リスアニ!WEB – アニメ・アニメ音楽のポータルサイト

INTERVIEW

2022.04.30

【インタビュー】石原夏織が届ける最高にポップな癒し!ニューシングル「Cherish」がTVアニメ『社畜さんは幼女幽霊に癒されたい。』OPテーマにピッタリな理由とは?

【インタビュー】石原夏織が届ける最高にポップな癒し!ニューシングル「Cherish」がTVアニメ『社畜さんは幼女幽霊に癒されたい。』OPテーマにピッタリな理由とは?

声優/アーティストとしてますます幅広く活躍する石原夏織の8thシングル「Cherish」は、自身もキャストとして参加するTVアニメ『社畜さんは幼女幽霊に癒されたい。』のOPテーマ。ヒゲドライバー制作のアッパーなサウンドに乗せて、自分を含めたすべての人々へのいたわりのメッセージを届ける、かつてない“癒し系”ナンバーだ。今回のシングルを経て新たな引き出しを開けることができたという彼女に、話を聞いた。

コンセプトライブ、初めての幼女役――挑戦づくしの2022年

――まずは3月に行われたワンマンライブ“石原夏織 LIVE 2022「Starcast」”についてお聞かせください。今回は“-Vega-”と“-Altair-”と銘打ったそれぞれ内容の異なるライブがシンクロし合って1つの世界観を描き出す、コンセプチュアルな内容でした。パフォーマンス的にも今までにない挑戦が多かったみたいですね。

石原夏織 初めてアコースティックコーナーを設けたんですけど、今まで生演奏をバックに歌った経験があまりなかったので、最初は緊張していたんです。でも、いざ終わってみると、改めて歌うことの楽しさを実感できました。アコースティックアレンジになることで、自分が今まで感じていた楽曲のイメージとは雰囲気が変わったので、それに合わせて自分も歌い方を変えてみたりして。特に“-Altair-”の昼公演で歌った「Taste of Marmalade」や、全公演共通で披露した「キミしきる」や「雨模様リグレット」は、同じ歌でもこんなに幅が広がるんだなと思いましたし、発見が多いライブでした。

――ライブの冒頭や幕間に、石原さんのモノローグをフィーチャーした映像が挿まれることで、ライブ全体にストーリーを感じることができました。

石原 今までのライブでは私の挑戦企画の映像を流すことが多かったんですけど(笑)、今回は映像もライブの演出として繋がっていたので、私もモノローグからの流れで楽曲をパフォーマンスすることで、歌のライブではあるけど演技しているような気持ちも半分ありました。

――織姫の“-Vega-”公演と彦星の“-Altair-”公演とではセットリストも大幅に違っていましたが、それぞれどんなイメージで表現されたのですか?

石原 “-Vega-”公演は女の子らしさを意識して(セットリストを)組んでいたので、かわいらしさが前面に出るようにしようと思っていました。手振りとかが決まっていない曲でも、自然とかわいらしい方向に引っ張られて。逆に“-Altair-”はかっこいい曲が多めだったので、必然的にクールな自分に入り込むことが多かったですね。

――そんなワンマンのアンコールで初披露されていたのが、今回のニューシングル「Cherish」。こちらは石原さんもメイド幽霊のリリィ役で出演しているTVアニメ『社畜さんは幼女幽霊に癒されたい。』のOPテーマでもあります。日高里菜さん演じる幽霊ちゃんをはじめ、愛らしい幼女キャラがたくさん登場する、ハートフルな作品ですね。

石原 原作のマンガもアニメも、とにかく癒しポイントが多い作品で、特に子供らしいかわいらしさがあちこちに散りばめられているところは、この作品を観て癒されない人は絶対にいないはず!と思いました。私は家でワンちゃん(カニンヘンダックスフンドのむーちゃん)を飼っているんですけど、ワンちゃんを愛でるのと似たようなところもあって、すごくリアルなかわいさを感じます(笑)。

――かわいいだけでなく、すべてが優しさでできているようなアニメで、観ていると本当に癒されますよね。

石原 そうなんですよ。なんかキュンとくるというか。伏原さん(CV:金元寿子)から幽霊ちゃんへの優しさはもちろん、幽霊ちゃんとみゃーこ(CV:小原好美)から伏原さんへの優しさもあって、ベクトルがお互いに向いてる感じも愛おしいですし、伏原さんのために何かしてもうまくいかなくて泣いてしまう幽霊ちゃんもかわいくて。伏原さんじゃないですけど「そう思ってくれてるだけで幸せだ~」ってなりますし、日常には小さな幸せが転がっていることを教えてくれる作品だと思います。

――石原さんが演じるリリィは、倉橋さん(CV:内田真礼)の家にいる幼女のメイド幽霊ということで、これまた愛らしいキャラクターですが、石原さんがここまで小さな女の子の役を演じるのは割と珍しいのではないかなと。

石原 珍しいというか、ほぼ初だと思います。なのでリリィ役が決まったときは、嬉しかった反面、「私にこの役をこなすことができるのかな?」という不安もありました。しかも幽霊ちゃん役の日高里菜ちゃんは、幼女のプロじゃないですか(笑)。私は年齢感を合わせる自信がなくて。アフレコでも、最初の頃はしゃべり方が幼女というよりも小学生っぽくなってしまって、音響監督さんたちと相談しながら、リリィちゃんの在り方を少しずつ探っていきました。しかもリリィちゃんは結構ツンデレだったり、塩対応だったり、あまり幼女っぽくない部分もあるので、そこを上手くすり合わせるのが大変ですけど、やり甲斐が合ってすごく楽しかったです。

