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INTERVIEW

2022.07.02

【撮りおろし対談】May’n、ニューシングルは大石昌良との共作!“盟友”の2人がノンストップで語り合う!

【撮りおろし対談】May’n、ニューシングルは大石昌良との共作!“盟友”の2人がノンストップで語り合う!

嘘がない涙を歌に込められるボーカリスト

――作曲面についてですが、アニメサイドからのオーダーはありましたか?

大石 面白い曲にしてほしいということくらいで細かな指定は特になかったと思います。なので、エンディングは次週に向けての助走だったりしおらしかったりという曲が多いと思うんですけど、そこを気にせず作ることはできました。ただ、オープニングも漫才要素満点な曲とは聞いていて、そこと競合しないように何度かやり取りはありましたね。でも、それくらいでした。

――では、大石さんが楽曲面で狙ったところというのは?

大石 ど頭のインパクト、Aメロ・Bメロのわちゃわちゃ感、サビではひらけたメロディ、というのは電波ソングの王道的な構成だと思うんですけど、そこはすごく意識していました。で、電波ソングといえばやしきん君、というところが身内の中ではあったので、彼にはアレンジャーとしてだけではなく、作曲でも力を貸してもらいました。

――だからやしきさんとのダブルクレジットになっているんですね。共同制作の流れも教えてもらえますか?

大石 まず僕が89秒(のTV)サイズを作り、それをやしきんくんに預けて2番の構成やDメロを作ってもらう、という流れでしたね。やしきん君らしいのは、Aメロ、Bメロ、サビが転調しているにも関わらず、2番ではAメロとBメロを入れ替えているんですよ。やしきん君の曲では結構見られる構成ですし、すっちゃかめっちゃか感を狙ってのことなんでしょうけど、すごく技術がいることですし、こうして電波ソングができていくのかと僕もすごく勉強になりました。

May’n あそこはすごいですよね。さっきお話しした“べっぴんさん”のところがそうなんですけど、私も最初に聴いたときはびっくりしましたし、だからこそのわちゃわちゃ感も感じました。でも歌詞を書くのがすごく難しくて。

大石 そうだよね。

May’n やっぱり、2Aを書くときは1番とまったく同じ歌詞ではないにしても……。

――対になる感じが欲しくなりますね。

May’n そう、その雰囲気を意識するので。それに、AメロからBメロへと徐々に広がる展開なのに、Bメロが先にくると「もう来た!?」という感覚になるし、Aメロに戻るからといって歌詞は戻せないし、展開を考えるのは難しかったですね。

大石 しかも、転調しているA・Bメロを無理やり入れ替えているので、2小節くらい伸ばしているんですよ。でも、May’nちゃんはそこもうまく言葉をまとめていましたし、やっぱり速かったよね?

May’n そうですね、速かったですね。とても楽しかったので。

大石 僕らとしては、ジェットコースターのようなメロディ構成の場合、乗せる言葉に慎重になるんですよ。それに、何を乗せていいのか迷路に迷い込みそうにも。そこをかなり上手にさばいてくれましたね。上手いし速いし、中華料理屋さんみたい。

May’n (笑)。ただ、“べっぴんさん べっぴんさん”と同じことを書こうと思っていたのにできないところを活かして、同じように進むけどオチが違うという歌詞にアレンジしました。

――ボーカルレコーディングの様子についても教えてもらえますか?

大石 まず、May’nちゃんが「ちょっと録ってみます」ということでワンテイクまるまる録ったんですけど、歌い終わったらジム上がりみたいになってて。「シュゥゥゥー」って。

――湯気が(笑)。

大石 いや僕も、1人で歌える曲ではないと思っていたんですよ。ライブなら合いの手をお客さんやシーケンスで補うような。ところがMay’nちゃんは全部1人でやっちゃうので。

May’n たしかに汗だくになりながらのレコーディングではありました。でも楽しかったんですよ。合いの手で普段使わない声を出したり、大石さんもガヤっぽいのを入れてくださったり。

大石 はい、入れさせていただきましたけど、えらい笑われましたね。

May’n (笑)。実は私もそうだったらしいんですけど、“ぺんぺんぺぺぺん”のところを歌っていると動きがペンギンになるんですよ。手が翼のようになって。

大石 そうそう(笑)。でも、May’nちゃん以上に僕はペンギン感がすごかったらしく、ボーカルブースにいてもコントロールルームの爆笑が伝わってきました。案の定、ブースから戻ったらこんな感じで(拍手する真似)。いや、別に笑いをとりたくてやってるわけじゃないんですけどね。でも、お客さんもそういう感じになるんじゃないかな?

