感的にはいつも通りではあったんですよね。でも今回から蓮が作詞作曲したりというのがあったので、そういう部分ではよりタイトなスケジュールでしたね。

仲川 そうですね。

 制作はツアーの準備前から進めていたので、『PUMP YOU UP!!』を出した直後くらいかな?

内田 そうだね。『PUMP ME UP!!』のプロモーションをしながらもう次のアルバムの制作をしているという(笑)。ちなみに僕はツアー中にもレコーディングをしていました。

――ファンの皆さんが『PUMP YOU UP!!』を楽しんでいる最中に、すでに制作は始まっていたんですね。そんな『君と僕の唄』ですが、ジュネスとしては珍しい日本語タイトル。どんな意味が込められているのでしょうか?

 僕たちの中で、今回のアルバムは「20代の青春」を描いた曲を詰め込もうという話になって。なので今まで以上にみんなに親しみやすい楽曲が多いのかなと思っていて、だからこそタイトルも英語じゃなくて『君と僕の唄』というみんなが入り込みやすそうな、距離の縮まったタイトルにしたというのが理由としてあります。

――実にバラエティに富んだ8曲が収録されている本作ですが、まずは最初の楽曲「Easy Peasy」についてお伺いします。ジュネスらしいダンサブルなサウンドでありながら、ポップながら複雑な雰囲気を持つ楽曲ですね。

内田 この曲がリード曲になったことが、このミニアルバムの、個人的には勝負なところだと思っていて。ジュネスって今まではポップなダンスミュージックをリード曲として、ポジティブに希望を歌っていたり、明るい青春を届けてきたんですよね。でも「Easy Peasy」は、例えば昨今のSNSの誹謗中傷とか、世界では戦争があったりとかコロナ禍とか、ストレスを感じることが多い生活の中で、二次元と三次元を行き来する僕たちだからこそ寄り添えるような楽曲にしたいという気持ちがあって、それが形になったんだと思います。

 色んな辛い想いがある人の支えになるのかなと思っていますし、辛いときは次元を超える僕たちがみんなを助けにいくし、僕たちの世界に来てもいいんだよっていう、2つの意味を持った歌詞になっているんですよね。それから、僕が歌うパートは全部英語になっていて、だからすごく大変でした(笑)。

――たしかにテクニカルなパートになっていますね。

 英語の発音が苦手で、それでニューヨークに住んでいるキアラさんという方にネイティブの英語を教えていただいたんですよ。メンバーそれぞれ1時間くらい教えていただくなかで、「ユウキ、その発音はこうだから」と直していただいて、僕にとってはすごく勉強になりました。「ユウキはもっと口を動かしたほうがいい、英語のラップをしたいなら口を豊かに使ったほうがいい」って言われて。

――口を豊かに、ですか。

 「エミネム見たことある? もっとエミネムを観て学んだほうがいいよ」って。僕もエミネムは好きでライブも観ていて、エミネム以外にもラッパーのフロウなどは意識していましたけど、口の動きまでは意識して見ていなかったんですよね。なのでその教えをきっかけに(エミネムが主演の映画)『8マイル』を観直して研究して、それでレコーディングに臨めたので、今回だけじゃなく今後にも活かせるくらい成長させていただきました。

内田 僕は、キアラさんには英語だけではなく歌のうたい方も教えてもらいました。発音を意識しすぎて、キアラさんに「違うマサキ、“Just feeling”やねん」って。“Just feeling”って、優輝がラップしているフレーズなんですけど、「マサキは上手くしようとしすぎだ、歌詞を理解して感じろ」って。ちなみにキアラさんはめっちゃ関西弁です(笑)。

――歌詞を感じるような歌い方ですか。

内田 はい、それは日本語にも通じるなと思うんです。特に「Easy Peasy」はシリアスな、僕らの内面を表現した曲になるので。僕はパッションや声量で表現するタイプで、それがあるからこそ内田将綺だという表現方法だったんですけど、それをシリアスでもちゃんと表現できるように感じろって、それは英会話とは別の学びでしたね。