――結構色々な要素を持ち合わせたキャラクターですものね。

石原 しかも原作を読んでいる方は知っていると思うんですけど、リリィは語尾の「~です」が片仮名なんですよ。でも、「デス」という言い方を際立たせ過ぎてしまうと、外国人の留学生みたいな感じになってしまって、それだとちょっとキャラが立ちすぎなんですよね。絶妙なバランスで「デス」を立たせてほしいというディレクションをいただいたので、最初は頭がパニックになりました(笑)。

ハイテンションだけど、とことん優しい新曲「Cherish」

――さて、新曲「Cherish」は、石原さんとは初顔合わせのヒゲドライバーさんが作編曲を担当したハイテンションなポップチューン。癒やし度満点のアニメ『社畜さん』のOPテーマということで、どんな流れで制作していったのでしょうか?

石原 今回はアニメの制作サイドから「幼くてスピードもあってかわいい曲がいいです」というお話をいただいていたのですが、“かわいい”はともかく、“幼い”曲というのは今まで歌ったことがなかったので、「これはどうしましょう?」みたいな(笑)。自分の中に幼くてかわいくて疾走感のある曲のイメージがあまりなかったんです。多分声だけ作って歌えばいいわけでもないですし。それで、いつもならコンペで曲を集めるところを、スタッフさんを含め自分たちも見えていないところがあったので、そういう曲が得意そうなヒゲドライバーさんにお願いしてみることになりました。

――なるほど。作品とのマッチングを考えたうえでのヒゲドライバーさんだったわけですね。

石原 はい。まず、1コーラス分の音源をいただいたんですけど、その時点で今の形になっていて。たしかに幼さもあってかわいくて疾走感もあって、なおかつ自分ともかけ離れていない曲だったので、新しい引き出しを開けてもらった感覚がありました。タイアップでなければ出会えてなかった曲だと思います。

――これまでの石原さんの楽曲で言うと「ポペラ・ホリカ」が近い雰囲気ですけど、それとはまた違ったアプローチの曲ですよね。

石原 そうですね。「ポペラ・ホリカ」は同じように明るくて速いけど、電子音系だったので。「Cherish」はまずベースが今までにない感じがしました。私はスラップベースの音が好きなので、いつかベースが目立つ曲を歌ってみたいなと思っていたときに、この曲をいただいたので、「いいじゃないですか!」ってテンションが上がってしまって(笑)。そこからサビで火力が上がる感じも、オープニング感というか扉が開く感じがしていいなと思いましたね。

――ファンキーかつノリノリになれる曲調ですが、その一方で磯谷佳江さんによる歌詞は、『社畜さん』のアニメと同様、優しさの固まりのような内容です。

石原 まさに。明るくてスピード感のある曲なので、一見楽しいだけのように聴こえるんですけど、実は沁みる歌詞で、相手を思いやる優しい気持ちと、自分自身を思いやらないと相手にも届けられないという気づきと教えみたいなものが入っています。曲は“幼さ”を感じさせる要素がありつつ、歌詞は結構達観していて大人っぽい、そのギャップがクセになるし、きっとタイミングによって聴こえ方が変わると思うんですよ。フェスとかだと楽しい曲になるし、落ち込んでいる人に対しても、その気持ちにちゃんと寄り添えるものになっていて。

――石原さんがこの曲の歌詞で特に好きなフレーズは?

石原 私は特に2番のAとBメロのところ、“大事な人 大事にしたいな”から“チャージしよう シアワセなぬくもりを”までが好きですね。自分をちゃんと大事にすることって結構忘れがちだと思うんですよ。相手のことを考えるのはもちろんだけど、自分を大事にしないと、自分がすり減っていって、いっぱいいっぱいになってしまうことを、この歌詞は思い出させてくれて。世の中の人は頑張りすぎてるんだろうなって、周りの人を見ていても感じるので、だからこそ“限界なんてそうカンタンに 毎日超えたらダメでしょ?”という歌詞もそうだし、「幸せなぬくもりを集めて元気にしようね」というメッセージが、優しくサラッと伝わってくるところがいいなと思います。

――曲名の「Cherish」は“大切にする”という意味ですが、まさに自分をいたわることの大切さを描いた歌詞でもあると。ちなみに石原さんは自分自身を大事にするときのルーティンみたいなものはありますか?

石原 自分の感情を後回しにして、目の前にある物事を優先的にやらなくてはいけないことがあると思うんですけど、そういうときって最初はそれでいいかもしれないですけど、その状態が長く続けば続くほど自分がわからなくなってくると思うんです。涙が出てきたりとか、何かがもやもやしたり、自分がいっぱいいっぱいになってしまって。そんなときは、自分の心に向き合って、何で自分がもやもやしてるのかを見つけることを大切にしています。どうしても対峙できないときは紙に書きだしたりもして。あとは、お昼寝もそうですね。眠たいときには寝させてあげたほうが、すべてにおいて上手くいくと思うので。

次ページ:遊び心が満載! 様々な表情の“石原夏織”が楽しめるMV

SHARE

RANKING
ランキング

もっと見る

PAGE TOP