May’n そうですね。“ぺんっぺんっぺぺぺんっ!”って言うだけで楽しいので、ぜひお客さんとやりたいです。

大石 ね!いつか無条件で声を出せるようになったら。絶対楽しいと思うので。ミックスダウンのときも、May’nちゃんから「もう少しみんながぺんぺん言ってる感じでお願いします」とか「スタジオリバーブとかホールリバーブで味付けしてください」みたいなアイデアが出てきたんですよ。ライブが本当に好きなんだと思いましたね。

――大石さんから何かディレクションはありましたか?

大石 僕がお願いしたのは、May’nちゃんにとって珍しい楽曲ではあるのでかわいいほうがいいのか、クールにやるのか、色々とテイクをとらせてもらってから選ぶ、というところですね。それも振れ幅の問題で。結果として、天真爛漫で元気なMay’n、を選んだと思います。でも、そんなにディレクションした覚えはないですね。

May’n 歌い上げるポイントを一瞬作ってみても、という話はありましたね。

大石 Dメロとかね。

May’n ふざけ倒すよりは、最後のエモパートではロングトーンで声を伸ばしたり、歌い上げてから落としたり、そういう細かい出し引きは提案してもらいました。

大石 でも僕、レコーディング最中にサビで涙ぐみましたよ。こう、色々な感情が……。

――去来して?

大石 去来して。やっぱ、May’nちゃんの歌声って琴線に触れるんだと思いながらディレクションしていました。

――「未来ノート」のレコーディングでも涙したとか。

大石 泣きましたね。あんまりないんですけどね、ディレクションしながら涙ぐむって。

May’n この曲はめちゃくちゃ感動ワードがあるわけではないのに、歌い終わったら心にポッと明かりが灯るんですよ。すごく不思議なことに。タイトルも少し変わっていて、「笑っとる間にてっぺんとっとったわ」みたいに捉えられてもいい曲なんですけど。でも、笑っているだけでてっぺんに届くなんてことはないと思うけど、「笑い」って何より必要なものだ、ということは伝えたかったんですよね。そのメッセージを抱きながら歌詞を書きましたし、歌っています。

大石 やっぱり、「なんか知んないけど泣いてた」とか「笑いながら泣いてた」とか、そういうアクシデント的な涙って嘘がないと思うんですよね。この曲のサビには特にそういう要素が含まれていて、それを歌に込められるMay’nちゃんってすごいボーカリストだと思いました。

May’n 最近思うんですけど、自分や、自分の大切な人を信じて走り続ける人って見ていて感動するんですよ。お笑いの人が、自分や相方やネタを信じてステージでは思いっきりバカなことやっている姿はやっぱり泣けるし。この歌も、信じて前に突き進むというところを軸にしたいとは思っていました。

大石 なるほど、そういうひたむきさが昌良の涙腺を刺激した、と。

May’n 昌良の(笑)。

――2度目のバッテリーとなりましたが、今回はどのような発見がありましたか?

大石 定期的に作品作りを一緒にしたいと思いましたね。勝手にですけど。「未来ノート」のときもそうだったんですけど、フィット感というか気持ち良さみたいなものがあるんですよ。だから、1ヵ月に1度とは言わないですけど。

May’n そんなペースで!?いいんですか?「全曲大石」ってアルバムを作っても?

大石 ま、年に1回呼ばれるとか、2年に1回とか。

――急にペースダウンしました(笑)。でも、定期的に共にするためにはユニットを結成するのが一番早いのでは?

May’n OxT(オクト)ならぬOxM(オクメ)ですね。

大石 MxO(メクソ)とか。

May’n 響き悪っ!(笑)。(「おしゃべりクソメガネ」の)大石さんだからそっちかもしれないけど。でも、そう言っていただけるのはめちゃくちゃ嬉しいです。私はあくまでお願いさせていただく立場なんですけど大石さんがそう言ってくださるならいつでも。

大石 ずるいなー!

