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INTERVIEW

2022.05.25

【インタビュー】ChouCho 両A面アニメタイアップシングルリリース! 新曲となる4曲すべてを作詞作曲した彼女に、楽曲に込めた想いを聞く。

【インタビュー】ChouCho 両A面アニメタイアップシングルリリース! 新曲となる4曲すべてを作詞作曲した彼女に、楽曲に込めた想いを聞く。

TVアニメ『史上最強の大魔王、村人Aに転生する』ED主題歌「reincarnation」とTVアニメ『処刑少女の生きる道(バージンロード)』ED主題歌「灯火セレナード」のダブルタイアップシングル「reincarnation/灯火セレナード」を5月25日(水)にリリースするChouCho。アニメに寄り添いながらも音楽的に常に新しい驚きをくれる彼女だが、今回【村人A盤】【処刑少女盤】にそれぞれカップリング曲が収録される。4曲すべてを作詞作曲した彼女に、各楽曲について語ってもらった。

タイアップ曲を作るうえで意識していたこと

――今回はダブルアニメタイアップということで、早い段階から制作を始められたのですか?

ChouCho 2曲とも去年の夏には作っていた楽曲になります。先に「reincarnation」を作って、そのあとにすぐに「灯火セレナード」を作りました。

――まず『史上最強の大魔王、村人Aに転生する』ED主題歌「reincarnation」についてですが、作品を読んでいかがでしたか?

ChouCho 冒頭からわかりやすく、最強の大魔王が転生するところから始まるんですけど、主人公のキャラクター性が面白いと思いました。大魔王なのに人間味があって、友達を求めているところが親しみを感じるし、ギャップもあるんです。口調が敬語で丁寧なのも読んでいて面白くて(笑)。魔王から連想するものとは違っていたのが魅力でした。

――アニメを観る限りだと、ユーモアがありましたね。

ChouCho そうですね。主人公がちょっとズレているところが面白いんですよね。

――楽曲について、アニメサイドからはどのようなオーダーがあったのですか?

ChouCho バラードになりすぎないでほしいというのと、音色はデジタルでもバンドサウンドでもどちらでもいいです、ということで自由度が高かったんです。ということで、好きなことやっちゃおう!と(笑)。

――指定がないから逆に難しい、とかではなく?

ChouCho 制約がないからこそ、驚かせるような曲を作りたい!という気持ちでした。ただ、作品のインパクトが強いので、それに負けない曲を作りたいなと思いました。だからサビが二段階になっていたり、展開が多い曲になっているんです。

――展開が多い曲になったのは、驚かせたい気持ちがあったからなんですね。

ChouCho そうですね(笑)。村山☆潤さんにお願いしたアレンジも、想像以上のもので驚きましたし、イントロからすごく引き込まれるアレンジになっているんです。

――イントロが素晴らしかったです!ストリングスだと思うのですが、今転生してるのかな?という不思議な感覚があって、驚きました。

ChouCho ぎゅるぎゅるぎゅるぎゅるって鳴っていますよね(笑)。楽器のレコーディングにも立ち会ったんですけど、ストリングスのレコーディングがすごく良くて。とても躍動感のあったので、すごくテンションが上がりました。演奏も攻めている感じだったんですよ。

――二段階サビも驚きました。ガラッと雰囲気が変わりますよね。

ChouCho そこで三拍子になるんですけど、実は最初からここを三拍子にしようと思っていたわけではないんです。最初に“自由を目指せ”まで書いたときに、尺がTVアニメサイズの89秒までいかなかったので、もっと展開させたら面白いかなと思って足したんです。でもそのときは三拍子にしたいというより、このメロディが自然と聴こえてきて、それが三拍子だった、という感じでしたね。

――歌詞は、作品のどんなところを切り取ろうと思ったのですか?