――続いては今回の収録曲で最初に先行配信されていた「My Side」について。

内田 この曲は男女の友情を描いた曲です。男女に関わらず友情というのは色んな形があって、僕ら5人も共同生活をして4年以上経つので、この曲を歌うのはすごく歌いやすかったです。友情を思い浮かべる人がこんなにも身近にいるので(笑)、そういう意味では臨みやすい楽曲でしたね。

相沢 自分にとって大切な人や、友人、メンバーももちろんそうなんですけど、自分にとってかけがえのないその人が何か辛いときや抱え込んでいるときに、「1人じゃないんだよ」っていうのを自分は伝えたくて。僕は1番も2番もBメロを歌っているんですけど、この曲も「Easy Peasy」も英語の歌詞が多くあって、両方とも感情込めて歌いつつ英語の発音も考えつつ、その言葉の意味も歌に乗せられるように意識して歌いました。そこは僕もキアラさんに色々指導していただいたので、自分なりに練習して、自分が表現したいものは表現できたかなと思います。聴いている人の背中を押せるような、いつも自分たちがいるんだよっていう事を伝えたくて歌いましたね。

――この曲では5人が渋谷を闊歩する映像が印象的なMVも制作されました。

内田 以前「Hit the City!!」という曲で渋谷で演技パートは撮らせていただいたんですけど、街なかに出て踊るというのは初めてで。今回はスクランブル交差点やビルの屋上でもで撮ったりして、これまでのMVとはまた違う、三次元での表現ができたかなと思います。

仲川 5人の仲の良さが出たMVかなと思いますね。序盤でセンター街を歩くシーンがあるんですけど、そこを5人で撮影しながら歩いているのが楽しくて、そこがすごく印象に残っています。

――そして5人での楽曲がもう1曲、「雲の切れ間」は前の2曲から一転してメロディアスな楽曲になりました。

 この楽曲は久しぶりなくらい真っ直ぐなラブソングで、それもあってテンションが上がる部分がありましたね。あと今回はジュネスにしてはわかりやすいパート分けになっていて。ジュネスの楽曲って、メンバーが行ったり来たりするパート分けが多いんですけど、冒頭から2番の頭くらいまででちょうど5人それぞれのパートが聴き終わるみたいな構成になっています。僕がラップするまでのパートは結構グイグイきているというか、“その瞳も 白い頬も すべてが宝石みたいだね”とか真っ直ぐ愛を伝えているパートが多くて。

内田 ロマンチック。

 でも僕のパートになって急に弱気になるんですよ。“このままの僕じゃ 不安で仕方がないんだ”って。そういう弱気になっちゃう自分もいるというのが僕の役割なのかなと思って、そこを自分の声質やラップで出せるように意識してレコーディングに臨みました。

星野 個人的な話になっちゃうんですけど、この曲ではサビを歌わせていただいたのですが、レコーディングのときに1番と2番を何回も何回も歌ったんです。個人的にいいなって思ったテイクでも「もう1回いこうか」と言われたりして、「なんでこんなに録るんだろう?」と思いながら、最後に大サビを歌ったんです。そしたら声が枯れてちゃって……それで歌い終わったあとにスタッフさんになぜあんなに録ったのかを訊いたら、作家さんが「わざとだったんだよね」って。

――わざと声をかすれさせた?

星野 そうなんです。「大サビはちょっとエモーショナルにしたいからわざと1番2番を多く歌ってもらいたかったんだよね、ごめんね」って。声は結構カスカスになっちゃったんですけど、おかげで1番2番では真っ直ぐ素直に想いを伝える、大サビでは体の内から絞り出して気持ちを伝える……という表現ができたと思いますし、こういうレコーディングもあるんだなって学びになりました。

次ページ:新たな自分自身を見出す新曲たち

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