May’n いやいや(笑)。でも、大石さんと深くご一緒させていただくなかで、自分と似ていると感じることも多かったんですよ。大石さんといえば、みんな大好きな明るいポジティブさですけど、と同時にちょっとした人間らしい毒や陰な部分も見せていて、そのバランスが似てるんじゃないかと曲を通して思いました。私も、100%ポジティブな人間だと自分で思っていますけど、でもそれだけではないので。だから、一緒に仕事をしていてもすごく心地いいのかもしれません。

大石 ……気づかれちゃいましたか?僕の「憂い」に。

――例えば、次回一緒に組むとなった場合、やりたいことはありますか?個人的にはJ-Pop、J-Rockど真ん中な曲もお二人ならできると思うのですが。

大石 いいですね。

May’n そういう曲を作る大石さんもめっちゃ好きです。

大石 やりますか?

May’n 決まりました!

大石 言質とったみたいに言わんといて。でも、May’nちゃんと一度、ガチのデュエットをやりたいとは思っていて。

May’n おー、嬉しい。

大石 今回はガヤだけだったので、いつか、がっつりデュエットしてがっつりサビでハモってるという曲も面白そうだと思います。

May’n めちゃくちゃ嬉しいですね。大石さんはボーカリストとしても素晴らしい方なので私もご一緒したいです。でも私の中で大石さんって、素晴らしいクリエイターですし、私にないものをたくさん持っているという大前提の上ですけど、安心感をもらえる方、なんですよね。今回あらためて、May’nのやりたい気持ち、チャレンジを形にしてくれる方だと思いました。なんだか、私の先を走っている私、みたいな存在感があります。

大石 僕が未来ノート。

May’n (笑)。待って!待って!ヤバい繋がった!

大石 めくってごらん、僕が君の未来ノート。

May’n え……ちょっと怖い!(笑)。

大石 ヤバい。最後に気持ち悪いことを。笑いながら引かれてますね、僕(笑)。

PHOTOGRAPHY BY 山本マオ
INTERVIEW & TEXT BY 清水耕司(セブンデイズウォー)


●リリース情報
「あはっててっぺんっ」
8月17日発売

【CD+BD】

品番:XNDD-00008/B
価格:¥2,640(税込)

【CD】

品番:XNDD-00009
価格:¥1,540(税込)

<CD>
M1:あはっててっぺんっ(TVアニメ「てっぺんっ!!!!!!!!!!!!!!!」ED主題歌)
作詞:May’n・大石昌良 作曲・編曲:大石昌良・やしきん
M2:蒼の鼓動(テレビ愛知「10チャンベースボール」テーマソング)
作詞・作曲:草野華余子 編曲:草野華余子/eba
M3:Follow Your Fantasy(Cygamesコーポレートアニメーションムービー)
作詞:古屋真・LynneHobday 作曲・編曲:加藤裕介 Licensed by Cygames, Inc.
M4:あはっててっぺんっ instrumental
M5:蒼の鼓動 instrumental
M6:Follow Your Fantasy instrumental

<BD>
1.あはっててっぺんっMV
2.AwesomeStudio-short- (MVオフショット映像)

「あはっててっぺんっ」オンラインリリースイベントに大石昌良の出演が決定!
日時:2022年8月20日(土)20時
※アーカイブ視聴期間:2022年8月27日(土)23:59まで
出演者:May’n
ゲスト:大石昌良、やしきん
参加方法:「あはっててっぺんっ」(CD/CD+Blu-ray)の初回限定封入特典として封入されている、オンラインイベント参加シリアルコードを入力の上ご参加ください。応募者全員が参加可能です。

●ライブ情報
May’n Concert Tour 2022「Laugh&Peace」追加公演
7月30日(土)大阪国際交流センター大ホール(大阪)
開場17:00/開演17:45

8月6日(土)中野サンプラザ(東京)
開場17:00/開演17:45

チケット情報
席種(税込/全公演共通)
全席指定 8,500円(税込)
※3歳以上チケット必要(3歳未満入場不可)
※チケット料金の他に別途手数料がかかります。

詳しくはこちら

関連リンク

May’n オフィシャルサイト
http://mayn.jp/

May’n レーベルサイト
https://www.digitaldouble.co.jp/artists/mayn

May’n Twitter
https://twitter.com/mayn_tw

May’n STAFF Twitter
https://twitter.com/MaynStaff

May’n 公式YouTube
https://www.youtube.com/user/MaynOfficial

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