ChouCho 作品の主人公に寄り添った歌詞なんですけど、三拍子になるところは主人公の人間らしい部分、温かみや優しさを表現したいと思いました。それぞれの場面で雰囲気が違って聴こえればいいなと。

――攻めているということでしたが、アレンジがとにかく激しくて、素晴らしいとしか言いようがなかったのですが……間奏のギターとストリングスがものすごくて、ちょっと笑ってしまったんですよ。

ChouCho 間奏は私もお気に入りで、私もレコーディング中にすごすぎて笑っちゃいました(笑)。

――アニメのユーモアがある部分を見ていたからかもしれないですが、圧倒的すぎて逆に面白くなってきてしまったというか。

ChouCho わかります。テクニカルすぎて、急なフュージョン感!みたいな感じになって面白いんですよ(笑)。だからこの曲は、聴きどころが多いと思います。

――一方、『処刑少女の生きる道(バージンロード)』のED主題歌「灯火セレナード」はファンタジックな曲でしたが、こちらの原作の印象は?

ChouCho 見たことがない設定で引き込まれました。話は重い部分が多いんですけど、先が気になる展開で、アニメの最終回のところまで読んでもまだ先が気になる感じだったので、ものすごく深いストーリーだと思いました。

――第1話から衝撃的な展開でしたよね。主人公だと思っていた男の子がいきなり処刑されるという。

ChouCho すごい引きの強さですよね!原作もそのような感じでした。

――この曲は、どんな歌詞にしようと思ったのですか?

ChouCho 作品サイドからのオーダーがあって、「話を観ていかないと、(メノウとアカリの)どちらの視点かわからないような歌詞にしてください」ということだったんです。なので、そういう表現は気をつけて書いています。どちらかわからないし、どちらとも取れる。最終回まで進むと、こっちなのかな?って思うような、観ていくたびに感じ方が変わってくるような歌詞にしたいと思いました。

――どちらのことなんだろう?と思っていました。アニメ自体もそういう見せ方になっていますよね。

ChouCho アカリという女の子がまだ謎に包まれていて、今後彼女の秘密がどんどん明かされていくんですよね。この先も重い話があるので、そんなストーリーの最後に流れても違和感がないような世界観の楽曲になるようにと作っていきました。だからある程度の重さ、重厚感がないといけないなって。

――曲調もとてもドラマチックですし、展開にすごく引き込まれました。

ChouCho 静かなところから始まり、徐々に盛り上がっていく展開ですけど、私はDメロが気に入っていて。そこだけ急にリズミカルになって縦のラインが出てくるんですよね。

――これはMVを観てしまったからかもしれないですけど、2コーラス目のサビ前にDメロ“君の存在が私を強くしてくれる”と入ってくるところで、MVの物語に没頭してしまったんですよね。曲の盛り上がっていくところと、争いが始まる映像がすごくマッチしていて……。このMVを作成されたのは「灰色のサーガ」でご一緒したアーティストさんですよね?

ChouCho はい。今回もMVは村松怜那さんにお願いしたのですが、とても素敵でびっくりしました。今回も曲をお渡しして、あとはお任せだったんですけど、打ち合わせの段階からストーリーが良くて。楽曲からイメージを膨らませて作ってくださり、本当に素晴らしいクリエイターさんだなと思いました。

――くじらと少女のお話で、色んな想像や世界観の設定が浮かぶ映像ですよね。その映像とDメロのマッチ感がすごかったのですが、歌詞に関しては『処刑少女の生きる道(バージンロード)』に寄り添って書かれているわけだから面白いですよね。

ChouCho まるでこのMVのための曲みたいですよね、実際は逆なんですけど。だからDメロもアニメで流れてくれたら嬉しいんですけどね。派手ではないですけど、歌詞の中にも熱さを感じられるような歌詞にしたいと思って書いたので、そういう強い想い、揺るぎない想いというのは、歌から感じてほしいなと思っています。

――アニメのED映像も曲にマッチしたものでしたし、1曲で3度くらいおいしい曲だなと思いました。アレンジでの要望はあったのですか?

ChouCho サビ頭の決めの部分をお願いしたくらいで、ストリングスは村山さんにお任せしたら美しい仕上がりになっていました。今回はコーラスを重ねていて、難しいものの複雑なコーラスのおかげで、曲に広がりがすごく出ていると思います。

次ページ:カップリング曲「カタルシス」「spilled milk」へ込めた想い

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